HOME 文責・作成・佐藤敏宏 | 佐藤敏宏の京都ことば悦覧録 2017年1月27日から2月2日 |
ことば悦覧録 |
山崎泰寛さん井口夏実さん 2017年1月29日京都市内にて その01 その02 その03 その04 その05 その06 その07 |
その03 山崎:この窓は既存なんです。この広さは4つに分けてて。こんなに広くって いいのかなーって最初から言っていて。もっと小さくっても いいんじゃないかっていうふうにも思ったり、話し合ったりもしてたんですね子供部屋の窓は そうとう絞ってもらったし。 北東の角にある子供部屋 小さく絞った木製の窓 対面共有型の机 佐藤:北側の既存そのままの窓の大きさは、このままでいったと。その他は既存のままですか 山崎:ちょっとずつ小さくなっています 佐藤:位置は変わらず小さくしたんですか 山崎:そう 井口:無くなった窓もあります 山崎:本当は階段上がったあたりに一枚窓があったんです 窓というよりは踏み出していく小さなバルコニーで、洗濯物を出すような。それをやめてもらったりして。 佐藤:東に進むほど高低差が大きい地形によって、1階がふたつ重なっているかのように建築を仕立ててる、2階の居間で聞き取っているけど「ここは1階ですよ」と言われても、「そうですね」と思い込みそうになるね 山崎:あの窓なんで「あの大きさでいい」ってなったんだっけ? 井口:もともとが あの大きさだったというのがあって、あまり変えたくないってこともなかったけど、なんだろうねー。 山崎:もう いいやーって感じになったのかな 井口:うーん 佐藤:ふふふふ 山崎:僕は凄い覚えていることがあって。窓の大きさを決めるときに彼女が、切れちゃって。 とにかく 一回全部 壁にしろ〜と。 全部壁にして、本当に必要な窓に必要な大きさだけ、一回 真っ暗にしてから開けるように考えて欲しいって言ったんですよ 結局そういうふうには なんなかったんだけど。 でもそういうつもりで、確かにそういうことだなーと思って。一回全部ふさいで窓が無いところから、もう一回ゼロから考え始めて欲しいみたいなことを言っていて。それはそうだなーと思ったんですけどね 井口:窓がありすぎたんだよね 佐藤:窓を整理し自分たちにとって必要な窓だけに したいいんだと 山崎 井口:そうそう そう 佐藤:天井は古い材料をそのまま表れていていたんじゃないでしょう、天井を取り除いて小屋組みを表してと 山崎:そうなんですけどね、売っているときにもう はがしてあったんですよ。天井ははがして売っていたんですよね。それでいいと思って。 天井があらわになっている 井口さんFBより 佐藤:新しい材料に古色仕上げしたよう見える小屋組みもありますが 山崎:色々整理してもらっているんですけど。 新・旧古材小屋組みを背景に2ショット 本当に新しい古い物は真ん中にある大きな梁。 あれだけは新しいんですよ。今回 入れた梁なんです。その他は既存です。 佐藤:柱をとったんで大きな梁を仕込まなければならなかったのかな〜 山崎:この梁は元々ここにあったんだっけ、こんなに太くなかったと思うんですけど 何かあったと思うんですけど 井口:あぶなっかしかったんだよね。 山崎:簡単に継いであるような感じになっていて、あまりにも危ういから、危なっかしいよみたいなことになって。 佐藤:表面になる素材はほぼ構造用合板で、床は磨いたそれを使っている。1階は黒く塗ってあり2階のまま。台所回りの一部にステンレス貼って汚れ防止で、他は土壁と合板仕上がり。土壁も荒塗りを途中でとめたような絵画の芸術表現みたいな感じ 井口:芸術表現じゃないんだけどねふふふ いつもの作業を途中でやめたんだよね 絵 新旧の壁 新旧の窓枠の融合するところをパチリ撮る 山崎:本当はこの上に仕上げをする話だったんだけど。 佐藤:1階の壁はどうして返し壁ぬらずにままにしたんですか 井口:ほぼ予算の関係です 山崎:何か貼ったり塗ったりすお金が無い 佐藤:お金が無いってことは豊か道を拓くってことですね! 余計なことをせず美しくなれる、そのまま表れて美しいです 山崎:こういう所も本当は合板を貼って、土が落ちて来るから。そう言っていたんだけど、合板を貼るお金も無いからやめてもらって。子供部屋にだけは あるんですよ。ふふふ 佐藤:意図的に とめたんじゃなくって お金が無いっていう それが格好いい お金が無いと よくなる ふふふ 起きると子供部屋で漫画を読んでいる 井口:意図的にやったことってなんだろうね 山崎:そこの台(居間中央のテーブル)作ってくれとか、そういうのは意図的にやって。そうなってますけど。 他はね、こういうふうに仕上げてくださいってお願いしたわけではまったくないから。こういうふうになりそうですねって感じで言われて。 佐藤:金に糸目をつけず古い材料を黙らせてここに居なさい、その無理さはどこにも感じないから、これでいいよね 山崎:うん 意図的に設えた居間中央の台が見える 佐藤:台所のステンレスはピカピカだけど、毎日作業するから汚れるので仕方ないけど、 山崎:そうですね 佐藤:強引に仕上げたね!そういのはどこにも見当たらないし 山崎:昨日も取材があって話してたんだけど。こっちから本当に要求したことは性能上の耐震と断熱はやってくださいとお願いして。 他は意匠的なことは本当に僕らも解ってないし、ふふふ「そうですか」って感じなんです。ただ、窓をどういうふうに採るのかっていうことと、台の仕上げがかなりお願いをして、諦めなかったところです。 居間中央の台の天端の人造石研ぎ仕上げ 井口さんFBより あとバルコニーですかね。 この床も最後まで床を仕上げ貼ろうかって話があったね。2階だけはリビングだからフローリングどうしようかみたいな。でもやめてもらって。 いつでも出来るように足元欠いて仕上げが出来るようにはなっているんですよ。 佐藤:お金が無くってできないことはやり過ぎを止めスリム美になるってことはよくあることですよね。やりすぎないで終えるって本当に難しいからなー 井口:余裕があると意匠っていうか最後の仕上げを考えなきゃいけなくなって。 2階の床の構造用合板を貼っているところ 小屋組みも見える 井口さんFBより 山崎:森田さんの仕上げがよくないわけじゃなくって、これまでも色んな町家とか幾つか見せてもらっていたけど。そういう意味では無理なく仕上げてあって、よかったと思うんですけど。我が家は途中でやめてもららって よかったなと。 佐藤:古建築だと修復っていう術があり、建築当初に戻す専門家された世界がありますけど、新しい生活のために再生させる古建築なので、生活の背景として軽やかに新旧素材を並べて好感度高いです。 やりましたが出てしまい ここの仕舞い方はそうそうないからね。そううのって柱も継いだ跡を見せたりしないうから。この家はそれらがありのままに在るので面白いですね (泊めていただいたベットに立ち撮る) 井口:新築を建てて、雑誌に載るような面白い住宅に住んでいる自分たちというのがあまり想像できなかったよね。新しい建築は好きなんだけどね 佐藤:私も好きです、人間が暮らすために作り出す特殊な解とし、興味がわきますし1/3ぐらいは、ちょっとおかしんじゃないかと思ってて、おかしから認めるよと、そいうのも俺はあります。 山崎:どんなにお金出しても、古い仕上げじゃないけど 古い物とかって買えないじゃないですか。新築はある意味お金さえだせば幾らでも出来ると思うんですけど これはお金出しても絶対出来ないことだから。なにが豊かかにもよるけど。こういう豊かさもありますよね。時間は買えないから。 佐藤:資金不足でできなかったとは記録にしにくいですけど・・・ね 山崎:いや記録にしてもらいたいです。それが本当に大事なことでした 佐藤:資金があれば「こうした。ああした」は今はないですか。 山崎:屋根 穴あいてそうなところもあるので、そういうところをやり直すとか。幾つかあるんですよ。まだ出来てないところが。そっちが最優先だから。30万ぐらいあれば床仕上げできるらしい。30万円あったらそれをやるかと言ったら。 減額調整おもしろかったね。毎晩2時3時まで表ででてくるんですよね (改修前の屋根 井口さんFBより) 佐藤:見積もり書ですね。それを詳細に見て削る作業でしょう 山崎:見積もり書を見て「これなんだろう」って、それを図面で確認して。 これ要らないかっ、みたいなのをどんどんやっていくんです。本当に千円さげるところもあったね 井口:ふふふふ 山崎:それで 減らしていって。 (改修後窓の大きさ バルコニーの有無を比較してみる) 佐藤:減額調整作業を発注者の方々がやってくれると、金額に関係せず建築家らしい仕事だけしてれば楽に思います。 周囲の景観自体をこの建築のすべての素材として見れば更に楽しいです。 隣の屋根も壁も色々な素材があるし、周囲がすべて同じ素材で窓から飛び込んで来たら居心地が悪いし。室内の素材もそうなので新旧が無理なく共振したり、室内の素材が風景と調和してるし。 隣なのか自分の家の床や壁なのか、曖昧になっているので気持ちいいですね。この土地や周囲がもっている場所の力が素直にこの家の改修工事に映し込まれているようにも感じます。だから無理なく気持ちよく感じるのかも知れません。不思議ですね。周囲の景観と内部の素材が対立してる様子がどこにも無いから。本当にここに居て気持ちがいいなーと素直に思います 山崎:すごく上手に設計してもらったなーと思いますね。 佐藤:建築雑誌にとりあげられたそうですけど、そのことの方が不思議です 井口:そうだね、あんまりおもしろく思われないと思う 佐藤:ここに居る快適な良さを雑誌で伝えることはできるのだろうか?難しいように思えます。 井口:変わったことしてないのにねー、凄い真面目に作ったんです。糞真面目に。 山崎:そうだね、生真面目としか言いようがないね 井口:ふふふふ ほんとうだよ 山崎:糞真面目にね 井口:うん 佐藤:その生真面目さがどこにも出てない点もいいですね ここ生真面目でしょうーってところが無い。 井口:それは 聞くと安心するんだけど。ものすごい神経質に作ったんです。だから窮屈だなーって思われたら 一寸嫌なんだよね 佐藤:おおらかでいいなーと、無理してないよなー、どうみても無理なく見えます ふふ 山崎:ふふふふ 佐藤:敷地を飛び越え見える屋根。屋根やそれらの各部屋・部屋まで俺の家だと言われても、そうだろうなと納得してしまいます。実はここは隣の居間なんですよと言われても違和感ないし。ここは誰の所有物なのか分からないほど、この家の持っていた歴史や時、景観も消化して 改修されたような気分がします 山崎:ああ 井口:お金が無いくせに、私も欲張りだから、お金無かったんですねーって見えない感じに作りたくって ふふふ それは森田さん上手だよね 山崎:上手!ローコスト住宅ってあるじゃないですか。ローコストに見えたらダイナシだから。そういうふうにだけは見えないで欲しいなーと思っていて。 井口:ふふふふ 佐藤:見えませんね 山崎:安っぽい材料で、ふかして豪華に見せるみたいなね。 井口:佐藤さんに風邪をひかせてしまったことぐらい ふふふ 佐藤:風邪 ひいてないです。鼻の手術をしているので、気温の差異が鼻を刺激してクシャミがでるんです 井口:5月とか気持ちがいいから来てください 佐藤:それはいいですね。目の前が永遠に変わらない場所 廟に接続してるって想像してなかったです こいちゃん:ママ 行こうか〜 ママ 行こうかー 改修前 改修中 ベットになるベンチを設えている 南東の角 井口さんFBより 佐藤:その窓辺に泊まり寝てたんだけど、比叡山そのものではないんですけど 夜明けとともに、東山の柔らかい稜線、おっぱお線のような山が薄っすらと姿を表し、暁烏がカーカー鳴きだして、徐々に周囲の景観が立ち現れて見えてくる場所なんですね。 映画にある夜明けのシーンのように時がながれていき、下の階では山崎さんの子供たちが起きても、そもそ声が聞こえて来て、気持ちの良い朝も体験できました。 (泊めてもらった布団)と窓とバルコニー) 路地のアプローチから徐々に東側が上がっていて 家に入りぐるっと階段を上っていく。ありのまま東山の形状が家の中まで映し入り込まれた改修設計になっていて、東山の地形を豊に活かしていると思います 山崎:そうですね 京都盆地の東側だから、朝はちょっと暗いんだけど。だけど光は綺麗に入ってきますよね。 佐藤:なにか ぐちゃぐちゃ言わなくっていい、住んでいる人も幸せだからと報告するしかない ふふふふ 山崎:だけど、最初の仕事の話に戻ると、敵対心、Mさんに言われた事ってそんなに否定されたり、批判されたりしたって思ってないんですけど。「本当にそうだったかな」って気がするんですけど。だけどMさんてプロだから色々教わっているし。「絶対言い訳するな」とか。今は「そうだなー」と思うんだけど。 ただ建築って総合芸術であるってこと、時に自慢するじゃないですか。あらゆる芸術の総合体だみたいな、こと言うでしょう。その時に、建築を学んだ人しか建築に関われないというのは「そうじゃないよな」と。 それは貧しくしちゃうことだから、詰まんない分け方でいえば、僕は文系ですので。技術系でもない人が建築の設計をしていく人を教えるというのは、状況として凄く面白いことだと思うんです。これから、そういう人が増えたらいいなーと思いますね 佐藤:俺は建築は総合芸術であるという発言には違和感を持ちますけどね。芸術というのはこれをやらないと生きていけないっていう個人の切実さがあって、自分自身を保全・癒すためなので 総合芸術論は不明 ですよ。芸術家自身は。やむにやまれぬ行為の果てに残る結果が芸術作品だと言われも。凄く個人的な行為で、そこから。生み出された作品を見せられた時に観る者の中に切実な問題として立ち現れて来て、無自覚な自分に出会うような事が起きる、それが芸術の良さでしょう・・・ 進学のためのの懇談会があるで時間に追われている様子 山崎:ちょっとごめんなさい 自転車で行くの 井口:むすめが あいちゃんとこに遊びに行く、今からね。どうする懇談会 山崎:どうする じゃないでしょう ふふふ 佐藤:時間がなければ 聞き取りはこれでやめてもいいです 井口:行ってくれるんだったら、これ渡しておくから行ってくれる、私は娘を置いてすぐ帰ってきます 山崎:15分ほど途中抜けます 佐藤:どうぞどうぞ 山崎:一回 中断しましょう 佐藤:じゃーそうしましょう その 04へ |
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