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        2014年 3月3日 おしゃべり
      
  清水久和と おしゃべり〜編  佐藤敏宏 ことば悦覧録 

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  (清水久和さんサイトより)

「愛のバッドデザイン」は、デザインの本質を見い出す活動です。デザインの本質が光る小さなものたちに、ユーモアを込めて「愛のバッドデザイン」と名付けました。

誰もが見たことのある工業製品なのに、暮らしの中のふとした場面でしか確認できない、些細でとるにたらないものたち。これらはデザイン的視点でみれば、機能と造形の究極のモダンデザインであるのに、誰かに注目されることもなく、己の役割に従い、静かに生涯を終えていくものたちです。私自身は工業デザインを仕事としていながらも、グッドデザインと言われているものより、こうしたささやかなものたちに愛着を感じます。

愛すべきバッドデザインのささやきを文豪今井信之の文章でお楽しみください。
 ↑とある 入り口を開き入る 




 03 

     ■ ダジャレをデザインに活かす 

清水:テーマはデザインの楽しさを発見

佐藤:最初からデザインは楽しいからそんなこと問わなくってもそさそうなものだが
清水ははははははは 言わないと 誰も言ってないんで あえて言うしかないんで
佐藤:ははは そうか これは1人乗りの自動車ですか
清水:これは去年の作品です 今年のやつはねーダジャレをテーマにした作品とか かなり柔らかい





佐藤:例えばどんなダジャレですか
清水:もやしマッチとか言って。マッチを燃やすからモヤシの形のマッチだったり
佐藤:一つの行為を二〜三度楽しむ いいですね
清水:あとは運パンダーか言って 運搬ができるパンダの形のバック。
佐藤:なるほど

清水:カニ鎌って言って蟹の素材をした鎌を作って 蟹鎌 素材が蟹の表面なの
佐藤:ちくちく刈れそうですね ふふふダジャレをテーマに新しいデザインの扉を開くと 面白いですね

清水:さすがにそこまではちょっとキツそうだなーと思ったんですけどふふふふふ 巧くまとめてもらいました

佐藤:
それらは 対話の時間の中から生まれたテーマで決めたんですか

清水:そうですね〜半年ずーっとワイワイやってましたねー。後でテーマが変わるのが本当に嫌だったので
佐藤:学生の反応はどうでしたか 話し弾まないんじゃないですか
清水弾まないですね

佐藤:良いこと言いたい圧が 強すぎますよね
清水凄い!傷つきたくない っていうのがひしひしと感じて来て 怒られたくないっていうのが  そこでねー 僕も何回かむかむかしたことがあって。怒らないって決めてたんですけど。だんだんだんだんその学生の言い訳を聞いていると 段々だんだん 怒りたくなっちゃって
佐藤:修行が足りないですね

清水:ぜんぜん足りないですよ。本当に足りなかったですね
佐藤:人を教え育てるって難しいですよね
清水:難しいですねー。だけど 目に見えた進展はなかったかも知れないけれど、前半の朝会を半年間続けたのが結構 効いているかなーっていうのは一緒にやってる専任の先生が言ってくれたんで。それはそれでよかったなーと。

佐藤:対話は言葉のキャッチボールで成り立つんだと思うんですが デザインの場合いも言葉で考え進めるんですか 手を動かして進めるんですか
清水:そこそこ出来るだろうということですよ。デザインの方も。それ以外の部分。会社に入って何が1番苦労するかっていうと コミュニケーションなんでそこは何とかしてあげたい。というのがありましたねー

佐藤:企業の中では 俺様デザイナーだぜー では通用しませんものね。清水さんの作品は日本史をはじめ言葉と繋がってくっついて生まれていますよね。リーゼントとか その態度は若い時分からそうだったのですか

清水:愛のバットデザイ
サイトへ)ンっていう本を作っていたときも、必ず写真と文章をつけたりしてたんで。興味はあったですよね。僕は自分で書くのはあまり好きじゃないんですけども。

佐藤:
キーワードを発明すると そこから ふつふつと作品が生まれている
清水:そうなんですよ〜。だからもし半年間で自分のテーマが見つかればその生徒達も楽だと思うんですよ。今後
佐藤:なるほど 将来を見据えて自分のテーマとなる言葉を見つける 作業をさせているんだと
清水:そういう時間って社会に出ると無いじゃないですか

佐藤:優しいですね〜
清水:はははは。会社は入ってからだと かなり苦労する、早めに見つけると楽なんで。
佐藤:言葉を発見し てデザインを発展させるという態度は企業に入ったときに足枷にはならないのでしょうか ただ聞いてるだけなんですが
清水:はははは

佐藤:何も持たずに真っ白な状態で企業へ来い は無いんですか
清水:ああ、なるほど。そこまで大きなテーマじゃないと思うんです。例えばその子が何でダジャレをテーマにしたのかという、昔からダジャレはあったんです。そういう処を引き出してあげる、確認させるだけですから。
佐藤:そこを拡張し拡大し自分のよさを見つけ出す過程で ダジャレが効くと。

清水:それだと展開し易いし

佐藤:それはご苦労さまでした
清水:はははははは

佐藤:企業でも学校でも話しをさせる場を作ることが第一だっていのは 清水さんを聞き取りしよ〜と考え 今日 来たのですが 想像してなかったです。手を使って何か訓練しているんだとばかり思ってましたまずは 初めに対話をする〜っていうの  ビックリしました〜 え!口を開かせ教育始めるのかと



清水:1,2年でたぶん基礎は出来ていると思うんで、手を動かす必要は無いなーと思っていた
佐藤:基礎が出来ているので強制的に口を開かせると 半年間続けるって長いですねー

清水:長いですよ
佐藤:今日の お題はこれよと持参されるのですか
清水:いやー 何も無いです
佐藤:生徒は また先生の顔見ているのやだなーって成らないんですか そう思うんじゃないかなー
清水:そうそう話すことねーよみたいな。
佐藤:3時間ちょい単に話すのは辛いですね〜
清水:いやいや 半分は朝会で 残りの半分はその人のテーマの発表、それでみんなでディスカッションするっていう方法です

佐藤:他大学から誰か来てワイワイすることもあるのでしょうか 教育的ぬか床を引っかき回しに来るお節介先生はいないのでしょうか
清水:岡田連れて来たかったんですけれど。なかなか時間が合わなくって。1人呼びましたけれども。前のゼミの先生をやっていた方です。

佐藤:善し悪しは別にして 先生の影響受けちゃってますねー
清水:それはあるでしょうねー

佐藤:清水さんは教育者の血が流れているんですか
清水:ぜんぜん無いです
佐藤:教育現場に初めて立ったと。

清水:会社で苦労したんだよ僕は
佐藤:後輩を育てるために苦労したってことですか
清水:そう。本当に大変。


  
清水さんFBより ゼミ生と共に

  
ごぞっと変わってた世代間の社会環境

佐藤:何が大変なんですか 対話不全ですか
清水:まずは何がって 沈黙〜している

  ごそっと変わったんですね。我々ぐらいまでの代って上からがんがんに怒られたり叩かれたりしての教育で上げられて来んですけれども。で我々がそういう立場に成った時はもう下が 全くそれを受け付けない状況うまく 橋渡し出来なく成ったというか。そこでみんな苦労してるんです 我々の年代。

佐藤:深くて長〜い ゼネレーションギャップのど真ん中に居たんだと
清水:そう。も〜LP だけじゃなくってCDやらMDやら 色んな物買わされたりする、もう散財させられる世代というか。そうでもあるし〜。コミュニケーションに関しては本当に苦労している世代だと思うんですけど。とても。

佐藤:清水先生の前の世代は高度成長 価値観一つで まったく多様性は無いでしょうからね
清水:まったくですよ
佐藤:メディアの種類も多様になり複雑になってしまいましたからね オヤジ達には理解できない pc使えないって威張る老人とか居ますからね ふふふふ

清水:我々の10才ぐらい下になると やり方が違いますんで。何か陰湿なんです。とても陰湿になって来るんです。なぜか?。


佐藤:超氷河期世代あたりからしたでしょうかね バブル崩壊の社会をずーっと生き続けている 。清水さんはpc使ってデザインを続けていたんでしょうか win95当たりからですか 
清水:pc無かったです。 pc使ったのいつからか思い出せないです ははははは そうですねそれくらいからですね pcが会社に1人一台ずつ導入されたのは。それまでは教室に1台とか。そんな感じふふふふ みんなでたむろってなんだこれ〜

佐藤:ワープロ出始めはそうでしたよね でかい機械だったし。今は当たり前のように学生さんたちはpc使うんでしょうか
清水:使いますね−。 とっても間に入って苦労したんですよ

佐藤:お爺さん側に苦労ですか 若いpc使いすぎる世代に苦労したんですか
清水:両方です お爺さんの方はまだ可愛らしい わかるんで。若い世代は なんでそんなことするのか まったく分からないんで。 

佐藤:90年初頭の多様に成熟した社会の中でバブルが弾け 95年にpcがやってきたから複雑になりますよね〜
清水:複雑ですよ

佐藤:高度成長期に生き続けたオヤジ達って毎年給料あがって、その後も老人大切にしろって馬鹿単純な価値観でいきてますからねー  清水さんは中間にドボンと填まった世代なんですね

清水:それで企業の中の人間関係が大問題というのが分かっていたので、そこは何とかしてあげたいなーというのがあったんですけど。

佐藤:今日の 聞き取り内容は 予想外の展開になっております
清水:はははははは
佐藤:デザインの話しじゃなく 対話についての聞き取りについて 語り合っている展開です。

清水:会社の中では出来るんですけれども
佐藤:デザイナーも消費者や生産者に向かって対話をしようとする姿勢がないといけないんでしょうか
清水:別にそれはない と思います 色んなタイプの方がいらっしゃっていいかなーと思います。おとなしくコツコツやっている人達も半分ぐらいいますし

佐藤:清水さんの作品見ているとサービス精神溢れ ぎますよねー あの姿勢はどこから出て来たんですかね 

清水:ははははは  

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