HOME 佐藤敏宏 2014年 3月3日 おしゃべり |
清水久和と おしゃべり〜編 佐藤敏宏 ことば悦覧録 01 02 03 04 05 |
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01 ■ どうして 若い人に 教えようと 佐藤:4年ぶりですが お久しぶりで では よろしくお願いいたます 清水:よろしくお願いします 佐藤: 清水さんが独立され 開業しつつ、桑沢デザイン研究所で教鞭 後輩の教育もされているわけですけれど、教育もしようという動機ですね。若い人に教えてやろうという。それは何だったんですか。 清水:若い人がかなり就職で苦労しているなーっていうのが、色んな処から 入ってきまして。 そんなことは 知らなかったですね。 佐藤:いつごろ 若者が就職で苦労していると知ったのですか 清水:5,6年ぐらい前ですかね。 佐藤:その声は デザインを学んでいる若者が っていう話しですか 清水:とりあえずそうなんですけど。えらく苦労しているなーと思って。会社(キヤノン)では採用のポートフォリオとか観るわけじゃないですか。仕事として。その後 面接とかするんですけれども。 そういった中でかなりポイントがずれている人が多いし。特に桑沢の学生がですね。応募出来ないと、キヤノンには。 3年制の学校だとキヤノンに応募出来ない。 母校が4年生の学校にしてくれないと応募できないと。そう決まったらしくって。 昔頭の悪いやつばっかり採ってた頃ね。苦労して大学にあがらなかった年代。我々の年代なんですけど。 要領悪いし、つまり公務員の 同じ試験なんですけど。さすがにそれはを受験するのが 嫌だからね。デザイナーになった ふふふふ。 その辺の問題があった。人事の方から「最低でも4年生にしてくれ」 こんな時代だしね。人材は腐るほど居るんで。 そうなったらしい。 「ちょっと ちょっと〜」と思って。「それ 変えてくれ〜」って動いたんですけど。「いやーどうもならない」ということで。半年ぐらいやっていてどうにもならない。 だったらねー 教えようと あんだけ苦労して学生たちがいるんで。 僕はサラリーマン永かったので、そういうノウハウとか。どういうポイントで観るかを教えてあげたいなーと。教えようと思ったのは それがあったんですね。 佐藤:企業の中に入って行くデザイナーとしてのポイントを教えてあげたいと 清水:そうです。 佐藤:清水さんは独立系のデザイナーを 今は生業としている訳ですけれども。独立系と企業の中デザイナー。またはデザイン事務所に所属するという 組織系デザイナーとしての活躍もあると思います。清水さんは それら3つの領域のデザイナーのことが解るわけですよね。そこは私は分からないのですが・・何がどう違うんですか 教えることの前に。そのことを聴かせていただけますか ■ 企業内 デザイナーは 超優秀なのだ 清水:う〜ん。企業の中のデザイア−って優秀でないと なかなかやっていけないってあるかもしれない 佐藤:優秀の物差しは どんなものですか 清水:しっかり 仕事が出来ることです。 佐藤:あ、期日守って仕事を出すってことですか 清水:はははははは そうそうそう 佐藤:社会人としての常識をもって 普通に仕事行動が出来るデザイナー人ですね 清水:才能面でも割と厳選された人が 入って来ているので。そこそこの力は持っているんですよね。それは感じましたねー 佐藤:社内に目利きが居るってことですか 清水:違います 会社に入ってからの学生の頑張りです。 たぶんいい人が入って来ているんだと思いますけど。 企業の選び方なんかたいしたことないので。参考になりません。 佐藤:この企業に俺は入ってデザインするぞーって気合い入れて来ているんだ 清水:そう そ〜う 佐藤:キヤノンの製品は 世界に出回る数が 圧倒的に凄い数ですからね 清水:そういった意味では優秀な人多かったなーと。今となってはははは 佐藤:今となってね〜 しみじみとねー ははははは 清水:しみじみ思います。はい。 佐藤:デザイン事務所をつくられて 何人かでやってらっしゃる方、組織系のデザインナーという方 というのも存在している訳ですよね 清水:そういう人達もいますね。 (S&O DESIGN 開業案内パンフなど) 佐藤:そういう人達をみての感想でもいいですが、企業の人と比べて こうだとか違いが何かありますか 清水: 企業の方は大事に大事に育てますんで。 佐藤:企業 金有るし〜 ね− 清水:超〜 よゆうなので プライドは高いですよね。 佐藤:企業の中の デザイナーって プライド高いんですか 清水:もちろん高いです 佐藤:そうなんですか。独立系の人達の方がプライド高いと思ってたけどそうじゃないんだ 清水:ぜんぜん違いますね。プロダクトって第一は企業に行くっていうのが1番の成功者として いまだにあるんだと思うですよね。最近はね さすがにそれだけでは無い と思うんですけど。 佐藤:建築家系の誇り的階層とは 逆ですね。独立して建築家として名を成す〜空気とは違いますね 清水:そうですね〜 佐藤:今はどうか分からないですが 私がゼネコンに入社したときは設計屋とか意匠屋さんとか 非現業 銭稼がない者 扱いで呼ばれてました。無いと具合がわるい 八百屋とあまり変わらん 社内の扱いでしてねー。 工事部長から設計屋来い と呼ばれますしねー 建築士とデザイナーは会社では真逆の扱いされているんですね 清水:ははははは。プロダクトデザイナーはまずは企業に入ってきますから。「何でか」というとしっかり製品がデザイン出来るからですよね〜。そして全世界に出回る。 佐藤:そうかそうか。それがデザイナーの成功モデル1と。 ■ 清水 成功モデルロードから 出る 清水:昔からね−、何十年も前から それがあったんですけど。それが2000年ぐらいから少しずつ無くなって来て。 佐藤:成功モデルが変容してきたの〜 因はなんでしょうかね 清水:我々みたいな年代というか、その辺ではまったく無くなって来ている 世代が違うと。車だとか、色々言わなくなって来ている。車に興味無くなったりしてますし。 佐藤:工業製品に対して若い人々の興味が無くなって来ているってことですか 清水:どんどんどんどん無くなって来てて それよりも雑貨みたいな。 佐藤:旧知の田中浩也さんが慶応湘南キャンパスで 3Dプリンター使った物作りを教えてますが。ソフトを世界に配布し素材は現地で調達する。 で 異なる品がドンドン出来る。これいいかも知れないナーという事態が出て来てましたですね。2000年当たりから 脱企業製品のような空気が少しずつでて来たと 清水:うん、あったと思いますね。例えばちょっとした深沢さんみたいな独立している人の下に入って学ぼうとか。そういうのが増えて来たと思う。 佐藤:ということは 清水さんは企業を辞められて、従来のガチガチ成功ロードマップから外れちゃって。 清水:そうですね 佐藤:独立すると 自由で凄いデザイン噴出しつづける、凄い事になる〜と デザイナー自身も思っているのかと・・・・ 今の今まで思い込んでましたが。逆だ!と 清水さん成功モデルとは違う 道に入っちゃっている。 清水:独立系だとほんの一握りですね。5人ですね。3人か5人。 佐藤:日本中でですか 清水:はい。 佐藤:狭き門 狭き路ですね 清水:狭いです。その3人の中に入りたいなーと思って独立したんです ふはは はははは 共に ははははは 佐藤:野心は あったんだと。そうか〜 清水:そういう話しはしていたんですけど。 佐藤:ということは発注者というか、デザインにお金を払ってくれる 個人は皆無なんですね。 清水:ほぼね。 佐藤:企業はこういう製品を作りたいから どう受けますか 清水さん、みたな感じで。 清水:しかも やり慣れている所じゃないと、なかなか難しくって。プロダクトデザイナーに発注できる企業ってほんの一握り。 佐藤:物作りの現場の事も知らないで 絵だけ描かれても製品にならないし、製品にしにくいデザインされても困るしと 清水:そうです。 佐藤:製造ラインからデザイナー批判みたな空気が起こることもあるんですか 清水:最近はあんまり無いんじゃないですかねー。実験的なデザインは30年ぐらい前で。さすがに実験的なデザインをする人は居ませんね。 ■ パートナー 大活躍 佐藤:清水さんの現在は成功モデルからちょっと外れたわけですが、日本で3人の儲かるデザイナーに入るか〜 5人に入るか 際どい位置にいるんだと 清水:際どいですね ふふふふ かなり 際どい 佐藤:賭の路に入ったと。まずかったら応えていただかなくっていいんですけれども。プロダクトデザインの仕事を頂くというのか、注文を受けるというのか、言葉は分かりませんが 清水さん 売り込みしなければいけないですよね〜。 待ってる 俺は清水久和だ〜と 座ってても誰も注文に来ないですよね。一人でやるのはなかなか難しいように思いますが。 清水:岡田がね〜 大活躍。 佐藤:岡田栄造先生が悪役を引き受けて 清水さんは好いところだけ アウトプットすると。 二人三脚ですね 清水:そうそう。はははは 佐藤:一人で善・悪の2役演じるの無理ですからね。 2人で運営する、悪役引き受ける相方が居る〜のは凄くイイ 賢いですね〜。 2010年の清水さんと岡田先生との2ショット アニメ 清水:岡田が一人居るっていうことでね、だいぶね違いますよね。 50才間際で独立するっていうのは 一人じゃかなり出来ない。今となっては思いますね。恐ろしいこと してましたね。 最初一人でやろうと思ってましたんで。 岡田も心配してくれてたのか「僕にも手伝わせてくれ」って 佐藤: 岡田先生 いい人ですね 清水さんのお手伝いを買って出て。一儲けたくらんでいたのかも〜知れないナー ふふふふ 清水: それはあるでしょう。もちろんそれは結果としてはね 成功したらね 佐藤:契約書交わしているとかですか 清水:口約束 佐藤:成功したら喧嘩して別れてください ははははは そこで私に 左団扇私 に1本でいいですから ください 清水:ははははは 佐藤:そうかそうか。岡田先生はデザインを教えられていて。元元はデザイナーになろうという野心もあって、横ずれして〜 教育者の路に入って来た人なので ある意味では 好いパートナーに出会ってますよね。 清水:そうですね ■ デザインで商品の売れ行き 変わらない 佐藤:すこし話題を変えますが キャノンのような企業の中に入って仕事をされているときに世界のデザインの潮流のようなものは気になさるんですか。 清水:インターネットで調べられる程度は、少しは観ておかないと。 佐藤:今頃これが売れ筋だーとかシビアにですか 清水:そううのは 全然ないですふふふ 佐藤:作ったけれど売れない ってないんですか 清水:ほぼ デザインで大きく売り上げが変わるって無いんで。 佐藤:あ、そうなんですか。 清水:我々が作った物はですね。デジタルカメラは当時売れていたので。作った分だけはける。作った分だけはけるっていう繰り返しだったので。 その中でデザインが好いからって買ってくれた人もかなり居るとは思うんですけれども。反響としてはね。 会社全体の反響としては、その機種が売れたということにしか ならない。まぁ〜デザインも良いんだろうなーみたいな。ふははあはははははは 佐藤:デザインの評価が分からないんだ〜 企業ではと。 評価する部署とかは無かったんですか 清水:無いですね〜 佐藤:企業はデザイナーを抱えている訳ですよね。企業の中では一目置かれているんですよね。 清水:なんちゅうか変わったね、ちょっとずれた人達というか経理畑の人達とから見るとね。人事畑から見てもね。そのくくりとして何かやってもらおうと。いう感じではありますよね。 佐藤:今まで 誤解していたので。清水さんは独立系デーザーナーになり 成功モデルをひた走りに走り始めたんだと思っていいたんです。 企業と永年契約 そういう契約の仕方は無かったのでしょうか その02へ |