HOME 佐藤敏宏のことば悦覧録 | 倉本剛さん編 吉祥寺にて 2014年6月6日 01 02 03 04 |
03 倉本:そうなんです。僕が参加して3件目ですけど。何か可能性としてはどこまで外見も 変えて行くかって難しいんですけど。 佐藤:窓は決められているので 内部だけ設計するということですね 倉本:1番最初はほとんど窓は変えられなかった。次もそうで、今やっているやつは窓はちょっとプランによって変わって来る。 まとめるのは難しいんですけれども そういうのをもう少し コーポラティブらしさが外観に現れる方が面白いじゃないかなと、個人的には思って。そういうのが出来るといいなーと。 佐藤:表情は統制されてしまっていると。 倉本:本当にインテリアプランになって来ちゃうというんですかね。 それが外に現れてこないところがあるので。もうちょっとそこに可能性があるというか。 佐藤:集合共同住宅なんだから 住み手それぞれの表情が外観にも現れ出る方がいいだろうと。 倉本:立体的な長屋というか敷地を作ってあげるというふうに割り切って考えて。そこに対してそれぞれの家を 佐藤:組合をつくるプランナーに比べて倉本さんは優しのかもね 倉本:そういう立ち現れかたも許容したいというか。流れとしても それは順当だろうと。 佐藤:お洒落な外観が崩れだし 統制されずでは 崩れ出す可能性もありますよね 倉本:そうなんです。そこが難しいかも知れない。 佐藤:外観である種の価値 幻想でも好いから幻想の価値でも保全するためには みえをきった 統一した外観が要る そうしないと共同住宅の品性は保てないという立場と。何でもありで 外観に活力を露出させるという立場もある。 倉本:戸建てと同じですよね、戸建てはそうですよね。基本的には自由じゃないですか。 佐藤:現在は材料も 外観に対する考えかたも 世界中から持って来て 参照しているかのようで、住宅地に迷い込むと ここは何処?って外観が集合しているニュータウンは沢山ありますよね。見本市的ですよね 倉本:それに対する、それも街区だけで敷地は土地が細分化され てそこに好き勝手な家がチョコチョコ建っている。そういう感じなんでしょうけども。それとマンションの間みたいな。 佐藤:自分の考え方と他の設計者で考え方が異なると 倉本さん自身にストレスがたまるんですか 全体の考え方にも参加しないとストレス貯まるとか・・・ 倉本:そうですね。全体をやりたいというのもありますし。だから、挑戦するというか、個々の考えがでるのは現れ方として面白くなる可能性が・・ 佐藤:個々の家の集合なのか、町のスケールなのか 大きな都市計画の話しなのかどんどん広がっていきますよね、その辺りは どこで とどめるのでしょうか。地球環境も考えてですか。 倉本:例えば都市計画が一人のアイディアでばしーっと作られていくようなものってちょっとおかしいような気がして。 佐藤:ニュータウンは外形を決め グリット状などに路を入れ町をつくっていた、昔は道があってそれに沿って家が張り付いて成長するという違いがありますよね。簡単なシステムで個々の豊かさと成長が保障できればいいわけですよね 倉本:僕1人の考えで全部をやれば1から10まで作り込んでするような作り方ではなくって。他者が介入してくることによって自分もそれをどこまで許容するかってところが出て来るんですけれども。そのせめぎあいで生まれた来た結果っていうのが少し活きイキとして来る、そっちの方がイキイキとする現れ方になるんじゃないかっていう思いがあるっていうことなのかも知れないです そういう意味では好いのかどうかは分かりませんが、そういうのに興味があるとこです。 佐藤:住み手だって面倒なことは考えたくないから、専門家なんだから考えてよってところはあるでしょう 倉本:そうなんです。カウンターとしてはそんなのまで考えたくなくってそこはお任せしたいと。中だけやりたいとっていう。それだけで充分だという人ももちろん。そういう人はそこに入ってくればいいし。 佐藤:形式があることで生まれる自由さってのもありますよね。写真をみせていだいても相当それぞれ違いますよね。 倉本:全然違いますね。凄い分かり易いのは 元元のユニットのプランというのが。 外形というのがどこまで自由度があるかによるんですよね。ほどほど、最初のやつは僕も好きなんですけども。色々やりようがない空間が もともと与条件としてあって。そのなかでどういうやり繰りするかっていう。 佐藤:これは高さ制限があって地下に埋まっていったんですか 倉本:これはそういう ユニットなんです。もともとが。同じものでも これだと地下1階と1階のユニットだったり。 佐藤:地下に住んでカビはえたりしないんですか 倉本:ドライ・エリアがあれば割と抜けていきますね。こういう中で容積最大にするというと 地下を使うことが多いです ほぼ地下をつくります。 佐藤:防水しても きつそうだよね 倉本:躯体防水して、湿気ね。水位が高かったりすると本当に対策は大変ですけど。 それぞれのユニットの話しが続いている これは地下の浴室です 水回りが窓際に来て浴室を透明にしておけば光は入って来るので。じめっとしないし。外の視線が感じられないので。地下ならではです。 次は部屋と庭の家です 30坪の敷地に30坪の建物を建てる。だいたいこんなボリュームになってくる。南側の建物の陰になる庭みたいなのが出来るぐらいしか都の区内だと難しい。それに対して家を卵をぱかっと割ったように割って、それで庭を取り込んで。そこに窓開けて外周に窓を開けなければ視線のバッテン愚もないだろうし。家の中に別なスペースが入ってくるというのですかね。屋外の生活の場所が入ってきて。それが混然一体となったプラン 佐藤:家の中にスリットが仕込まれているんだと。風車みたい で間に色々植物がはえてるプランですね 倉本:南側かが北側に光が通り抜ける場所であったりとか 佐藤:このプランは実現したんですか 倉本:これは実現しないですね。したいですけどもね。 佐藤:通路の隅々に部屋が付いていると。階段の端々に部屋が付いているかのようですね 倉本:真ん中に動線が固まっていて。 佐藤:お金が出来たら周りをクルクル上へ増築してもいけるね。 倉本:混然一体となったような庭が入り込んだような。というようなことをやりつつもなかなか 佐藤:次は目の前にあるでかい模型の建築について話していただきます 42:11これは形が歪んでますね。 倉本:これは敷地が高輪なんですけど。敷地がこんなふうに変形してて。一方から見ると突き当たりっぽいカーブしてくるなか。鋭角に坂路上っていくエリアもあるんです。 佐藤:一方から見ると屏風を立てたようにも見えますね 倉本:屏風です そうなんです。敷地なりに まっすぐ考えていたんですけれども、周りの建物の窓を見たりとか。隣の家の緑だとか。敷地に立つと道路上にずーっと向こうが見えるんですね。眺望がいい。こちらは北側斜線ギリギリです 切られているんです。 周りがくねった道と坂道なので、それに対してヨーロッパみたいに道路に対してがしっと壁作るんじゃなくってですね。振ることで色々見通せるとか。角を曲げることで道路の向こう側を見せる。見たくないような所には窓を開けずに。眺望がよさそうな所には大きな窓を開けたり。周りとの関係を作ることによって壁を屏風状に折り曲げたんですね。 屏風っていうもの一枚のまっすぐな壁と比べて、奥行きあるというか、周りとの関係性から生まれて来ているような。空間が生まれてきているような感るものがあるので。 佐藤:折り曲げた方が 建物の表情はでますね 倉本:歩いてシークエンスしても、歩く位置で色々な面が見えるので。町並みとしても歩いてて楽しい。一つ一つ全部違う角度になっているので。最初平行の壁も ちょっと角度変えてみました。必ず少しずつ面の色が変わっていると。 平面的にはそうで、屋根も同じで北面が北側斜線で切られたような。RCだとフラットルーフで切られるのかも知れないですけれど。そうではなくって、屏風と合わせて屋根も折り曲げてなるべく南の光を入れたり 受け取るとか。 プランとしてはですね、メーンエントランス、基本的には最上階とこの当たりがオーナー住居で多きいんですけどね、それ以外は賃貸。 佐藤:オーナーの家が賃貸の領域に大きく被った形状だと。 その04へ |
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