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倉本剛さん編    吉祥寺にて  2014年6月6日   
 
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倉本:ノックして許可を得て入る。そうではない時は だいたい空け放つらしいですよね。日本は引き戸とかで元々は音を気にしていなかったんですけど。だんだん防音する  そういうふうに仕向けているんですかね。気にするように。

佐藤:生活作法によってプライバシーを守りつつ他者との関係の仕方を捨てはじめたのかな  日本での曖昧な関係は切り捨て オン・オフしか無い社会を造り上げつつあるのかもしれないですね。 
倉本僕はなるべく関係性が強くなるよう計画している。これたまたま角の住戸なんですけど。共有スペースに対して、窓を設けているんですね

佐藤:倉本さんは他者との関係性をシビアに考えてなかったとうことですか。交流するのは仕合わせになるのだあ〜 とばかり言えないですよね。他者と関係を少なくするほうが仕合わせかもしれないってことについてはどうですか

倉本:僕はどちらかというと、他者との関係をつなぐことができる環境を作っていって、選択肢としては調節できるような仕掛けがあるとしてですけども。

 基本的には壁でポンと仕切ったらそれで関係は断つという方向はなるべく控えていきたいという気持ちはあります。難しいんですけどね。
佐藤:倉本さんのプランに住む人は自立した 個人を自覚して住まなければいけないのかも、それが前提になっていて。それを提示し作っても活用されない反省点はあるでしょうから その当たりを



倉本:それは確かにね。徐々にやっていくのか、程度が どれくらいが頃合いがいいのか。
佐藤:そこに建築家が関わるべきことなのか、関わるっていうことは どういうことなのか、ちょっとまだ未整理なのかな その当たりを
倉本うーん
佐藤:家族の塊が一つの身体だとすると、関係がうまくいってないと全体はイキイキしないみたいな考え方で 手をつっこんで行くのか、そのあたりはどうですか
倉本:実際にね、この物件の場合は分譲だからプロトタイプみたいなところがあるんで難しいんですけども。確かにお互いを 自立した個で完全に分けていって、あるいは町並みとして あまりオープンも嫌だし。中で完結した空間つくりたいという要望の人も多いと思う。

佐藤:倉本型 この家で暮らすためのルールや了解事項を共有してないと トラブル。トラブルを起こして問題点を明らかにしていくという方法はありますけども。どっちが どうだか分からない
倉本難しいですねー。どこかで危険性、本当にそれはバランスになっちゃうですかねー。意識してないとドンドン簡単に近代的な、自立したある考え方、思考っていうんですかね。特に完結していくというんですかね。そういう風に直ぐにモダンな方向に、近代化の方向に頭が行くのが、行き易いというか。

佐藤
:そこらの問題点に気づいたと。そこに行き易い社会になっているけども 家族間では そうはならないと。倉本さんが 立派になって行くことは自分の努力で立派になっていってと言っても 家族はその裏でしょぼしょぼになっていた、疲れ切っているみたいな図柄があるったのが 近代の今までだった。

 人間の関係性の群で、人間が関係性の塊として、倉本さんは焦点を当てる そう投光されるのではなく、倉本さんの暮らす全体の塊に焦点があたり投光されるようなあり方になっていく。そのような発想は少ないですよね。

倉本さんが家族関係から抜けだしてスーパーな建築家になっていく、家族はそこで疲弊していた。でも建築家が賞賛されていしまう 支えたはずの家族の間には貧しい関係しかないのが現在の姿であると私は思います。 誤解のないように付け加えますが、倉本さんの家族がそうだと言うのではないけれど そうう事態もあると想像しています。

関係性のあるパートナーの誰が欠けても豊かさが失われるんだということを自覚して暮らす場と それを活用する人間性をもった それぞれの関係があれば 巧く倉本案は駆動すると思いますけれど。個人が頑張つつ全体もよくなる 全体が好くなると個人が頑張るなど 色々な組み合わせがあると思います。

そこら当たりは設計者が考えることなのか?使い手が それを空間から学んで 豊かな関係性の育つ家族になっていくのか。建築家が使い方を教育していくのか。その当たりはどう考えますか。コンペは実験ですからね

倉本:そうですね。僕の考え方として、昔の日本の暮らしが、住宅一つでプランが田の字だからというのではなくって。他の周りの環境だったり、全体的な町並みの中での生活の中での一つとしての住宅として現れてるんでしょうけども。いずれにせよ、そういう意味での このプランに近いと言いますか。かなり壁に耳あり障子に目あり的な処はあって。

佐藤:個が自立しなくっても 家や建物を使うサイド たとえば商店の構成員が一体として生きていた。現代社会は個が分断され流動化しつづける構成員の集まる場に家がなっている。倉本さんは逆戻したプランをポピュラーな考えを持った買い手が 住まわされると・・どうしていいの??
倉本確かに極端に

佐藤:たとえば倉本プランを見ず知らずの者がシェアハウスとして という考えてみると それぞれが自由を羽ばたかせて即問題が起きますよね。育った歴史も環境も生活作法など異なる、共通の躾や暮らし方が無いのにいきなり倉本案で生活しだすと どうなるか。トラブル起きますよね

倉本そうですよね
佐藤:トラブルから何を学び 生きるための家として活用する案を生み出せばいいんだが。トラブルが無いような方向にばかり作られていいたので 倉本さんは実験的にコンペで案を投入してみたというのは好い。だから採用された。
倉本極端な例になっているかも知れないですし。コンペという性質もありますけれども、

佐藤:おおいに好い提案だと思います。
倉本そういうのを示す必要があるかなーと。現実的にはもうちょっと プライベートの事も意識しつつ。作っていくとか。他のプロジェクトでも必要なことになって来るので。いずれにせよ方向としては

佐藤:シェアハウスだったらいいと思う ルールを皆で作り上げ家を経営し合おうとする集まりだったら。同じ構成員の家族が住むとすると 構成員の入れ替わりが無いのでキツイかも知れない。このプランが学生のたまり場の家だったら a、 b、cさんが居て。1年ごとに組み合わせが変わって育つ関係性の方が 合っているし 意外に豊になるように思える
倉本それでもいいかなーと僕も思います。

佐藤:家族というと死ぬまで一緒だ〜が強すぎて、そのことによって流動性が嫌われる可能生はある。最近は離婚することに何の抵抗も無いので、組み合わせがドンドン変化して 誰の血縁だか分からない人と人が一緒に暮らしている ということもあるかもしれない。古い思考の者が入ってしまうと 虐めが強烈になるかもしれない。そこら当たりの考えるための手がかりがあって 面白い提案だと思います。実験的でよい。

倉本ある人がみると 病院みたいだとか。ここが待合室で診察室で裏動線があって。よくある病院のプランなんですね。病院として凄い使い易そうだと。そう見る人も居れば。オフィスとして使えそうだとか。

佐藤:倉本さん自身の課題が一杯出て来てよかったじゃないですか。実際に完成して売れて。課題がクリアーに解決した訳ではないけど。
倉本:その後 浜で作ったりして。写真は無いけど。



 写真集を見ている

 これは前後してい。 これは2006年です。インタビュー受ける前のものです。説明してないかも知れない。 

佐藤:ポートフォリオはお客さんに見せるために作ってあるんですね。前回は2008年の春に来ましたから。出てない話しもあると。

倉本コーポラティブ住宅です 組合を作って。で、場所の好いところで戸建て作るのも それぞれ難しい。耐震性も含めて 耐火性もある建築に住みたいというと選択肢としてあります。

 中で自由にインテリアを作りたいという、自由なプランを作りたいというニーズに対してはコーポラティブ住宅ってなかなか面白くって。組合員が10家族なら10家族でつくって。一つの土地をみんなで買って。

で1棟何か建てて、その中のプランは自由に出来ると。

佐藤
:都住創なんかがありましたね 
倉本同じです
佐藤:資金によって手に入れられる大きさが異なると。

倉本:厳密にし、あとは角地だったり、2階だったり地下だったりとか。


佐藤:町家っぽい 壁や床は共有しているけれども出資する金額によって広さが異なると。
倉本立体長屋ですね。みたいな感じだと思います。そのインフィルですけどね。
佐藤:早川先生が躯体の設計をし 倉本さんはインフィルを請けるということ。組合のまとめ方は早川先生が
倉本総会が開かれ、一緒に行って。外観までは 私は触らない中から出て来た要望によって外観が変わることに対して調整するという。そういう立場ですね。

佐藤:インテリアの仕事に近づきますね
倉本:そうですね、一つのインテリアのプランをだす
佐藤:都住創や高知の沢田マンションかな・・・高知のは無法であるが 増えてる建築もある。共同で集合住宅を建てるというのは、土地は誰が探すのですか。

倉本プロデュース会社があるんですね。コーポラティブ住宅を専門としている所があって。そこが企画して土地を探して。ここに これくらいのものをこれくらいで建てられる  興味ある人は居ますか?と参加者を募って。組合員が揃ったとしたら、それで土地を買いましょうと。

土地を買って、建てていく。 そういう組合の事業をサポートする、プロデュースをやっているプロデュース会社があるんです。住み手が自分達で土地探すとか 組合員を探すとかではなくて。そこまで手が回らないので。

集するときにも、何も無い ここから建てましょうって募集するのではなくって、あるスケルトン、全体像があって。それに対して中の参考プランみたいなのをとりあえず作っておいて。それぐらいになってようやく買う人達のイメージが何となく良さそうだと。そこで参加していただき 全然違うプランに変わっていく。

佐藤:見ず知らずの人が 同じ敷地に集まって 建てていく手助けをされていると

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