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     2001年 大島哲蔵さんと佐藤敏宏の私信交換   home 

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● 20001年1月04日 16:45 

大島哲蔵様

新年おめでとございます。本年も楽しい1年にしたいと想います。

昨日から24時間降り続いてる雪は40センチぐらい積もりました。容赦なくあらゆる所に積もる雪は、人にある種 あきらめとかんがえを育ませ、いいものです。こんなに沢山市内に積もるのは20年ぶりぐらいでしょか。大阪はいかがですか。

今年の抱負は今図面を書いているものを一つ建築として実現させたいと思います。自分らしい建築を作り、他者の生活が楽しそうに思われればいいです。

それからデザインと建築の関係も考えてみたいです。デザインする必要が有るのかといつも考え込んでしまいます。タダモノが並んでいるだけで良いのじゃないかとさえ思ったりします。ニミマムや抽象的な形態操作 限定して創作をするのは確かに良い方法だと思いますが、雑多な生活とは異なりまし。しかしデサインを放棄すると建築として他者と交信出来ないのかな…と。

その辺の所を今年は教えて頂きたいと思います。本年もよろしくお願いいたします。



2001年 1月06日23:12 Re:楽し一年に 

佐藤敏宏様

こちらもとても寒く、仕事が手に着きません。でも雪は降っていません。

こちらからすると、ドカ雪が積ってしまえば逆に覚悟が出来て、また集中できるのではーなどと考えてしまいます。

デザインと建築の問題は一筋縄ではいきませんが、最近はっきりしてきたのは、「xxxでなければいけない」というのではなく、その人なりの責任と思いの中で導き出された結論ならば、にぎやかだろうとミニマルだろうと差し支えないということです。あとは他者が支持できるかどうかだけです。

ミニマルを真似しただけの表現は結局魅力がありませんが、本格的な思考を伴った、熟慮されたミニマルはジャッドも言うように、「徹底的にデザインされた結果としてある」わけです。

設計主体の身体条件や敷地の設計条件そして施主の意向などによって方針は決まるのですから、作風は変化しながら(一人前の設計家なら)一貫しているに違いありません。

身体的、精神的にポジティヴな状態を持続できれば互いに良い仕事が出来るのではないでしょうか。そしてよい身辺情況とは 結局自身がリフレッシュできているかどうかで決まるようです。 魅力のない者の近くには誰も近寄ってきませんから。

互いにますます気になるオジサンになるよう競争しましょう。


20001年1月9日 13:29 また大雪でした 

大島哲蔵様

先日は貴重なご意見有り難うございました。健康であり、気になるオジサンになる、難しいですが 個人的に楽しく生活するぐらいですかね。コチラは若者や可愛いオネイチャンは見かけないですから、楽しくできます。

一昨日から降り出した雪が、60センチも積もり、起きてビックリしました。65年ぶりの大雪ですが、平地でこんなに沢山の雪を見ると動揺しますね。 先日の分とで80センチはあるし、春先の様な雪で重いんです。早速トップライトの雪を下ろしガラスの破損を防止しに奔走して、今日は体が痛いです。

沢山積もった雪の処理に困りますね。敷地に余裕がないと、道路に積み上げるしか方法がないのです。これから雪が溶けだして軒先に集中するので、屋根が壊れそうな家が沢山見うけられます。自然現象は人にとって適量があるようで限度を超えると、綺麗なんていってる余裕が無くなりますね。恐ろしい程の量でした。

新年早々雪便りでした。




● 20001年1月10日 23:30 Re:豪雪見舞い 

佐藤敏宏様

自然には勝てませんね。雪も楽しまないと行けませんが、元気に子供達が手伝ってくれるうちが良いですね。

もう少し近いと加勢に行けるのですが........。大阪はますますおかしくなって来ました。無内容な公共投資だけが頼りだったことがまるわかりです。 民間は何をやってもペイしないので 頭が痛いようです。 ガキマーケットだけはかろうじて維持されていますが、そこからは何もでてきませんし。

明日から学校が始まるので、サヴォア邸とファンズワース邸を対照的にとらえて、同じモダニストがどれほど違った問題意識で近代住居をとらえていたのか考えさせようと策を練っています。 いつもこちらのかなぶりに終わるのですが、多分何年か先に少し思い当たってくれるだろうとの遠大な構想でやっています。

またいろいろご報告します。大島哲蔵




2001年 1月18日21:47  相変わらず雪降ってます 

大島哲蔵様

相変わらず大雪 小雪が降っています。庭に雪の山が何カ所も出来ますし、道幅は雪で狭まり身動きがとれないです。

こんな時 夏冬同じ1時間で生活するのは可笑しいです。 熊のように冬眠するか せめて夏の半分しか働かないのがいいなーです。記憶にないほど降り続きますね。暖かい地方が羨ましいです。

サボア邸とワース邸の講義おもしろそうですね。自由闊達なコルブと変人ミースの取り合わせで大いに教育してください。楽しみにしてます。 今日のメールで来月のフォラムは植田さんの話だそうですから、よろしくお伝え下さい。

住宅の図面を書き上げ来週から見積もりします。久しぶりの仕事で規模を大きくしすぎて苦笑してしまいます。予算調整などがんばります。また連絡します。




 ●2001年1月28日 23:27 Re:相変わらず雪降ってます 

佐藤敏宏様

降雪お見舞い申し上げます。東北だから少々は仕方ないなんて思ってましたが、本当に冗談じゃない感じですね。

昔の人達はそれでも逞しくやっていたような気もしますが、モダンな生活スタイルは雪との付き合い方も見失っているようです。ただこちらも毎日があわただしく過ぎていくだけで、いうほどの充実感はありません。

先週 私とやり合っていた芦屋市の助役がつまらない収賄でつかまりました。ざまあみろと言うより、哀れな感じがします。京大の土木をでて出世コースを走っていた44歳の男です。

雪中の設計でできる今度の住宅は想い出に残りそうですね。私も10+1に頼まれた長目の原稿の下調べに眼の疲れを覚えながらも励んでいます。

明日はワタナベさんと公団の課長と話しに行きます。何か仕事につながる展開を期待してのことです。 春秋塾をシンクタンクにするつもりがあるからです。先週からもう二人の人とこの件で会っています。どうなることでしょうか?

学生のレポートを読んでいると、ほんのたまにですが読み応えのあるものが見つかります、ささやかな楽しみです。もう少しすると各校で講評会が始まります。多分2〜3校からお呼びが掛かるでしょうから、また盛り上げねばなりません。

またご報告します。雪に負けずに楽しい春をイメージして過ごしましょう。大島哲蔵



2001年 1月30日 15:37 CAD特訓中です 

大島哲蔵様

今日は久しぶりに気温が暖かいです。季節に合った暮らしやその土地にそくした生活が、ITだのグローバルとかはやされて、落ち着かないですね。

助役さんも収賄で捕まり、政治と行政回りは お金にまつわる悪事は後を絶つことは無いでしょうね。

住宅の設計はほぼ完成して模型や見積もりをしてるところですが、予算内にまとまれば良いのですが、調整しなければいけないでしょうね。やりすぎないようにしましたが、どうでしょか。

こないだの10+1は面白かったですよ。割合好き嫌いがはっきり出てて、当事者にはどうだか解りませんが、提灯記事が多いなかで、ミヤモトさんや大島さん関西の人は言いたいことを書いてるね とおもいました。

今度の記事も楽しみにしてますので、頑張ってください。

仕事を確保するのは難しいモノですから、春秋塾がシンクタンクに成って、若い人々が活躍できる基盤が出来れば良いですよね。甘やかせて建築家が成長するのかどうか、判りませんがもう少し何とかしないと、いけないと私も思います。

学生さんも行き先なしで、大学に授業料だけ納めて、独立や起業する手法を身につけないと、助役さんに手揉みして最後は お縄では余りに、気分が優れないですからね。人が育たないことには、しょうがないので、大島さんも若者を元気ずけてやってください。

こちらも若者を捕まえて話を聞きてますが、現実問題に翻弄されて日々に追われる人ばかりですから、何も言えないですよ。 本当にそうなのか、才能がないのか問いつめても可愛そうな気もしますし。

そうですね、楽しい春をイメージして過ごすのが、おっしゃるように一番良いことですね。 10+1楽しみにしてます。ではまた。



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