2010夏 ことば悦覧 in うるとらまんchin々 (仮想領域 大坂・京都) | |
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水野大二郎 博士 「デザインイーストを語る」 聞き手:佐藤敏宏 その01 02 03 04 05 06 07 |
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その05 | |
水野:青木淳さんのルイビトンの市松模様っていうのが。表層の隙間から起きているっていう モヨモヨモヨっていうのが起きている 佐藤:モアレね 水野: はい モアレが起きているっていうのを、ファッションにも実はモアレっていう生地が有るんですよ。初めからモアレ効果が起きている。何かそれじゃなくって。ああいうふうにして空間、あいだを見せたら面白いんじゃないかと思ったんですよね。衣服と身体の隙間にある空間っていうのがファッションが可視化しようとしている部分だから、それを形にすることが ファッションデザインにとって 最も面白いこと何じゃないか。 佐藤:ピカンとアイデアが浮かんだと 水野:それを卒制にやって、論文書いたんです。論文意味不明ってふふふふはははは 確かファッションとイデオロギーとかって書いたんです 暴走しました。で院の時にはそこまで、暴走はしてなかったんですけど。院のときには現象学とファッションとかっていうので何か書いたような気がします。 佐藤:フッサール登場で、英語で書いているんでしょう もらいたいけど 俺 英語も読めない ははは 水野:英語で書いてます。院のときは優秀賞 なんかもらったんですよ 佐藤:一人でも優秀賞あるの、全体の中でかな 水野:学科で優秀賞でまして。なんだっけかな、あそうだ、共感覚をテーマに、物を食べると形を感じる。あちがうはそれより分かりやすい例が、何かを食べると音が聞こえるとか。色を見ると音が聞こえるみたいに、一つの知覚の刺激から二つ以上知覚が感じるっていうやつなんですよね カンディンスキーとか。言ってみたらファッションもそういう部分が、デザインのプロセスの中において重要視されているんじゃないかと、無意識的に。ドローイングしていて、素材を布屋さんに選びに行って 重さとか質感とかって凄い大切にするじゃないですか。それって記号的なプリントよりも重要だったりする訳ですよね。 建築家もそれって大切にしているけど、言語少ないよな気がしたんですよファッションに比べて。ファッションってやたら、 学科の建築のナイジェルコーツとかが来てするんですよ たまに。ファッションとかテキスタイルの学生って 先生作品評価するにの触ったりするんですよね。学生同士も触ったりする。そんなの見て、それが面白いっていうふうに言ったんですよ。作品評価するときに モデル触って、これ気持ちいいね〜とか 佐藤:ははははは 水野:頭おかしいじゃないですか そいつ。そんで、彫刻だって同じように、触るっていうのを中心にしている人も もちろんいるし。それはそれで置いておいて。 そういうふうな触覚性というのがデザインのプロセスの中において凄く重要視されているし。最終作品もそうやって重要視されてるっていうことが 意外だった。衝撃で そんなん当たり前じゃないですか。 でもファッションの人たちはそれを言語化出来ないんで。それだったら もしかしたらそういう曖昧なプロセスに支えられいるものなのかな〜ということを調べていったのが 院の時なんですよ。 佐藤:曖昧なプロセスを 歴史的に解明しようと な新聞とかファッション雑誌の記事での扱われ方を分析したわけですね 水野:そんときはね 確かね何したんだっけな〜 佐藤:論文だから何か参照しないと 水野:参考にしてたのは 岡田先生の博士のときにも出てきたモードの体系 何だったかな〜そうだ思いだした。オノマトペの研究を少しして 佐藤: マンガのオノマトペですか 水野:はい、ファッションの中でも多いんですよオノマトペを使う人が 佐藤:ファッションのオノマトペとは 水野:チャンキーだとか チャンキーって何か大きくってもっさりしているっていう意味なんですけど 佐藤:作品を評価するときにオノマトペでしか語らないわけか 水野:そうなんですよ もっさりとか そんなんばっかりなんですよ 佐藤:ふふふふふふ |
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水野:さらさらな〜みたいな、そんなのがどういうふうに表現されていたんだっけー みたいなのをやったような気がします。院のやつあんまり覚えてないす あはははは 佐藤:なんだか暑くなってきたね〜 場所 移動した方がいいかな〜 水野:暑いですね。 なんかそれが 切っ掛けになって博士の方に進んだんですけど。博士の方でなんやかんや書いて制作もして。 佐藤:博士の論文は何をテーマに書いたんですか 水野:博士のときはね、それだけだと院のときに書いた共感覚を中心にしたメルロ・ポンティーとかの、ベルクソンとかの知覚系のネタ だけだと足りないので。ファッションってさっき言ったように社会的な装置としても機能するっていうこと考えたときに、もうちょっと読み込まなければいけない部分が出て来たので。 それで、一番登場したのは社会学者がいて、判断力批難って言ったかな日本語だと。英語のサブタイトルはリスタンクションとかメーンが。下はソーシャルクリテーク オブ サッチリメント テースト なんかそんな何ですよ テーストの社会的な判断力の批判っていう感じなんですよ。テーストっていうところに凄く引っかかって、面白いな〜と思って。趣味とかテーストが社会的な要因によって肯定的に学習されたりとかして 位置づけていくという そんなネタが面白いな〜と思ったんです。あとミッシェルフーコーそういうやつです 。あとメディアスタディー、メディア論と言われているようなマクルーハンとかの、あれが三つ巴になって三章立てで。あと自分の作品説明で4章立てで。七万字 語七万語だからA4で250頁ぐらいの論文を書けたーって提出して くじょう 喰らって一年 書き直しです 佐藤:どういうこと 水野:書いて、書き終えて見せてたら、こんな 糞論文 よくお前 上げるなって。激怒されまして、絶対駄目だと思うけど、一応本試験受けるかって言われたんですよ。受けますって。で受けて 水野:糞論文って言ってくれるだけ良いね 水野:いやもう本当に 、本試験の1日前に仮で試験受けるみたいなのが有るんですよ。でそこでプレゼンして。で大滑りだったらしくって。それにも理由が有って、2003年から博士始めて3,4,5の途中でお金がちょっと。ポンドが凄い高くなって、生活しづら〜くなっちゃったんですよ。これは拙いなと。であと将来考えたときにイギリス居るよりかは日本の方が良いかもしれないなと思って。日本に帰って、仕事をしながら、通おう と思ったんですよね。 で帰ってんですよ。半年間仕事が見付からず、というかブラブラして京都で生活してたんで。 やっと見付かった ナンヤカンヤって論文書いてたんですけど。 2,3ヶ月、ロンドン戻ってなかったんですよ。そんなペースで2006年の夏に論文提出したもんだから、怒られましてね。滅茶苦茶。こんな糞論文みたいな。足でぎゅーっとみたいな でもっと書いて来なきゃ だめだって言われて。そこから再提出までの1年は1月に1回ぐらい行って。 佐藤:イギリス通をしながらね 章立て 頁立て 最初からやり直したんだ 水野:本格的なやり直しで、はい けっこうシビアに。 佐藤:最初は全体の構成を指導されるんですか 水野:えとね〜内容をサポートするインフォメーション圧倒的に足りないっていうふうな感じだったと思ったんですよね、確か。で、僕の記憶だと制作と論文が剥離し過ぎているとかいうのも指摘されて 佐藤:拙いね〜それは それもそうだと 納得したんだ 水野:いやもう 僕としては サッサと終わりたいなと思ってたんですけど。言われたことを取り込めばもっと良くなる可能性はあるな〜と思って。で全体のフレームワークに成っていた部分を見直して、それ実証するためにデザイナーに50人。30、40人か、インタビューして。聞き取り調査して。なんやかんや やって。で制作もやり直して。怒濤の一年間を潜り抜けて 佐藤:ふふふふ 目出度く 水野:目出度く 7月に卒業しまして 佐藤:おめでとうございまいした パチパチパチ |
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水野:でも もう2年前の話ですよね〜 佐藤:学位のことだけどイギリスでの学位は 日本の文部省の評価で通るんですか 水野:分かんないです ロイアル・カレッジ オブ アート(サイト)って 自分独自の博士号とか あげているんで、名前の後ろにRCAって付けないと駄目だよって、みんなに言われるんですよ 何って、一応名前学校は有名なので、まいいか〜。どうでもいいかな〜と 佐藤:なるほど。 水野:別に日本にねずーっと住む訳でもなさそうなので。どっか行っても使えるし。日本で仮に実は問題があるよと言われても。いやいやいやみたいな。大丈夫大丈夫 佐藤:なるほどね。RCAで博士号をもらってと 水野:そこからが、ちょうどウルトラファクトリーが始まるみたいなタイミングなんですよね。不思議なもんでして。 博士論文書いてたときにもそうだったんですけど、結局ネタをどれだけ横断的に結びつけれる、考えを持っているかっていうのは凄く問われたし、それが 佐藤:領域横断し多義的な議題を設定してターゲットリーダーも定め、資料を集めてプレゼンが出来るようになったと 水野:はいそれが出来るようなって来たのかなと。実際ウルトラファクトリーのデザインラボも、横断領域みたいなのを謳っていて。 建築的なこともやれば、グラフィックみたいなこともやれば、ファッションみたいなこともやれば。 プロダクトみたいなことも、イタラクションデザインみたいなこともやる。全体に共通する考えさえ持っていれば普通に、自分が家 を建てたことなくっても 話は 出来るし。 佐藤:最初に話した領域横断して町づくりやって同時にアート制作も イベントもみたいなこともやって、(電話が鳴る) はいさとうです。大丈夫ですけど どうしたらいいですか。一緒に行きますね。水野さん一緒に行きますでしょう 水野:どこに行くんですか 佐藤:ちょっと 代わりますのでい 水野:もしもし、はい はい、あそうなんですか。江頭さんですか。あそうなんですか。是非是非。はい。はいはい失礼します 佐藤:暗いので スイッチが分からないんですけど 電気付けますね 水野:あはははは 佐藤:あとで 岡田先生の処に一緒に行きましょう 水野:行きましょう 佐藤:目出度く博士号とって 領域横断的な論文と活動と行為を 日常的にそれらを 日々使っている言葉に置き換えて言ってあげないと 他者には分からないですよね 水野:そうなんですよ、だから凄いマニアックじゃないですか、横断領域を侵犯をする〜デザイン はははははそうなんですよ 佐藤:誰でも判るけど新しい言葉 で言わないと 発明しないと 水野:そうなんですよ、昔大江健三郎と武満徹が対談して本を作って、オペラを作るというのがあって。オペラっつうのは総合芸術として音楽もあれば舞台もあるしそういう在り方を、模索しようようって二人で話しているっていう本なんですけど。 で、そこで堅く言わずとも何か出来ることがあるかもしれないな〜と思ってたんですよね、意外とデザインイーストってもしかしたらそういう場として機能したりするかも知れないなとか、お祭りって言っちゃえば 良いんですよね 佐藤:実はそうなんだけど、歴史的なものを背負って 祭りはあるから なかなかその言葉では理解されない 水野:そうなんですよ 佐藤:祭りとか 遊びとかで良いと思うんだけど 水野:イベントというふうに一応僕らは格好付けて はははははは 1:15:13 その06へ |
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