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福島第一原子力発電所の事故によって起きている様々な問題を勉強し始めました 勉強過程の記録をつくってみますご活用ください
放射線被曝とその影響について
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 1:45:33
この論文のロマネンコさんの気持ちに立てば、この論文の第一の眼目はウクライナ政府に対する実は上申というか、申し立てっていうふうに考えざるを得ません。

第二番目は我々福島県民に対して、どのようなコメントがありうるのか?ということです。講演の中で話すのは「6ベクレルや1ベクレルが甲状腺癌を起こすかどかの議論はちょっと脇に置きましょう」と言っているんです。

問題なのはウクライナという国が、放射線の汚染、デグレーニングされているだけじゃなくって。このような、化学物質。化学物質というのは農薬であったり、工場の化学成分であったりということですけれども。それらが、放射線と一緒になって増強効果を起こしているに違いないという言い方をしているわけです。

それからもう一つはまったく規制の無い自家野菜をだいぶんは食べ続けている問題。

つまり机上の問題はちょっと置いておいたとしても、こういった処をどのように、無くしていくのか?いうことが福島県民に対する一つのコメントだと。教訓だというふうに私は伝えることにしています。

例えば化学物質が、どのように、癌につながっるのか?農薬が。有名なペーパーが幾つも出てます。農薬を扱っている家庭、そうじゃない家庭を比較する論文が多数あるんです。扱っている」というだけのアバウトなくくり方ですけどね。 オズ比というので見ますと数倍です。数倍から10倍ぐらいの白血病のリスクがあるんですね。それは農民の農薬の扱い方の問題、レベルの問題がありますけれども。農薬というのは極めて癌誘発性、白血病誘発性に関わるということが解ってます。


そういったことを考慮すると、論文としてはこのタイトルが低線量持続被曝による膀胱癌と言ってしまったために、不必要な批判を受けていると私は思うんです。ウクライナの被災者の膀胱癌の高発生率ということだったらば誰からも批判されない。しかも中に書かれていることは極めて病理学的な極めて、極めて、年期の要る仕事をしっかりやっている論文なんです。この論文を消し去るのはまったくもったいないと私は思ってみてますけども。

立論が少し足を外したと。これが不必要な批判を招いたなと思ってます。皆さんご存じの様にスエーデンのトンデル論文というのもありますけれども、トンデルさんというのはチェルノブイリのプルームがスエーデンまで行くんですけれども、日本と同じくらいの汚染度の中でスエーデンというのは本当に疫学統計がしっかり出てる国家的な事業としてしっかり出来ていて。低い線量の所でグレーディングが決して口径癌がきっちり有意な線量としてだしてくるんです。

ただトンデルさんが偉いのはこのデータが放射性、チェルノブイリの事故のせいか? 。?マーク付けているんです。タイトルに。「だ」と断言してないんです。考察の中でもしっかり自分の論文の不確定性をリミット、限界を論じています。っていうかたちで国際的にはセットされている。

これは喧嘩にならないんですよ。?をわざわざタイトルにも付けている。これは言い切っちゃったんです。低線量持続被曝量による膀胱癌と言い切っちゃったので、これは攻撃をされてしまった。しかしこの論文の持つ最大の教訓、県民に対する教訓点は考察でうたっていることを日本では起こさないこと、いうことに尽きるというふうに思っております。 1:49:40



さてまとめ的になりますけれども、被災者においては、我々ですね、放射線リスクを論ずる場合の留意点というのをしました。

高線量被曝の回避3・11直後からです。避難ということもいわばその通りです。高線量被曝を回避し、外部内部線量の低減努力をしてきました。色々批判があったり不十分さありますけれども除線をずーっとやって来ましたと。それから内部被曝に関しては食品管理を営々として努力して来ましたと。農民もお米を苦悩の中でゼオライトまいたりしてとにかく汚染米を作らないということで努力して来ましたと。

内部・外部の低減努力、それから現在までの線量評価、先ほど申し上げましただいたい県民は5ミリシーベルト以下だと。3・111年後まで含めて、あとずーっと減っていくだけです。自然減を含めまして。

そういうような現在までの 線量評価を踏まえて相対として言えば、現時点で子ども達を含めてです。県民の健康リスクを線量だけをもって論じることは適切じゃない!というふうに私は思ってます。

もって回った言い方で申し訳ないんですけれども、要するに線量だけを捉えて危険を論じることは、適切じゃない!ということを私は思っております。

それから2つめ。低線量被曝をずーっと議論してきました。DNAの2本鎖切断の問題から始めて、かなりの率で2本鎖切断を修復してしまうと。しかしそっからすり抜けて癌にもつながるものもあるということですけれども。それも線量が低ければ、低いに従って癌化の率は下がって来ると。100ミリシーベルトの問題も触れましたけども、いずれにしても低い線量では100ミリと言わず50ミリとか20ミリのレベルで言うならばもっともっと不確かになって、様々なコウラク因子が入って我々の健康作りという処に焦点が当たってこざるを得ないんですけれども。

低線量の被曝のリスクは将来に渡る確率論的リスクです。ここはなかなか解っていただけないんですけれど。一般のお母さんにも解っていただけないんですけれども。被曝を受けたことは、確定的なリスクじゃないんですね。つまりもう運命論的にですね「じぶんはだめだ」ということは確定的なリスクということなんですけども。確率的なリスクだと。だから何でもかんでも安心せいということじゃないんですけども。

確率論的リスクというのは現実にはここに並べましたように、家族がきちっとあるかどうか。それから、食事はどうかと。運動はどうかと。教育はどうかと。それから希望や夢はあるか。あるいは医療の態勢があるか。というそういう健康を支える条件と不可分であるということです。あたりまえのことなんですけども。


そういったことを見据えて考えたときに、現在の状況というのはやはり被災者に生じた、生業を失って、あるいは精神的な葛藤をもって、あるいは、不公正な扱い、冒頭のジャパンタイムズのリードの処ご紹介申し上げましたけれども。不公正な扱いということがなかなか改善されないでいると。いうことが命と健康の現実的なリスクになっているだろういうふうに思っております。

長時間でしたけれど終わります。ありがとうございました

会場 ぱちぱちぱちぱち ぱちぱちぱち 1:52:21