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福島第一原子力発電所の事故によって起きている様々な問題を勉強し始めました 勉強過程の記録をつくってみますご活用ください
放射線被曝とその影響について
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実際投与むずかしいんですね。

この第一原発事故で服用させたのは皆さん御存知のように、三春町が服用させました。それから国会事故調の調査で、その他の自治体が幾つか、服用させておりますけれども。三春町が新聞にも載りましたように風向きを考えて「こっちに来るぞ」といったことで飲ませた。そういう飲ませ方しか出来ないんです。ギリギリになって飲ませるか、あるいはプルームが通り過ぎたというときに飲ませるかと。変な話しですけれども。そういうことしか出来ない。

そのためには、極身近にヨウ化カリウムがなければ成らないということが前提として、求められるわけです。これは33ミリシーベルト、ここから診れば県民総体 この難点はとこなみ教授も言ってますようになにぶん62名という極めて少ない数なんです。従って50ミリシーベルトに達するだろうというケースが絶対否定できないという問題もあるわけです。

それからWHOや放医研が言っているのは、だいたい同じこと言ってますけれども。国連は50ミリシーベルト以下だろうと言っています。それから放医研、千葉の放医研は30ミリシーベルト以下だろうと言ってます。マックスが30ミリシーベルトの自治体は双葉、いわき、浪江、だったかな。その3つはマックスが30ミリシーベルト。その後の自治体は20ミリ、あるいは10ミリというかたちで、いずれにしても30ミリシーベルト以下。

国連の報告では50ミリシーベルト以下と。いうような言い方をしてます。実は私たちもですね、飯舘村と山木屋の人達の協力を願って、おしっこを頂きまして、おしっこの中のセシウムヨウ素を調べました。結論的には放射性ヨウ素は大人で66ミリシーベルト、子どもで44ミリシーベルトでした。

でおしっこですので、非常に計算がまた難しい、不確定というバイアスはあるんですけれども、不確定性はあるんです。だいたいこういった数十ミリシーベルトの処に一致したというふうに私たちも考えております。

ただ50ミリシーベルト突破したケースがゼロとは言えないということを考えますと、甲状腺のエコーの検査を丁寧に続けていくということになると思います。


放射性ヨウ素による甲状腺癌の問題はこのように概観することができると思うんです。放射線防護の視点からと。どいうふうに考えたらいいのか?ということですけれども。先ほどの話でも触れましたけれども。放射性ヨウ素が甲状腺癌を誘発するっていうことは、もう明白な事実として確定してます。放射性ヨウ素は甲状腺癌誘発性は明確というふうに確定、解ってます。

それから、甲状腺癌の過剰リスク、つまり放射性ヨウ素を人体に採り入れた、ベラルーシュの子ども達の研究から出て来るものですけれども。甲状腺癌の過剰リスクは長期にわたり存続するということです。どういうことか?10年経ってしまったので、もう発症は無いと、いうことは無いということです

チェルノブイリの場合い25年経ってますけども、みなさんテレビなんかで御存知のように。今のあのときヤングアダルトと言われていた人達が右肩上がりの発生率を示しております。甲状腺癌の過剰リスクはかなり長期に渡って存続していると10年発症しなかったから大丈夫ということではなくって、20年経ってからももう大丈夫じゃなくって、25年経っても、あるいは30年経ってもリスクは続くだろうということは原爆被曝者の、これは外部被曝ですけど、原爆被爆者の例からも解ってます。

つまり甲状腺癌過剰リスクは長期に渡り存続するということが解ってますので、この二つを押さえて、しかし、福島第一原発事故の場合は50ミリシーベルト未満というふうに仮に仮定すれば、自然発生性の中に可能性は埋もれる可能性があるということですね。ここに模式的に書きましたけども。

生涯の自然発生率というのはこのくらいの大きさだとしますと、この中に埋もれてしまう可能性があるだろうということですね。甲状腺癌って不思議な癌でですねーいわゆる天寿を全うするのを天寿癌と言われてます。我々が先ほど100万人に1人と言いましたけれども、子どもの場合いですけど、も。大人になってもですね、臨床的なレベルまで癌が大きくならないで、天寿を全うすることが、珍しくはないんです。我々が他の病気で亡くなって解剖にふされた場合いその中の3割は甲状腺癌を持っていると言われてます。

つまり何事も無く甲状腺の中に癌を持ったまま過ごしてしまうっていう特徴も甲状腺癌の一つの特徴なんです 1:30:27


もう御存知の方もおるかも知れません。実は韓国では甲状腺癌が1番多いんです。お隣の韓国。これは2011年の非常に新しい論文ですけれども。1番上が韓国こっちが薄いのが女性、黒いのが男性です。女性が多いんですけども、どの国も多いけども。だいたい10万人に62人、60名ぐらいの率。韓国がダントツなんです。

同じ2010年のペーパーです。韓国が15歳から34歳までの、韓国の人達の甲状腺癌は10万人に34.5人です。さきほど、100万人に 大人になっちゃっているので同等の比較は出来ませんけども、100万人単位でいったらなら345人ということになります。10万人に34.5人の甲状腺癌発生率なんです。

桁違いに多いという。しかも女性が上が男性下が女性でそれぞれの癌の経年の推移を示してます。韓国の場合い1990年に10万人に11.9人だったのが、2010年には102.8人に増えているんです。他の癌はみんな横ばいか乳癌がわずかずつ増えているということです。これは実は疫学、エコーの検査のせいなんです。

ここに乳癌が増えていると言いましたけども。韓国の人達においては、乳癌のエコーの検査をしたときに本人が望む望まないに関わらず甲状腺のエコーもやっちゃうんです。で、甲状腺癌を発見してしまうんです。

それは微小癌と言われている臨床的な大きさまで成らないでエコーでしか発見出来ないレベルの甲状腺癌を発見するということです。微小癌という。さきほど天寿癌っと言いました。死ぬまで全然大きくならない。これを潜在癌と言いますけれども、いわゆる潜在癌とか微小癌が多数持っているのが人体の中の甲状腺癌の特徴なんです。 1:33:14

韓国の場合い乳癌の検査と一緒に合わせて甲状腺をちょっと診てしまうので甲状腺癌、微小癌を発見してまうということ。この10年の間に、10倍になって、20年の間に10倍になっているということです。

男性の場合は乳癌の検査しませんから。しかし男性も2.3の処が21となってますので約10倍近くなっている。検診大国が日本と同じなんです。ちなみに、日本はCTの普及率が世界第一位です。世界のCTの1/3が日本にあります。その次の次ぐらいが韓国です。つまり日本も韓国も検診大国なんです 1:34:06 これの良い悪いは脇に置きますけど、現実的な疫学の調査こういったことで引っかかって来てしまうということですね。

 従って我々はこういう被災を受けましたから、甲状腺エコーを18歳以下の子ども達にするのは地域住民の要求でもありますし、あるいは科学者の責任の問題でもあると思ってやって訳ですけれども。また違う側面が付きまとうということなんですね。

これが19歳、あの当時18歳未満36万人やる」と我々決めてやっている訳ですけれど。もあの当時19歳以上のヤングアダルトも一緒にやった場合いは韓国のようになるということになるわけです。発見してしまうということです。


先ほどはベクレルさんまで、顔写真を紹介しまいしたけども。グレイさんてこんな顔をしています。何グレイのグレイです。イギリスの人です。

それからシーベルトさんというのはスエーデンの人でこういう厳つい顔をしています。ロルフマキシミリアンシーベルトさん。先ほどレントゲンそれからベクレルときました。これは物質の単位といったらいいでしょうか、グレイは放射線がなにがしかのものを貫いたときに、相手に与えるエネルギーを表すんですね。

シーベルトは明確に人体を貫いたときの単位です。建物を何シーベルトの線量を貫いたとは決して言いません土壌をその1シーベルト貫いたとは言わないです。人体だけを貫いたときにシーベルトを付けます。つまり放射線というもが、単に地球にある、物質であったものが人間の世界に入って来て、逆に人間がそこで被害を受けるようになるということになったときに初めてシーベルトという単位が我々が必要になった。



これは民報に載った。みなさん、私講演会のときにこれを取り上げて、御存知の方いらっしゃる方も知れません。民報の去年2012年9月2日号に文化欄がありました。そこに「わが心のうた」というタイトルで。私まったく面識ないんですけども、佐藤陽介さんとう須賀川の人ですね。歌人です。こういう詩を載ってました。

 この庭に二十年後に膀胱を失(な)くすこどもも今は遊べり

これ中をみますと姪と甥が遊ぶ声を聞きながら、セシウムが尿路にあつまるっつう話しや、DNAに放射線が命中する確率の話しを思いだしていたと。現実はやさしぐねーげんちょ、この予想ははじっちほしいない。逃げらっちゃ人も逃げらんに人もみなそれぞれの場所で色んな気持ちを抱え最善を尽くしている。自分や誰かを責めたくなんのは辛いないと。完全にわかり合うなんて出来ないし、理屈は間違ったりすっけど確かに今存在している沢山の気持ちの一つ一つを大事にしっちと思うと。

非常に私感動しましたと。胸をうちましたと。この人の句を。同時にこの句をみて私は驚きました。なぜ驚いたかというとこれは佐藤さんが自分で思いついて、詠った詩ではないということなんです。このような状況を佐藤さんに思わせる一つの論文があったということことです。

これがロマネンコさんのという人が表した ウクライナの人ですけれども。チェルノブイリの低線量持続被曝による膀胱癌という論文で2009年の論文です。この論文がどういうことで有名になったかと言うと、みなさん御存知の方居るかも知れませんけども。2011年の秋だったかな参照:2011年7月27日児玉報告録、国会で児玉龍彦先生東大のアイソトープ研究所の所長、児玉龍彦先生がお話になった中で一つは国に対して除線の遅れを批判しました。もう一つ紹介したのはこの論文であります。

あのとき論文とは言わなかったかも知れませんけども、チェルノブイリでは膀胱癌が増えていると。福島もそのようにならないように早く除線をしなさい」ていう論理の中でこの論文に触れてました。

どういうことかと言いますと、これは大阪市立大学のときに留学しているロマネンコさんの論文で、指導教官が福島(昭治)先生なんですけども。福島教授。ロマネンコさんはウクライナの自分の国の膀胱癌を色々調べて汚染度の高い所に住んで居る住民が、膀胱癌の発生率が高いということをおっしゃっているんです。

汚染度を非汚染、それから低度汚染、高度汚染に分けまして、膀胱癌の比率を観ているんです。

この場合の膀胱癌っていうのは、前立腺癌の手術をした時に、合わせて膀胱の組織を採ることが出来たケース。を調べているんです。それを調べますと汚染度の高い所に住んでいた73人中53人に膀胱癌が確認された。それから、低度汚染度の場合いでは58人中37人。つまり一番高い所で73%その次64%。汚染されてない所はゼロ%だった。この高度汚染低度汚染というものが、福島の場合いどこに相当するのか?ということです。

この青い所に相当します。つまり中通り、いわき、相馬、南相馬。つまり避難した所、避難者達が全部避難して来ている所に相当しますし。我々が今住んでいるここに相当するんです。中通り。いわき。濃い青と、薄い青と、それから少し緑の所、ここまで、含んでますけども。その高度低度と分けると、甲状腺癌が確かに発生をするんだと、だから除線を急げというのが児玉さんの立論でした。

これはですね、批判を受けました、受けてます。去年だったか細野さんが居たときですから、論争をしてました。テレビで観た方がいらっしゃるかも知れません。児玉さんは私から見ると「児玉さん分が悪し」と思ったんですけども、この論文に対する、児玉さんの論文じゃないんですけれども。これを「採り上げて、危険だ」ということを論じたことをもって、実は批判の対象になったんです。

この、論文の中にはですね、おしっこのベクレル数も書いてあるんです。一番高度汚染の所では0.47ベクレル/リットルと。その次は1.23ベクレル/リットル。この論文を批判する人の最も有力な批判点は、この6.47 1.23の放射線量では甲状腺癌を起こすはずがない。その証拠に我々の体の中には放射性カリュウムがあって、御存知の方多いと思うのですけれども。それが膀胱粘膜を常に照射しているんです。

その照射作用はs当たりだいたい、100ベクレルぐらいです。ガンマ線というのは通っていきますので、どこに放射性カリュウムが有ってもガンマ線ですから、膀胱粘膜に届くんです。従って100ベクレルを、100とか120と言われています、s当たりです。それの問題を考えたときに、6ベクレルとか1ベクレルとかのセシウムがなぜ?膀胱癌を起こすのか?という批判なんです。

これは児玉さんは上手く答えられませんでした。で、これ一般の方に講演するとき必ず紹介しているんです。

 問題はこの論文の教訓は何んなのか?。で次の考察を紹介するよにしているんです。どんな論文も起承転結が必ずあるわけで。最初に初めにといいうます序論、それから方法論、そして結論があって、最後に考察が必ず化学論文はその態をきっちり踏まえて作られるわけですけれども。

ロマネンコさんもきっちり考察に書いてあるんです。何を書いてあるかというと、訳するとこうなるんですけれども

ウクライナは環境悪化地域として知られているが、化学物質や喫煙など環境汚染による増強効果もまた考慮しなければならない。二番目には国の経済的、社会的条件は極めて悪く、ウクライナ住民の大部分は規制のまったくない自家野菜を摂取続けている。三つめはそのため、放射線汚染地域に住み、多くは喫煙者である我々の患者は、様々な有害物質の増強効果を受けているに違いない。と書いてあるんですね。

この論文のロマネンコさんの

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