HOME 文責・作成・佐藤敏宏 | 佐藤敏宏の京都ことば閲覧録 2017年1月27日から2月2日 |
ことば悦覧録 |
岡田栄造さん 2017年1月28日京都市内にて その01 その02 その03 その04 |
岡田栄造さんに聞く 2009年記録 2009年8月5日 フリーペーパー『鮪立へ』表紙 pfd 開き読む 京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科デザイン科学専攻 編集浅野翔/生島大輔/大谷裕子 高岸恒一郎/羽田亜美 責任者岡田栄造 発行日2012年2月17日第一刷発行 2012年4月28日第二刷発行 |
その01 佐藤:おひさしぶりです 岡田:はい 佐藤:教授就任 まことにおめでとうございます 岡田:あはははは ありがとうございます 佐藤:いつから就任なされたんですか 岡田:今年の1月1日からです。古山先生から辞令いただきました 佐藤:私は大学出じゃないので教授って何か わかってないですけど 岡田:教授になったからと言って、同じ大学にずーっと居るわけでもなく。移るかたもいますよね。今のところそのつもりはないです。 佐藤:京都に来て何年になりましたかね 岡田:京都は2002年からですから、今年で15年目ですか。 佐藤:聞き取りしている家「O邸」が出来て8年ぐらいですかね 岡田:2010年かな〜、もう記憶が定かじゃない。 佐藤:すっかり京都の人になられて 岡田:そう なんですよ。人生で一番長く生きているのが京都ですね 2017年1月28日 佐藤:311直後 気仙沼の鮪立(しびだち)では 岡田先生の研究室の皆さんにお世話になり フリーペーパー『鮪立へ』を発行していただいたら、地元で人気がでてしまい 増刷までしていただきました。お世話になりました あいちゃん おてんばーしている 岡田:あいちゃんだいじょうぶ ふふふふ 聞いてないなー 佐藤:危なくないかなー ダイジョブそうだな 岡田:私の研究室はね、なかなか皆 出て行ってくれない ふふっふふ 佐藤:ドクターまで進むとか 岡田:なんかね。就職して、また戻って来たりね。そんな感じでね。私 研究室持って10年目なんですけどね。 今 一期生が大学の職員になって。大学の公募の職員やってます。三期生も事務にいますし。ふふふふ ドクターに行っている者もいますし。みんな30才も 超えているのに、周りに まだいるんです 佐藤:お弟子さんが周りにたくさんいると 楽し! じゃないですか、呑み会 盛んにできるし 岡田:そうそう ふふふふふ 呑み会も人数増えましてね 奥様:どうもー 食堂から顔をみせ 奥様が挨拶 佐藤:お久しぶりです いま岡田先生を聞き取っているところです お! 玄関とびらが開き ただすくん 小学校から帰宅 ただす君 おかえり ひさしぶりだね ただす:おぼえてない 奥様:ふふふふ 岡田:おぼえてないー! おぼえてないかー 佐藤:ずいぶん いい男ぽくなったので、2ショットしよう おぼえてないか? ただす:うん! 佐藤:何年生になったの あいちゃん+ただす君一緒に: 2年 佐藤:バスケットボールしてるんだって ただす:うん あいちゃん:バスケットボール バスケットボール! あいちゃん 居間をかけめぐる 居間は体育館状態に 佐藤:いいねー ただすくん 小学生用ボールでドリブル練習を始める どすんどすん みのり兄ちゃんも戻り友達も集まり 絵のような感じでドリブル合戦にも 佐藤:最近の学生さんの傾向はどうですか 岡田:まじめですよ!まじめで優秀ですよー。どんどんそうなっていきますよ。学校的に真面目で優秀です。皆モチベーション高いし。素晴らしいですね。 佐藤:教授 研究室にて ひなたぼっこでのんびり とはいかないですね。指導しなければ! 昔はしてない ような話を 聞かされてたけてたけど 岡田:昔は学生も ほっといてほしいと思ってたじゃないですか。自分でやるよと。 昔は建築にしてもデザインにしても課題を出したら最後まで何も指導しなかったようなもんじゃないですか。課題だして提出みたない。その間なにもしてない、みたいな感じだったんですけど 佐藤:今は一部の声では、大学は職業訓練学校じゃないから、そんなことしなくっていいとも紙媒体で見たりしますけど 岡田:それが、ある意味ではね。どんどん職業訓練学校化、しているのと、学生が本当に教えてもらいたいと。 だから丁寧に丁寧に今もやっていますけど。頻繁に指導、週 なん回も作品を観て、指導して。 それがね、先生としては やりがいあるわけですよね、嬉しいじゃないですか、それって。先生だったら。学生が一生懸命聞いてくれるとね。 昔とは ちがうなーという感じですね 佐藤:311直後・被災地からお出かけ講義におじゃましたときは女性の方が多かったように思いますが、男女比は同じぐらいですか 岡田:デザインを勉強しているのは女性の方が多いのかなー かも知れないですね。 佐藤:就職もきちんとできていると 岡田:最近はね。就職状況は、今 少し よくなりましたから。7、8年前までは一寸辛かったですけど。就職氷河期でしたけど。今は売り手市場ですね。 佐藤:清水さんの聞き取り (記録へ) で知ったのは デザイナーは大きなメーカーに就職して工業製品をデザインすることがスターの道なんだって。独立系デザインに成ることじゃないんだって、その時に知ったんです。独立系で有名デザイナーじゃなのか?!って思い、なるほどそうかと。 (2014年3月3日 青山あたりで 左 清水久和さん) 岡田:デザイナー もありますけどね 佐藤:身の回りを見渡すとデザイン無しの製品は無いですからね 身の回りはデザインだらけ〜ですけど。日常生活では彼らの存在を意識して買ったり使ったりしてないですよね 岡田:憧れってあるじゃないですか。建築に進む子は建築家に憧れて一応やるわけです。デザイナーも何となくデザイナーにね憧れて。知っているデザイナーがいて憧れて。 昔だったら知っているブランドですよね。ソニーだホンダだ、そういう憧れはあったんですけど。今そういうのないじゃないですか。そういう対象っていうのは無いし。今は若い子は車も乗らないし。 なんでしょう、憧れって無いんですよね、たぶんめ。何か クリエイティブな憧れは あんまりないんですよ。特にプロダクトデザインに、そんない持ってないんじゃないかなーと。持ちづらいんじゃないか。 佐藤:日本はモノづくりの国を終えて、違う産業を作り出さなければいけない みたいなこと言われてる ので影響ですか 岡田:デザイン界はまさにその通りで、企業と、例えばパナソニックもソニーも日立も東芝も、物を作っているわけですよね。だから家電製品一杯作って、それをデザイナーが形をデザインしていた。そいういう人が数百人、会社の中に居るわけです。 時代が変わって商品の数も減っていく。液晶テレビの製造をやめてとか。携帯やめてとか。どんどん商品が無くなって来て、何をやっているのかと言うと。 ソリューション・ビジネスというのを やっているんですよね 佐藤:なんですかそれは 岡田:ソリューションとういうのはシステムを売る。例えば分かり易いのは日立で言うと電車の運行システムとか。 佐藤:デザイン教育とは思えないですけど 岡田:サービス・デザインみたいな ふうに言うですけど。 佐藤:もの作りの盛んな外国に就職するんじゃないんですね 岡田:外国にはねー なかなかねー。例えば中国に行ったりもしますけど。それとは別に、サービスのデザインとか、ビジネスのデザインとかをやんなきゃいけなくって。 佐藤:日本発で どちらのデザインも世界に通用しそうですよね 岡田:そうです、インフラとしてはいいんですけど。強いんですけど。 でも、20年ぐらい前までは、デザインの学生って絵を描いていた あはははは。 そういう人たちが 就職して 絵を描いて 仕事してるか・・・と思うと・・会社が変わって、今は絵なんか描いている場合じゃない。ふふ。「新しいビジネス考えろ!」みたいに言われてるわけです。 佐藤:なるほど 岡田:デザイナーがね〜〜 佐藤:俺はデザイナーで入社したんだけど ソリューション・ビズネスかー?? これは困ったなーーと 岡田:ちょっと前は「これからはデジタルの時代だだから デザイナーも形を考えるのじゃなくって画面のデザインしろ!」という時代があったんです 一時。ふふふふ、それで プロダクトのデザイナーは一時そっちへ行かされたりして。 昔は格好のいい形をつくれればよかったんですけど、もう〜 そういう時代じゃなくなっちゃって。 佐藤:アイフォン 一個 登場しただけで〜 テレビも電話もPCもカメラも動画カメラも 色々機能しちゃうんで 家電の数は どーんと減っちゃいますよね 岡田:そうなんですよ。 佐藤:岡田先生は そういうなんやらの 勉強してないので 大変ですよね 岡田:そうですよね 佐藤:未知の領域を一緒に勉強していくと楽しいかな 岡田:やー あいちゃん: お母さん お父さん どこにある 岡田:何よ あいちゃん:アイバット 佐藤:アニメ見るのかな 岡田:知らないよ あいちゃん:見てたやん、さっき 岡田:あれ、どこやったっけ 岡田家にはテレビは無いと思う 生まれたときから お子さんたちの身の回りには アイバットが用意されていて ユーチューブでアニメなどを観ていた 4月から小学生になるあいちゃんは あいちゃんの家が表紙になってる洋書を見開きながら「わたし 建築家になるのー」と 佐藤:ただすくん 恰好いいから もてるだろう 岡田:ただす もてるやろー 佐藤:よか男の子〜って いいかんじだー 人気ありそうだなー なよっとしてる男の子おおいけど 岡田:ただす なよっとしてないよ そういうのもあるし、だからデザインの教育も 変わらなきゃいけないんですよね 佐藤:見た目の形の描き方などを指導している場合じゃないと 状況に合わせ考えてと 岡田:考えて、もっと上流の事から考えられる人じゃないといけないんで。でも教える時間 限られているから。 昔も今も 同じじゃないですか 教える時間は。だからカリキュラムを一生懸命考えなきゃいけないんですよ〜 我々は今。 マーケティングも教えなきゃいけないし 佐藤:I T社会で 激変し続けるんで 教授もえらいことになってますね。変化の乏しい昔だったら 一つの道筋を教えていれば良かったが そうはいかないと。 岡田:私は専門が無いような人間なんで、ふふふふ いいんですけど ふふふふ私は デレクタ〜なんでね。いいじゃないですか。上流人間なんで元々が。ふふふふ iPad観ながら あいちゃん アニメ・ソングを大きな声で歌いだす 佐藤:今年からは授業数と生徒数は増えるんですか 岡田:教授になったからですか。何も〜変わらないですね。大学も昔は教授会で何でも決めてたですけどね、大学の自治で決めていた。人事も教授会で決めていたんですけど、今はもうそうじゃなくなりましたよね。教授会で議論しないんですよね。私も新しくなったばかりなので分からないんですけど。会議の数も減ったらしいんですよ。 佐藤:人事案件は不透明になっているってことですか 岡田:人事の案を教授会にあげて、認められると選考委員会みたいなのが立ち上がって、公募の手続きが開始され。応募手続きが上にあげられて、手続きをへて決まる。不透明といえば不透明ですかね 要はガバナンス改革ってやつです。学長の権限を強化して、いろんなことを大学の方針の中で決められるように、それぞれの部署で勝手に人事しないようになっている。 佐藤:今国会で 文科省の組織的天下り問題 メディアを賑わせているし アイパッドのアニメ音が とつぜん大きくなる 岡田:お〜 ー い 音 おおきいよ〜 アニメソングが響く「O邸」の昼下がり 佐藤:音大きくっても大丈夫です 声は拾えますから 岡田:そうですか 佐藤:大学の話はそれぐらいにして、仕事の方はどうですか 公開禁止ですかね その02 へ |