HOME 文責・作成・佐藤敏宏 | 佐藤敏宏の京都ことば閲覧録 2017年1月27日から2月2日 |
ことば悦覧録 |
川勝真一さん 2017年1月28日 京都市内にて その01 その02 その03 その04 |
: | その3 川勝:最初はそうですけどね。 佐藤:現在の藤村さんのような姿が頭に浮かんでいるのかな。それとも別な姿があるのか、どちらでもなんでもいいとは思うですけど。 川勝:ワークショプはだいぶ前ですけどね。(RADワークショップ録へ)あとは廃村。大見村という 京都の大原の先に在って。里山的なフィールドって全く自分の中に無かったんですけど。たまたま知り合った人がそこで農業をやっていて、「このままいくと50年もしたら何も無くなっていくところだから、どうにかしたい」と思ってて、何とかしたいと。「人を呼びたいから、トイレを作る」と。トイレ内と人呼べない 佐藤:ははははは (絵↓ 大見村プロジェクト座談会より) 川勝:とくに女性がね。来れないんです。よっぽどの強者じゃないと女性は来れないから、始まらないということで。「それもそうか」と思って。それでコンポストトイレを作った。それが切っ掛けだったんですけど。 関わっていくと、里山の話なんですけど、都市とどういうふうに交流してたかということが大事で。昔はエネルギーの問題で、都市にエネルギーを、薪を卸していたから、村が成り立っていたけど。その交流がなくなったから、今人が住むことができない。仕事が無いので。 もともと鯖街道が通っているので、福井の鯖を京都に届ける移動があったから、そこに人が通っていた。 佐藤:薪を背負ったり、鯖を背負ったりして京都に売りに来てた 川勝:鯖は通過していただけですけどね。里山のことなんですけど、いかに都市と交流をもう一回作り出すのかっていう。交通の問題っていうか。そういうことが結構おもしろいなーと思って。そういうことを主題にちょっと 佐藤:ちょい見での印象ですけど都会の人が廃村に出かけていってエネルギーを注いでいるかのように思えたんですけど。実はそうじゃなくって何か起こして都市と交流するの 川勝;実際はそうならないと持続的には成らないかなーというのはあります。 佐藤:都市の人々が村に行って数日滞在して、観光と言う名のプチ移住交流が続いていけばいいね。村の生活を体験して何かを想うツアーも成り立つでしょうから。教育的効果もあるし。 川勝:そこの関係みたいな事、農村の状況から都市のことを考えるみたいなことができるんじゃないかなーと思って。 最初はトイレ作るとか水道作るとか。インフラが無いので。家じゃなくってインフラをセルフビルドで。生活基盤になるようなインフラをどうやって作れるのかみたいなことをして 佐藤:都会では当たり前にあり意識してない事態が里山にはあったと 川勝:水道水、飲める水って何か?から、水道水の基準調べて。村にある川とかm湧き水とかから水を採って来てキットで調べたんですけど。全部OKなんですよね。全部飲めちゃうんですよ。菌の問題だけある それだけは別なんですけど。 そういう所にい行くと、当たり前にある基盤みたいなところをもう一回問い直すというか。自分で作り出すときには問い直さなければいけないので。そういう面白さがあって、関わっていた。そういうフィールドではあるんですけど 佐藤:今はどうなっているんですか、クラウドファンディングしてましたよね 川勝:去年かな、改修工事費を集めてた。僕らがリードしたというよりは、メンバーの一人が「ここの改修やりたい」というふうに思って、彼がそういうのやったり、実際に工事やったりとかして。僕が事務局の代表みたいなことをやっているですけど。 そこで何かやりたい人が自発的に活動するみたいな状況になっています。 難しいんですけどね。まだお墓もあるし。お盆のときだけ戻って来る人たちがいるんで。そういう人たちとの関係づくりをするにも年に一回しか会えないから。 だから町中の空き家問題と一緒で、町中の空き家も仏壇があるとかで、貸さないけど、置いておくのが多いんですけど。それと一緒で、「家は空いているけど仏壇があるから、お墓があるから、貸したくない」、 そんな状況で。 仏壇とお墓問題が農村にしろ都市にしろ、空き家問題の根は深いというか、根は一緒です、分けて考えるというよりは、連続させて考えていった方が面白いかなーと思って。 知り合った それも偶然ですけどね。 佐藤:何か活動していると、その場で偶然に知り合ったりして意図せぬほうにも広がるとありますよね 川勝:そうですね。思わぬフィールドが、建築家も仕事が来てそこの土地に行くと、そこの場所で 何か新しい発見するみたいな。それに近いとは思うですけど。ここ数年はそんな事をやってきましたね 佐藤:それで本業は何ですか 奥様:ふふふふ 佐藤:いきなり聞きいちゃいましたけど 川勝:本業はなんでしょうねー。今は編集とかライティングみたいな仕事が半分。年によって違うんですけど。今年はその比率が多いですね。 あとはワークショップのコーディネートとか依頼されて、やるのと、非常勤もやっていて。そのへんが仕事としては依頼があるので。 その中で何ができるかと試しているというか。やらしてもらっているという感じですね。比率が今逆転していて。下請け業者みたいになっちゃうじゃないですか。何か困っているとか、課題があってそれに対応して、ちょっとコンサルっぽいですね、計画を作って一緒にやるみたいなことが多いので。 そうじゃなくってこっちの方もぐーっと上げてきたいなーと思っている。 佐藤:プロの仕事って、そういうものでしょうけど、好きにやらせてお金を支払ってくれるような人やスポンサーは今の日本にはいんじゃない。職業というからには、そういう状況からは逃れられないですよね 川勝:そうですよね 佐藤:当然依頼されるかたちになっていって、仕事と道楽ともいわれるようなバランスをとり生きるってのは、あらゆる人間に覆いかぶさる課題だろうけど。意識しているかどうかは別にしても。 夏目漱石先生も悩んだ問題(夏目漱石講演録『私の個人主義』参照)だから、昔から変わることなく続く問題ではありますよね。職業は時代とともに変わり続けるから、川勝さんが見積もりを「いくらで出していいか分からない」状況だってことは新しい仕事が生まれる現場に生きているってことで、依頼する方も どこの誰に頼んだらいいか分からない。新しい仕事なんだよね 川勝:そういうのが建築の中でも起こっていたから。そういう仕事が来て、それに応えていくっていうことが、自分が知りたかった設計以外の建築っていうものの社会の中でのありかたみたいなものを探ることにもつながって来てたかなーと思うんですよね。 佐藤:平野平野啓一郎さんが語っていることだけだけど、絶対的一つの主体追求から解き放たれて、現在を楽に生きるためのに、分人主義をといてますよね。自分の中で職業も趣味も分人として分けて、それぞれ等価に考え、多様な人と付き合い生きるよき方法も提案されているので。だから一人で多数の職業人になるっていくかもしれない。これからの社会全体が違うフェーズに移っていくので、よさげだけど 川勝:そうですね。 佐藤:「この仕事に対してこれだけ支払います」というのは既存の価値のなかでの仕事として認められ古い対価行為だからなので。そこ保たれてるのは自分がこの社会の既成の人、型にはまることで社会が使いやすい大人に成っていくということだから。若い人は銭になることをしてない方が、次に現れる社会に対応できると思うんだけど。若い人はそちらが いいなと オヤジの俺は勝手に希望しちゃうんだけど はははは 川勝:はははは、そんなに若くはないですけどはははは。でも10年ぐらいやってきて、自分でやったのもあれば、仕事をもらってやっている事もあって。 編集の事とかいろいろやらしてもらって。今はバラバラっていうか、いろいろな見られ方をしているというか。 編集している人でしょうとか、展覧会している人でしょうとか。ワークショックしてくれる人でしょうとか。 そういうのって、僕の中ではバラバラじゃない。たぶん一つ、つながると思うですけど。どうつながるかというのを ちゃんとつないで、一つの外見みたいなものを描き出すという、そろそろ一回、それで固定するというわけじゃないんですけど。一回〆てみないと、ただバラバラのままになりそうだなーと思っていて。 佐藤:他人は川勝さんを見て「こういう人であってほしい」みたいな、そういう見方の方が面倒くさくない、対応するの 楽だからね 川勝:ふふふふ 佐藤:いろいろな分人=川勝が目の前に居ると、面倒くさいからね。一人の川勝さんてあってほしいと思うのは分かるが、一人のきっちりした他者が思う川勝的主体を持つ人はいないだけどね はははは ゼロ年代からネットの出現で人間関係も激変しているけど、あなたの仕事はAIで無くなるという脅しも見るんだけど。不安に陥れて本を売りつけるという商売人も出てるけど、前の聞き取りでは アイフォンなかったしね 川勝:前回来たときは携帯ぐらいでしたね その4へ |