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  佐藤敏宏の2013年ことば悦覧@大阪
新田正樹
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新田:こっち側が構成主義的なね ふふふ。こういうふうに描いたわけや。クロス破って。借りた部屋を出るときはまた元に戻さなんといけない ふふふふ 大変なんや。天井も破っているでしょう。 部屋を出るのも 命がけいう ふははは

佐藤:出るのも命がけでと。覚悟を決めて壁紙剥がしてコンペ絵を描いたんだと。なるほど。 だいたいこんな感じでいいかな 30分経ったけど。 だいぶ元気になってきたっていうことで いいかなー

新田:だから一つ気に入ったものがあると元気になると。
佐藤:我が儘やなー
新田:我が儘な処があると思うわ〜。物作りやから。自分の好きなものにしたい訳でしょう。気に入ったものに。それが施主も喜んでくれたら1番いいと。

自分が我慢しているというのが嫌なんやな。言われたままでね、やるいうのが。
 

佐藤:
それは建築についてでしょう?建築については そうだと。
新田:そうそう
佐藤:建築を作るときの過程で 言われるままが 嫌なんだと
新田そう そう

佐藤:社会一般のことは?
新田:それは負け負け ふふふふ。はい分かりましたって言う。謝ってばっかりですわ。

佐藤:建築系の物作り以外は 総崩れだと。
新田:そうそう そこを崩したら自分が無くなるわけや。唯一そこでね 自分を維持している のがその建築家の土俵内やと。 それだけは死守したいなと。 ふふふふ

佐藤:その土俵がなくなると自分じゃなくなってしまうと。 というところで頑張っていると。思い込んでいるんだと。

新田:最後の砦なんで。

 幸いに たまたま、ね、今回の建築を頼んだ人のような そういう人もおる訳やからね。

1人おったら もうちょっと おるんじゃないかと ふふふふ

 そういう意味ではねインターネットの世界いうかね、世界も広くなっているから。もしかしたら世界にはおるかも知れんよ。理解者が ふふふふ。

佐藤:そう想える ことで 建築家として希望が持てるわけなんだ?。
新田:そうね。それは自分の程度 レベルも分かっていてね、ある程度の確信というか、無いとあかんやん。 見れるレベルが。これはいけるんじゃないかとかね。

 これは悪くないんじゃないか?とかいうのは一応分かってるつもりなんやな



佐藤:建築を作る他に学校で教えているでしょう ○大だっけ 松岡先生とか
新田:おるおる。京大から東大、サナアを経てのな。

佐藤:こないだ大阪で会ったら
新田:いつ?会った
佐藤:ぽむ企画のみ江さんの結婚式の披露宴が大阪であったんだ、そのときに俺キューピット役してたと言われたんで 参加したんだ。 帰りに京都まで来て 朝まで酒呑んで しゃべっていたんだ。

新田:よう酒 呑むらしいなー 打ち上げとかでは 会うけど。そんななー深く付き合ってへん。

佐藤:そのときに新田さん教えていると 言っていたんで。教えているっていうことは 自分にとってどうですか?どういう意識で教えているの?

新田講義しているわけじゃないから。教えている気はないねん。演習やから。要は長いこと行っているけど、どういう気持ちで行っているかと言うたら、おもしろいねん。才能というか、ね。素材というか。いうのを見つけたいなと

佐藤:見つけてどうするの?
新田:それは伸びて欲しいということ。けっこうオモロイのにさー シュンとせずに、けっこういけるでと。いう素材

佐藤:素質を伸ばしてあげてやると。

新田:そうそう
そういう気持ちが楽しいと。だからね、前はね造形大も行ってたでしょう。

 そうするとね、造形大の学生は 芸大やから、タイプがちゃうやない。根本的に違うんだけど。

  中途半端な普通の総合大学やから、偏差値教育も受けてるし。なかなか みんなね。個性派でもないわけよ。 タイプイメージとしてはね。

そうすると、全員が建築家になる必要はない けど、建築家になりたい奴も 中にはおるかも知れんと。そういう奴がおったときに見つけてね。伸ばしてやりたいという気でおった。

佐藤:町の建築家 よ 悪の道へ導くと
新田:そうそう、それが それこそ 社会性として好いことではなのかも知れないけれど、そういう奴が中にはおるんじゃないか。そのときもったいないな〜と。

佐藤:君こうやったら建築作れるね と助言してあげて、誘うと。
新田:誘うけどね 最近はけいへんよ。昔は結構 来たけど。若い学生たちも敏感でよー見ているからね。こっちの水は甘いよと言ったってさー。分かっているわけや 甘くないのが

佐藤:リアリスト達だからな 若い者は いいんじゃない
新田:そうなんよ。でもね常勤の先生も含めて そんなこと言えないわけよ。 先生は責任があるから。 僕は非常勤やから、そんなこと気にせんと、お前好いから 頑張れと言ってるんだけどね。佐藤さんが言っていたように学者達は大きい声 出せんみたいな。話しと ちょっと似ているよね。僕は才能があるじゃないかと言う。

何百人もおって みんな建築家に育てる〜 って やってへんから。大学自身がな。でも僕の立場としては1%でもね、おる奴にはちょっと伸ばしてやりたいと。

君感性があるねと。色々出来るんじゃないのと。

佐藤:と言っても 最近はみんな逃げると。うふふふ うふう

新田:
逃げない奴もおるよ。伸びてる奴もおるよ。でもね、今嫌なのはそいつらら今 の流行とかね、いうのに飛びつくわけや。そうすると後追いになっちゃうから、テクニックだけ巧くなるわけや。CGが巧いとか。それは 僕は駄目やと思ってんねん。

 もっと個性というか感性というか素材がいいのがいい。残ると思うんや。それを育てたいんだけど。そういう奴を相手して。 器用じゃないから、上に いかないのよね。器用で プレゼンが巧いのが上に行くわけや。コ ンペもちょこちょこ引っ掛かると。

 それは違うやと思っている。でも 時間が長く掛かるから、君は大丈夫と言っても直ぐ芽がでないから頑張るためのエネルギーが蓄積しないわけやそこがジレンマやな。

佐藤:仕事を分け与えるわけにもいかないと。
新田:無いしなーはははは。 仕事は出来へんから。感性がいい いうだけだから。素材としていいだけだから。素材がいいのが大事やと思うわけよ。何か思ってる奴やなと、若い時あったと思うねん。そういうの居るんや。そういうのを育てたなと。

佐藤:若い人と繋がっているわけだね。仲間を見つけ出して協力し合って育てていくという話しかな
新田:山登りといっしょでさ〜一回 登ってみたら悪くないよと。いう快感を得るとね、がんばれると思うねん 若い人は。若い奴がとにかくハウスメーカーへ行くしか無い、ほとんどやから

それは面白くないじゃないかと思っているわけや。だって何処へ行ったって死ねへんやんか。

佐藤:ふふふふ そうね。
新田:だからもうちょっと好きなことしたらどうかな と思うんだけどね大学 院に行ったって、就職のために 2年先延ばしするだけや。結局ハウスメーカーに行ったりしているわけや。

佐藤:大学もうかる モラトリアム ね

新田:そうやん。期間先延ばしだけ。それは何がやりたいからと違うわけやな。それを見つけるためにも。素材がいいねと言うてあげる。乗って頑張ります言う方がね、単に就職するよりはいいんじゃないかなー

佐藤:新田先生の学生に対する態度分かりました ありがとうございました 次はまた5年後お願いいたします
新田: どうもどうも また来てや ワイワイ酒呑もう

 お互い としとりましたなー ぐはははははは

 以上で新田正樹さんに聞く 2013年9月版の聞き取り記録は終わります 次回は2018年を予定しております お待ちください

 文責 佐藤敏宏