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佐藤敏宏の2013年ことば悦覧@大阪 幸家大郎 編 01 02 03 04 |
04 幸家:うーん 佐藤:自分が瀬戸内海の自然豊かな所で生まれて、自分の実家の建材屋さんが地域の材料とか使えなくなっているという事に対する 何か抵抗というか、申し訳なさというか、故郷喪失的もやもや感が起きているわけですね 幸家:もやもや感が大きいと思うんですよ。 自分ではちゃんと思いだしてない、もっと向き合った方がいいと思うんですけれども。それはだいぶもやもやしてますね。 幼少の時からの経験なんで。 佐藤:まだビジネスとか、産業になったり、それから日本の政治の仕組みまで変えていくような動きにはなりそうもない訳ですけど。自分の中のロマンティックな、だったら好いだろうな−的な話で。その当たりはどうかなーと思います。だから失敗しちゃうわけですよね。村の 橋造りのように作りたいことが先行してしまい コミットが無いので失敗するように。 ただ都市の方は古い建築の中に新しい建築を挿入して 全体を読み替え可能にしていく。 この古い建築を更地と読み替えてもいい 更地の中にくさび形を入れて 都市の装置を作ったと考えればいいので。 幸家さんの建築の作り方も 町との関係の中で、地方と大都会の関係のように繋がっていて。無理なく出来上がっているような気がするんだよね。そういうふうに俺には見えたんだけど。これを手がかりにして 今後 よさそうだね 幸家:手がかり的には だいぶヒントは有ったと思います。ここは。この物件。あらかじめ予算があって投資するから、で設計して業者決めてみたいな流れでなかったので。逆にそれが色んな事を刺激してくれたというか。 今の話の線と繋がるかどうか分からないんですけど。コミュニケーション。という意味で面白い実験が一杯あったような気がしてます。 ここ解体自分でやるしかなかったんですね。人が雇えなかったので。一個一個の物の整理をして。ゴミというか、不要になった、道具ですね。何かの道具みたいなのが一杯でて来て。ロマンチックな意味でも引きつけるものが有るんですけれども。ふふふふ かなり引きつけられて。手が止まってしまったんですね。捨てるわけにもいかず 「どうしようか〜」 とって置いてもしかたないしなーと。 それだったら色々な人に取りに来てもらったんですけれども。それでもはけなかったので。こういう形で、この絵描きさんの友人、作家さん。花瓶 花と陶器の作品作っている人です。 佐藤:この建築にある廃材を使って花器にしてしまったということですか 幸家:いえ これは独立した作品ですけれども。独立した作品を廃材ですねここの機械とか ここのぐちゃぐしゃな中にインスタレーションして。空間を作るみたいな。名付けて解体途中展みたいな。解体の現場の途中展みたいな。 佐藤:展覧会を仕掛けて、閉鎖状況を開いたんだ 幸家:僕の知っている友達 焼き物やっている 友達を連れて来てですね。白い何も無い所に作品をぽんと置く作品展じゃなくって 解体現場の中でやったらどうなるかなーみたいなことを 佐藤:どうでしたか 沢山来ましたか 幸家:沢山来ました。300人以上来ました。ただ作品が一つも売れなくって。ギャラリーとしての力も無いし。来た人も何か よく分からないけど来たみたいな人達で。逆に作品より元々ある物が強かったりとか。 佐藤:解体現場のゴミの方が展示した作品より力が勝ってしまったと 幸家:そうです。だけど 3,4日でインスタレーションしたんですけど。楽しむっていう意味では楽しんでくれたて。売れるということよりも。自分でやってて 楽しかったし。グループの人もカメラ持って来た人が多いですけどね。 ばちばち写真だけ撮って帰ったみたいな 佐藤:数十年前は普通だった物で珍しい物が沢山あっただろからね。印刷関係の古材が一杯あっただろうし 幸家:こう解体して疲れて 1週間2週間休みたかった というのと丁度展覧会やったら面白いというのと。複合して。 佐藤: 2008年から5年経っての聞き取りでしたけれど 今後の方がこの改修建築を 切っ掛けにしてもっと面白くなっていそう気がするね 幸家:もうちょっとこういう方向で 佐藤:手法が一杯身について来てて 展開していきそうだと なるほど。 幸家:解体 古い物を解体して捨てるんじゃなくって、ちょっとお祭りしたら面白いんじゃないかとか。その感じも今回の展覧会やって分かりました。 佐藤:都市の人々も高齢化するから、いいよね 。地方は先行して高齢化すすんで限界集落と言われるけど 都市も建物も古くなるし、住んでいる人達も高齢化していくので、 それらをうまく結びつけて交通させて新しい暮らし方をつくりだすと。食文化も 建築のつくりかたも音楽や芸術も 育てていくので 次の5年は今以上に楽しそうですね こんな感じでいいでしょうかね 幸家 :はいこんな感じで はい 幸家: もう一ついいですか 最近のロケットストーブ作ったり。スピーカー作ったりして遊んでいることなんですけど あれも屋台を作ったんですね。 ピザ屋さんのはい。なぜ屋台作るの?って話を聞いていると凄く面白くって。 どこにでも出かけて行って、どこにでも店が展開出来て。そんなことをしたいのと、色んな所にイベントで出かけていって、そこの食材で自分の腕で料理できたらいいなとか。 その時に町から人を連れて行く。 地元の人も都会からくっついて そこで遊ぶと。それの逆もあると。食材ごとトラックに積み込んでがーっと来て。食材を売った後に 何かそこで飲み食いして泊まって帰ってもらう。先ほどの話ですね。両方のローカルを作っていって、つなげたら面白いので。 佐藤:ローカルどうしが交流することで、新しい動きや経済が動くし。発想も新しく変化していって。生きている面白さが展開し生まれて来ると。 スピーカー作りとロケットストーブとはどういう風に関係していくんですか 幸家:スピーカーはですね、建築、建物とか空間もあるんですけれども。もっと手前の生活の楽しみだとか。楽しいことがベースで、建築が建っていったほうが いいなーみたいな。最近ほんとうにそう思っていて。 佐藤:建築はロジックが大切で そこをがんがんやるんだよね。一方には強くありますよね。楽しくするという以前に。そこはやらないんですか。 幸家:そうですね、あんましロジックから形を構築すると どうもヘタで。いつも成り行き的なんですけれども ふふふふ 楽しんでた方が僕が知らないうちに ぽんと 佐藤:状況に合わせ対応してるうちに自分が発想してないものが出来てくると。そういう文脈で作った方が自分らしい建築が出来て 幸家:結果 そっちの方が うまくいっているんじゃないかなーと処があって。 佐藤:頭で考えて、言葉で考えて建築を作るよりは 置かれた環境に身を任せて作っていく方と 後読みで 綺麗に幸家的建築になっていくと。作っている時は考えてないんだけどと 幸家:あんまし考えてない ふふふふふ 佐藤:その方が後で説明しやすい建築が出来るんだと 幸家:そうですね。スピカ−に関しては例えば・・ (フェースブックを見ている) 佐藤:この頃スピーカ作るのワークショップしているよねなんでですか 幸家:スピーカー趣味で作り始めたんですけど。これは一人1本作るんですねワークショップで。長さだけ本人の希望で変えるだけで。低音がこの箱の中で共鳴してぶつかるようになっているですよ。音の薄いところ濃い処のゾーンが出来て。綺麗に低音が全部出て来るみたいな。 これを同じ形とか持ち寄ってですね。左右につなげたり、すると けっこうみんなで遊べるというか。ふふふふ。担げるぐらいなサイズにして。ふふふふふ 楽しむための道具ですね。 佐藤:ロケットストーブはスピーカーよりは機能性について 分かり易いですよね。 幸家:ロケットストーブの方がちょっとまじめです。スピーカー売っている物とちょっと違うんですよ。極端な事を言うと音と熱に関しては好奇心だけはかなりあるんですよ。質的な部分で音も熱も質みたいなものがあって。 熱で言えば同じ温度でも快適な熱とそうでもない熱ってたぶんあると思うんですよね。輻射熱みたいなこととか。ああいうことになると結構 もうちょっと解明されてないような 熱を沢山引き出すとか。沢山蓄えるとか。何かあると思うんですね。音ちっちゃいけど よく響く音とか。 あんまし建築の方に行かないんですけどね 音とか熱があって それと生活を楽しむみたいなのがあって。 佐藤:それらが全て繋がるかもしれないね。 幸家:天川村というところのブースをこの屋台のブースと もう一つ物販のブース二つフレームで 佐藤:農業用資材の活用ですか。 幸家:はい こういう形で組み立てるんです。ものすごく農業用ハウスの部材ってよくできていて。金物とかビニール止めたりするやつとか色々細かいパーツが凄くよく出来ているんです。性能が良いというか。例えばビニールシートを巻き上げる 長さが50mぐらい上げられる あんなのが凄くよく出来ていて。 これを農業用フレームで 今僕が住んでいる長屋ですけど。屋根の上にテラスを作って 屋根の熱を冷ましたり 貯めたりする 仕掛けをハウスの部材で 風が恐くって作りきってないですけど。 屋根面全体を隠したり熱貯めたりしてしたい 内側はシェードを掛けて。熱をここだけ冷ますとか。冬はどんどん熱をためてぽかぽかにする ことをやってみたいなと。 こちょこちょした部材で変わったことしてみたいなと セカンドアーキテクチャーです はい 第二建築のような感じで こんな感じです。 ありがとうございました 長い時間 2013年9月16日 幸家大郎さんに聞く を終わります 目を通していただきありがとうございました 次回の聞き取りは 2018年を予定しております 文責 佐藤敏宏 |
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