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  佐藤敏宏の2013年ことば悦覧@大阪
幸家大郎 編 
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幸家:今 話したような活動は 2011年以降ですね。11,12,13年。 

佐藤
:2011年は東日本大震災と福島原子力発電所の事故がありましたので活動を開始したんですか

幸家何かよく分かりませんけれども 震災と 台風の中で紀伊山地が大変なことになって。それの環境の壊れ方、言葉で何て言ったらいいのでしょう。何か皆さん思って居ることだと思うですけど。

とてつもない壊れ方というか。原発はあのとおりなんですけども。紀伊山地の災害の中でも、今までに無い雨量が どひゃーっと降って、結果から言うとですよ。 つきとめられてはいないんですけども。だいたそうだろうっていう当たりのことが言われてて、杉檜の山でほっぽらかしになっている山がほとんどじゃないですか。

水はけの問題で手入れしてないので。一定量以上の水がどひゃーっと入って来ると。どんどんドンドン下に行ってしまうらしいんですね。どんどん下に行きす過ぎた水の水圧で岩盤の所から1番したの岩盤の所がえぐられるみたいな。崩壊するみたいな。雨で。考えられない壊れ方で。

佐藤:昨日も大阪には 台風が来て 沢山 雨降ったけどね、1時間に100ミリとかゲリラ豪雨ふうに降ることが多いですからね 。
幸家:地球の変化なでしょうけど 。今までの 当たり前に思って居た範疇よりもちょっと とてつもない事が起きている感じ がして。例えば杉山と檜の木が無くって、全部原生林だったら大丈夫だったのか? そういう話にもなるかも知れないんですけれども。

 バランスが崩れたところに余計強い自然の力が来て災害になるような形で。危機感というよりも、今までが、あんまり普通すぎたのかなーみたいな感じがして。色んな事を刺激というか、その中で色んなことを考えるようになって。

それで何が出来たわけでもないんですけども。何なんでしょうね、コミュニケーションみたいなところもあるのかなー。まず原発とか台風の災害があったときに、復興で色々な復興計画とか、そういうところあるけれども。僕は古い集落とか在るじゃないですか。限界集落。以下というか朽ちて家の形と畑がちょっと残って居るような場所が一杯在って。棚田なんかももう一回使ったら使えるようなそういうのが一杯在るんですよね

そういう所を何か違うコミュニケーションをして、使えるような。現代版じゃないですけれども、現代版的な小さいけど強い集落みたいなものに改造できないかなーみたいな。それはなかなか難しいんですけれども。そういうに出来る素地、使ってないものが一杯在るんですね。

現代的にカスタマイズして使うみたいな。 そういう意味合いのシナリオみたいなのを考えてみたり。書いてみたり。 

その中では一つ町と農村部をどうやってつなげるか? どういう方法のつながり方というか。どうつなげるか?ですね。 それをずーっと考えてたときがあって

それは、ただの観光でもなく、どう言ったらいいのかなー。いきなり 田舎に町の人が全て入って、そこでの生活に移行するっていうのは凄く現実的ではないというか。 当面は緩やかに行ったり来たりみたな。 世間一般で言われるような2居住とか、そういう ライスタイルあるじゃないですか。

そういうのもあるんですけれども、もうちょっと面白くつなげていけないかなー というのが ぼやっとあったんですね。その時にローカルってあるじゃないですか。地域性というか、ローカル性みたいなこと。それの意味合いというか。

 例えば、町中にもローカルな場所って在る。昨日行ったライブハウスって凄くローカルな集まりだと思うですね。有名過ぎもしないし。ただ強烈に楽しんで居る奴らが集まって居るような。ああいうローカル性もあれば。田舎に行っても、何も無い田舎でもちょっとした面白い人が何人か居て。凄く拘りのある人達が集まって 何かやっていたりとか。 田舎の中でもちょっと何か変わっているみたいな感じとか。 (ライブハウスでの様子) 
 

 面白いローカル性っていのが結構色んな所にあって。そこを巧い具合につなげたりつなげたり、コミュニケーション出来たなら。面白いかな−という。感じになって来たんですね。

佐藤:それは幸家さんが媒体として 都市と田舎を橋渡しをして活動してみるっていうことですか
幸家:そうですね 。そんなのはイベンターとか、インターテイナーがやればいいんじゃないかなーという処もあるですけれども。

 僕としては自分もそこに首を突っ込んで、自分も楽しみながらですけれども。用意された処に出演するんじゃなくって、そんなんじゃなくって。どっぷり当事者として浸かっていきたいなーと。なぜかあるんですね




佐藤:そのような力は地方から都市へは来てないんですか。地方の人が遊びに来る場は無いの
幸家: 後に繋がって行くんですけれどね。そんなことを考え居る間に、 今話している場所の 物件の仕事が入るんですね

佐藤:この物件は何て呼んでいるんですか、印刷屋さんの改修工事。
幸家:谷六シェル」 シェルターのシェルですけれども。ここに入居した希望者の人が ほぼシェルター的な感じで、寝れて、風呂は入れて。トイレと台所で調理出来て。水回りがある んですけど。 残りの余白の場所で自分の絵を描いたり。画家さんなので。「そういう場所があればいい」ということで。それだけの条件で。探してたんですけれども。

作り方としては、条件は家賃を工事費にして。その代わりプランを話合って決めて作ると。 (絵:2泊借りて谷六シェルターを使って観た)
 





佐藤
:5年の家賃を工事費に充てて 工事費をまかなうという条件ですね。
幸家:工事費は5年分で家賃で納める
佐藤:大家さんは5年分の家賃をすべて工事費に注ぎ込んだということですね

幸家:
そうです。6年目からは収益になると。逆に言えばそいいう条件の物件も探さなきゃいけないくって。要するに放置物件に近いような。ここなんかだと 印刷機械を動かすのにも金が要るし。 ちょっと張り直したぐらいではとてもじゃないけど、税金だけ払う感じで、10年近く動いてなかったのかなーこの先5年も変わらないなーという処で。それだったら。5年分投資して、5年後に家賃収入あるみたいな。

佐藤:この物件は 建築の在り方を考えるための色んな端緒が一杯あって面白いですね。

例えば古い建物に中に新しいくさび形の幸家さんがこしらえた形を挿入する 幸家さんらしさの斜めの線が沢山あって。ちょっとしたズレが生み出す隙間もあったりして。

 この物件の既存・外側の構えを都市と言い換えれば 新しいくさび形が建築で、その二つが同時にあって 面白い関係性が起きているように解釈できる。 もともと在る都市の自然条件(既存建物を読み替えて) あるものを使いながら新しい物体との関係を作って 新しい環境として読み替える試みだと解釈しました。

そのように古建築を都市として読み替え可能なように作ってみたと。

そういう意味では凄く面白いと思いますね。設備をなおしたりするということ以上に古い建物に中に新しい建物を入れた時に、色々な隙間 空間ができてしまう。 それから読み替えを迫られるような、 読み替えないと理解できないような隙間が一杯出来て来て。 でも階段なんかを観ると 古い建築が使い続けた人の行為の記憶が刻まれている。

のこ場 全体が都市的生き物に見えるじゃないんです私には。この物体のありかた 構え方というのでしょうか、とても興味深いですね。 



さっき説明があったドアが坂路に直角に設えた話 は一面でしたが この物件は 総合的に都市に関わっている印象がありますね 予算が少ないのでチープな部位が一杯あるけれど。 かなりその過程がいいんじゃないかなーと思いますけどね

その当たりは意図できですか どのように考えてこの谷六のシェルは作ったんですか。

 電話が来て 中断・・・  電話終わる 
 絵谷六シェルター2階平面図


佐藤:俺が誤読しるかもしれないので この谷六のシェルの話してくれますか。依頼のされ方は分かったんですけど 設計の意図を話してくれますか。最新作ですよね。庭の工事は終わってないけどね。

幸家:はい

佐藤:当初の意図をわかりやすく話してもらえますか。間口はどうですか

幸家:
1間半ですね。 
佐藤間口1間半の長屋が3軒並んでいる真ん中ですよね
幸家:そうです 

佐藤:それで奥が学校の校庭に接続している。前は路地で 元元は1階が印刷屋さんで2階はなんだったんですか。
幸家2階も印刷屋の事務所ですね

佐藤:幸家さんが付け加えた物体は

幸家
:横梁は2×4です 。細かい意味での考えは色々あるんですけれども。 新しい物体のように筒状の断熱をとれば 風を引くのではないかとか。 ロケットストーブじゃないですけれども。ふふふふ
佐藤:風が通る方が気持ちがいいんだと

幸家:筒状に全部囲うとですね、煙突効果が出るんじゃないかなと 夏の温度差が激しいときは 効くんですよ
佐藤:歪んだ筒状の形態は風が動きやすくなるんだと。

幸家:細かい処は一杯あるですけど 結果としては 内側にもう一回外側を作ったみたいな。そういう刺激がこの界隈にあれば面白いな−と。それぐらいの事ですけれども。 今布団置いてある 路地に面した2階の縁側みたいな処、そこなんかも外という考えなんですよ。 話合っているこの白い新しい物体の中が 内側なんですよ。断熱されたシェルターがあって 他の古い建築は全部外みたいな感じです。

佐藤:冬はここだけで暮らすと。
幸家: カプセルホテルみたいな感じですけれども。
佐藤:だから古い建物に新しいカプセルを挿入した ようになって見えるので 古い建物に内部が都市として読み替えることができるんだね カプセルが小さな建築に見えるんだ。 そういう関係がうまく出来てるね

幸家:そうですね。月並みな言い方すると光の入れ方を長さを活かして、中に入れるとどうなるか?なと。
佐藤:新カプセルの中から観ると古い建物の建具などの線が斜めになったりずれている処とか まるで意図的に作ったように 騒音になっている点も面白いね

幸家ふふふふ。やっぱし斜めになったんですね。 辺に直角でも。割り切って直方体か あとは歪ませるかどっちかだと思ったんですね。

佐藤:古い建物の斜めの線が 妙に効いて見えますよね
幸家:効いてます ふふふふ で、この壁の斜めの立ちは糸張って決めたんですけどね。 こっちに倒れてます。最初垂直だったんですよ。 何本かフレームを立てて。その下に立ったときに。凄い重い感じがしたんですよ
佐藤:下の庭から観あげたときにね

幸家:かなり重い 下から見て 上から見て。できるだけ 寄せたくって。それがこの角度。
佐藤:で 新しいカプセルの木口であるサッシが難しい台形になるわけね
幸家:そうです。 サッシがややこしいんですけど。まあ、あそこは自分で鉄で作ろうとおもっていたので。

佐藤:なかなか 出来上がりがいいですね。

幸家:下の階も 大きいんじゃないっていうお風呂ですね。 あそこもちょっと台形で。後ろがしぼんでいるんですけれども。あれも立って観たらっていうか庭が狭すぎて。ちょっと振った方が。

佐藤:斜めに配置しすることで奥行きが強調されるしね。この場所はパブリックな場所が 1階にあって、今は一時的にカレー屋さんとして使っていると。
 2階がプライベートな場所であるけれども、空気の動きや テラスで 外部に繋がって行くと。完成お目出度うございました



幸家カレー屋は思いつきだったんですけど。うまくいって ふふふふふ。

佐藤:多義的に使われだしたと。 まだ借り手が現れていないので 俺の一時的な大阪の家としても 2泊ほど 使わしてもらったりして。ふふふふ

幸家飲食用 のゲストハウスみたいな運用のしかたもあるんですよ。

佐藤:
不特定多数が出入りすると 法律的に問題が出るので。親兄弟とか知り合いが来たら雑魚寝して 下で食事を作って 1週間ぐらい使う 都市の仮の家として使える、そいう古建築の活かし方もあるよね
幸家面白い計画かも知れませんね〜

   
    (絵:2泊借りて谷六シェルターをもつ鍋パーティーしてで使って観た)

佐藤:
先ほど 地方の人が都市に交流しに来るって話しがあったけど、この谷六のシェルを活用し 都市の人々が地方に行って寝泊まりして戻ると。俺の活動している 俺の家はお前の家 お前の家は俺の家活動に似て来るし
幸家ふふふふふふ

佐藤
:都市の中に新しい親戚関係をつくりあげるための建築的な仕掛けみたいで いいですよね。10数年放置されていた 古い建築をそのように活用するという活動だと。  全体としては理解出来るけれども。

 でも 近代的な視線では どんどん新しくしていって だめな古いところは取り除くという 強くって新しいところだけで都市をつくっていこうとする話なんだけど 。そのような考え方の視線とは逆行している 。スケール的にも効率が悪いわけですよね。 そこをあえて実践しなければならないのはどういうところから? 幸家さんの動機が産まれて来ているんですかね?

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