耐震強度偽装問題 審議 内容 を見やすくしてみました
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163-衆-国土交通委員会-11号 平成17年12月14日
姉歯元建築士喚問 目次
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○
吉井委員 それから、先ほどの証言の中でも、
98年の最初の
篠塚さんからの圧力の件ですね。そのときに、
もうこれ以上無理と何度も言ったということでしたし、その
後のこの各物件に取り組むときも、これは何度も無理だということを言われたこともおありのようですが、
法令に触れるからもう無理だとはっきりおっしゃったのか、あるいは
、暗黙のうちの意思表示で来たのか。もし、普通は暗黙のうちの意思表示やったとしても、あるときにはきちんと、これは法令に触れますよとはっきり言葉として述べられたこともあるのか、ここを伺います。
○
姉歯証人 法令に触れるとは、直接的には多分言っていないと思います。ただし、もう暗黙の中でそれは理解していたものと思われます。
○
吉井委員 それから、
木村建設の篠塚支店長は、鉄筋を全体として減らせと言うと、そのときに、
それなりに努力してくれるところが多数あるんだということも、先日、
29日の参考人質疑のときに明らかにしております。
平成設計の外注先リストの中には、見ておりますと
、姉歯さんのところを含めて五社ありますが、構造計算書の偽造というのは、
残る四社の中にもあるというふうに思われますか。篠塚さんは多数あるんだと言っているわけですが、どうですか。
○
姉歯証人 その件につきましては、私、実際に見てはおりませんので、わかりません。
○
吉井委員 2000年10月の
岡崎のサンホテルの構造計算書のときですね。これは、ここには木村建設は直接的には出てこないんですが、
浅井工務店だったと思いますが、
これは総研の指示で偽装をされたのか、それとも、平成設計の方からの指示で構造計算書の偽装をされたのか、偽造をされたのか。これはどちらでしょうか。
○
姉歯証人 総研、平成設計パターンというのはずっと昔からやっておりまして、変な意味、通例みたいになっておりましたので、そのときの物件に関しましては、そういう直接的な指示はなかったと思われます。
○
吉井委員 つまり、それは、総研の直接的指示はなかったということで、平成との仕事の中で、もう構造計算書の偽造は当然のことだからやったということなのか、総研もそのことを理解した上で、あなたを使って一体となって偽造をやったということなのか、どういうふうに理解したらいいでしょうか。
○
姉歯証人 それについてはちょっとはっきりとはわかりませんけれども、
総研、平成ラインのホテル部門の、柱の断面とかはりの大きさとか壁の位置とか、形状がパターン化されておりまして、その断面自体がもう本当に小さな断面で形成されておりますので、そういう面では
非常に無理があるプランニングだったと思います。
○
吉井委員 時間になりましたので、終わります。
○
林委員長 日森文尋君。
○
日森委員 社民党の日森文尋でございます。 最初に、具体的な話に入る前に証人にお聞きをしたいと思うんですが、この間、二回、国土交通委員会の参考人招致、新聞報道等によるとさまざまな理由があるようですが、おいでいただけませんでした。
きょうは証人として、当然そうなんですが、出席をしていただいたわけなんですが、
報道等によると、
あなたは、森田さんという設計事務所の社長さんが自殺をされたという報道を見たりして、怖くて外出できない状態なんだという話がございました。もちろん、そのことも含めて、体調が不良だったんだということを理由に参考人招致に二回にわたって出席されなかったということが一つなんです。
それから同時に、ヒューザーがつくったマンションで説明会があったときに、ここの社長さんも、
小嶋さん、身の危険を感じて説明会に出席できないなどということを社員に言わせていました。
どうも、この辺の、周辺でそんなようなことが実際にあるのかどうなのか。
実際に、身の危険を感じて外出できない、報道によるとホテルを転々としているというお話がございましたけれども、その辺の真意についてちょっとお聞きをしたいと思います。
○
姉歯証人 実際に
森田先生の報道が出たときは、私自身も正直に申しまして怖くなりました。そういうのもございまして、前回の、前回、前々回は、体調不良もあったんですけれども、外に出れないというのが正直なところで、欠席しました。
○
日森委員 森田さんは自殺というふうに報道されているわけですが、そうではないのではないかという思いも抱いたんですか。
○
姉歯証人 いや、その辺はちょっとわかりません。
○
日森委員 恐らくそういう環境があなたの周りにあったのではないかということだけ感じ取ることができました。 ちょっと具体的に話を進めたいと思いますが、先ほどから、
指定確認検査団体ですね、例えばイーホームズ、日本ERI、ここが大変甘い検査機関であるから、ここでお願いをすることにした、それは、物件によっては担当が違うけれども、物すごいスピードで確認がおりてくるんだ、まあ、
実際に確認していないんじゃないかというお話まで、証人、されました。
98年、
建築基準法改正になるわけですが、
イーホームズ、とりわけこれは件数が多いんですね、断トツに多いです。イーホームズに確認検査をお願いしよう、そう思ったのは、姉歯さん、証人本人なんでしょうか。
○
姉歯証人 設計業務というのは、元設計、俗に言う意匠事務所がありまして、そこが
近隣説明云々等を最初の段階で行いますので、確認検査機関はその時点で決まっております。
○
日森委員 そうすると、結果として証人がお出しになった偽造書類がいわばノーチェックで通ってしまうようなことで甘い機関と言われたんですが、決めたのは、例えば
平成設計さんとかいうところがイーホームズさんに確認を出すということなんですか。
○
姉歯証人 イーホームズに変更したというきっかけがございまして、それは、
ERIが内部的にいろいろ問題がありまして、時期は忘れたんですが、三カ月ぐらい営業停止になった時期がありました。それまではずっと
、ERIが最大手でしたので、そこに提出していたわけですが、三カ月停止という状態になりまして、そのときにイーホームズにすべて移行したという形になりました。
○
日森委員 そのイーホームズに移行したということを決めたのはどなたか、御存じですか。
○
姉歯証人 元設計事務所になります。
○
日森委員 確かに、検査機関が甘い、先ほど証人がおっしゃった、
実は検査をしていないのではないかと言い切ったわけですが、大変重要な問題だと思います。
これから、もちろん証人間の問題じゃないんですが
、制度の問題としてこれは随分取り上げていかなければいけない課題だというふうに思っています。
そして、証人も
、実に単純な偽造、先ほど説明もありました。
これが見破られなかったのが、見破ることができなかったイーホームズや、もちろん初めとした
民間の検査機関もそうです、それから
特定行政庁もそうでした。
実は、その
構造というか図面を見ればすぐにわかるというのはだれでもおっしゃっていることなんですよ。
だれでもおっしゃっていることが実は検査機関で見破ることができなかった。それでまたずるずるとその偽造を続けていったということになるんでしょうけれども、こういう事態について、
構造の専門家であった一人として、どんな感想をお持ちですか。
○
姉歯証人 私がやったことは
自分でも大変悪いことだと認識いたしております。
あえて申しますけれども、確認検査機関にはやっぱりプロの方が、構造部門、意匠、構造、設備とそれぞれおりますので、それで、構造を見る担当者は、ある意味、構造のプロなんですよね。その方が見てわからないということはおかしいと思います。
○
日森委員 実際に、例えば施工現場、中間検査もされていないとかいろいろな不備があると思うんですが
、施工する現場には一級建築士が常駐しなければいけない。例えば、大手の施工業者が、木村さんに丸投げしているかどうかは別にしても、そういう施工業者がやった建物も偽造になっている、耐震性が非常に低い建物になっている。 こ
の一級建築士が現場に常駐しているにもかかわらず、これは見抜けないものなんでしょうか。それほどのものなんでしょうかということについて、もうちょっとお聞きしたいと思います。
○
姉歯証人 簡単に見抜けると思います。
○
日森委員 こういう事態が一つ今証人の発言で明らかになりました。
検査もだめ、そして法令で決められているのに現場で一級建築士も確認をしていないような事態が現実に横行していて、
71件も既に出ているわけですよ。これは証人の発言でも随分はっきりしましたから、こういう問題についてもぜひ委員会で取り上げていきたいと思っています。 もう時間がなくなりました。最後にお願いしたい。
最初に謝罪をされましたけれども、もう一度、あなたは
殺人マンションと殺人ホテルをつくる、つくってしまった、その事態の一端、重要な一翼を担ってしまったんですよ、担ってしまったんです。
何千人という方々に重大な財政的な負担も与えてしまったんですよ。
家庭の事情もあるでしょう。そのことについて、国民の皆さん、とりわけ被害住民の皆さんに、もう一回、心の底から謝っていただきたいと思います。そして、責任をとるところはきちんととるんだということを明言していただきたい。そのことを最後にお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
○
姉歯証人 住民の皆様、それと国民の皆様、今回は本当、大変申しわけないことをしたと思っております。大変申しわけありませんでした。
○
日森委員 終わります。
○
林委員長 糸川正晃君。
○
糸川委員 国民新党の糸川正晃でございます。 早速質問させていただきます。
今回、事件発覚後、姉歯証人は事件のメンバーと電話なりなんなりで連絡をとられましたか。
○
姉歯証人 事件の発覚ですか。
(糸川委員「はい、発覚後」と呼ぶ)発覚の前日だったかに
曽我部長の方から電話で連絡が入りました。それで、
10月の25日に
イーホームズに呼ばれたという形になります。
○
糸川委員 今現在、無職というふうになったんですけれども、木村建設からの圧力があって今回の自分の
一級建築士の資格を剥奪されたわけなんですけれども、普通でしたら、もうこれは木村建設の支店長なりを訴えませんか。
○
姉歯証人 それにつきましては、今検討中です。
○
糸川委員 結局、今までの行動からすると、普通でしたら
、木村建設のことを恨んでいるとか、そういうことがあったら参考人招致にも参加すると思うんですけれども、その辺はいかがなんですか。
○
姉歯証人 参考人招致のときは、正直申しまして、外に出れる状態ではありませんでしたので、それで欠席させていただきました。
○
糸川委員 その辺について、警備の依頼とかそういうものをされたんですか。その結果、身の危険を感じるとか、そういうこともあったんですか。
○
姉歯証人 警備の依頼云々というのはありません。
○
糸川委員 では、今回の
責任の所在というのはどこにあるというふうにお考えですか。
○
姉歯証人 もちろん私自身が計算書の方を偽造したわけですので、私にももちろん責任はあります。 ただし、私一人だけでできることではありませんので、全体像を見る限り。その辺は御理解していただきたいと思います。
○
糸川委員 私一人ではないというふうにお答えになられましたけれども、具体的には、それ以外の人というのは、お名前を挙げていただくことはできますか。
○
姉歯証人 再三申しておりますけれども、
木村建設篠塚明支店長からの指示がほとんどです。
○
糸川委員 建築基準法違反で今回告発されたんですけれども、刑事責任として、捜査機関が捜査を進めることになっていくというふうに思うんですけれども、告発されたことについてどのようにお考えでしょうか。
○
姉歯証人 告発されて当然のことだと思っております。
○
糸川委員 では、このような事件を起こしたその当事者として、現在の建築確認とかそれから審査にかかわる制度についてどういうふうに思っていらっしゃるか。それからまた、どういうふうに改善していったらいいかということをちょっと参考までに教えてください。
○
姉歯証人 私が述べる立場にはございませんけれども、特に民間機関の審査等につきまして、厳しいチェック体制をとってもらえたらいいなと思っております。
○
糸川委員 木村建設から姉歯証人は、仕事を別の人に渡すかもしれないというふうなことを言われたということはありますか。今回のこの圧力の中でそういうふうなことがありましたか。
○
姉歯証人 要するに
、鉄筋をこれ以上減らせないのであれば、設計事務所は、構造事務所は幾らでもあるんだよということは毎回言われましたので。毎回言われました。
○
糸川委員 ということは、具体的な名前を言われたんですか。その設計事務所の、別の名前を言われたということはありますか。
○
姉歯証人 具体的な名前は挙げませんけれども、設計事務所は幾らでもあるんだよと言われました。
○
糸川委員 姉歯証人は、木村建設の物件というのをすべて偽装したんですか。そういうことはありますか。98年以降。
○
姉歯証人 すべてではありません。
○
糸川委員 何で一部の物件は圧力がないんですか。
○
姉歯証人 高さ20メーター以下の低層の物件に関しましては、経済設計が十分可能ですので、低減する必要がないからです。
○
糸川委員 もう時間が終わってしまったので、これで質問を終わりますけれども、御子息もいらっしゃるというふうに聞いています。いろいろ尊敬されているというふうにも聞いています。その中で、本当に自分の良心に従って、きょうこの場で、もう私の質問というので、これで姉歯証人への証人喚問終わるんですね。
その中で本当に、この場で言えなかったことというのをまたどこかでお話しいただければというふうに思いますし、また、本当に何か最後に一言あれば、おっしゃってください。もう私の方はこれで終わります。
○
林委員長 ありますか。
○
糸川委員 終わります。
○
林委員長 以上をもちまして姉歯証人に対する尋問は終了いたしました。
証人は御退席くださって結構です。どうぞ御退席ください。