耐震強度偽装問題 審議 内容 を見やすくしてみました   home
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    163-衆-国土交通委員会-11号 平成17年12月14日

 姉歯元建築士 喚問 目次  01 02 03 04   

 03 

三日月委員 チェックすることを試み、チェックできる状態になれば、速やかにこの委員会に、その全容、実態が明らかになるためにあなたがかかわられた物件についての資料の提出を求めます。答弁。

姉歯証人 はい。その状態になれば可能であると思います。

三日月委員 お伺いします。あなたは、この偽装、98年ごろグランドステージ池上で最初にやられたとおっしゃっていますが、この偽装ノウハウは、構造計算書の改ざんを行う、操作を行うというこのノウハウはどうやって知り得られたんですか

○姉歯証人 独自に考え出したものです

三日月委員 こうやって、より安く、より早く、ないことを願っていますが、法令違反の偽装を行ってまで、より早く、より安くというこの手法に手を染めていらっしゃる建築士の方は、いらっしゃらないことを祈りつつお伺いしますが、可能性としてどのようにお考えでしょうか。

姉歯証人 可能性ですけれども、その辺はよくわかりません

三日月委員 あなた自身がいろいろな場で設計者、施工者、建築主等々業界の方々と話をされることがあると思いますが、そういった偽装、より早く、より安くというこの業界全体のいわば圧力の中で、そういった偽装に手を染めていらっしゃる方々の存在をお聞きになられたことはありますか

姉歯証人 実際には聞いたことありません

三日月委員 11月24日の国土交通省の聴聞のときに、大口の取引先からの指示があったと。今し方数社お名前が挙がっていましたけれども、この指示は、大口の取引先とはどこですか、具体的にどのような指示があったんですか。先ほど御証言いただいたこと以外でお答えをいただきたいと思います。

姉歯証人 その大口の取引先の、もうちょっと詳しくお願いします。

三日月委員 報道によれば、ヒューザー、シノケン、木村建設と言われております。

姉歯証人 木村建設です

三日月委員 じゃ、他の、ヒューザー、シノケンからは指示、圧力というものはなかったんですか

姉歯証人 シノケンに関しましては、木村建設に丸投げですので、直接お会いしたことはありません。よって、指示、要するにお会いしたことないのに指示は受けられませんので、シノケンに関しましてはありません。 ヒューザーに関しましては、木村が要するにヒューザーの下に入ってますので、指示は要するに木村の支店長から私の方におりてくるという形です。

三日月委員 この聴聞のときに、全部がだれかの指示によるものではないとお答えになっていらっしゃいます。すれば、圧力、指示がなくても、御自身の判断の中で偽装をされたことがあるということでよろしいですか

姉歯証人 今の三件につきましては木村の、木村がすべて絡んでおりますので、そちらからの指示です

三日月委員 それ以外、木村建設以外の物件で、このお手元の三ページ目、四ページ目のその表で、35件ホテル、うち平成設計、木村さんがかかわられているのは施工を入れれば30共同住宅32、ヒューザーさん18件、シノケンさん4件、それ以外の物件についてはあなたが御自身で偽装されたということですか

姉歯証人 ちょっと、今のところわかりません。

三日月委員 木村建設の東京支店長から圧力があったと今御証言をいただきました。鉄筋量を減らせ、具体的に何グラム減らせといったような指示、圧力はありましたか。

姉歯証人 毎回ではございませんけれども、要するに、何というか、一覧表がございまして、例えば通常80から100キロのところを60とか、そういう具体的な数字を提示されたことはあります

三日月委員 具体的な数字を提示されたことがある、それを一覧表に基づいてとありました。その一覧表の提出を求めます。

姉歯証人 一覧表は木村の方にありまして、私の方にはありません。

三日月委員 これだけ減らせば安全性に問題があります、法令違反の偽装になりますと、あなたは御認識があったとありました。プロが見ればわかる、構造のプロならすぐにわかるという御証言もありました。この偽装、法令を伝えたことはありますか。

姉歯証人 済みません、もう一度お願いします。偽装……。はい、済みません。

三日月委員 法令違反の偽装をやることになります、これだけ鉄筋量を減らせばと。この構造計算書だったら法令違反の偽装になりますということを、あなたはどなたかに伝えられたことがありますか

姉歯証人 そういう言い方は多分していないとは思いますけれども、これ以上は無理ですと、できないですよという言い方はいたしました

三日月委員 そのときに、できないけれどもやられているんですよね。できないけれども、構造計算書として存在をし、建築確認、通っているんですよね。これが法令違反の偽装を行っていることになるんですということについて、あなた自身が、元請の設計者や建築主、そして施工業者に伝えられたことはありますか

姉歯証人 これ以上できませんと言ったときに、要するに、事務所をかえてもいいんだよみたいな、要するに、構造事務所はおまえのところだけじゃないという形で毎回言われますので、そういう形でやってしまったということです。

三日月委員 いや、ですから私の質問にお答えいただきたいんですが、法令違反の偽装を私がやっていることになるんです、こういった構造計算書をつくることはということについて最初にあなた自身が伝えられたのは、いつ、だれに対してですか。

姉歯証人 法令違反になるとはお話はしていませんけれども、木村の篠塚支店長の方には、先ほども申しましたけれども、これ以上やることは無理ですということは再三伝えております。それでもやれと言われました

三日月委員 それはいつですか、最初に伝えられたのは。

姉歯証人 グランドステージ池上から始まりまして、ずっとです


三日月委員 御自身で伝えられたのはその時点。発覚、他の方々が気づかれたのはいつですか。姉歯建築士に対して、おかしいよ、こんな計算あり得ないよということについて発覚したのはいつですか。

姉歯証人 発覚したのは、イーホームズ北千住という物件で呼ばれたときが初めて指摘を受けたと思います

三日月委員 それはいつですか。

姉歯証人 10月の26日だったと記憶しております。

三日月委員 10月の25日10月の27日の日に、それぞれ、イーホームズに、そしてヒューザー社に関係者の方が集まられて、そういう偽装の有無、事態等について話し合われたと伺っています。そこに姉歯証人も同席をなさっています。そのときに、構造計算書を偽装をしてこのような事態になっているということについて、あなた御自身からこの場できちんと表明はなさいましたか。

姉歯証人 訂正いたします。今のだと、10月の25日にイーホームズということですね。 それで、そのときに、北千住の物件でイーホームズに呼ばれまして、それで、先ほどの説明のとおり、応力図の数値と断面算定表の数値が、断面算定の数値の方が低くなっていましたので、低減されているんじゃないですかというふうに言われましたので、その場で認めました。数値が低いということを認めました。

三日月委員 数値が低いということは耐震強度上問題がある、そういうことはもう一目瞭然、すぐにわかるということだと思うんですが、そのときに周りの方々は、例えば、具体的にお伺いしましょう、ヒューザーさんはどのように言われましたか10月25日に。

姉歯証人 ヒューザーからは曽我常務が参加しておりました、そのときに。そのときに何と答えたかわからない……。そのときに何と答えたかはちょっと覚えていません。

三日月委員 10月27日に再度ヒューザー社に行かれて、そのときには元請の設計者の方々もお集まりになって、再度、この姉歯証人が行われた偽装の問題について話し合われています。ここではヒューザー社はどのような発言をなさいましたか。

姉歯証人 一番最初の段階で、ヒューザー社、小嶋社長含めて三名と、元設計事務所四社でしたかね、たしか。それからイーホームズの藤田社長ほか二名、私でお会いいたしました。 それで、最初だけごあいさつして、その後 私は隣の部屋に、ちょっと退席してくれと言われたものですから、そちらでずっと、退席して隣の部屋におりました。 内容については、だから報道関係でしか、後から聞いたという感じです


三日月委員 東京支店長篠塚さんと架空請求書のやりとりを七回やったと言われました。 いつから、幾らやられたんですか。

姉歯証人 架空請求書につきましては、実際に振り込み用紙が四枚、あと実際に機械で入れた部分もありますので、大体七回ぐらいということです。ただし、四枚は確実に振り込み用紙がございますので、それは事実として残っております。

 それで、七回ということは、二百万前後だったと思います、すべてで。(三日月委員「総額で」と呼ぶ)総額として二百、ちょっとはっきりとは覚えていません、調べてみないと。大体二百万前後だと思います。 それで、二、三年前ぐらいからだったと思います、時期的には。

三日月委員 なぜそのようなお金のやりとりをされることになったんですか。

姉歯証人 木村の支店長の方から今月これだけ欲しいからつくってほしいと言われました。当初は理由を、私の方も何でそういうことをするんですかという形で聞いたんですけれども、とにかくつくってくれということでした。

三日月委員 その振り込み用紙、請求書、資料の提出を求めます。

姉歯証人 はい。それはございますので、提出は可能です。

三日月委員 どうやって偽装をされたのか、先ほどの委員の尋問の中にもありましたけれども、今、三方式ほど報道等で言われています。 いずれにしても、耐震強度の応力の改ざんだったと言われていますが、差しかえなのか、出力ファイルの中の数字の書きかえなのか、はたまた架空の壁を存在させたのかという報道がありますが、一体どのような方法で行われたんですか。今明らかになっている70件の内訳について教えていただきたい。

姉歯証人 プログラムのソフトですけれども、現在はSS2というソフトを使われておりますが、その前の段階ではSS1の改訂版、一番当初はSS1というのを使用しておりました。 SS1当時、昔の物件は恐らくSS1の物件になると思いますけれども、それというのは多分、今回みたいに地震力の操作が恐らくできない状態だったのか、気がつかなかったのかわかりませんけれども、そこの数値はいじっておりません、当初は。要するに、重量を低減、単純に重量を低減して全体の総重量を抑えたという形が、当初はそういう形をとっておりました。 それで、SS2に変わりましてから地震力のデータが簡単に操作できるようになりましたので、1.0のところを0.5とか0.6とかという形で低減、単純にいたしました


三日月委員 そういうノウハウは、偽装のノウハウは証人御自身がお考えになられたということだったんですけれども、その前提となる建築の実務について、証人はどこでどのように積まれましたか。

姉歯証人 現在はないのですけれども、神田佐久間町の株式会社園田建築事務所というところで構造を十年間勉強いたしました

三日月委員 御自身で事務所を開設される前の御経歴を含めて、資料として提出をいただきたい。

姉歯証人 その辺の資料はないのでしょうか。ありませんか。

三日月委員 一級建築士になられる前の実務経験をどこでどのように積まれたのか、何年から何年まで、そして、御自身で事務所を開設されることになった時期までの経歴を資料として提出いただきたい。

姉歯証人 今述べさせてもらってよろしいですか。(三日月委員「今はいいです」と呼ぶ)はい。

三日月委員 こういう、姉歯証人が行われていた偽装、薄々でも気づかれた方はいらっしゃるなとお感じになったことはありませんか。あったとすれば、いつからですか。

姉歯証人 いや、薄々気がついたということはありませんでした。

三日月委員 薄々気づかれたなと思われたことはありませんでしたか

姉歯証人 ありませんでした


三日月委員 確認検査機関との関係についてお伺いをいたします。 ある時期から、この三ページ目、四ページ目の表を見ていただいたらわかるんですけれども、ある時期からイーホームズ株式会社での建築確認が多数行われています厳しいところと甘いところがあるのでイーホームズにしたということについて報じられていますが、イーホームズの審査は他の検査機関に比べてどこがどのように甘かったんですか

姉歯証人 イーホームズに出す前はERIというところに、民間機関に出しておったわけですけれども、明らかにイーホームズは審査が通りやすいといいますか、まあ、見てないというのが実情だと思います

三日月委員 その見てないということを、どこでどうやって知られましたか

姉歯証人 物件によって担当者がかわるわけですけれども、期間としては最短で二週間ぐらいでおりる場合もありますので、その場合というのは実質的に担当者が見る時間というのは数時間しか見られないと思います。質問、質問というか質疑項目が出てはくるんですが、単純な内容ばかり出てくるという、まあ、だれが見てもわかるような内容しか出てきません、質問は。

三日月委員 ありがとうございました。 今後も全容、実態解明のために、再発防止のために真摯に御協力をいただきますことをお願い申し上げて、尋問を終わります。


林委員長 馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。 姉歯証人、きょうは、ぜひこの国会の場で、証人喚問という場でございますので、事実を真摯にお答えいただけたらと思います。

 まず、私、姉歯証人の先ほどの証言の中で一、二点確認をさせていただきます。 姉歯証人は、株式会社総合経営研究所、通称総研の内河所長とは、先ほどの証言の中で、名刺などを交換したことはない、すれ違っただけ、すなわち面識はなかった、このようにお答えをいただいたということでよろしいですか。端的にお答えください。

姉歯証人 葬式でお会いしただけです

馬淵委員 内河所長とは葬式でお会いをされた、すれ違っただけだということでありました。 さて、それ以外の総研の方とのかかわり方をお尋ねをしていきたいと思います。

 姉歯証人、平成15年の11月10日のことでございます。港区の賃貸マンション、これは学生マンションと通称呼ばれておられたようですが、この学生マンションの打ち合わせを11月の10日に行われた。そして、その場には、総研四ケ所氏、そして平成設計さん、さらに社員の方、そしてあと姉歯さんということで打ち合わせをされたということでよろしいでしょうか。お答えいただけますか。

姉歯証人 はい、そのとおりです。

馬淵委員 もう一つ、そのときの状況で、木村建設の久万氏はいらっしゃいましたでしょうか。

姉歯証人 久万当時副支店長だったと思いますが、それは千葉設計の方には行っていないと思います。

馬淵委員 はい、確認をさせていただきました。横浜の千葉設計には、四ケ所氏、そして薮さん、平成設計のもう一人の社員の方と姉歯さん、そうした方々がお集まりになられた。 さて、この平成15年の11月の10日にここに集まってほしいと連絡をされてきたのはどなただったですか

姉歯証人 その前の段階で、北和建設というところに、総研四ケ所さん、四ケ所さんとですね、だれだったかな、篠塚支店長と三人で 北和建設の安藤氏というところに行きまして、打ち合わせをしました。そのときに、千葉設計で打ち合わせしましょうということで、そちらに出向いたと思います

馬淵委員 今お話で、この11月の10日以前に、北和設計で総研四ケ所氏とそして篠塚支店長とお会いになられていると。11月の10日ごろに打ち合わせをしようと確認をとられたということでありますが、総研の四ケ所氏とは複数回、たびたびこうしたことで姉歯証人はお会いになられたり連絡をとられておられますか

姉歯証人 その以前に大体四、五回、四ケ所さんとはお会いしております

馬淵委員 総研さんは、ホームページやあるいは発表の中で、当社は姉歯建築士、平成設計が連れてきたものであって、当社が姉歯建築士を、この男なら安くなるなどと紹介したことは一切ありません、こういう形で、姉歯さんとの関係というのは平成さんが連れてきたものだと、こうお答えをされているわけですが

、また、総研さんは、二回しか、この11月の10日と翌年の3月の8日しかお会いしたことがないと、このように発表されているわけですが、今のお話ですと、複数回、この11月10日以前からも、総研四ケ所さんとはお話をされているということになるかと思われます。

 そして、先ほど姉歯証人のお言葉の中にも、名刺は平成設計の名刺を出したり、さまざまな形、その場で打ち合わせのときに確認をするということでありましたが、さて、この11月の10日のときに、どちらの名刺を出したらいいのかと姉歯証人が聞かれ、それに対して指示を出されたのはどなたで、何という指示がなされましたか

姉歯証人 そのときに、平成設計の名刺が平成設計側でつくっておりましたので、今回は平成設計の姉歯として行ってくださいと、薮さんだったか山口さんだったか忘れましたけれども、平成設計のどちらかに指示、指示というか……(馬淵委員「平成設計からですか」と呼ぶ)平成設計から指示されました

馬淵委員 今お話しいただいた部分でございますが、平成17年の12月3日、つい先日でありますが、平成設計の薮さん、常務ですか、当時、薮常務から平成設計の山口時也代表取締役に、その「学生マンション打合せ経過」と称するメモが出されています。直筆のメモが出されています

 この直筆のメモの中には、この11月10日の時点で、総研四ケ所氏より連絡があり、木村建設と姉歯設計には連絡してあるとのことだったとなっております。

これは、先ほどの証言で、その前に北和というところで会ったというお答えをいただきました。そして、その千葉設計に入るときにはどちらの名刺を出せばいいのかということについては、薮さんは、四ケ所氏に聞いたら平成設計の名刺を出した方がいいと言われ、それで私と姉歯を紹介してもらったと、このように直筆のメモで書かれております。
 これについて、食い違っておりますが、どちらが正しいんでしょうか。お答えいただけますか。

姉歯証人 私に言ってくるのは平成設計からしか言ってきませんので、それでいきますと薮さんだったのかもしれません。

馬淵委員 薮さんは、四ケ所さんがそのようにお答えされたと、そうメモでは書かれております。ただ、今、姉歯証人の御記憶では、薮さんではないかということでありました。

 さて、その11月10日打ち合わせが終わった後、打ち合わせ終了後、後の打ち合わせは四ケ所氏と姉歯でやっておくからと言われた薮さんはおっしゃっています。この11月10日の後に、姉歯さんと四ケ所さんでこの学生マンションの構造についての打ち合わせをされましたか。

姉歯証人 その時点で構造設計だけ平成設計の立場として請け負いましたので、その後はもう千葉設計と私の方のやりとりになったと思います

馬淵委員 確認ですが、薮さんのメモでは、数日後、TEL、電話が入り、千葉の姉歯の事務所まで行き、打ち合わせをしておいたからと四ケ所さんから連絡があったと、このように薮さんはおっしゃっていますが、これは違うということでしょうか。御記憶をよくたどってお答えいただけますでしょうか。

姉歯証人 そのとき、その後うちに来たという記憶はありません。

馬淵委員 平成設計が基本的には受けて、そしてそれを姉歯さんが、この学生マンション、港区の賃貸マンションの物件でも構造設計を担当されておられたと。

そして、そこには四ケ所さんが当然ながらに介在されておられた四ケ所さんは、総研の発表では二度しか会われていないと、このように、社内の者がというふうに総研さんはおっしゃっておられますが、現実にはそれ以前に四、五回、こうした形で構造の問題についての打ち合わせをされたというのが今姉歯証人がお答えをいただいた部分でございます

 私が確認させていただいたことということで、今の私のまとめのことでよろしいですか。

姉歯証人 はい。四ケ所さんとは四、五回お会いしておりますので、そのとおりでよろしいと思います

馬淵委員 短い時間でございますが、事実の確認をさせていただきました。
 ありがとうございました。


林委員長 吉井英勝君。

吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。

 先ほど来の証言の中で、98年木村建設の篠塚氏の圧力で偽造が始まったということですが、姉歯証人は、通らないはずなのに確認が通ったのでびっくりしたということですが、この通らないはずのもの、耐震基準を満たさないものなので、この建物を建てたら危険だ、危ないという認識、自覚はそのとき持っておられましたか

姉歯証人 危ない、そうですね危ないといいますか、低減して確認申請の方に入れていましたので、最初の、最初ですね、最初というか、そうですね、そういう認識はなかったと思います

吉井委員 この98年の建築基準法改正のときでありますが、98年の建築基準法改正について、建築士にとってはこれは重大な関心事であったと思いますが、そういう関心は持っておられましたね。

姉歯証人 はい、それは持っておりました

吉井委員 構造設計の計算など、裁量が広がった、そういうふうにそのときに思いましたか。

姉歯証人 いや、そういうふうには思いません。

吉井委員 次に、先ほどの証言を伺っておりまして、2004年3月8日の、横浜、千葉設計の会議の中で低減と発言したということですが、この低減というのは、単純な計算ミスではないというふうに思いますが、建設にかかわるそこに参加した人たち、その言葉を聞いて、意図的な改ざんというふうにその人たちは皆理解したというふうに見ていいでしょうか

姉歯証人 皆さんのいる前で低減という会話を渡辺社長と私が、専門同士がお話ししましたので、周りにいる人間はそういうふうに認識していると思います

吉井委員 総研のコンサルタントで建てたホテル、ずっと偽造がありましたけれども、その会議の際、総研の四ケ所氏はどのように発言されましたか

姉歯証人 確認申請がおりているので、おかしいなというふうな発言はされたと思います。

吉井委員 総研自身はずっと、ホテル建設に当たって平成設計と組んでやってきてもおりますし、そこにはもちろんあなた自身が、名刺だけじゃなしに、ここにもありますが、構造設計概要書、建築確認図書にあわせ出しているものの中に、あなたは、言ってみれば、平成設計が事務所で、構造設計士は姉歯さんの名前が出ておりますから、いわば平成設計の一員といいますか員といいますか、

名刺だけじゃなしに、申請図書の中でも そのことが示されてきましたけれども、ですから、総研は、ホテル建設以降、今度の横浜の千葉設計のかかわった問題についても、あなたとともに、構造計算書の偽造ということについて、これはもう確認が通っているんだかそのとおりでいこうという考え方を貫かれたということでいいんですね

姉歯証人 まず、その概要書の中の構造設計者姉歯秀次ですけれども、それは、元設計事務所がどこになろうと、必ず構造設計者名は姉歯秀次と出ます。ですから、平成に限らず、そこは必ずそういう形態になります。 それから、千葉設計の件ですけれども、おっしゃったとおりだと思います

吉井委員 その後、総研、平成設計と、事後処理についてどのような打ち合わせをされましたか。

姉歯証人 千葉設計の件でよろしいんですか。(吉井委員「はい、そうです」と呼ぶ)はい。 低減を指摘、アトラス設計の渡辺氏の方から低減を指摘されましたので、その場で認めました。それで、訂正してきますと。訂正してきますということを約束しまして、ただし、低減が二割、三割、そのとき見た数字から追っていくと三割程度落ちていましたので、到底無理なわけなんですね。

 まあ十日前後を約束、たしか十日か二週間ぐらい約束、期限を切ったと思うんですが、その後、最終的には自分の判断で、これはもうできないと思いましたので、1.0に持っていくことは、その状態から持っていくということは相当鉄筋量がふえるということになりますので、私の方から、この物件からおりるということで、おろさせていただきました。


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