耐震強度偽装問題 審議 内容 を見やすくしてみました   home
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    163-衆-国土交通委員会-11号 平成17年12月14日

 姉歯元建築士 喚問目次  01 02 03 04 

 02 
渡辺(具)委員 したがって、これを見てたら、意図的にやってたということはわかるはずです。そのことを明らかにできたというのは、非常に大きいと思います。

 それで、この同じ悪の輪の中で、悪意の輪の中でやってたんですけれども、これは、例えば施工会社はエンドユーザーの手付金なんかを最初にもらったりしますから、信用力が必要なんですね。木村さんばかりがやるとその信用力が底をつくわけですから、私は、そこで、やはりほかの建設会社に頼まざるを得なくなって、この志多組に私はお願いしたと思うんです。


 それで、志多組がなぜこのおかしいところに気がついたか。私は志多組の事情を調査したんですけれども、私が、志多組がなぜこの偽造に気がついたかという経緯をお話しします。

 まず最初に、志多組の最初の物件は稲城のグランドステージ、これも姉歯さんが設計されたやつなんですけれども、9階建てですけれども、これは初めてヒューザーからの物件なんです。もちろん、志多組もヒューザーの名前を聞いていたので、一回ぐらいヒューザーの仕事がしたいということで猛烈に営業活動をしておられたらしいんですが、そこに木村建設がやってきて、私が知っているからつなごうということで、このグランドステージの物件をやることができたんだそうです。

 ここで大事なことは、グランドステージをやるときに、既に姉歯さんの設計図がもうできていたというんです。この設計図でやってくださいということで稲城をやった。だから、これは、今71件の中に入っているわけです。

 2件目、ヒューザーから来た2件目の物件があるんですね。これは、設計図が、あなたの設計図がまだでき上がってない、まだあなた仕事をしていなかった。それで、彼は、彼はというか志多組は、今度の設計は、姉歯さんとおっしゃるけれども、別のところにやらせてくれませんかということを言っているんです。

それはなぜかというと、このグランドステージをやるとき、現場の人たちが、どことなく納得できないなという雰囲気があったというんです。どこがどうおかしいかははっきり言えないけれども、おかしいなと思っていた

だから、ほかのところに、これは渡辺さん、アトラスの渡辺さんがやっているので、これは立派なものができたわけです。

 3番目に、これが今度の北千住の物件なんですけれども、3番目に、志多組さん、やりませんかと持ってきた案件は、姉歯さんがもう既に設計、姉歯さんのやった設計図がついていたんです。姉歯さんのやった設計図がついていて、これでやってください。それはそうでしょうね。余り何もないやつを持ってくると、また前回のように、ほかの設計会社にやらせてくださいと言うかもしれないから、今度は姉歯さんのやったものを持ってきたんです。

 その設計図を見ると、だれが見てもわかるという話にも通ずるわけですけれども、おかしいということがすぐわかったんです、志多さんは。もうこの時点で志多さんは偽造じゃないかと思っているんです。

 それはなぜわかったかというと、グランドステージをやったときの平米当たりの、全体に使った鉄筋の量を得られた空間の広さで割り算して原単位を出すんですけれども、平米当たりの鉄筋の量が82キロだった、最初の偽造物件は。川崎で渡辺さんに設計させたやつは117キロだった。そして、3件目、北千住の物件を持ってきた、それを見ると81キロだった。だから、八十二と八十一で、本当に正確にやれば百十七キロだったということなんです。それで、わかって、志多組が渡辺さんのところに行って、計算し直してもらったわけです。

 そこで、姉歯さんにお伺いしますけれども、こんなに、ちょっと作業すればわかる単純なからくりなんだけれども、こういうことがどこかですぐばれちゃうんじゃないかというふうに思わなかったですか

姉歯証人 もう内容が単純な内容ですので、そうですね、まあ、私としては、もう確認審査機関、民間の確認審査機関に出した時点ですぐばれると思っておりました。

渡辺(具)委員 ということは、その検査機関が、私が言う悪の輪の中にいたか、あるいは仕事をしなかったか、このどっちかだというふうに思うんです。

 そして、もう一つ、まだほかにも建設会社があるんですが、もう時間がないので余り皆あなたにお伺いできないんですけれども、下請会社なのに、下請会社も入れて三者で、協定書をつくったり合意書をつくったりした案件もあるんです。

私はその契約書を見ましたけれども、それはなかなか私に渡してくれないので、私、見ただけですけれども。その中に、元請と施主との関係じゃなくて、下請をした木村建設と施主の間のやりとりばかり書いてあるんですね。何か補修する必要が出てきたら、これは元請がやるんじゃなくて下請の木村がやるんです、そういう契約内容まで入っている契約書がいっぱいあるんです。

私は、余り時間もありませんので、そろそろ結論に行かなければいけないんですが、姉歯さんにお伺いします。

 最初のころの物件は、2000年前後で、ほとんどホテルルートというかホテル案件なんですね。だから、最初のころは、この後証人喚問に出てこられる内河さんだとか木村さんとそして姉歯さんが一緒にホテル案件をやっていたと思うんです。


その後、これもいろいろな人から聞いて大体わかっているんですが、木村さんと内河さんの間にどうも亀裂が生じて、どうも内河さんのコンサルタントフィーが非常に高いから木村さんが非常に困っているというようなことを某建設会社の方にもぼやいておられるわけです。

 そして、今度はマンションをやるということを言ったので、それはコンサルタントがいなくてもできるんですかと聞いたら、うちにはいい設計士がついていると。それは姉歯さんのことなんですね。いい設計士がついているから、うちでもできるんですということで、それから、今思い出していただければ、ほとんど、総合経営研究所、総研と言わせていただきますが、総研が入った物件が最初のころはホテルであったと思うんですね、多かったと思うんです。その後、マンションルートになって、総研の、まあ内河さんじゃないかもしれないけれども、四ケ所さんとか、そういう方々との打ち合わせの機会が減って、ほとんど木村建設さんと姉歯さんでこういうことをやっていたというふうに、いわゆるマンションルートに移っていったというふうに私はこの事件の全容を見ているわけですけれども、姉歯さん、私の話に対してどう思われますか。

姉歯証人 そのとおりでございます。 それで、最初のころはやっぱりホテルの方が多かったです。2003年ぐらいからだと思いますけれども、最近まではずっとマンションの方がほとんどであります。

渡辺(具)委員 今、そのとおりだと。私が話したこの事件の大筋を、シナリオといいますか大筋を申し上げたら、そのとおりだという、私はかなり重要なお答えを引き出すことができたんだと思います

 そこで、もう余り時間もなくなってまいりましたので、お伺いしますが、あなたは、きょう現在で71件にも及ぶ偽造を続けてきたわけであります。私はあなたのことについて少し勉強しましたが、大変苦労しながら、一生懸命働きながら勉強しながら、二級建築士から一級建築士を取られたというふうに聞いています。

あるいは、大変親孝行であったということも聞いているわけでありますが、この偽造を続けていく中で、あなたは、エンジニアとして、一級建築士としての誇りとか、あるいは責任感とか、そういうものを感じなかったか、このやっている段階で、71件もやっている段階で心の痛みを感じなかったのか、どういう気持ちでやり続けたのかということを最後に、あなたの、その偽造をやっている途中といいますか、偽造をやっているときのあなたの思いを吐露していただいて、私の質問を終わりたいと思います。

姉歯証人 始まりはやはりプレッシャー云々かけられまして一級建築士の誇りもありましたしそういうことはできないと自分の中でも思っておりました、最初は。

病気がちの妻とか、その当時入退院とか繰り返していまして、そこで仕事を断るということは、九割以上木村建設絡みで仕事の方を請け負っていましたので、収入が限りなくゼロになるということですので、そこで葛藤いたしました、自分の中で。

本来であれば、そういうことは絶対にやってはいけないとわかりつつも、弱い自分がいたといいますか、そういう状況の中でやってしまったというのが本音のところです

 途中の段階でも、何といいますか、仕事がなくなってもいいという形で何度も思ったことはありました。だけれども、弱い自分がいて、それができなかったということです。それで、現在まで至ったということであります。

渡辺(具)委員 最後に一言。 よくわかりましたが、しかし、あなたのしたことは大変大きな悲劇を起こしたわけです。私たち国会議員あるいは国会の機能は、犯人捜しをすることではなくて、二度とこういうことが起こらないようにこれからの対応策を考えるのが私たち国会議員の仕事だというふうに思っています。

そのためにも、今後いろいろなところでまた話す機会が、あるいはしゃべらなきゃいけない機会があろうかと思いますが、真実を語り続けていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。


林委員長 高木陽介君。

高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。

 本日は、姉歯証人に来ていただきまして証人喚問ということで、この問題が発覚してから、11月の17日国土交通省で偽装問題が発表され、約一カ月間、この間、姉歯証人が手がけた偽装の物件、これが次から次へと広がっていく中で、まずは被害住民、特にマンションに住まわれている方々も、大変な思いをして今生活をされておられる。さらには、それ以外の普通のマンションに住んでおられる方々も、この問題をきっかけに、本当に耐震構造は大丈夫なのか、こういった問題の国民的不安をあおっているという、大変な問題になっております。

 そういった部分において、今回の証人喚問において姉歯証人がしっかりと、今までの経緯、より具体的に述べることによってその責任の所在をはっきりさせることが一番重要だと思います。さらには、そのことが次の再発防止にもつながっていくということで、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 その上において、まず、先ほど委員長からの質問、さらには同僚議員からの質問がありました。そこで、一番最初の偽装のきっかけの部分、これを述べておられましたけれども、さらに具体的にお伺いしたいと思うんです。

 姉歯証人がこの問題を公の場でお話をされたのは、事件が発覚したとき、事務所において、事務所前でマスコミのインタビューを受けたその一回と、さらには、11月の24日国土交通省の聴聞において述べたこと。しかし、この国交省の聴聞というのは、その全容が明らかになっていません。その点を踏まえながら、時間の経過とともに思い出したこともあるでしょうし、そういった点、訂正もされても結構ですので、しっかりとお話しをいただきたいと思います。

 そこで、まず、そのきっかけということで、先ほどお話のあった木村建設の篠塚元支店長、東京支店長から圧力があったというふうにありましたけれども、11月の24日の国交省の聴聞において、取引先の施工会社三社の名を挙げて、うち一社から依頼で構造計算書を作成したところ、鉄筋量を減らせと指示され計算書をつくり直した、しかし、再度もっと減らせと迫られ、これ以上減らすと問題が生じると反論したが、それなら他の設計事務所にかえると言われた、このため、仕事がないと生活に困るので応じたというようなことを述べたというふうに報じられておりますけれども、この部分について、これが木村建設篠塚東京支店長ということでよろしいですか。

姉歯証人 はい、そのとおりです

高木(陽)委員 そうなりますと、先ほどのお話では、98年ごろというお話がありました。先日行われましたこの国会での参考人質疑において、木村建設は、姉歯証人とのつながり、96年ごろ、ある鉄骨会社の紹介によりつながったというふうなお話がありましたけれども、それでよろしいか。それとも、その鉄骨会社の紹介の後、具体的な物件、いわゆるマンションなのかそれともホテルなのか96年、97年、偽装をまだ手がけていないときは、どういう物件をやっていたのか。これを伺いたいと思います。

姉歯証人 木村建設とのきっかけは、九州の鉄骨会社の方がきっかけであります。それはそのとおりでございます。 それで、その後すぐ仕事が来たわけではありませんで、小規模のちょっと、物件はちょっと思い出せないんですけれども、まあ、年に一件か二件というか、数件程度の取引だったと思います。

高木(陽)委員 その年に数件程度の取引のときに、もうその時点から、篠塚支店長から具体的に、鉄筋量を減らせ、こういった指示があったかどうか。その点はどうですか。

姉歯証人 小規模の建物に関しましては、訂正かける必要がなく経済設計できましたので、そういったことはなかったと思います。

高木(陽)委員 先ほどの質問の中でお答えがありました、グランドステージ池上最初じゃないかというようなお話がありましたけれども、その以前に鉄筋量を減らせという話はなかったんですか。

姉歯証人 その以前はほとんど、もう支店長とほとんどお会いする機会もなかったので、多分なかったと思います。


高木(陽)委員 では、そのグランドステージ池上の物件のときに初めて、木村支店長から具体的にその鉄筋量の話というのが出たんでしょうか

姉歯証人 始まりはそうだったと思います。

高木(陽)委員 そのときに、先ほどのやりとり、お答えの中で、これ以上やると問題が生じる、いわゆる法令違反になるということを言われたと思うんですけれども、それを言ってもさらに木村支店長が、それでも減らせと言ってきた。ここをもう一度確認をしたいんです。

姉歯証人 まず、一回目の図面を出しまして、それで見積もりをかけます。それで、見積もりの予算書を出しまして、予算が合わないからやり直してくれという感じです。

高木(陽)委員 つまり、木村支店長はその時点で、これはもう法令違反になる、そういう認識はあったというふうに言ってよろしいでしょうか

姉歯証人 私が申し上げている、これ以上できませんという言葉の中にはそういう意味が含まれておりますので、もう十分に認識はあったと思います

高木(陽)委員 もう十分に認識があったというふうに今、姉歯証人、おっしゃられました。これは重要な発言だと思うんですね。

 前回の参考人質疑のときに、私、篠塚支店長に質問をしたときに、姉歯証人が国交省の聴聞でそういったことを言われた。一方、篠塚支店長は、鉄筋量を減らせと言ったかもしれないけれども、法令遵守の範囲内だ、こういうふうに言った。

では、どっちがうそをついているんだというふうに聞いたときに、そのとき、姉歯証人のことはわかりませんけれども、私はうそはついていませんというふうに彼は言ったんです。つまり、今の証言によって、木村支店長は十分にこれが法令違反になるという認識があったという、こういうことが今の証人の発言によって明らかになってきたと思うんですね。

 さあ、その上で、今回の問題というのは、一つはマンションの問題、一つはホテルの問題というのがあります。俗に言うホテルルートマンションルートといって、きょう呼ばれるメンバーというのは大方ホテルの部分でありますけれども、その点でもう少しお伺いしたいのは、問題の発覚となった一番最初、これは2003年の段階、横浜の設計事務所において、この間、参考人質疑で来ていただきましたアトラス設計の渡辺社長がこの問題を指摘したのが一番最初であった、こういうのが明らかになってきました。

 そのときに、これも参考人質疑で明らかになりました、その場にいたのが、総研四ケ所さん、さらには木村建設の篠塚支店長、そして平成設計の担当者、そして姉歯証人。これが四人そろう中で渡辺社長がその問題を指摘したという、こういうのがあったんですけれども、それは事実でしょうか。

姉歯証人 はい、事実です

高木(陽)委員 そのときに渡辺社長が問題を指摘したところ、姉歯証人はそれを外注したということで言われて、その後その物件はおりたという話になったというふうに証言をされています。 さあ、その点において、外注をされたのか、それとも姉歯証人がみずからやったにもかかわらず外注をしたというふうに言い繕ったのか。この点はどうでしょう。

姉歯証人 外注したかどうかは、言ったかは私ははっきりとは覚えていませんが、そういうニュアンスで言ったかもしれません。はい。

高木(陽)委員 そうすると、その物件の構造計算については、姉歯さんがやったんですか、それとも別の方がやったんですか。どうですか。

姉歯証人 私がやりました。それで、その場で指摘されましたので、先ほどの説明みたいな感じで言われましたので、その場で、間違いました、間違ったというか、違っていますねと、違っていますとその場でお答えいたしました

高木(陽)委員 その点で、それはいわゆる偽装をしていたということなんですけれども、まあ間違っていたということでその場は認めたんですが、そのことについて、鉄筋量を減らすだとかそういった偽装工作について、その場所にいた木村建設篠塚支店長、さらには総研の四ケ所さん、もう一人は平成設計の担当者、この方々は、そういった姉歯証人が偽装しているという認識はあったのかどうか。この点はどう思われますか。

姉歯証人 偽装していた認識といいますか、私がその場で低減していますねということを認めておりますので、それは私の横で聞いておりますので。どういうふうに判断されたかはわかりませんけれども、事実、低減したということは聞いております。


高木(陽)委員 今回の問題について、よく言われている、組織的にやっているんじゃないかという疑問なんですね。そこを、今回姉歯証人の証言によって、一つ一つ事実を確認していきたいと思うんです。

 さあ、そういった中で、具体的に鉄筋量を減らせと言われたのは木村建設篠塚東京支店長というふうな話をされましたが、いわゆる24日の国交省の聴聞において三社の名前を挙げたというふうに、これは国交省の方も発表されているんですけれども、その残りの二社、これは、俗に言われているのはヒューザーシノケンというふうに言われているんですけれども、その点はいかがなのか。また逆に、この会社からもそういったプレッシャー、圧力等があったのかどうか。この点はどうですか。

姉歯証人 シノケンに関しましては、オーナーさんがシノケンになっておりますが、元設計もシノケン、施工法人もシノケンというふうになっておりますが、実際に行ったのは、元設計木村建設、施工法人木村建設。俗に言う、業界で丸投げという形をとっておりました。 ヒューザーの関与は、ちょっと、どうもよくわかりませんけれども。

高木(陽)委員 そうしますと、木村に丸投げして木村が全部やったという、こういう認識でよろしいわけですね


 もう一つ。ヒューザーの問題はちょっとおいておいて、これも重要な問題なんです、マンションルートというのは。これは、姉歯証人の証言というのはこれから大きな問題になりますので、後ほど聞きたいんですが、もう一つ、一つのルートとして、姉歯証人がいる、それを発注している木村建設、または平成設計、もう一つ上に総研がいるという、こういうことなんですが、総研というのはなかなか見えてこない。

 きょうは内河所長が証人喚問をされるということで予定しておりますけれども、その内河所長が先日国交省で記者会見をやられたときに、姉歯という名前なんか聞いたことない、会ったこともない、こういうふうに言われているんですが、この点について、総研のセミナーで姉歯証人が講師をやったという話を聞いているんですが、それは事実としてあるかどうか。どうでしょう。

姉歯証人 講師をやったのは事実です。 それで、内河所長とは、平成設計の先代の社長が何年か前にお亡くなりになったんですが、そこの葬式といいますか、告別式でしたかな、お通夜だったか告別式だったかで、お話はしませんでしたけれども、そこでお顔だけは拝見いたしたというか、すれ違いのような感じでお会いしたことはあります。

高木(陽)委員 平成設計の先代の告別式のときにすれ違った、そのときには名刺交換だとかそういう形で、お互いが認識するという形じゃなかったんですか。

姉歯証人 名刺交換は内河所長とはしておりません

高木(陽)委員 では、もう一つ。先ほど伺った、総研のセミナーで講師をやられた、そのとき、それは、いつ、どこの場所で、また、その場所において内河所長はおられたのか。また、内河所長とそういうような何らかの接点、交流、または会話、したのかどうか。その点はどうでしょう。

姉歯証人 セミナーのときは、ちょっと担当の方、今ちょっとおやめになって、名前は思い出せないんですが、コストダウンについてお話を、総研の本社で、平河町の本社の方で、私が、全部やったわけじゃないんですけれども、部分的に一時間ぐらいの時間、講師いたしました(高木(陽)委員「いつ」と呼ぶ)ちょっと何年前かは忘れたんですけれども、何年ぐらいになりましたか、四、五年以上前になるかもしれません。

高木(陽)委員 そのときに内河所長はおられましたか。

姉歯証人 担当の者、名前はわからないですが、一名だけで、内河所長はおりませんでした


高木(陽)委員 あともう一つ。総研というこのコンサルタント会社がホテル業をやっていたと。実際問題、今、国交省や地方公共団体等特定行政庁が調べている中で、姉歯証人の210物件、そのうち71が今のところ偽装しているというのが明らかになっている、まだ調査中のものはありますが。その中で、やはり半分はホテルなわけですね。時期的に言うとホテルが先なんですけれども、先ほどグランドステージ池上が最初じゃないかというふうにお話がありましたけれども、この点、もう一度確認します。
 ホテルも99年、先ほど98年最初だと言いましたけれども、ホテルも98年から9年にかけてからスタートされていると思うんですが、この点、どちらが先だったのか。この点、どうでしょうか。

姉歯証人 記憶は定かではありませんが、恐らく、98年ごろのグランドステージ池上という物件が多分ホテルよりも先、前というか先だったと思います。はい。

高木(陽)委員 あともう一つ、きょうは証人喚問でお呼びしていないんですけれども、平成設計との関係ですね。 先ほど御指摘しました横浜の設計事務所の件で、港区の物件ですね、このときにお会いしたときに、名刺を平成設計の名刺を使われた、こういうふうにも言われているんですが、この点、平成設計とのかかわりというのはどういう経緯だったのか。また、どれぐらいの形で偽装、ある意味では、平成設計担当者から具体的な偽装の話はなかったのかどうか。その点について伺いたいと思います。

姉歯証人 名刺につきましては、平成設計が向こうでつくりまして、打ち合わせごとに、今回は平成設計でいってくれというときに、この名刺を使ってくれという形で向こうで用意されました。 平成設計というのは、基本的に木村建設の100%子会社でありまして、木村建設の傘下といいますか、下請的というか下の立場になりますので、実質上、木村の方が上の立場にありますので、木村の方が主導権を握る場合が多いです。 それと何でしたっけ。――はい。

高木(陽)委員 時間が限られておりますけれども、先ほどちょっと指摘した、これで最後の質問になるかもしれませんが伺いたいのは、ホテルルートというところで、木村、平成が組んで、総研と組んでいるという一つの構図があるんですがマンションルートになってやはりヒューザーが前面に出てきている

 この点、ヒューザー、小嶋社長または担当者等々から、このコスト削減の部分で具体的な話、例えば鉄筋量を減らせ、もう少し、具体的なその鉄筋量の話は出ないけれども、コストダウン、ここをやってくれ、またはこの金額でおさめてくれ、そういった指示はありましたでしょうか。

姉歯証人 ヒューザーからは直接的に私にはありませんけれども、打ち合わせの中の段階で、例えば、今回、坪45万でやる、50万でやるとかいろいろ物件ごとに違うんですけれども、坪単価が決まるということは、仕事がそこから始まりますので、すべて。ということは、施工の段階で相当苦痛というか何というか、負担がかかるわけでありまして、それが全部に影響すると思います

高木(陽)委員 そうしますと、ヒューザーが坪単価を指定してくる、そうなると、施工会社である例えば木村等と打ち合わせをするときに、もうこの時点で、偽装はせざるを得ないな、偽装するのは当たり前だな、こういう認識でその構造設計に取りかかったのかどうか、この点も伺いたいと思います。

姉歯証人 いや、私はもう当たり前というふうには思っておりません

高木(陽)委員 例えば、そのヒューザーからの物件がありました。その施工会社、そして設計として打ち合わせをする、構造設計を打ち合わせするときに、坪単価これだけ。このときに、この金額だとまた法令遵守できません、こういった会話等々は、その担当者である篠塚支店長や、またさらには売り主のヒューザー等とそういった話はされましたでしょうか。

姉歯証人 私の方の立場としましては、ヒューザー側と直接打ち合わせする立場にありませんので、必ず木村建設とのやりとりになります。その場で何度も、要するに、プランごとに形状が、壁の量とか全部違ってきますので、その都度、これじゃ無理ですよということは言ってきました

高木(陽)委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、残る同僚委員、野党のメンバーも質問しますし、誠心誠意、より具体的に述べることがこの真相を、先ほど冒頭に申し上げました責任の所在をはっきりする、それは逆に住民の補償の問題にも大きくかかわるので、この点はしっかりと答弁をよろしくお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。


林委員長 三日月大造君。

○三日月委員 民主党の三日月大造です。

 法令の定めに基づきまして、姉歯証人に尋問させていただきます。 先ほど来、証言の中で、断ったら生活できないというお話がありました。だから偽装に手を染めてしまったというお話がありましたが、あなたの偽装で生活できない方々が大勢いらっしゃいます。あなたにも御家族がいらっしゃるはずです。多くの家族の方々が、あなたが行われた偽装によって、今この寒い冬に家をかわらなければいけない等々のことが発生しているんだということの重さをぜひかみしめながら、お答えをいただきたいと思います。

 まず、お手元の資料をごらんください。 三ページ目、四ページ目に、姉歯証人がかかわられて、きのうの昼の時点で偽装だと明らかになった物件が70件、昨夜の深夜で71件になっておりますが、もう今こうしている間にどんどんまた明らかになってくるかもしれません。当初、国土交通省の聴聞のときには、一ページ目にもありますけれども、21件という御報告をされています。先ほど委員長の尋問に基づき60件ぐらいという証言をなさっていますが、現時点で70件、その表だけでも。国土交通省が発表しているだけでも71件一体どれぐらい偽装を行われたんですか

姉歯証人 現状ではわかりません

三日月委員 あなたは、仕事の記録やそして報酬のやりとり等々、いろいろな記録として残されていると思います。全容、実態を明らかにするためにも、この資料の提出を求めますが、提出していただけますね

姉歯証人 資料の提出というのを、提出しなければいけないんでしょうか。

林委員長 いや、質問に答えてくれればいいです。

姉歯証人 いや、資料の提出、しなければいけなければあれですけれども、どうなんでしょうか。法律的に何か出さなくちゃいけないというのはあるんですか。

三日月委員 全容、実態、明らかにするために資するあなたが有していらっしゃる記録、その資料を提出してください。

姉歯証人 コンピューターの内容を全部チェックしないと、今チェックできる状態におりませんので、今。特にマスコミがすごくて、動けない状態におります。だから、現状ではちょっとチェックすることは不可能です

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