2009年12月10〜13日「じゅっくりの会」in京都 記録 home 10日 駅から えいぞうさんの家体験記 えいぞうさん父を語る えいぞう・きみこさん新居を語る 11日 柳原照弘の この1年 工芸繊維大講義 デザインイースト 00 を語る 12日 渡辺菊眞さんに聞く 鼎談 アガカーン賞の王路 (森田一弥・渡辺菊眞・江崎貴洋) 松岡聡さんに聞く 工繊大3年生・浅野翔さんに聞く 佐藤敏宏 えいぞうさんの家 体験記 福島から 01時雨について 02路上について 03シンケンジャーについて 04えいぞうさんの家 その03 シンケンジャーについて シンケンジャーが何であるか? えいぞうさんの家で3泊4日暮らし ようやく理解出来た名称であるが 俺には男幼児の間で流行している言葉だけには どうもそうは聞こえず? えいぞうさんの家とは切ってもきれない深いご縁のある呪文のように感じるのだ。 福島に帰ってしばらく経った今(12月21日)でも しんけんじゃーシンケンジャーとのリフレーンが耳奥で響く この響はえいぞうさんの家 何かの 呪文なのだ!!と言い切ってみよう その言い切り 耳奥の響きの解説をする前に まずはみのり君や 近所の友達の間で大人気のシンケンジャーについて メモしておこう シンケンジャーとはちかごろ幼児の間に流行っているアニメ、実写TV映像人気キャラの侍戦隊の総称 五行思想と侍が合体してできたへんてこな変身侍たちが悪魔世界と闘い大活躍する物語 (注:五行思想(ごぎょうしそう)または五行説(ごぎょうせつ)とは、古代中国に端を発する自然哲学の思想で、万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなるという説である)。 い 子供にはいつの時代時にでもあるような 善悪を分かり易く定めて、善が悪をこらしめるという 佳いんだか悪いんだか 多文化主義が要請される世界にあっては 悪いにきまっている 構造を持つTV映像であるようだ 人気は絶大で便乗商品も沢山出ているようである カードもあった あためなくってもおいしい シンケンジャーお弁当カレーだって売り出されているほどの人気なのだ シンケンジャー侍達のTV的 神聖なる御約束で充ち満ちていた! えいぞうさんの家 そうとは知らず俺は 招かれ ちゃって!! の〜このこお出かけし えいぞうさんの家 の扉を開けた途端 ギャウオーギャウオー走りよってくる!!シンケンジャーたちの手荒な歓迎=悪魔払いを受けてしまったわけだ 手荒な悪魔払い儀式=友達になるための交流前儀式 の話を書く前に えいぞうさんの家のある当たりの様子と当日の様子を順に書き進めよう えいぞうさんの家の在る当たり えいぞうさんの家は京都盆地の東やや北に寄った 大文字山と吉田山にはさまれた起伏の豊かな 海抜140メータあたりに在った えいぞうさんの家の敷地は西に徐々に高くなる傾斜地の裾に位置していた 敷地を訪ねるには青鷺が餌をついばむ美しい流れのなんやら川の橋の上を渡らねばならない。 比叡山の麓から流れ出す何やら川は南禅寺のあたりで琵琶湖疎水と合流し 二手に分かれ水道としてくみ上げられたり しつつ 鴨川に流れ出るようである。 俺がえいぞうさんの家を訪ねたその日も なんにゃら川の川底の 白砂に一羽の青鷺が無心に餌を探しており 僕の京都入りに驚き飛び立つわけでもなく 一心に獲物をねらいつづけていた 福島から舞い降りた美味そうなオレオオレをついばみ 歓迎するそぶりも見せない 一生懸命生自分の暮らしの中に生きる 動物の静かな日常の歓迎であった 敷地 初対面 なにゃら川を渡り 数歩西へ進むと 石造りの鳥居が眼にはいる。それを芯に左右に、きょろきょろ見回すと えいぞうさんの家は一目で分かった 一月ほど前に行われた内覧会の案内メールに添付されていた写真と 構造を担当された満田衛資さんが外観の写真を送ってくれたので知識があり、大きなガラス一枚のファサードの印象深い写真情報で知っていたからでもある 満田衛資さんが森田一弥さんと車で出掛けたおり 撮影したものだそうで、女学生がえいぞうさんの家の前で記念撮影をしている構図で撮った絵だった 「ギャルに早くも人気です」とのコメントが沿いえてあった。 今日は 今にも長雨が降り出しそうな気配のぐずついた天気であり 俺が訪ねた時間が12月10日の午後1時ごろで ギャル達は にゃんにゃこん勉学にいそしんでいる御様子で えいぞうさんの家の廻りで記念撮影をする ぎゃーるりー は一人もいなく、さらに通行人も無く静かであった。 最初に撮る えいぞうさんの家の最初の写真をデジル 大きな家型の一枚ガラスがいっそう際だって見える 申し訳なさそうに付けられた、仕方なしに付けられかのような 入り口の霧除けぐらいにしか役立ちそうもない庇や あまりにも大きくミニマムであるガラス面。 チープで無造作に置いたコンクリート板5枚の 段々段々段 パサりと申し訳なく置いたような チープに見える置き掛けの屋根 それらがゆえに 大きなガラス面は水晶のような結晶体を磨きだし鏡面状に仕上げズドンと立て続けた!支え立てあるんじゃないの〜 鋭利な水晶製の神剣が突き出てしまったかのような印象を受る 家型ガラスの奥には家型・水晶柱=神剣がカーブしつつ ズラーリ連続してるかのように在って、両サイドの屋根は 結晶体の連続の転倒を支えるかのように置いてあるのだと 錯覚してしまうほどだ。 両サイドの申し訳なく見える ささやかな屋根の勾配が おかし ふおふおふおふふふぉ 家型になったのは設計者の好みではなく 京都市の景観保存条例によるのだ えいぞうさんから聞いていた。夏におこなった「ことば悦覧in京都」インタビューで聞いて知っていた 家型があまりにも単純づーんな〜く 露出している いやらしさというか 居直りというか ここまで来ると切り妻・家型が神聖な事態でもあるかのように 転倒してしまう ミニマム素材をつかった づーんない、大きさの勝利 おかし ふおふおふおふふふぉ えいぞうさんの家=擬・水晶柱の中へ入る インタホーンを押す もする もすもす 俺でやんす ああ おまちしておりました えいぞは るす です どうぞ〜 るるるるす〜!! ぎーーいーーぎーー えいぞうさんの家の とんぶらは開かれた あんれ〜!!まー が らんどう じゃんか〜 えいぞうさん 居ない! 水晶も 不在 ! 二重の どうじ がらんどう って my本尊・建築スフィア神が作り上げ 俺様に差し出しだ演目か〜 「2重のがらんどう!!」か〜 なるほど えいぞうさんの家の 事態 全体が歪むわけが がスーッと 腑に落ちた 分かったような気分になった 人の営為の恥ずかしさと怒りと諦念が同置され 恥ずかしさのあまり 思わず 身を歪め 消えてしまいたいような あの おかしさの 様か〜 いいね〜水晶・神剣の中が主も水晶の実態も 空洞ってね はははは 今 味風にて よろ酢 いい酢 おかし ふおふおふおふふふぉ えいぞうさんの家で 最初に目撃した事 2009年12月10日午後1時 えいぞうさんの家のがらん(伽藍)堂のどどの詰まった所 行き止まりの場所で丸いテーブルを囲み3人の子供が昼食中であった。きみこさんが子供たちに昼食を与えていたと書いた方が正だろう。 みのり君も ただす君も 友達のいろじろ君も喰うことに夢中で口いっぱい小さなおにぎりを頬張っている最中で俺にはあまり興味を示さなかった。 きみこさんと子育ての現状などを話し合った。 数個 床におまるが置いてあり おむつを付けさせないで育てるのだと語る。 俺が幼少の頃は股間が開いた股引のようなものを身につけていた記憶がある。思い出すあの姿は 7才年下の弟の姿だったのかもしれないが。土間の多い農家では食べこぼしや排泄物が落ちていても土ごと削り取って片づければ生活に支障はない。 その後もいろじろ君の内面にあるストレスの様子を観察しつつ原因についてきみこさんと語り合う 親のストレスが子供のストレスとなて噴出する様子など、それから 再びび子供のウンコやボロボロこぼす食い物の処理や扱い方をいろいろ 話に花が咲いた。 えいぞうさんの家のがらんどうは床が白に塗装された足場板を敷き詰めて仕上げてある ただす君の暮らしぶりや排泄物などで汚れたら 汚れきった足場板を外し 取り替えればいいと言う。かぎりなく土に近い床板で仕上げてある。 足場板は工事において職人さんの安全と豊かな交通を保障するための板で、裏舞台が主役の材料である。えいぞうさんの家のがらん堂は道路状、路地ふうなので 足場板が「がらん堂」には相応しい 時雨きて 路上を走る シンケンジャー シンケン ジャーってなに? 昼飯をたらふく喰らった三人の子供たちの次の仕事はあそびまわることである。大きな声を張り上げて盛んに「シンケンジャー」と繰り返し吠え合い興奮しているのだ 「なんだろう?シンケンジャーって」 (絵 ネットより) 真剣じゃ〜 子供は真剣に暮らしているって言わねーだろう? 神剣じゃ〜えいぞうさんの家の北面に現れる 断面の形は神剣ににているから吠えてるのかな 神権じゃ〜 たしかに神社の脇に暮らす者としては神の権威を吠えたいのは分からないでもないが 子供が大人の言葉真似してるのか? 神験じゃ〜 そう言いたいのは俺の方だぜ 不思議な霊験でもあるのかこの「がらんど堂」には? 神けん じゃ〜 神様のおとがめか?たしかにエロオヤジだからおとがめがあっても甘んじ受けるが 親験じゃ〜 親をためしすぞ〜!てことかな? 信験じゃ〜この「がらん堂」はたしかな 効き目があったってことかな 分からないものは 吠え合っている子供たちに聞くのが一番!教えてもらった内容はこの頁の冒頭の事 。俺が子供の頃のヒーローは剣をとっては日本一の赤同鈴之介と 真空切り 、月光仮面に白馬童子 似たような社会から孤立しいるのか? 正義の味方は一人だった ほんまかいな? みのり君達にとてのヒーローは一人でなく連隊を成すシンケンジャー ヒーローも多文化主義の波に押され 5人も要請されたようだ。その中には女性シンケンジャーも2人ほどいるとのこと。ピンクと赤のスーツがそれだよ!とみのり君 紋切り型の色当てがいではあるも なるほどそうか。 みのり君たちの得意分野をタント説明していただいた俺は すっかり 仲間だと思いこまれてしまうのであった。ね〜シンケンジャー・シンケンジャーごっこしよう!俺はとうとうシンケンジャーがやっける悪魔役扱いなのだった手荒な歓迎であるよ だが子供は人を正当に扱うものだ。 どこから取り出して来たのか えいぞうさん手作りのシンケンジャーベルトを代わる代わる身につけセルロイドのお面を被っては シンケンジャーと奇声をあげる ひとしきりシンケンジャーごっこ やはり 飽きるわけだが 今度は アンパンマンカルタしよう アンパンマンカルタの世界はオヤジ世代の善悪二元論で連隊を組んでないようであった。 カルタ競技はみのり君といろじろ君が競い おれが読み手を仰せつかる カルタの取り方に それぞれの子供の性格って分かるもんだね! ただす君はおまるに乗ってウンコをしたり鼻を垂れたりしながら 言葉にはならない声にて盛んに豊に会話する。言葉以前の言葉であるも伝え方が上手いただす君。みのり君といろじろ君 もだから仲間は外れにせず一緒にあそぶ 。ただす君が言葉をもたないのに 会話上手なのはきみこさんが盛んにただすく君に会話をし続けているからだ。きみこさんを見ているのでみのり君といろじろ君も真似をするようにただす君と会話をしようと頻繁に相手を見続けているから会話になるのだ えいぞうさんの家のがらん堂 カルタやシンケンジャーごっこをしながら えいぞうさんの家の1階部は探検した。曇り空で方位は分からなかった。検索地図でおおよその方位は知っていたがきみこさんに確認した。 最初に対面した水晶状の神剣がたファサーの道路面が北面である えいぞうさんの家の中核を成す 北面に大きくすっぽんぽんに開け放たれた横穴形式のがらん堂、中核のゾーンを 西側から南に包むように敷地一杯!L型に台所ゾーンを配置ている。だから台所ゾーンは北面の庭と東面に庭、違った性格の庭二つを持つことになている がらん堂と2つ庭に押しやられているとも言える がらん堂の東側には北から順に、その中は扉一枚もなくスッポンポンに 浴室 洗面室 洗濯室 庭が並んでいる。狭いので老人の介護時にはやや難点があるかもしれない 住宅としての機能を担うそれらの領域が がらん堂によって敷地の方々へ押しやられたとの解釈もなりたつだろ。 がらん堂をどんと布置し余地それぞれに住宅の機能を発明し与えたとも言える 建築の強い平面形式を用いることで人の住み家としての住居とするために犠牲になったのは階段である。 この建築に階段は無い方が佳い。しかし住居機能を与えなければいけないので階段はぎこちなくあえいでしまいS字形にくね くねと天を目指し昇っていくのが見える。その階段は上りたくないので 2階に行く気持ちが湧いてこないのだった。 がらん堂の上空はやはりがらん堂でなければならないからだ。俺の勝手な想像を壊したくなかったので 上らなかった。 隣の 境内に出てシンケンジャーごつこ アンパンマン・カルタ競争をしていると 実力もないのに 負けそうになると いろじろ君は ヒステリーを起こす。 こりゃまずい!外へ出よう!外で野球しようよと3人の幼児を西隣の神社の境内に連れだす。 えいぞうさんの家を外から一巡り眺める目的もあるので誘い出す えいぞうさんの家の敷地は 神社の境内の北東の角を切り造られた敷地にもみえる 聖なる境内に民地をグイっと差し入れ込んだようにもみえる だから 聖なる神の領域と俗なる民の領域が無理やり せめぎ合っている釣り合う際のよにもみえる あまり見かけない緊張感が有るように思えるのは俺の目がおかしからかもしれない 北面から南面にむかて参道がある 神社のアプローチが特異なので このまま拝殿すれば逆光になるので神社仏閣の配置といてはあり得ない そこで参道は西に向かって直角曲がらざるをえない なあまり見かけない参道の形によって えいぞうさんの家が無理やり入り込んだようにも見えるわけだ そのあたりの真相は聞いていない シンケンジャーの悪魔役の俺は隠れるふりをしてえいぞうさんの家の南東の庭を写真に納める シンケンジャーたちに追われている身、落ち着きの無い写真だが 南東の角にある庭の特徴は捉えている 洗濯ものに 切り干し大根が干してあるでしょう 南東の庭は京都の町家が普通にもっている インテメートな奥の庭と対応している もちろん道路面には 前庭は見たとおりで ブルベリーなどの 「実のなる樹を植えました」ときみこさんは語っていた 北道路側の前庭は 数年後には草ぼうぼうであてほしい そのぼうぼうの中に突っ立つ水晶もどきのファサードが現れてあって 一層えいぞうさんの家の特徴が 強調されるからだろうからだ 雑草のな中に紫や黄色の実がなっていたら とてもいいな〜と勝手な妄想を膨らませた 外周を一巡すると 設計で細かな配慮がなされていることが分かる 詳しくは省略する きみこさんは屋根の落ち葉を拾い集める 悪魔役の僕は逃げまどう ウンコ踏んだぞー なんでウンコあるんだ境内に!わーいウンコだ ウンコだ!みのり君といろじろ君 はあっさりシンケンジャーの事は忘れて ウンコにキックを食らわし 踏んづけ合うのだった。ウンコの場所 教えるじゃなかた! 境内には神様のウンコが落ちていた 僕は神様にウンコを付けてもらった 外観一周しえいぞうさんの家のもう一つの特徴である 強い平面における 形式が理解できた その形式は京都の町家の形式をも踏襲してることも分かった なんだか さいさきが良い ウンコ踏んじゃった! 湯気の立つ真っ黄色名ウンコはただす君の落とし物だった ただす君は未だに神の領域にお暮らしになって時々こちらの世に降りてくる方なので 宇宙・神様のウンコなのだ るんるんウンコ踏んじゃったとみんなで合唱しシンケンジャーごっこが終わる 各自シンケンジャーポーズにて 記念写真を撮った 俺はシンケンジャーと聞いたときにはなんやろ?と思ったが宇宙神のウンコを踏んですっかり納得したのだった シンケンジャーは暗号的呪文である シンケンジャーは幼児の娯楽と神の娯楽が響きせめぎ合う出来事 と同時に 人と神の領域とのせめぎ合が成りたつ虹のような多彩で多義的で分解し語ることが出来ない事態なのだと知った 時雨きて 路上を走る シンケンジャー えいぞうさんの家で2時間半ほど遊んでいるが 未だに 主人は不在で シンケンジャーたちが 走りまわるのだった 以上 俺が 記憶を再生するために記録としての一句のあらましを説明でした 抹茶のをいただいき 飲み残しの抹茶の跡にもえいぞうさんの家平面形式が現れているではないか!? 神の領域と人の領域が混じりあい交通し続けるかのように美しい茶の残滓 液体や気流 記憶や光を分節しては決してとらえることが出来ない この家は分節不可能な人人の営みを捕らえようと果敢に挑んだ人人の建築的人人の営為の跡がそこかしこに刻み込まれているのである と俺は思った 捕らえられないからいい 語り尽くせないからいい 建築における近代ふう建築原理主義者によって生み出される建築とは はるかに 異なる まだ始まったばかりの遠い世界に在る建築の形式なのだと思った その04( えいぞうさんの家へ) |