東京 ことば悦覧 2008年 春 home 倉本 剛 (ゴウ) ことば悦覧 2008 4月15日 その01 その02 その03 その04 その05 その06 その07 その05 佐藤:第二部ですが アトリエ系組織内事務所を出られて 独立系建築家としてたった一人で設計活動を始めるという理由を教えてください 事務所をシェアしたり、所員をシェアしたりしている人が多いなかで 倉本さんの場合は自宅からスターとを切っていますので その当たりの話をしていただけるといいな〜と思うんですけどね 倉本:そうですね、やっぱりものを作るので、醍醐味というか、建物に限らずですけれども、物作りって楽しいというのは基本的に僕は感じているので そういう中で、その延長として考えると 一番 自分で考えて作っている感じがするのは 一人でっていうか、自分が主宰する事務所みたいなのが、純粋に普通なんじゃないかと。 もちろんそれは組織だとね みんなで考えて作っていくというのもあるんですけど。一人でやると言っても ユニットでやるというのは、よっぽど馬が合うなら うまくいくかもしれないですけれども。住宅を2,3人でやったんですけど 結果的にはうまくいかなかった 佐藤:お互いに未消化で 燃焼不足気味になったと 倉本:たぶん責任が明確にならないというか 、誰が誰の責任になっているのか?それは言い訳も出来ちゃうし 他の人の事はわかりませんけど、僕の場合は自分の責任で決めておけば 失敗もなにも自分で負う事ができるし それが一番いいと思った。 自分が作るものは自分のイニシャルを入れ最終的に決定することにしないと 佐藤:アウトプットしたものに責任を取りたいと 倉本:そうですね やっぱり何人かで組むっていうのは 組むっていうような同等にはならなくって 僕なら僕が居て色々な人と話はするんですけども。 でも僕の作品であると なるのが筋だろうと。 それが自然な成り行きなんじゃないかと僕は思ったので それからは一人でコツコツやる 事にしたんですね。 ただ一人でコツコツやっていると煮詰まっちゃうんですね。僕の場合は ははははは 一人でコツコツやっていて色んな人と話すべきだと思うんですけども 一寸そこ機会が あまり自分で意識的に作らずのめり込んでいたんですけど 佐藤:今日は変なオヤジが尋ねて来ちゃいまして 倉本:最近それを意識していて だから今回そういう話も来て 一瞬迷ったんですけども 佐藤:どういうふうに迷ったんですか 倉本:自宅でひっそりやっているのがどうなんだろう?という 佐藤:ああその状態をパブリックな場に公開すると恥ずかしいと 倉本:これがどういう公開のされ方をするのかしらないですけど 佐藤:このまま起こして公開します ふふふふ 倉本:ちょっと恥ずかしい 佐藤:倉本さんの中には成功した姿があって、それに比べて恥ずかしいという考え方と、リアルの中からスターとして成長なり失敗なりをして行くのはどちらでもよいけど、このスタイルがいいと言う考えかたもあると思うんですけど 倉本:肝が据わっていないかも判らないですね 佐藤:そこのところがぶれていたんだ 倉本:ぶれていて 自分で意識して固めていかなければという いうふうに思って。で最初 外でと思ったんですけど それもバカバカシイというか 何の体裁か判らないので。それだったら 現状をさらけ出して 5年後か判らないですけども どうなっているのか自分も楽しみだな〜という事で 佐藤:自己を定点観察するのにも 観客がいたほうがいいでしょう 倉本:そうですね、でもちょっと意識 する 佐藤:余計な事をしているとも思っているんですけど 倉本:いやいや 佐藤:5年ごとにあのオヤジ来る!と思っていると変わる 忘れちゃっているかもしれないけど、突然5年ごに現れるから ははっはは 高価な家賃を支払って駅前一等地で事務所を開いているけども 心の中は火の車状態の人もいるかもしれない はははは 発注者はそう思わないかもしれないけど はははは そういう人は倉本さんの今の状況に不満を感じて 依頼しないかもしれないがね 倉本:うんうん 佐藤:依頼者だって そういう人だけじゃないし 倉本:たまたま こういうスペースがあったから 収入も厳しいから ここでやっている 状況に応じて考えようとしているんですけどね 佐藤:それでいいんですよ。 ことば悦覧を開始する時に スペースがモット狭い処で事務所を開始した人がいるだろうな〜とは 予想を立ててはいたんですけどね 倉本:そうですよね 佐藤:生まれたての建築家を支援するサポーターがたくさんいれば駅前事務所開設も考えられるかもしれないんだけれども 日本における建築家の状況を考えたら スタートから 駅前事務所 それは無いでしょう 不動産やならいざしらず 倉本:一回僕も外に出たんです だけれども家賃大変だから 舞い戻って来たんですね ふふふふ 家賃の為にバイトすると 時間がそこに取られて ドンドン嫌な方向に(むかう) 佐藤:スリムな状況になっていったと それは自分の考えていることを建築として表現したり 建築として獲得したいために無理せず暮らすと。そこの方が駅前開所よりは重要だと 倉本:まあそうですね 佐藤:ここがベースだったので戻ってと 一緒に暮らしている人達に 自分でプレゼンテーションしなければいけないんじゃないかな? 倉本:上で何やっているんだろう ?という状態ですね 佐藤:それでは拙いですよ! 倉本:何か良い報告しかする気がなくって 佐藤:それも拙いですよ 倉本:いい報告だけはしようと思っているんですけど 佐藤: 話題を提供しないと 建築仲間同士で コンペ案を見せ合うように 傍にいる人達にも同質のことをプレゼンして どうなの!と巻き込んでいかないと 行けないのではないかな? サポータは先ず身近なものから成ってもらうと 倉本:なるほど 佐藤:身近な人々に説明しないで、だれに訴えるのだ! 誰に説明するのだ!ということだと思うんですけど。 インターネットのような漠然とした空間に向かって説明してもどうなでしょうか? 耳タコだから止めてくれって断られるならいざ知らず 説明して、プロジェクトが完成したらまず身近なサポーターを現地に案内してと これがごく普通の在り方だとおもうんですけどね 次の頁へ |