大阪 ことば悦覧 ことば紀行 2008年5月12〜18日   home 

 井戸健治さんことば悦覧 2008年 5月13日午後 高津 ビルの5階井戸さんの事務所にて   
インタビューNO2ファイルから起こします。N001の音ファイルはみつかり次第とりかかることにします。

 
井戸健治36才 1972年和歌山県生まれ 神戸大学修士卒 2003年独立 
 独立の理由 
洋書を読む時間を生活の一部にしたかった。  日常の時間の半分を建築家やアーテストの翻訳に当てて暮らしているそうです。 ロバートスミッソンなどの話やマーレヴィッチの話など面白いのですが 見つからない時は再度インタビューし直します。一端は日々井戸さんの 洋書日記にて 翻訳メモを公開中です

 その01 その02  その03 その04 その05 
 その06  その07 その08 その09 

 その01 0分〜16分 38秒 

佐藤:井戸さんの作品を説明してもらうと言うことで そらから話にまた戻って。コップ貸してもらえますか 柳原さんいつまでも 聞いていられるでしょう

柳原わらう どのタイミングで帰ろうかな〜と 
佐藤:これから井戸さんの作品の解説です 
柳原:僕は途中で勝手に帰るので 何もいわずに

佐藤:とりあえず座って いいよいいよ。今日も全然違う展開になっているね こういう話に成るとは俺も思っていなかった
柳原:井戸さんは結構 僕知っているんですが、ストーリートしてはこういうカタチになるなと思って
佐藤:ああそうですか、おれは予想してなかった
柳原はい 

佐藤:外人が好きだって言うのはちょっと判らないな 
柳原:わらう
佐藤:外人に会うのは随分後だと思うんだけど 本とか大学の時に会う
柳原:まあ大島さんの影響
佐藤:大島さんの影響か 
柳原僕もそうです 

佐藤:大島さんに猛烈な影響を受けてしまったと 悪いオジサンだな わらう 
柳原:表側は洋書店で裏に 共にわらう 
佐藤:わるいオジサンだな。どうですか作品は これはコレクション 
柳原:これよく判らなかったです
佐藤:このアクリル仕込みの金魚は日本人の作品ですか

柳原:そうです 
佐藤:アクリル板の組み合わせによって 金魚と魚が泳いでいる
柳原:なんだか良く判らなかったです 

佐藤:井戸さんの作品を一寸 作った やつを もしよろしければ 
井戸:作品と言うほどの あれは無いですけどもね 
佐藤:建築、こんなんつくりました みたなのを じゃいただきます マレビッチって何か聞いたことがあるな。 

柳原:大島さんがかなりズーット言っていたんですね マレーヴィッチ
井戸:大島さんから 
佐藤:いただきます とビールを飲む 無かったら いいですけども 何か俺作ったみたいなものがあれば 何かありましたら 仕事 翻訳の話は分かりましたけども 建築の設計もやっていらっしゃるんですよね 

井戸:やってますよ    やってますよ
佐藤:それは仕事を 誰かから頼まれて 設計をやっている 一人でやっているのですか
井戸:一人でやっています 
佐藤:なるほどね 
井戸:独立前のやつも入っているんで そうですね 

佐藤:難しい、問題だな〜ほんとうに 
柳原:これ市井君の住所違いますよ 
佐藤:ああ違う 後で教えて 
井戸:あれどこやったかな ちょっと待ってもらえます〜 

佐藤:ああいいですよ どうぞ捜してください 写真撮ってますから その間に 
柳原:内淡路町  
佐藤:突然インタビューに来られる 戸惑うでしょう〜
井戸:戸惑いますね 僕こういうの専門じゃないので 
佐藤:誰もやってないの しょうがないですけども 

井戸:わらう これはコンペ案ですね 
佐藤:はあはあ 後で説明してもらえますか 
井戸:これは  なんやったかな。説明 ですか 
藤:えええ もしよかったら何か コンペ案を

井戸:南方熊楠の資料館 
佐藤:聞いたことありますね 
井戸:コンペ案ですね これも3年前ぐらいのやつなんですけども 。今から思うと拙いな〜と思うんです 
佐藤・はあはあ 

井戸:その時はとにかく なんて言ったらいいんでしょう。とにかくボリュームと、ガラスの操作を、この敷地一杯の中で 

佐藤:ボリュームとガラスの操作・ガラスって何ですか?ガラス?ボリュームとガラスの操作をすると
井戸:という事をそれだけ でやてみようと思って やっていたんですね 。たんにこの白い箱の中で バーコード状に 線を引いて そう言うルール があって。形式作って。さらにそん中で 必要な質のボリュームを 2層なので そのなかで動かすだけで

佐藤:ああ そうか そうか
井戸:やろうと
佐藤:オートマにね
井戸:そうです そうです。それでそのなかで 一本通る ラインを それと矛盾するように やろうと思って 
佐藤:どこに一本そのラインが通っているですか 
井戸:これ 
佐藤:ああ そうか そうか 

井戸:立体的に、見せなアカン空間が 要るということだったので 
佐藤:均質に割った そこに異質な通路という暴力的なものを入れたと 
井戸:そうなんです 今となって思う事は ゴジャゴチャやりすぎたなと 
佐藤:わかり難いよね

井戸:わかり難い 今から思うと。そんなにごじゃごじゃしても 
佐藤:つたわらん
井戸:伝わんというか 意味がないと 言う 意味が 。一つの正方形のやつが ズレて どんど敷地にあるほが、よっぽど
佐藤:そうだね 
井戸:説得力がある 

佐藤:わかるわかる、俺と似てるな やろうとしてることは 
井戸:いやほんで、僕はとにかく何か デザインしたちゅうんじゃなくって 単になんか そういう 操作だけで 実際オートマチックに出来上がってる中で 止まるちゅうのが良いと思うんです 

佐藤:なるほどね 
井戸:アイゼンマンがやっていることなんです 
佐藤:アイゼンマンと言う人はそれをやっていると ああそうなのか
井戸:ウン 彼はもっとランドスケープみたいなやつ みたいなのやっていきすよね 
佐藤:おれはそういうの全然 知らんからな 知らないけど やろうとしてる意味はわかるわ これはちょっと明解に表現出来なかった けど 形式を決めて そこにもう一つの違う異物を 入れてる事によって 右往左往しながらも 建築化して行くと 
井戸:建築化と言うか そうですね。カラーガラス入れたのも 何て言うか。う〜ん 

佐藤:2層に分けると言うのは設計条件なの 
井戸:いや違います違います なんて言うかな窓が 窓として在ると言うのは嫌なです 窓ちゅうのはたまたま 透明な壁 な だけで 切れてる だけや ちゅう のほうが僕は それも一つの 例えば斜めのラインがあるから たまたまこに ガラスが入ってるだけで これ結局斜めのやつはようせんかったんですけど 

佐藤:という事は建築家の作ると言う意志を自分で一回剥奪して 
井戸剥奪ちゅうかね それで、なんちゅうかな こうこうやからこうなりました と僕はあんまり 
佐藤:説明しない 出来ないのを作ったほうがいいと言うことだよね 
井戸:ウン そう じゃない。結果として ここに壁 が吹き抜けて 窓に成っているけど それはこういう風に感じるよね それだけの話だと思うんですね 

佐藤:そうだね
井戸:その状況を 目指したのが たまたま設計者やと 言うだけの話で 
佐藤:主観的な話で、こう見えるとか ああ見えるとか そうだよねって言う話は論理的な話じゃないからね
井戸:僕は感覚的なものは それとして一番重要なことだと思うんです でもそれを狙ってやって行くのは。僕は あざとく思うんですよ 

佐藤:狙わないで そうなればいいけど 
井戸:狙わないでと言うか 暗にそれは 狙っているのを判った上でも 放り出す のが良いと思うんですね 
佐藤:なるほど なかなかねじくれていてよろしい  難しいけどいいんじゃないですか そういう難しい処に挑戦してもらわないとさ 5年後来る楽しみがない わらう 

井戸:
事務所始めたころは、こういう やりすぎていたんです。その先から複雑になるやろうと 思っていたんですよね。だから これれまさに住宅ぽしゃちゃたですけど この時もとにかく壁を作って そのなかでボリュームが出来て たまたま切れていると いいわと思って やったんですよ これも要は結局 。なんちゅうかな。くどいだけやな〜と 。要はなんちゅうかな う〜 ん

佐藤:自分がでちゃう 
井戸:これってデザインや って感じ。何故か 単なるデザインやん デザインでいいんですけども なんやろ アートへ 
佐藤:井戸さんが井戸さんを離陸くするのはなかなか 難しそうだな〜 やりがいがありそうだね 

井戸:でも最近この1年ぐらいで マレービッチに出会って ここかと今思って 
佐藤:なるほど 
井戸:ようは そういう複雑な操作じゃないんやと 言う気がする 
佐藤:うんうん じゃ俺の話を17日聞いてくれと チラシ置いていこうか 
柳原:佐藤さんの話面白い

井戸昔アーキフォーラムに来ましたよね あのとき
佐藤:あの時 は適当に喋っていた だよね こんどは結構真面目 に アーキフォーラムの時はなんだったんだろうね 自分の建築を説明するのが難しかったね 今は簡単に説明が出来るようになったね あの時は途中だったからね 土曜日は1時間ぐらい話散らし、後は参加者全員でワイワイと 言うことでね 
柳原さんが僕を呼んでくれて 電車賃払ってくれるから 僕が来れるんですけどね。今度来るときは 昨日会った女の人に泊めてあげると言われたから 交通費と飯代だけでずーっと居ることが出来るから 5年後はmy経費面では楽です 笑い

柳原:佐藤さん呼んだ経緯も井戸さんと話してて 金村さんと 
井戸:あのとき佐藤さんの話出たっけ あ出た 
柳原:建築家が建築だけで集まっても面白くない そういう話しかできないので 金村さんと言う人はアーテストなんで アーテストと言う処と建築家と言う処と 僕デザイナーと言う処が 。それでも偏っていますけど 異業種で 話をしたほうが よっぽど面白いものが 衝突する できるな〜と思ったんです それで佐藤さんぴったりだなと思って 

佐藤:おれか 建築の理想は路上(路醸)だって言っている 
柳原:ろじょうってなにですか

佐藤:道路の 路に状態でもいいし 上でもいいし醸すでもいいし。路って言うのは漢字のもともとの意味から言えば 概念とリアルな世界を結ぶ道が路なだよね。道路の路じゃないんだね 昔は神様と往き来すうると言うことだけども 神無き時代の今は概念と言うとだね その路の上に活きて人が 路上人 (ろじょうにん)と僕が 勝手に言っているですけども。 まさに井戸さんがやろうとしてるのがそう言うことだと思います ね 概念のなかと言うか 言葉の中 に自分が生きると言うかね それがまさしく人間らしさだと それを具体的に出来るためには 井戸さんは無理かなって言う感じ がする

井戸:わらう  
佐藤:なぜかと言うと やっぱり動物じゃないからです 考えてしまうからです それを動物的に出来る人こそが路上人 であって そいうに成らなければならない 井戸さんは残念ながら近代の教育を受けすぎているので 自分をどうしても近代の価値感で縛り込んでしまい、マーレビッチに回収されてしまうわけだよね 。マーレビッチから離陸するために は 意味を剥奪しなければいけないので いれからの井戸さんの苦悩っぷり 苦悩の旅が始まるので 拝見させていだだくと

井戸:大島さんにも同じようなことを言われた 

佐藤:
苦悩の旅が始まっているので、おれはそれを観察栽培させていただきます。おれは最初から近代に疑問をもって生活しているので こういう事をやって 建築家に成りたいわけでもない し 活動家になりたいわけでもない けども ただ行為して生きていく。ということの面白さをね おれだけ面白いでもしょうがないので 俺のよからぬ、品の無いところはみんなを巻き込んで、あんた何してんの、あんた何者なの?なんで独立するの? 余計なお世話なんだ ハッキリ言うと 無意味なことなんだ 鬱陶しい話なんだけど でもまあやろうと 

僕が質問することによって井戸さんの人生が変わる と言うのが判る 。質問しないほうがいいわけだから本来は 観察、見ていればいいだけだから。 そこのところね、移行期に在る人間の宿命として やると やってしまうと 。俺のしょうも無さは有るんです よね 。それを脱出するためには 聞いた言葉を文字にして 共有の資源にすること によって 罪滅ぼしをする みたいなな そういう処でやっていこうと言うのが 考え方ですね 。あとの100年200年経った時に その記録を読んで こんな事を考えていた。

あまりにも情報量が多すぎるからね だから判りにくいですよね 有りすぎるのは無いと一緒だから。これICレコーダーに入れてた音をですね 家へ帰って行って文字起こしすると、モット判り易く成っている 

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