大阪 ことば悦覧 ことば紀行 2008年5月12〜18日 home ninkipen一級建築士事務所 今津康夫 さんことば悦覧 2008年 5月12日 午後 その01 その02 その03 その04 その05 その06 その07 その03 30分12秒 〜49分38秒 08年6月17日アップ 佐藤:まあまあでしたか 今津:まあまあでした わらう 佐藤:今は美容院に関わる人が多いのかな〜 美容院の例が多いですね 今津:そうですか 佐藤:3人目か な〜 今津:僕の規模で仕事をやっていて 思うのは 建築って設計者いらないんですよね 佐藤:また大胆な発言をしましたね 今津:設計施工で 一般的にはですよ 建て売り住宅 含めて 設計者というのは要らなくっても 佐藤:設計者ね 建築家じゃないのね 今津:まあまあ 建築家と言ってもいいですけど ビル建てる時に 工務店が設計施工でやればいいので 設計者と言うのは そんなにも 必要かと言うと そうではないんだと思うんですけど 建築の場合 工務店が設計施工でやる場合と 言うのは デザインも工務店がやると 言うことですから 佐藤:発注する方も戸惑うよね 今津:戸惑います 佐藤:この工務店に頼むと お洒落にならないと 今津:そういう事です 佐藤:明らかに 判るらね 今津:だから設計者が必要とされると思うんですよね 佐藤:と言うことは今津さんは施工まで融合して行く可能性があるっていうことだよね デザインも出来て 施工まで請け負ってしまって 今津:ええええ 佐藤:よりダイレクトに要求を展開できると言う 事も考えられますよね 逆にね 今津:逆にね 佐藤:そういう設計施工の 、今 今津さんが言われた 設計屋いらないんですよ 自分が施工者に成ればいいんだから 積極的に 店舗のデザイン頼まれた時は自分が施工者に成ってしまうと ある時には建築家になると 融通無碍に 行ったり来たりしてやれると言う可能性も 孕んでいるわけですよね 今の発言を辿れば 今津:孕んでますけど そこにはあまり興味が 作る方には無いので 佐藤:考える事 じゃーそのプロフェッションの処をもう一回 お題を見付けて 回答と 言うのはとても 佳いということで 作られたわけですよね 自分の考えたもものがダイレクトに具現化して行って 人が動き出したりするのを 見てですね 何か特別な感慨が浮かびますか 今津:まだまだ ちょっと拙かったと言うのは常にありますけど やっぱり やっていて楽しいですよね 単純にものつくりが楽しい と言う 工作の時間と一緒で その渦中の内に自分が居るんで 佐藤:組織事務所に成ってしまうと それが出来ない と言うのは 何なんでしょうかね 独立系建築家と 組織事務系建築家と プロフェッサー建築家と 役所建築家と ゼネコン内建築家と 色んな建築家が居た方がいいのですが インタビューに応じてくれるのは 独立系の人が大方なんですよ ね 何故か これから いろいろ当たってみて サンプル採取しなければ成らないのですが それは何でかと言う事もある 組織事務所でそれが出来なかったと言うのは 何ででしょうかね 今津:組織事務所と言うよりも 扱う 物件・用途とか 僕の場合はそれでしたけど 佐藤:用途ね 今津:組織事務所にもね 佐藤:今津さんが プロフェッサー建築家として 後 施工会社に入ってまた出て来て 横断出来る方がいいじゃないですか そう言う可能性はほとんど聞いた事がない 今津:あんまり居ないですね 佐藤:自由に横断して 活動している建築家は あまり知らない タケナカ工務店から大学へ ぐらいしか知らない この例の少なさ 横断のなさと 言うのは なんでなのかな〜と ちょっと疑問が湧きます 建築家と言うプロフェッションは認知されてないんだな〜と 言う気もする または何か他の事情があるのかな〜と 思って聞いて歩いています 若い人達には そこを横断するような建築家に そのような人間が一杯出てくるのではないかと いう 秘かな観察の楽しみでも 期待でもあります。 あまりにも多様な可能性が無い 独立系で失敗してしまうと 行くところが無くなる それってもったいないですよね 今津:そうか 佐藤:どうするんですか 万が一失敗したら そんなこと聞かない方がいいかな 今津:どこか勤めればいいんじゃないかと 思っている 佐藤:と言うことは 組織事務所とか 施工会社とかに 横断出来た方が 出来る方が良いわけでしょう 今津:したほうがいい 積極的にしたいとは思いませんけど 佐藤:ああそうかそうか 仕事の量とか言ったら 圧倒的に組織事務所とか 施工会社とか 大きな仕事が来る 今津:何を求められて そこ仕事が来てるのか と言うのは 非常に重要で 佐藤:そうか 社会の方が 建築家のプロフェションを認めてないのではと言う疑念 があるのか 建築を施工会社に発注したりする 発注する側の問題だと言うわけだね 今津:問題と言うか 僕がやりたいこと と言うか 営業が居て コミュニケーションの能力だけで仕事を取って来て 仕事がありますよと言う 処だと 設計期間も短いし ぼんやり 色々考えたり 出来ないじゃないですか 佐藤:出来ないね 不正解は出せないしね 今津:そうですね 佐藤:営業マンが持ってくる 回答が決まった仕事だからね ズラしたり出来ないし 今津:そこにはちょっと 佐藤:日本的かもしれませんね 誰も仕事に責任を負わないで 展開して行く 建築行為 自動的に建築行為が進んで終わると言う 外国の建築行為の進展のしかたとか知らないのですが そう言う 困難な課題が立ち上がりますよね その中で今津さんが 自分で独立して 2年経って 店舗の内装だとか 個人の住宅とかも 建てていらっしゃるんですか 今津:そうですね 佐藤:そういうのを作られて 結構順風満帆という 様相ですね 今津:順風満帆じゃないですよ〜 佐藤:広い事務所ですよ 今津:ここはシェアしれてるから 佐藤:ここは家賃幾らですか 今津:10万5千円です 佐藤:結構 高くもないのかな〜 街の真ん中だし 今津:高くないと 思いますよ〜 保証金とかも要らなかったし 佐藤:そうですか 6階とかで 歩いて登らなければならないわけでもないし 3階ですしね 今津:そうですね 佐藤:10坪ぐらいですかね 今津:もうちょっとある 佐藤:1坪 1万円ぐらいかな 東京に比べると安いかもしれないですね 話を変えて 個人的な事をお伺いしますけども 兄弟はお姉ちゃんと二人ですか 今津:いや兄貴がいて 2人兄弟なですけど 明日からハワイに行くのは僕の 奥さんのお姉ちゃん 義理の姉です 佐藤:ああそうか義理のお姉さんですか 男2人兄弟で下の方だと いじめられて育ったと 今津:そうです 佐藤:なるほどね わらう お兄ちゃんも建築を行っているとか 今津:兄貴は京都で服屋さんをやって居ます 佐藤:そうですか 建築の道を選んだのは なんでですか また戻りますけど 今津:まあ純粋に理系だったというの一つあって 建築学科理系でしょう 佐藤:まあね 文学的でないということですか 今津:そう言うことじゃなくって 受験のシステムとして 理系だと で 理系なんですけど 工作とか図工とか そういうのが子供の頃から大好きで 佐藤: 作るのがね 今津:建築って理系のなかでは そういうふうな もの作りじゃないですか そう考えたら 建築学科に成ったという あんまり面白くない理由ですけどね わらう 佐藤:物作りでも凄く細かいやつとか 巨大なやつとか 建築って ざっぱじゃないですか 建築家は自分で作るわけでもないし 人に作らせるわけだから 実際手を動かすって いう 処から離れるわけですよね 今津:まあでも 18の時はそんな事 までは あんまり考えてなくって 実際模型とか 佐藤:今は直接作るというのは 模型作ったり PCで図面作ったり という感じで 直接手を動かして作るという ストレスは無いですか 出来ないという 今津 :ないですね 建て方とか行って 1日じゅう楽しいので 佐藤:現場だと 現実 日々変化して行くからね 瞬間瞬間ね その楽しみは現場はありますよね 意外に単純な 波瀾万丈な人生でないですね 今津:そうですね 佐藤:順風ですよね 今津:普通というか 佐藤:紆余曲 ほとんど 無いですね これから少し 曲折してくれないと 観察者 としては困るな 仕事もありそうだし 仕事無いのに独立する人とか 居るし 今津:エンドウ事務所辞めるときには 嫌だったから辞めたんで 仕事が 一つも無かったんですけどね 佐藤:凄い営業力ですね〜2年で 仕事を取っちゃって 今津:今は低空飛行で ポチョポチョお尻着けながら飛んでいるんですけど だから全然順風満帆ていう感じじゃないですけど もう仕事はなんでもやって 佐藤:建築のお題を見付けて 発注者と対応して 回答をだして具現化して 行くというのが建築家の職能として それが価値であると 今津:思ってますね 佐藤:なるほど これからの戦略と言うのは 低空飛行で上昇しないんですか 今津:いや〜上昇したいですね〜 へへへへ 佐藤:コンペはやってないんですか 今津:やってますよ〜 随分落ちてますけど 佐藤:ジャンジャン出して 今津:ジャンジャンでもないけど 自分進めてる仕事があっても審査員がしっかりしてて 面白そうなコンペがあれば並行して出してますね 佐藤:審査員がしっかりしている と言う人が多いですね 今津:はあはあ 佐藤:審査員が駄目だと 今津:そうですね 選ぶ基準が さっきのマンションではないですけど 判らないと 無駄じゃないですか 佐藤:公開審査でなくっても審査員がしっかりしていて そう言う審査結果が サッシか何かで出してくれれば トライしたい気分になると 今津:なりますね〜 佐藤:なるほどね〜 フェアな審査が行われていると言うことと 審査基準が明解であると言う 事が一応 建築家がボランティア的に参加する 動機になると 言うことですけどね と言うことは現状の建築家の在り方にたいしては あまり不満を感じてないですか 仕事を自動的にくれるシステム作ってほしいとか 今津:そうなや〜 やればやるほど赤字に成る と言うこの仕組みは 不満です 佐藤:ははははは やればやるほど赤字に成る 自分が労力を注ぎ込めば注ぎ込むほど ということでしょう 今津:はい そうです 佐藤:それは もしかすると社会的価値が無いからでしょうね 自律的な意味では凄く価値があるんだけども 他律的に見ると価値がまったく無い 今津:そういう事ですね 佐藤:それをどうすんだという 大難問が立ちはだかっている 出現してしまいましたね〜 どうするんですかそれは 今津:まあ設計料 時給計算になるから もらっている設計料が 安いと いう 事だと思うんですけど だから結局自分 設計事務所をやっている人間 というのは 自分の判断 、自分が納得いくかどうかと いう 一番高いハードルが自分であって それを越えるためには まあ 徹夜とか 色々しながら 参加するわけですけれども 佐藤:これをやっていると みんな優秀な建築家は死んでしまうね〜 今津:そうですね 佐藤:やればやるほど 寝る時間が無くなるし 飯喰う時間も無くなるし そうして一所懸命やったけど 「はい価値ありません」さようなら 1ヶ月やったけど ほとんど 価値 無いみたいな それをどうするかという問題は 共通してあるよね 今津:ありますね 佐藤:建築家がその価値を 自律的に作る 立法権を握ってないからだと思うんです 日本の建築を動かす 中枢を握ってない 医療制度のようにキチンとシステム化して 医師の価値を 作っている 今津:そうですね 佐藤:ところが建築家は 自律的に自分たちのシステムを作った事がない 作り出そうとしたこともない 建築家が作らず 施工業者とか政治家が政治力にて建築関係の法律を作ってしまう 業界の政治力が圧倒している なかなか その中枢に建築家が立ち入り 自律的な法律を獲得することが出来ない 今津:そうですね 佐藤:今津さんが1月血と汗と涙で作り上げた アイデアが 瞬時に価値が無くなる 今津:はへへへへ 佐藤:はい だめ〜みたいなね 評価しょうとする基盤を作ることが出来てないと 今津:社会的にマイナーであると 言う事には不満を感じてないんです 別に 佐藤:それは何でですか 今津:やっぱり クライアント 頼もうと思ってます みたいな話があって そのクライアントに会いに行っても そのクライアントの仕事を 僕が引き受けて良いのかどうかと 言う 引き受けられない人も居ると言う 佐藤:ああ そう言う場合もあるわけね なんでも やって いいと言うのではなくって どうしても この人 仕事をしても認めてくれないな〜と言うのは直感で分かったりするんだ 今津:そうですね 佐藤:なるほどね 今津:ケイタイのデザイン見たって 多様化し過ぎてね よく判らない事になっているし。一番売れてるケイタイのデザインが良いか?と言うと そうではないんで 佐藤:発注する人を捜すと言うことと 同時に 自分と相性が合う人が その中に居るかどうかを 2重に捜さなければいけないんだよね 今津:相性と言うのは人間的な相性と言うよりも 求めてるものが 佐藤:人生の価値とか 意味とかそういう 抽象度の高い話ですか そのへんのところは 無礼講 で 共にわらうあははははは なかなか難しいですよね 相性と言うのはね 自分の作風はこのようなものですと 最初に言うわけですか 今津:それはもちろん言いますね〜ポートフォリオ見せて 僕こんな事をやっていますよ〜と 言う 佐藤:そうかそうか 相手が今津さんを選んで 設計料を いきなり値切っちゃったりするんですか 気に入っているけど 銭は別や ということで 今津:うへへへはははは 佐藤:大阪だとぶっちゃけで ありそうな感じがするんですが 今津:そうですね〜 あんまりないけど 値切られても うん〜そんなに タダみたいに値切られる わけじゃないけど 佐藤:設計料決めるって なかなか難しいですね 今津:そうですね 佐藤:あって ないようなものだし 無ければ生きてけないし 設計料 300%くれてもいいな〜と思うけども くれる人滅多に出てこないでしょうね そんな太っ腹な人が居ると 世界は変わるんだろうけど あははははは 今津:居ないですね〜 佐藤:工事費の何%とかセコイ話 雀の涙並だったりすると 工事費の倍ぐらい設計料くれればね 今津:そうですね 佐藤:発注者は尊敬されるだろうけど 今津:うはははあは 佐藤:そのような人が出現した と聞いた事がないので 俺が生きている内に現れてほしいな〜 ファド系からでもな〜 設計料は工事費の2倍もらちゃったよ〜の話聞きたいと思っているんだけど 今津:その位の価値はあると思いますけど 佐藤:あるよね 例えば500年使えると 今津さんが設計した建物が500年使えるそして 世界中から年間300万人が押し寄せてくると 設計料は工事費の2倍あげてもいいじゃない 今津;そうですね 佐藤:投資は時間と人間の関係だから 1月で壊すなら べつだけど 千年とか500年とか使うなら 安い設計料になるわけですよね 今津;そうですね 佐藤:間に入って設計料と建物の価値を 伝えるとか 使い方を教えるとか そういうプロフェッションも必要だと思いませんか 設計した人が説明するのはシンドイじゃないですか 今津:う〜んたしかに 佐藤:そういう職能や担う人がまったく居ないですよね 必要だと思っていますが 今津:そうですね 佐藤:大学病院の医学の世界と比較すると面白いんですけど 高度な専門知識をもっている医師のところは風邪引いたと 治療にいかないでしょう 間に調整する看護婦や医療マネージャーが居るからです 建築家も同じようなシステムを作り上げれば いいわけですよね 貴方はこの見地羽化に合ってますよと アドバイスする人が要る 仲人さんみたいな人間が そうすれば建築家と 発注者は無駄な行為をしなくて済む 今津:今あるんじゃないですか いろいろ 佐藤:WEBコンペじゃないですか 今津:コンペじゃなくって大阪には幾つか ありますよ 佐藤:そういうのがあるんですか 今津:何十人か登録してて 佐藤:そこに登録なさならい 今津:なんだろう 一つかな しているんですけど で彼らのモチベーションというのも 結局は僕らと 違う処があるから 佐藤:貧しい建築家から跳ねて お金儲けになってしまうのかな そういう人達からみれば 3ヶ月考えて一つの案を出すなんていうのは徒労に見えてしまうのかな その問題は 難しいね 他律的に出来上がっている 建築的仲人の存在は現社会に意味があるのだろうかね 今津:そうですね 佐藤:言っている事はわかるけど 銭儲けを目的とした建築仲人を運営している人は 理解出来なそうすね〜 建築家の我が儘なのか真摯な提案なのか 理解できない そのあたりは課題としてありますよね 今津:すみません ケイタイだ 49分 38秒 自作 解説へ 次の頁へ |