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 佐藤敏宏 被災地に入る若者に聞く
    
 
 
 片岡佑介さん編  (2012/10/23 in 志津川 桜沢)

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その03

藤:帽子のつばみたいに庇2.5mぐらい出ているね書いてあるじゃないか
片岡:2m50p 
佐藤:老眼で見えないんだど ぴったりやなー
片岡:元エア建築家 ふふふふふ

佐藤:おれ今住宅の設計図書いているからな 元エア建築家って呼ばれてる
片岡:ややこしくなってる

佐藤:やりましたねー初建築〜 完成したとき泣いちゃったですか?

片岡:これ漁業生産組合っていうグループつくってやっている漁師の方達なんですけど。

その当時何に使うかもよく分からないっていう状況で 走り出した〜
佐藤:図面に処理工場って書いてあるなー

片岡
そうです。何処理か。 これやっているとき、分からないくってですね。で打ち合わせをすごく頻繁にしていった。漁師さんは、蠣にも使うし 何にでも使えたらいいよなーってなったんです。

佐藤
:建物は設計して造っただけど その建築の機能の発明は漁師に外注しちゃったと
片岡そうです作り始めてから わかめだろう〜みたいな話しになって。わかめを主にやっている漁師さんたちは。 こんなんじゃいけねーよみたいなになったけど もう基礎立ち上がっちゃったし〜。どんどん話しが具体的になるにつれ 居づらくなりふふふふふふふ。これじゃーいけなー、みたいな話しになったんですよ。もう工事進んでいるんですよ
佐藤:それで 
 

片岡:いろいろわかめの漁師さんたちと 一悶着あったりして
佐藤:悶着の核心の問題はなんですか。使いにくいって話しですか
片岡:使い難いって。狭いとか。中暗いよとか。

佐藤:それで外壁すけすけ板貼ったっていうことですか。狭いくらい使い難いの三拍子だと そりゃ大変じゃないですか?
片岡:中のパネルばこーんと松井さんがはずして 

佐藤:パネルはがして 起きた問題は消化できたの?
片岡:いや  できない
佐藤:わかめ派と蠣派の闘争が起きて収集できなくなったと

片岡
:わかめを処理することこにしますよ・・・となって、今後ろで阿部正さんが蠣とホタテの処理工場を設計中

佐藤
:仙台の朝市事務所に置いてある模型の建築ですね
片岡:そうです
佐藤:発注者不在で 設計スタートしちゃってたって凄いね 処理場っていうより加工工場じゃないかい
片岡最初は処理場だろう〜という話しだったんです。工場ですね。
佐藤:どうしてあとでもめるような事を先走っちゃったの
片岡:それは早く造らないと時期に間に合わないってことで。
佐藤:だれがそんなこと言うたんですか
片岡生産組合自体はそうだったんですけど 

佐藤
:生産組合の人たちが工事途中で仲間割れしたってことですか
片岡:仲間割れというよりも みんなそれぞれ一人社長でやっていたんですが まとまってるから。
佐藤:まとまる性格の人々の集まりじゃないと。その状況に対応させた バラバラ建築として建てればいいんじゃないの
片岡う ははははははは
佐藤:カガバナンス無しよ!漁村建築って面白いよと。バラバラにしましょうよ
片岡そうも巧く行かず
佐藤:無理矢理 統制し建築に仕立てたと 初建築なんだけど活建築課題が残っちゃって 泣くわけね 涙もの語りできたね

片岡課題 残っています

佐藤:生産組合のために初建築をつくったんだけど誰からも感謝もされず〜
片岡:そうですね
佐藤:文句だけ言われちゃう
片岡来たな-この●△師とか言われてふふふふふふふ でも僕はちゃんと説明したんですよ 説明しましたよねって 1回呑んでいるときに。図面も模型ももって説明とか、漁師さんにしてたんですけど。内容を伝え切れてなかった

佐藤:普通だな。昨日言ったこと皆様 わすれちゃうんだよ 昨日と今日で言うこと普通の人人は異なるのよ。 普通だね、 片岡のせいにして いたぶると 片岡さんは よそ者なんで 叩いて地元がガス抜きし〜まとまるって方法よく使うんだよね

片岡
ふふふふ 

佐藤:普遍的にあるパターンだね。地元の人たちは共働して何かを造るって作業をしたことがないんでしょう

片岡そうです

佐藤:建築資金は自分たちで捻出したんですか
片岡:お金は補助金からってことで 3000万ぐらいですね
佐藤:漁師さんが自分たちで建てたんですか 鉄骨屋さんとか震災後だから 混乱してたのに手配できたね 
片岡分離発注で 鉄骨屋さんはパネルのからみで紹介していただいて遠くから来ていただいて。

佐藤:地元の建築業者じゃ完成させられないよね 311後の、この状況下では
片岡宮城県内に電話かけまくったんですけど。誰も請け負ってくれず

佐藤
:苦しい時の●△おじさん頼み〜で、圧力を掛けていただき突破したと 分かりました 混乱の中出来たと お目出度うございました 初建築は出来たけど 発注者との対話に齟齬が生じ 多くの課題が残ったと。初建築だからなー ふざけんじゃーねーとテーブルに包丁立てるとかなかったの 

片岡呑んでるときに 一人の漁師さんとは●△になり〜 ・そっからですね。表だってぎくしゃくしたのはふふふふふ

ともにはははあははははは

佐藤:ふざけんじゃねーよ俺だって一生懸命やってんだぞーと相手の胸ぐらわしづかみで挑んだと

ともに はははははははははは

佐藤
: 設計料を払ってないわけだし いいじゃねーかー

片岡
設計料 は最終的にはくれたんですよ 
佐藤:そうか それだったら文句言われちゃうな-
片岡そうなんですよ

佐藤:一割くれた 
片岡:一割ではないですね

佐藤:じゃプロじゃねーかー 銭とっているんだから。
片岡そうです
佐藤:喧嘩しちゃだめだよプロなんだからさー ははあはははは 金もらうと喧嘩できないよな

片岡:1月に高知に帰るときに お金の話しはないものだと想っていたんです。

佐藤:なるほど 設計などの契約もせず 初建築設計を開始したと いうことで 片岡初建築の現場に観に行こうか

片岡
はい


参考: 2012年10月23日雨の中 片岡佑介 初建築の現場周辺を訪ねました
 簡単な動画にしました