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福島第一原子力発電所の事故によって起きている様々な問題を勉強し始めました 勉強過程の記録をつくってみますご活用ください
放射線のリスクをめぐるコミュニケーション編
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それから、この4番目 重要な要素だと思いますが、自発的に起きているリスクか、そうゃないかですね。あるいは少し下に来ますが、子どもへの影響。リスクが高い。子どもへの影響についてありそうなものについては関心が高くなるし、そうじゃないものは低くなるんですね。

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 同じようなリスクであっても、こういった性格というか特性によってですね人々の関心ってだいぶ変わる。いうようなことが、実はけっこう前から言われているんですね。

今回、(原発)事故が起きてこの放射線の問題が凄くクローズアップされた時に。あまりこういうことがベースに無いままですね、情報提供された時期があったかなーという気はしています。

私も福島に居たわけではないですけれども。テレビを観ていてですね、あまりこういうことは考えずに喋っている専門家が少なくなかったなーという気がしています。

例えば、自発的かどうかというのは結構左右する要素おおきいと思うんですけれども。放射線のリスクをですね、野菜を採っているか採ってないか。とかたばこを吸っているかいないか。たばこの本数で言うとこれ位ですと。そういう話しをしても、比較をしてもたぶん意味が無かった。ような気がしています。たばこは自分で吸うかどうか決められますし、野菜もそんなとこあると思うですね。

そういうのと今回の放射線の問題は比較出来ない。それはこういう整理で解ったと思うんですが。その当たりが巧く、特に初期はですね出来ていなかったという気がします。

この表はお配りいただいてる論文の中に入っていると思いますが、後でまたご覧をいただければと思います。


それから、もう一つですね、あそうですね、こういった点を踏まえてコミュニケーションがなぜ必要になって来ているのか?ということをここ2つ挙げていますが。

一つは得られる情報が有るならそれ正しく理解してもらう、これは当然だと思います。ただ一方で関心が違うというのは今ご覧いただいたことでも、ありますし、それから利害関係ということも場合いによってはでて来ます。これは今回の話しで言うと「放射性廃棄物をどうするか?」ということで出て来るような話だと思いますが。

そういったものでもこういう話しはかなり左右される処があるので。その中でコミュニケーション進めることによってですね、よりよい解決策ということが出て来る可能性があると。いうふうに言われていると。いうようにも思います。 24:46


もう一つの観点としてはですね、関係者の間の信用、あるいは信頼関係が無いとうまくいかないという話しがあります。

これコミュニケーションということで考えれば別にリスクに限らず信頼関係無いとコミュニケーション上手くいかないというのは一般的に言えると思うですけれども。特にそのリスクの問題はこれが大事である。これが無いとなかなか幾ら情報公開してもうまく行かない。いうことがあると思います。


こちらに一寸 円グラフを書いてみたんですけども。これはあくまで例示で書いたものです。何を示したいのかというとですね、リスクの問題は判断するのにどういった要素が有るのか?

一つはで書いた個人で理解可能な部分、当然あると思います。人によっては自分でデーター観れば解るという人もたぶんいらっしゃると思うのですが。なかなかそうは行かなくってですね.。企業は今回は頭の中でありませんですが、行政とか専門家の間で、そういったこれまでの経験だったり、よりその多くの情報だったり、 そういった立場の人達の判断に頼る部分がどうしてもある。ということでこのい部分これは示しています。ただそれ以外にも価値観とか先ほどの利害の問題とか、そういったことにも左右される部分があるので、この黄緑でているんですが。

割合がどうなるかは人によってたぶんそれぞれバラバラだと思うんですけれども。 ただ多かれ少なかれこの赤い部分ですね。専門家だったり行政だったり。こういった立場の人達の意見によって判断に頼るという部分がないと、なかなかリスクの判断出来ないんじゃないかと。

そういう意味ではここの部分(専門家・行政)の判断がですね信用出来ない。信頼おけないことになっちゃうと一寸なかなかコミュニケーションうまくいかないと、いうようなことが出て来る気がしています。

残念ながらこれがうまく行かなかった事例っていうのは過去に少なくなくってですね

ここで耐震(偽装・アネハ事件)の問題、それから環境の問題ではですね、過去に工場が正直に報告していない排ガス問題とか。あるいはエコマーク付いた製品なのに全然再生紙になってないとかですね。今回の話しにも関係しますが原子力関係施設ではけっこうこういう話しで信頼関係が損なわれるのが少なくなかったと思います。

こういうことになってしまうとなかなかコミュニケーションうまくいかないということもこれまで言われてきているというふうに思います。


以前OECDでですね、この問題に対する、関するワークショップというの開かれまして、そのアウトプットとして最終的に こういう5っ位のですねことがコミュニケーションする上では重要ですねという話しがでて来ます。

一番上はちょっと前提みたいな話しなんですけれども。コミュニケーションって言って、もちゃんとしたリスクの管理なり対策を採った上での問題だということが最初に挙げられてます。

言い方が佳くないかも知れませんがコミュニケーションだけど考えるとですね、対策をちゃんとやってなくってもとにかく言いくるめたり、嘘の情報流したりすれば相手納得してくれると。ただそれは長続きしないし、本来のコミュニケーションとは思えない。ちゃんとした管理なり対応策を採った上でのコミュニケーションというのが最初に挙げられています。

そのうえで色んな人達が居ます。先ほどの円グラフでも自分で判断出来る部分が凄く多い人も居れば、ほとど無い人も居る。そういった関係者のニーズですね、合わせたコミュニケーションという考え方というのが2っ目。

更にコミュニケーションですから情報が凄く大事なんですが、ただ単に情報を流したり共有するだけじゃなくって、情報に応じた行動アクションがとられてる。ただ単に情報交換だけではありませんというのが3っ目

4つめ5つ目はコミュニケーションするうえで姿勢あるいは手法みたいなことですが誠実あるいは完全に情報を知っているということは情報を提供する。相手が聞きたいことをちゃんと応えるとか。それから一つの方法だけではなくって色んな方法を使ってやりましょうと。複数のチャンネルを利用しましょうというような事が述べられています。


そういった事をベースにですね、少し前、これは北アメリカ、アメリカとかカナダの事例ですが、ちょっと前だとこういったカタチがコミュニケーションのスタイルということで示されてました。こちら発信者情報の発信者、こちらに受信者の人がいてですね。とにかく左から右にですね、ドンドンドンドン情報流すと。発信者の人はどちらかと言うと専門家だったり行政だったり。とにかく情報流してですね、色んなチャンネルを使ってやりましょうと。

ただ中には上手くこちらの方に届かなかったり。あるいは届いたとしても一寸歪んで情報が伝わっちゃったり。いうことがあったとしても、とにかく量を流せばなんとかなるだろうと。いうように考えられていた時代があった。いうことなんですが。

ただそれはですね、一方向の情報提供であって、コミュニケーションにはなってない。むしろこんな感じでですね行政とか地域住民とか事業者、こういった主体の間でお互いに情報交換をしながら、進めていくというほうがむしろコミュニケーションという意味では正しい。いうようなことが最近の流れになってきている。31:00いるかなというふうに思います。

この中に専門家の人はある意味支える役ということにもなりますし。メディアも情報交換、共有という意味で非常に重要な役割をもっているわけですので、そういったカタチでの関わり方ということが出て来る。あくまでお互いに情報をやりとりするということですね。

さっきの図だと、例えば事業者から住民に情報が提供されるだけだったんですが。住民の皆さんも知りたいこと、あるいはこうして欲しいこと、それぞれ違う訳なので。そういった情報をちゃんと流したうえでですね、「じゃーどうするか」と。いうことを。そういったやりとりがですねなければコミュニケーションには成ってないんだというような事が最近は言われて来ている。いうふうに思います。

そういうカタチでここまでが一般的なコミュニケーションの話しになるんですが。

 リスクコミュニケーションからみたこれまでの状況


ここから今回の問題に少し入って行きたいと思います。これまで私自身色んな活動をに関わって来たんですけども、初期にやった調査の一つがこの避難所における調査というやつです。

これはここに書いているんですけども、初期。皆さんもよくご承知の通りだと思いますけれども。とくにまあ発電所の近くに住んでらっしゃった方々、避難をせざるを得ないというような状況になった。ただその時に本当に必要な情報が流されていたのか?いうことについて非常に関心を持ちました。

大変な立場に置かれていた方々に、こういった調査をすべきかどうか?と迷ったですが。出来る範囲でというようなことで。こちらに挙げているような調査内容で何人かの方にお尋ねをしたと。いうことがありました。

具体的には郡山とこちらの福島でですね。2日間だけだったんですけども。実際にそれぞれ、避難所に伺ってですね。あまり数は多くなかったんですが。アンケートに応えていただいたと。いうことがありました。

元々の住所がこちらの方ですね。けっこう長く住んでらっしゃる方がかなり多かった。と思います。少しだけ結果をご紹介したいと思いますが。当時まだ事故から1ヶ月ぐらいという処でまだ混乱をしている状況だったと思いますが。

ここではですね、政府あるいは関係機関。説明が充分かどうかというふに聞いたんですが。やっぱり全く不足しているとかですね。あまり充分でないと。いうのがかなり多かった。どういう情報が十分じゃないかというようことを聞いたんですが。全体的にまだまだ充分じゃないというのが多かったんですけれども。

の当時はまだ放射線のレベルさえ十分伝わってなかった。いうところがありますね。

これは日本全国こういう状況だったかも知れませんが、特に直接関わりがある、ような方々の中でもこういった部分があったということが、ありました。


それからさっきのは量の話しなんですけども、情報がわかり易かったかどうかと いうことも合わせて聞きました。こちらでは特に特にというか比較的ですけれども人体の影響というような処が少し関わりになってくるかなと。この当たりもまだ1ヶ月経ったぐらいではなかなか分からなかった。というような気がしますけれども。

そういったような事が出来ているかなというふうに思います。

他にどういう情報が必要ですかいうのも合わせて聞いたんですが。こんな感じになりました。この時多かったのは今後の見通し、今でもそうかも知れませんけれども。これからどうなるのか?長期的な影響とかですね。そういった話しが当時から既に必要になっていたいうことがあります。



 一方でもう一つの私の関心はこいったことに誰がどういうに決めるか?っていうことがあったので、こちらに書いてるような、避難とか待避というのはある意味もう上から指示が出ていたと想いますが。そういった事が住民の意思とどいう関係があるんだろうか、というような事も尋ねてみました。

この結果からはですね、政府とか自治体からの指示というのが有る一方で、個人の判断を重視をして欲しい。あるいは配慮して欲しいという話しも でて来ております。他の結果に比べるとこの当たり結構 わかれていてですね。なかなか難し処があるなーというふうに思ったんですが。

これはある意味今でもこういうことを考える起点があるかも知れません。

今の結果のまとめということについて挙げているんですけれども。1ヶ月しか経って。いないので、あんまり多くを求めるなと言われるかも知れませんが。ここに書いているように情報提供のケアというのは行き届いてなかったし。今後の見通しっていうことについて、当時やはりなかなか上手く提供できてなかったというような事があるかなーというふうに思います。

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