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福島第一原子力発電所の事故によって起きている様々な問題を勉強し始めました 勉強過程の記録をつくってみますご活用ください
放射線のリスクをめぐるコミュニケーション編
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 村山:今ご紹介いただきました村山と申します。よろしくお願いします。私は2000年ですね。平成12年まで福島大学に居たんですけれども。その後抜けてしまいまして だいたい10年ぐらいご無沙汰をしておりました。

その間きょうのテーマでもありますリスクコミュニケーションということについて取り組んで来たんです。(原発)事故が起きる前は放射線のリスクということはコミュニケーションの分野では極一部の人しかやってなかったんですね。

私自身はその間は化学物質ですね。ダイオキシンとか環境ホルモンといったような、そういった物質に対するコミュニケーションということについて取り組んできたんですが、震災の後「本当にこれは大変な問題だ」ということ、今日のテーマについて取り組むようになってきました。

この間、先ほど鈴木(浩)先生からお話があった研究プロジェクトもありますが。一方で福島県、県庁の方からもですね色々とお話をいただいて6:15 今福島県のなかで廃炉に向けたですね取り組みを監視をしようという協議会というのが出来てまして、私もリスクコミュニケーションの専門家の1人ということで、そこに入っています。

(原発事故現場の現地調査)

たまたま今週(2013年2月7日)現地調査ということで、原子力発電所に行って視察をしました。ちょっと驚いたんですが、実際に4号機の中に入ってどういう状況か?ということを。他の人たちと一緒に視察をしました。ある意味4号機は既に止まっていたので「使用済みの燃料をどうやって出すか」という処で着実に進んでいるような話しになってました。

ただ一方で帰って来てから考えると「1から3号機はあんまりこちらか質問してもちゃんとした答えが返って来てなかったな」ということが、後からですね思い出されて。そういう意味ではまだまだ(東電事故現場)あちらは現在進行形になっている気がしました。

一方で、資料の中では地元雇用率が65%といった数字があって、それはある意味正しい数字なのかなという感じで紹介がありましたが。逆に言うとそういった仕事に地元の方が就かれるということもあって。なかなか複雑な処があるかな〜という気はしております。あちら(福一原発発電所事故現場)に関してはですね。

 (今日のテーマ

今日のテーマは原子力発電所(事故)周辺のコミュニケーションという話しですが。 内部のコミュニケーションも必要だなということを今感じている次第でございます。ちょっとその話しは今日のテーマにはなってないんですが。今日のテーマということで最初の処で。みなさんにお配りを頂いている目次の内容はこのように(スライド絵)なていると思いますけども。

 (目次について

最初リスクコミュニケーション。 8:27 日本ではですね、ここ10年ちょっとぐらいの間に広がって来た。考え方かなと思っています。ただ外国ではもう、20年30年ぐらいの歴史がありますので、その中でどういったことが語られてきたか。だいたいどういう話しになってるのかと。いうことについて最初にお話をしたいと思います。

その後で2番目としてですね、今回の(福一原子力発電所)事故を受けてコミュニケーションの話しはどうなっているのかと。いうことについて私なりの整理というかたちで。ちょっと上手く整理できていない処もあるんですが。その点についてご紹介をしたいと思います。

それから3番目は先ほどの(福島県発)研究プロジェクトの一環で、幾つかの調査をしているんですけども。その当たりで分かってきてることを少しお話をしたいと思っております。

最後4っ目として、今後の課題ということで、この当たりまだなかなか整理が十分じゃないんですけども。ちょっと長期的な話しも含めてですね。「今後の課題は何だろうか」という話しをしたいと思います。


 (リスクコミュニケーションに関する全般的議論)9:44 


まずリスクコミュニケーションって言った場合いにどういうことが普通言われているかということについて少し紹介をしていきたいと思います。


最初にあげているのが「人々はリスクをどのように感じているか?」ということですね。これ私自身は理系の出身ですので、どちらかと言うとこの分野から少し遠い処に居るんですけども。割と心理学をやっている先生方専門家の人達がこういう分野をやっていてですね。こういう分野ではリスク認知 「認知」という言葉で呼ばれている分野です 

そういった処で色んな調査がされていてですね、リスクの大きさ。よく確率のようなかたちで表現されるんですが。そういう処を正しく理解されているのかどうか?あるいは大きさではなくって、もうちょっと別の要素で人々はリスクを捉えているんじゃないか?そういったような事についてですね、色んな調査・研究がなされている。

まず一つは大きさについてですね。今回の放射線の問題でも正しい理解をすすめましょうということが、しばらくフレーズがドンドン繰り返しに使われた時期がありますが。「正しい理解」ということがされているかどうか?あくまでここでは数値が分かっている場合いにそれが正しく理解されているかどうかということです。

この調査結果自体は非常に古いんですけども。ある意味古典的によく使われているものなので、ここでもご紹介をしたいと思います。


これは1年間にですね、色んな災害とか病気で亡くなる人がいる。それは1年間の死亡数ということで数字が出ているんですけども。そういったことを一般の人達は正しく理解しているか?それ一回調べて観ようと。いうことで成された結果です。

こちらの横軸はですね、死亡者数と小さい字で書いているんですが。これは実際に1年間で亡くなった人の数で。横軸にとろうということになっています。縦軸の方はですね同じ死亡数なですけれども、こちはらアンケートの結果。一般の人達にアンケートした結果でてきた数字を縦軸に表記してみましょうと。

一般の人々の結果ですので結構ばらつきが出て来るはずですけれども。それの平均値みたいなものを採って縦軸に並べるということですね。同じ大きさ10倍ごとに、大きくなりますので。それぞれ同じ大きさでとってあります。

で、アンケートの結果を点でプロット。表していくとですね こういう図が出来ているということですね

例えば、この当たりの中にはボツリヌス菌による中毒で亡くなった人の数ということで表現されています。これは実際の数字が横軸にあるんですけども。実際は1と10の間。で一桁。ということです。

もうし遅れたんですが、この結果は日本の結果ではなくってアメリカの調査の結果です。 アメリカで1年間に亡くなる人の数の内このボツリヌス菌による中毒で亡くなる人は一桁。というのが実際の数字なんですが。で、アンケートの結果でて来た数字は100と1000の間ですので。ちょっと尺度が若干違う処があるんですけども。2桁ぐらい高くなっている、ということになります。


それからアメリカで結構多い自然災害の竜巻というのがありますが 14:16
これも実際の数字は100人もいない。1年間100人亡くなるかどうかという図なんですけども。アンケートの結果では1000人ぐらいになっている。いうことなので。この当たりのものについては実際の数値としては死亡数は10人から100人ぐらいの間。ですけれども、アンケートの結果では100人を越えているというような結果になっています。逆にこちらの方は実際の数値よりちょっと低めに死亡数が出て来ていますけれども。

こんなカタチでですね、正しく死亡数は理解されていることは直線が引かれている部分に全ての点が載って来ていいわけですけれども。なかなかそうは成っていないと。どちらかというと実際の死亡数が低い部分で高めの数字が出ているという結果があります。

先ほども申し上げたように、この結果けっこう古典的でですね。日本でも同じような調査があったりするんです。割と似たような結果が出て来ていて。こういった結果があると、他にも適用されるとするとですね、実際は低いリスクであっても高く見られているという傾向があるんじゃないかと。こんな話しが一つあります 15:44

こういったことからコミュニケーションする中でもですね、正しく情報を理解する伝えていくという話しがでて来たりすると。


ただ別の側面でですね、この当たりの調査があって。大きさというのも大事ですけれども。それぞれのリスクが持っている特性も結構重要な要素。別の観点から調査もされているんですね。

これちょっと見にくいですけれども。色んなリスクがここに書かれていて、それぞれのリスクがどういう性格を持っているか?30個か40個ぐらいですね。色んな質問項目をたてて。その結果を統計的な数字を落としてこういうような図にしているんですね。

ちょっとこれ小さいので上の半分だけ少し大きくしたものがこちらなんですけれども。これ放射線の問題も入っていますが。事故とか災害とか。色んなことがここに入っています。

それについてですね、色んな観点から質問をしています。それを集約するとこんな図になる、ということですね。

これで何を調べたいか?というと一般の人達はリスクっていうものをどういう物差しで見ているのか?いうことで。まず最初に出て来る物差しはこの横軸。ここに「恐ろしさ」ということを書いているんですが。

そのリスク 大きいかさいかもちろん大事なんですけれども。それとは別にですね恐ろしいものかどうか?っていうことも結構じつは人々の感じ方を左右しているんだというような。

もう一つ、どういう目でリスクを見ているのか?ということで出て来てるのがこの縦軸なですけれども。一番上に「未知性」ということに書かれています。

逆に下の方は身近なものと、いうようなかたちになりますけれども。リスクよく知っているものなのか?知らないものなのか?いうような軸がもう一つあるんじゃないか、っていうような結構になっているんですね。

ですからこの結果からするとですね、リスクをある意味分けている観点は、物差しとしては恐ろしいかどうか?身近かどうか?っていうのが結構大きいと、いうようなことが言われてきているということですね。

もちろん最初の先ほど話したリスクが数字としての大きさというのはもちろん大事なんですが。どういう性格を持ったリスクか?っていうことも実は結構大きな観点でリスクが判断されているというような話しがあります。


今のは2つの軸で観てグラフにしたようなものなんですけれども。そういったような結果に基づいて、色んな観点からですねリスク、判断する、要素。をちょっと整理をしたというような結果があります。

こちらはアメリカですね、もう20年以上前になりますけれども。ある報告書が出まして。その中に出て来ているリスクへの関心を左右する要因というものがあります。

本当はもっと表が続くんですけれども。抜粋ということで主立ったものを並べて。例えば一番上 原因というのがありますけども。人間が起こしたもの、事故ですね。そういうものは関心が高くなる自然現象、あるいはどうしようも出来ないことというのは関心が低くなるんですね。あるいはメカニズムに関しては理解出来ないものは、関心が高くなるけども、理解可能であればちょっと関心が低くなる

ですから個人のせいぶの可能性と書いてありますけれども。自分でコントロール出来るものであれば、関心は低いけれども、(コントロール)出来ないものになると高くなるんですね。


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