第一回 鈴木達治郎先生に聞く (2)2024・03・04─19時〜  (FB電話で聞く)作成:佐藤敏宏  

 映画はいつから観てました?

佐藤:鈴木先生はいつどこで映画好きになったんですか?

鈴木:映画好きの話は話せば長いです。子供の時、幼稚園行く前ぐらいからですよ。祖父が映画大好きで、当時はテレビもまだ無い時期だったので。毎週映画館に連れていかれたの!
佐藤:西部劇?
鈴木時代劇、東映の『新吾十番勝負』とか『旗本退屈男』とか大川橋蔵、片岡千恵蔵が大好きで。大川橋蔵と誕生日一緒だったんですよ。それで何か知らないけど好きになっちゃって、大川橋蔵の映画は一杯観ました

佐藤:美形でしたよね。
鈴木:美形、美形!
佐藤:歌舞伎役者もいろいろいますけど、橋蔵さんは爽やか、勝新のような悪役はこなせないだろうけど・・人気高かった。お爺さんに連れられチャンバラ映画を観て映画好きが始まった!いいですね。
鈴木:あの辺が私が子供の頃のアイドルですから。
佐藤:私は山の中で育ったので映画館は無い。で『赤胴鈴之助』のラジオと漫画です。
鈴木:『赤胴鈴之助』も面白かったね!今の若い人は知らないですよ。鉄腕アトムはみんな知っているけどね。

佐藤:DVDで映画を観るんですが『シネマパラダイス』『マレーネ』などにある「映画を観るシーン」が多く出ます、すると映画の中の子供達がお菓子を食べながら映画を観て大騒ぎしてますとても賑やかに観ている。
鈴木:ははははは
佐藤:足で床を鳴らしたり、ブーイングを一斉にしたりするカットも挿入されていて、映画鑑賞の初期は画面と対話しながら観客と一体になって観ている。私は田舎で育ったので映画は夜学校の校庭で『赤胴鈴之助』を観たのが映画の最初の体験でした。校舎の外壁にはったスクリーンでみる。観ていると子供達が一斉に「敵は後ろだ、そっちじゃない!危ない!」とスクリーンに向かって叫ぶ。それが面白かったですね。
鈴木:ははははは。なるほど。


今は泣く

佐藤:鈴木先生は子供の頃、映画を観ながら大声あげてましたか?
鈴木:いや、観てても大人しいですよ。
佐藤:今でも映画を観てて、面白いと笑ってしまい顰蹙をかうから・・・他の客となるべく離れ観ているんです。

鈴木:今は私はけっこう突っ込みますよ!
佐藤:突っ込みタイプですね、いいね!
鈴木:1人で観ていることが多いのだけど・・・娘と映画館に行った時に、「パパ笑うから困っちゃった」と・・・映画みて、よく笑っていたみたいです。
佐藤:そうですよね、笑ちゃうんですよ、ばかじゃねーとかいろいろ言っちゃうし。娘も笑いますね。
鈴木:はははは。
佐藤:だからなるべく、周りに人が居ない端席に座って観てます。

鈴木今はとにかく泣きますよ。涙腺がどんどん緩くなってやって、テレビのドラマでも泣いてますから、毎日。
佐藤:そうですか!眼球の保湿には良さそうでね。
鈴木:なんで?こんなに泣くんだろうと思ってます

佐藤:いいじゃないですか。最近DVD観て泣けたのは、戦後のお話し『ディバイナー』でした。3人の息子を戦地に送り出した父親が1人、息子たちの骨を探しに行くお話しで、2人の遺骨を探し当て、長男は生きていたという筋です。泣かせ方が上手いんですよ。久しぶりに泣されました・・・。

























映画『ゴジラ』あれこれ

鈴木:台詞とか表情とか間でね、泣かせるの上手いんですよ。
佐藤:泣かせ方、脚本と演出がいいんですよね
鈴木:最近、韓国映画はなんであんなにいいのかなと思って、ハリウッドの映画作りの人、養成所みたいなのを作っているんですよね。

佐藤:韓国政府が支援金だして育てていると、聞きました。
鈴木:おっしゃる通りで、凄いんですよ。
佐藤:2000年以前は話題にも上りませんでしたが、20年後の今は韓国映画の圧勝。
鈴木:ハリウッド映画流の脚本とか監督とかを皆勉強しているんですよ。ハリウッドに優る映画がでてくるのも分る。日本映画はそういう意味でちょっと遅れてますよね。『ゴジラ-1.0』はよかったです はははは。
佐藤:最初の『ゴジラ』は観たんですか?

鈴木:最初のゴジラね、あれは何回もみました
佐藤:教えていただいたので、DVDでつい最近観ました。最初のゴジラは内容がいい、と思いました。
鈴木:最初のはいいです、いままでで一番いい

佐藤:水爆の話と絡めて1954年上映がいい。54年で水爆実験が3月1日。新聞発表が3月17日だったかな、タイムラグがある。日本政府のいつものやり方で読売新聞にリークして紙面になって配信され大騒ぎになる。
鈴木:ゴジラの国会答弁で、「いつまで隠してんだ!」と出てくるじゃないですか・・ふふふ。「本当の事を言え!・・・」と。

佐藤:はははは、最初のゴジラは水爆実験の問題と日本政府の危機管理対応能力の批判が素直に描かれてますね。古生物学博士と娘、弟子と出入りのサルベージ業の若者の話の芯にあり展開していきますね。家族と研究者の生活に怪物あらわれる物語で脚本が作られているから、分かり易い。
鈴木:オキシジェン・デストロイアーを作った科学者が苦悩するんですね
佐藤:新兵器を発見してしまい、苦悩し彼がゴジラと共に骨になってしまう!
鈴木そこが切ないですよね
佐藤:なぜ片目の科学者は死を選ぶのか?
鈴木:科学者の社会的責任という。


絵:ゴジラ 予告編より 前列右 片目の研究者芹澤とオキシジェン・デストロイアー

佐藤:科学者の脳内にある設計図がオープンになり、知れ渡ると世界中の人々を恐怖に陥れるから、発表せずゴジラと共に骨になっていく・・・という筋が現代社会の意識と大きく違うなと思いました。自己消滅したとしても、科学者は開発してしまうだろう・・・と思いました。

鈴木:あそこは本当、あの映画で、もっと皆さんに知って頂きたい!最初のゴジラの一つのテーマなんです。科学技術者の自分が、そういう兵器になる技術を作ってしまった場合どういう行動にでるか。あそこまでやる人は滅多にいないと思います 。でも気持ちはよく分る。おっしゃる通り、出てきた科学というのはそう簡単には消えないです。


絵:県立福島図書館蔵・読売新聞1954年3月17日社会面の一部 (東京版は16日刷り) 水爆実験ブラボーは3月1日。被曝後、見舞金2万ドルで1955年1月手打ちした。

佐藤:鈴木先生からいただいた『原子力政策を振り返る─40年史』PDFと『原子爆弾』を参照・参照し生れる前の年表をWEB頁を作って、眺めると原子爆弾製造するため、米ソのスパイ合戦もすごい。スパイは身内から出てしまう!?日頃の仕事の不満なんでしょうか、現れる不思議・・・?

鈴木:必ずそういう者がいるんですよね。
佐藤:お金で支配されるんですかね?
鈴木:お金です。
佐藤:お金と社会的地位が保証されてしまうのでしょうか?
鈴木:お金ですね。

佐藤:どこの国の科学者たちが絡んで、どうなって、米ソの原爆ができていくのか。相関図がないので分かり難いです。ドイツで迫害を受けるユダヤ系科学者たちがアメリカに集まって、連行し研究させるのか。
鈴木:そうかも知れないですね。
佐藤:月面着陸のためのロケット(V2)はナチスのロケット開発者、フォン・ブラウン 亡命するけど、アメリカ人から見れば非道なナチスの科学技術の再利用なわけで・・当然のように批判がでますね。がアポロ11成功する。そこも興味深いですね、科学者と政治による人間ドラマが背後にあって、原爆の開発史も同様に面白そうですね。鈴木先生にとってはゴジラ1の仕舞かたが焼きつくと想像します。

鈴木あそこは観てて胸が苦しくなりましたね最近の映画にはあれが無いんですよ


佐藤:今上映の『ゴジラ-1.0』は科学者の苦悩話ではなかった。
鈴木:普通の人たちが普通の技術でやっちゃうじゃないですか。
佐藤:政府からも見放された、みんなで頑張る。
鈴木:市民の力でやっつけちゃうわけですからね。

佐藤:次回はゴジラ映画について花田先生も交えてワイワイすることで、30作目のゴジラは若者の仕事探し、自己肯定探しがテーマに思えました。血縁者がだれも居ない。
鈴木:いないですね。
佐藤:主役は肉親が空襲に遭い独りぼっち、特攻隊から脱走したうえに帰国しても仕事もない、戦中なら軍法会議にかけ銃殺でしょう?
鈴木:確かに。だって逃げているんだものね。

佐藤:大戸島に着陸したら処刑されるのか・・・と思ったらゴジラが現れる。整備兵の隊長が絡んで脱走兵とゴジラと闘わない若者の物語で前半が終わる。〆は整備隊長の粋な計らいで物語がハッピーエンドになってハリウッドでも受けそうだな・・・とは思いました。

鈴木:受けそうだよね、うん。
佐藤:売上がのびている・・・という投稿を時々みます、受けますね。
鈴木:50億行ったと書いてました。映画としてはいい映画だと思いました。

佐藤:血縁者がいない焼野原に立って生きていこう、仕事も探す・・あれは現代の若者の姿に見えました。物語の設定が今時に合ってて面白いと思い観てました。
鈴木:確かにそうですね。戦後の状況で描いてはいますけれどね。

佐藤:1954年第一作から70年目にして30作だということで、第一作のDVDを手に入れ観ました。ゴジラと水爆と科学者の話だった。


鈴木:一作目は面白いですよ。子供の時に観ましたけど、その意味はあまり分からなかったけど、強烈な印象があります。

佐藤:そうですか!お化けですからね、子供が観るにはコワイですよね。1954年3月1日に水爆実験し多くの日本の漁師たちが被曝している、けど公になるのが3月16日ですから、ビキニ環礁での水爆実験のことは政府は伏せていたし「ゴジラ1は同年の11月に公開しているので8ヶ月しか制作期間がないんですよね、凄いスピードです、寝ずに制作したのか?

鈴木:凄いスピードですよ、構想はあったみたいですけどね。水爆じゃなくって普通の核実験があったので。たまたま水爆が起きましたけど、ゴジラ制作関係者はビキニなんか期待してなかったと思うですけど、水爆実験が起きちゃった。

佐藤:第五福龍丸の乗組員だけじゃなく多くの漁師たちが被曝している。『X年後』では高校の先生がその事実を明かしていて、観ました、日米政府は小さくして見舞い金で済ませた。


鈴木
:おっしゃる通り『ゴジラ1』はビキニで水爆実験があったんで、そこを上手く取り入れて、早急に作り直した気配はありますよね。

佐藤:説得力がありますね、平和主義を貫こうとしているじゃないですか。生物学の博士は「ゴジラを殺してはイケない」と主張します。政府主催の委員会での陳述も含め博士は好ましい人だと思いました。
鈴木:おっしゃる通り憲法9条が生きています
佐藤:殺さず研究しろと言って映画が終わる。
鈴木:ゴジラ1にでる科学者の葛藤はよく描けていると思いますよ。とにかく自分が作ったものでないと、それを使わないともっと犠牲者が一杯出てしまう。犠牲者を救うためにはこの技術が必要だと。だから使わしてくれと一端これが知られてしまうと兵器として使われてしまうという、これは永遠なるテーマですよね

佐藤:オッペンハイマー』でどう描かれるのか比べて観るのが楽しみです。『ゴジラ1』では人の幅ほどのオキシジェン・デストロイアをパカンと起動させると泡がぼこぼこと吹き出し・・
鈴木:その辺は我慢してください。
佐藤:あのチープ、それがいいですよ。鰐なのかゴリラなのか?妖怪物相手ですし、最新作ではゴジラが火を吐くと「きのこ雲が現れる??」ゴジラは最初から原爆を日本各地に敷設してたのか?と異議申し立てして観てました。
鈴木:ははは、ゴジラは放射能を吐くんだからね、原爆のエネルギーを示唆してますよね。確かにそうですね。

佐藤:ゴジラ!はジュラ紀の地層の化石(?)から水爆のエネルギーでゴジラが蘇って暴れる、面白い発想ですから。三葉虫が海に多量に浮かんだり、ゴジラが現れたり。水爆実験を続けるともっともっとゴジラは出てくるから水爆実験も止めろ!・・・というメッセージが分かります。
鈴木:水爆実験やればやるほど出て来る。ゴジラ映画の幾つ目だったか覚えてないけど、浜岡原発を襲って燃料を食べる、そういうシーンがあるんですよ。これは廃棄物処理??・・
佐藤:凄い!!アイディアですね、ふふふ、ゴジラに核廃棄物や使用済み燃料を食べてもらってちゃう?!!そうですか!
鈴木:それで日本を護ってもらう。
佐藤:多少町が壊されても、食って処分しちゃっててもらうのがいいかも・・!
鈴木:ははははは。食ってもらう!

佐藤:福島県庁の人も真顔で「F1の事故現場にゴジラが現れて海に沈めてもらいたい!」と私に言いました。
鈴木:はははは。880トン食べてくださいって?!
佐藤:ゴジラの排泄物は放射能じゃないのか・・などと考えちゃいますけどね。

鈴木:ふふふ、考えちゃう・・・。





『007』にはまる!

佐藤:、鈴木先生はなぜそんなに映画好きになってしまったかという話の一例が『ゴジラ』映画の話です。部活やってる時は映画観る時間ありましたか?

鈴木中学・高校からは親に連れられて。小学校の時からゴジラ全部観てて、中学校に入って自分で行けるようになったからは、ちょうど試験が終わった日。試験が終わった日は楽しいので、必ず友達と映画観に行ってました
嵌ったのが『007』最初ドクター・ノオを観た時には感激しましたね!!




佐藤:都会育ちは映画を観てる量が違う!
鈴木:ふふふふ。
佐藤:『007』はTVで放送したのを観ました。


ロケ地巡礼 はじめる

鈴木日本にロケに来たんですよ!『007は二度死ぬ』浜美枝と若林映子、 丹波哲郎が出たりしてね。その時は大変でしたよ、神戸のロケ、姫路城を撮ったんですね。
佐藤:鈴木先生 007聖地巡礼しちゃった?

鈴木行きましたよ、ここでロケしたんだ!ここで手裏剣投げてたんだみたいなね。ホテルニューオータニが舞台だったですよ。だからホテルニューオータニにも行って。
佐藤:凝りますね!
鈴木:『007』大好きでしたから

佐藤:現在の『007』はどうなっているんですか?
鈴木:今ちょっと前のダニエル・グレイグは辞めて、次の俳優を探しているところです。長いですよ1963年からだから60年ですよね。『007』は25作、全部!!観てますよ!





1963年日本公開











初代 ショーン・コネリー(1〜5作目、7作目)
2代目 ジョージ・レーゼンビー(6作目)
3代目 ロジャー・ムーア(8〜14作目)
4代目 ティモシー・ダルトン(15〜16作目)
5代目 ピアース・ブロスナン(17〜20作目)
6代目 ダニエル・クレイグ(21〜25作目)

佐藤:映画みて来た量がちがいますね!で、凝り性!映画好き!小さいときに映画と共に暮らすことを知ったからですかね?
鈴木なぜでしょうかね映画館内が暗くなって画面にイントロが出るじゃないですか、ファンファーレ鳴ったり、あの瞬間がたまらない

だからお袋と子供の頃に観に行くんです、連れていってもらうんだけど、間に合わなくって遅れたりするじゃないですか「途中から入って観よう・・」とお袋は言うわけ。「絶対嫌だ!」って言って。「最初っから観ないと映画はだめなんだと途中から観てまだ戻って観ればいいじゃないかお袋が言うから、「なにいってんのよ!」と。遅刻してね、わんわん泣いたりして。10分ぐらい遅れたんですよ、そしたらお袋が「10分位だからもう入っちゃって観たらと言うから、ダメダメダメと言って泣いて騒いで。映画のタイトルシーン大好きですよね

佐藤:始まりと終わりはチャンと観て記憶しようとはしてますね。
鈴木:偉いです。それが一番いいこと。
佐藤:何から入るか?そこはじーっと観ますよね。

鈴木:おっしゃる通り、最初のシーンと最後のシーンが映画の印象を決めるのでおっしゃる通り大事です。私が好きなラストシーンは『明日に向かって撃て』ご存知ですか?
佐藤:観てない、知らないです。
鈴木:西部劇です、ポールニューマンとロバードレットフォードが主演して、実際に居た西部の泥棒の話なんですよ。泥棒も名泥棒で大金持ちになるだけど。「そろそろ泥棒やめよう」と言って恋人と3人でボリビアに逃げちゃうんですね。ところが追っかけられる。追跡され逃げていく物語なんですよ。毎晩・毎日だんだん怯えるわけ、何時捕まるかもしれないと。

佐藤:違い法権じゃないんだ?

鈴木:ボリビアに行ってこれで大丈夫だと思っちゃったら、癖がでちゃってボリビアで銀行強盗をやっちゃうんですよ。
佐藤:それは拙いね・・・ふふふ。だから映画は面白いけど。
鈴木:それでボリビアの警察に目を付けられて、それがアメリカの本土に伝わって逃げきれなくなっちゃう。




















1969年

佐藤:『脱走映画』に似てますかね。
鈴木:『脱走映画』もよかったですね。当時はローハイドとか拳銃無宿とかスティーブマックイーンが出て、アメリカのテレビの連続ドラマを観てましたね。
佐藤:脱走物だと『パピヨン』、もよかったですね。映画を話すと尽きないですね、あと6分で1時間経過です、終わりますから、ご安心ください。



鈴木:あと6分 ははははは。終わらないですね。

佐藤:今日は高校までの話はお聞きました。1月前には大学からの話を少しお聞きしてました。40年間語り『原子力政策を振り返る─40年史』PDF。いただいたデイタ〜をばらして、年譜に仕分けして貼り付けましたけど、情報を整理して見易くしていきたいと思います。

鈴木:
済みませんね、なんか。

佐藤:いやいや、鈴木先生は「国賊」呼ばわりされながらも本当は正解を呈示し続けているんだけど政府などは採用せず、彼らは未来の悪手を選んできて、事故に至など、これからもまだまだ事故や問題が発生しそうです。そういう中にあっても、でもく生きて来ている、その点は注目すべき謎ですから。
鈴木:謎ですか・・・ふふふふ。

左グラフWEBより 

国際廃炉機構をめざす 特定原子力施設廃止措置

佐藤:放水差し止めの最初に戻ります。
福島の事故後の話は、明るくないんですよね、ずっと観察してきてるんだけど、元気が出ない戦い方を選んでるのか?システムと人間の闘争なので下を向いたら敗北が待ってます、明るくないどうも不思議だ。
今日の処理水の放水差し止め訴状の話を聞いてても被害者は深刻なで辛そう、それは理解できるだけど、システム相手の闘いなんだから疲れちゃう、倒れるだろうな・・と思うんですよね。「笑え」とは言わないけど、明るい戦い方があるように思うんです。
幾ら東電に規制庁に言っても聞いてもらってない、差し止め訴訟して詳細なデータも出してもらおうとしているんだと推測します。勝ち目のない裁判だと思います。一度流してしまったけど止まって考えよう・・・、鈴木先生の提案のように一端ここで廃炉を止めて、国際廃炉機構を作って基金を集めて再スタートしよう。仕切り直し案は初めて知ったので、ポンポンと膝を打ちました。鈴木先生だけですかね、東電から廃炉を取り上げて、仕組みをつくりなおして世界中の知恵を集めて廃止措置しろと言う人は鈴木先生だけですよ。

鈴木:かもしれない。
佐藤:私は聞いたことがないです。東京電力悪、経産省悪、被災者・私達正義という設定から一端解き放たれて自由に思考する領域が要ると感じてます。鈴木先生の提案にある設定だとそれが可能なんですよね。

鈴木:最初からそう言っているんですけどね。何か、最初から東京電力に廃止措置するってストーリーが決まっていたみたいで
佐藤:何度も言ってますように利権に絡んだストーリでしょうから
鈴木:そうですね。

佐藤:廃止措置の定価無なしでしょうから・尽きないので関係者は儲かり続けますでしょうね。永遠にデブリはあのまま在り続ける、そして仕事は尽きない。迷惑な話ですけどね。政治が変わらないと廃止措置の内容も変更も変わらないとは見ているけれど、変わりそうもないですね。先月は岸田首相は宏池会・派閥解散したとたん一人親方ふうですし。次の公認しないよと伝えられたら政治家は代議士として国会に場に立てないので、従う。

鈴木:派閥というのは金をばら撒くメカニズムだからね。
佐藤:総理一人で160億円の政党交付金それを1人で分け与えるのは難しそうですね。
鈴木:ほとぼりさめたらパーティーまたするでしょう。
佐藤:仲間が集まって国の課題を語り合い解決するのはいいと思います。
鈴木:それはいいですよね。
佐藤:160億円は税金だから使い道分るように会計処理してもらいたいです。

鈴木:グループの人たちが会って話し合うのは構わないしやったほうがいいし、市民と仲良くしてやったらいいと思う。お金、単なるキャッシュマシーンだから。
佐藤:政策で合うからじゃなくって、お金が回ってきてポストが手に入るから派閥に入る。












イギリスは政党交付金は野党だけに与える

鈴木:私、初めて知ったんだけど、イギリスは政党交付金は野党にしかあげないだそうです。だれかに教えてもらったんだけど、政権交代を促進するのが民主主義だという。与党の方がアドバンテージあるから、野党にだけ政党交付金だす

佐藤:企業献金払う側は、与党には支払うだろうが野党には出したくないでしょうから。
鈴木:イギリスのは凄いいいアイディアだと思って。政権交代を前提にしているポリティカルシステムはいいじゃないですか

佐藤:映画『NO選挙、NO LIFE』、観ましたけど、N党とか参政党なども含め政党交付金を少しでも多く得るために、比例代表選での合算票数の2%超をめざして!たくさんの泡沫候補を立てて、交付金を6年間確保する。それが選挙に立候補する目的になっていると描かれていた。泡沫候補者はそのために貢献しているだ・・・と言ってました。議論の中身なんかどうでもよくて、とにかく票集めるためにおおぜい立候補させる。


PDF内、1995年前後の不明な点

だいたい1時間経ちました。ここまでを私が文字にまとめます。
.
鈴木高校まで、浪人まで行きましたね。ふふふふ。

佐藤:1月前の話し合いでは、浪人話が少しでました。大学時代は詳しく語られていないので。次回も人間・鈴木先生に焦点を当ててお聞きします。鈴木先生は1F原発事故後の活躍も凄いですよね。
鈴木:そうかな?
佐藤:1995年当時は国賊呼ばわりされてしまい、実名で本が出せなくなった?時期もあったようで、活躍が地下に入った?あの時期は整理してないので見えないです
鈴木:はははは

佐藤:1998年、山路憲治ってペンネーム?で著作活動している時期もあり?『どうする日本の原子力』の本も紹介されてますが、PDF資料だけでは正確には捉えにくいですね。

鈴木:チャンと名前出してましたけど、匿名の研究会はやってました「原子力未来研究会」(1997年設立 90年代年譜 )本が出したときは、私は実名出してますよ。

佐藤:そうでしたか・・・錯綜しててまだ理解できてないです。
鈴木:原子力未来研究会の中に私と山路先生と長野君という同じエネルギー研究所の一緒に研究者だけは名前だして、あとの人たちは匿名で。

佐藤:お聞きしながら年譜を整理していきたいと思います。『どうする日本の原子力』共著でしたか?ペンネームで出したんだなと思い込んでました。
でも、周囲の研究者の多くは反鈴木論者ばかりの印象があります

鈴木:今やね!
佐藤:年表作っていると90年代からそうだったと思いますけど?
鈴木:ははははは、前もそうだったははは。
佐藤:余計なことを言ってる奴観は読みとれますね
鈴木:今でも潰そうしてます。

佐藤:そうなんですか。
鈴木:そう。そんな影響力ないのにね、私一人潰してもどってことないのにね。
佐藤:それはゴジラを恐れる庶民のようなもので・・何かに妖怪化してまとまる、そうしないと力がでない、そう思い込む人が多いのでは・・・・反対の意見をもつ人と長時間論じ合って記録を残して、決める。短時間で敵味方に仕分けして反対する者の話は聞かない、語り合わない。それがますます強くなってしまった2020年代の日本ですからね。薄っぺらな仲間意識と妄想で構築された世なんでしょうか。 鈴木先生が命を狙われると拙いですけどね。



客観的な情報を提供する組織の不在

鈴木:この間、黒川清さん、国会事故調のね。黒川清さんと一緒に仕事させていただいてんです。「研究会作ろう」と、国会のアドバイザリーボードのメンバーなんだけど。国会の方は全然動かないから。最近全然!声が掛かってこないんですよ。
佐藤:国会事故調、その後やる気ないですよね

鈴木:原子力問題特別調査委員会というのがあって、そこのアドバイザリーボードになっていて、前は年に2回ぐらい呼ばれたんですよ。

2年ぐらい前から一切連絡が来ないんですよ。黒川清さんと「二人で何かやろう」話しがあって「原子力の客観的な情報提供をする、そういう組織を作ったらどうか・・」という提案を持って行ったんですよね。「推進と反対に偏らない組織にしましょう」って。黒川先生が東電に持って行ったら、会長さんが友達なんだって。小林さんに持って行けば何とかなるだろうと思って持って行ったら、小林さんは「OK、OK」引き受けたんだけど、しばらくして「ここに書いてある鈴木達治郎っていう名前書いてあると東電は駄目だから、これを消せ」と言ってましたと ふふふはははは。

佐藤:鈴木先生は東電の天敵でしたかふふふ。
鈴木:それで黒川先生びっくりしちゃって「何を考えているんだ」と言っても、だめみたいですよ。
佐藤:東電から天敵と思われるのは凄い存在価値ですよね、

鈴木:ふははははは。そうかな。東電の一部の人たちからだよね、たぶん。
佐藤:東電は水力・火力・原発それぞれの部署は別組織になって意思疎通をはかってないんだと思いますけど。原子力部門の人たちの間では「鈴木は天敵扱い・・・」にしているんだと思いますけど。だから原発事故を起こす組織のまま廃炉も続ける!

鈴木:そうかもしれない。
佐藤:東電社員の多くが鈴木先生を知っているとは私には思えないです。原子力やっている部署の一部の人たち、原子力発電は組織内天皇が居るんでしょうね。
鈴木:ははははは。

佐藤:俺も一度東電から彼奴はダメと言われてみたいですね 
鈴木:はははは。会って話すれば、そんなに酷い人間じゃないと分るはず。会わないでしょう。
佐藤:会って自分で確認して判断する、それをしない人が多い。でたらめ情報に惑わされる他者を判断する、日本人の駄目な点の一つですよね。会って喋ればいい。
鈴木そうそう、喋れば分る
佐藤:その会長も人間としてどうなんですね。興味もって会えばいいのに。可能性の芽を自分で積んでとうするんだ!

鈴木:はははは
佐藤:敵の話を聞け!
鈴木よく言われますよ。「会ったら鈴木さんは全然違ってた」と。








原発事故と4っの事故調査委員会報告書について@元福島大学 真木先生講義録2013年1月22日

4つの事故調比較表を見る 

最大の危機 囲み取材で起こす

佐藤:鈴木達治郎の謎はみんなで共有して、
鈴木:私謎ですか?
佐藤:謎というか、最初から言ってますけど明るさと情報を公開する、垣根を作らず語り合う、それを淡々と行ってます。鈴木先生は情報すぐ流してくれます。そういう人居ないので謎。
鈴木:直ぐ流すふふふふふ。

佐藤:そうして毎日新聞に書かれてしまい、対応する・・・そういうのがいいわけです。
鈴木:あの事件ね。
佐藤:利用するだけで一過性の人を多すぎます。
鈴木:あの事件は私にとっては今思えば、あの時は最大の危機だったね。原子力委員長代理の時だからね。普通の時じゃないから。

佐藤:囲みで言った?
鈴木:囲みじゃないんですよ。話せば長いですけど。会議が終わった直後にアポなしでやって来た。受付でアポなしじゃ駄目ですと帰してんですけど。又来ちゃった。
「いいよ、呼んでいいよ、中入ってもらって」と入ったらえらい間違いだった。

佐藤:鈴木先生の性格を記者は理解していたのかな
鈴木:翌日だすと決めていたで、話が合ってなくても記事は出たと思います。そうして会っちゃったもんだから、私のコメントまで引用されてしまって。


佐藤:いただいたPDFを分解して並べ直してみても、3・11後も貴重な意見や提案をされていますし、鈴木先生のように言っている人はいません。
鈴木:居ないかな。
佐藤:他の人を知らないだけですかね。他は東電情報と経産省の情報で加工して話を作るから、先生は自分で研究して発信しています。だから質も一貫性も他者とは全然違う。メディアの情報は一過性を前提にお付き合いしないと・・・記者はどこかへ行って居なくなってしまうんです。

鈴木:変わっちゃうからね。
佐藤:それに、デフォルメして書きます。それが日本中に広まるわけで、放射能下で多くの庶民が平凡に暮らしている日常があるということが記者たちには見えても書かない。だから記事を書いて騒ぎ立てることに奔走して、その後は放置したまま。

鈴木:いい新聞記者も一杯いらっしゃいますからね。
佐藤:一貫して長期にわたって観察し記事を書いてくれたらいいんだけど、おかしな行動する人もいますので妖しい人たちです。

鈴木:日本のジャーナリストは組織人間が多いんですよ。だからアメリカのジャーナリストみたいに、自分の力で食っていくというフリーランス。ニューヨークタイムズに雇われる人たちだって皆大変努力して入ってしまう人たちでしょう。

佐藤:マスコミもWEBを使うことが当たり前になって、WEBに参加して来たのはいいだけど、一定期間すぎるとお金はとるはリンク切れるは・・・・紙媒体だと図書館で探し当てることはできるんですけど。

鈴木:記事はPDFにしておくといいですね。
佐藤:鈴木先生の記事は全てPDFにしておいていただくと年譜まとめ易いです。
鈴木:記事はPDFにしてます。

佐藤:WEB動画もまだ発展途上にあるのでリンク切れ、覚悟して埋め込んでます。
・・・
鈴木:NHKのアーカイブあるんですけど、そこに昭和の歴史だったかな。どういう訳か私が原子力委員の時にインタビューに来たんですよ。その2時間ぐらいのインタビューが全部乗っかっているの!

佐藤:URLを教えてください。(←2013年12月13日収録 福島原発事故後、 原子力政策の見直しに着手・アーカイブ動画へ それから委員会に数度呼ばれ参考人になっているというこですから、日時が分れば教えてください。
鈴木:国会は文字もビデオ記録も残ってます
佐藤:それを年表にも張り付けておきたいです。

鈴木:NHKのインタビューはびっくりしちゃいました。たまたま探してたら出てきてしまったの。アーカイブにあったですよ。
佐藤:NHK独自のサイトに保管かな?ユーチューブにアップされていると削除されてしまいますね。

鈴木:あったあった、チャットがある、今送ります。チャプター1から8まであるんですよ。戦後史証言プロジェットだ。日本人は何を目指してきたか、2013年版。

佐藤:それはいい記録で凄いですね。
鈴木:あの番組の録画は、原子力委員会の執務室に来てね、2時間ぐらいインタビューしたんですよ。
佐藤:これからさっそく観ます。面白過ぎますね。年譜が完成するまで2ヶ月間隔ぐらいがいいかな、定期的に聞き取りさせていただきますので、よろしくお願いします。

鈴木:はははは、吉岡斉さんのHNKTV観ましたか?
佐藤:我が家にはTV無いんです
鈴木:あ!そうか。吉岡さん面白かったです。凄いよく取材されてましたよ。
佐藤:本になるのを待つことにします。
鈴木:NHKプラスは1週間はただで観れますよ。
佐藤:そうですか。PCで観るか。今日は聞き取り一回目なので、この肉声を先ずまとめます。気が付いたデータはこのメッセージに投稿しておいていただければ年譜に貼っていきますので、よろしくお願いします。

鈴木:分りました。

佐藤:ゴジラの話は年譜版の話とは分けて、別版でやることにしましょう。
鈴木:やりましょう、やりましょう。『オッペンハイマー』もまもなく公開されますしね。29日。
佐藤:フォーラム福島でも29日公開でした。直ぐ観ますね。

鈴木:ゴジラとオッペンハイマー両方話し合いしたっていいと思います。

佐藤:そうですね、一緒に語るのがいいですね4月頭ですね
鈴木:オッペンハイマーは核兵器の話ではないですよね。科学者の苦悩なんですよ。オキシジェン・デストロイヤーの科学者を描いたような映画です。では次は4月ですよね。

佐藤:そうです。
鈴木:じゃお体、きおつけてください、失礼します 

佐藤:ありがとうございました。




鈴木先生国会での意見陳述の記録を読む