2022/10/01 幸家大郎さんに聞く  @大阪市 作成:佐藤敏宏
 その3      (その1  その2  その3 )

 試家 ためしや TAMESHIYA (おうちプロジェクト)

幸家:またカーテンで入る風呂(笑)これは単純に長屋のプラン二個一でシェアハウスとしました。そのときに猫の額みたいな裏庭があったんです。二を一つにして真ん中に水回り置いて外で入る便所と、外で入るお風呂。壁とか何も無いときには、開放的な感じにして。
佐藤:言葉で説明されるとピント来ないので平面ないですか。
幸家:平面さがしますね。あった、こういう平面図です。この二個一がこの二つです。既存でもう一つの長屋は後々の工事にすると。
佐藤:とりあえず中庭の改修したと。外で風呂して壁をカーテンで済ませるの好きだね。
幸家:行水マニアなんですよ(笑)
佐藤:幸家このみは、閉じて仕舞わないから気持ちがいいよね。設計施工でしょうから、幾らで完成したんですか。
幸家:2階も共用廊下をとったシェアハウスなので、仕切りで何人か入れるように小部屋にして。これでも600万円だったかな。それぞれに階段があってどちらからも登れます。部屋がこちらです。

おうちプロジェクト 2015年 

空き家となっていた連棟長屋のリノベーション。庭を塞いでいた増築エリアや壁を撤去し、一時的に採光と通気を確保した〈減築スケルトン〉状態で使途を模索しながら入居者を募った。

結果、1階を共有スペース/2階をプライベートスペースとして連棟を横に接続し、シェアハウスへと再生。閉鎖しがちな長屋の庭にはパネル脱着式の開放的な共有サニタリースペースを設けた。

佐藤命名→「 ためしや
 

佐藤:不思議な間取りだね。この部屋を借りる人はどういう人かね?人間関係しりたくなる(笑)
幸家:学生とか独身者とかでしょう。風呂と便所は外に出て共有です。家主さんのトイレはあります。風呂は共用です。

佐藤:家主がオヤジで小部屋の2人が愛人だったら、ややこしいことになるね。
幸家:かなりややこしいですね(笑)家主さんは子供2人いて、旦那さんいて、4人家族でここで暮らしていたんです。上の部屋を学生とか1人暮らしに貸すと。
佐藤:なるほど。戦前の貸間家に風呂が付いたような家だね。昔の「貸し間あります」の家に戻った感じだね。
幸家:そうですね。で共用部分を適応させて使ってましたね。キッチンも使ってましたし、うまい具合よく使ってたな。

佐藤:個性的な住形式だし住プランだね。俺の人生で初観かも、この住プラン(笑)未来の世間はこのような人間関係になるかもしれない!とも言えるよ。中庭を共有で使って通風も植栽もでき、水回りをつくることによって、個の部屋の関係、それらの特徴を浮き出しになってしまったと。世にも不思議な暮らし方をしないと対応できないでしょう。

幸家:はい!こっちの既存状態の長屋は1階と2階の部屋をセットにして貸せるようにしてます。この下を改修するまでのは予算が無かったんです。
佐藤:この間取りで皆さん生活が安定しているとすれば、不思議だしいいし、示唆的だね。
幸家:ずっと安定した暮らししてましたね。で、子どもも大きくなったので、家主さんは住むとこ変わりましたけどね。今は誰が住んでいるのかは知らないです。2015年に造ったんですね。まあまあ最近ですね。HPでは「おうち」というタイトルです。

佐藤:この建築は俺の知らない住建築体験が内包されている家、未来の都市家だ
だね。敗戦直後の住居不足の昔に戻ったかのようかでもあるし、未来のそれにも見えるし、海賊の暮らしぶりなのか?海賊だから風呂は共有じゃ!と(笑)海賊の風呂の様子を知ってますか?
幸家:集落の中の共同浴場じゃないですかね。
佐藤:この坪庭にある風呂を丘にある共同浴場と受けとめればいいわけだね。
幸家:そうですね。壁は一応あるんです、断熱材でパネルにしてあるんですよ。ユニットバスぽくなっているんです。箱になっています。夏場、遊ぶときにはカーテンだけで庭の風呂は入ってはどう?みたいな感じです。
佐藤:幸家さん好みの変わった風呂づくりし続けてきてますね(笑)
幸家:風呂づくりにはまってたんですよ

佐藤:旅館でこういう形式の風呂つくれば受けるんじゃないかな。
幸家:受けるみたいですね!こういうのでサウナやったり、デザイン受けます。
佐藤:見た目も芸術風呂している感じだから。際どいところをギリギリ実現させているのがいいね。
幸家:ギリギリですかね。
佐藤:プランを見ると戦後の住生活が目指していた正常な風呂ではないから面白いね。行水と家風呂の中間にみえるよ。
幸家:真面目に考えたつもりです(笑)



カーテンを閉めた風呂の様子

佐藤:近代特有の個を保護するような仕切りがないから、暮す人たちが融合して見えて、不思議な関係が発生するだろうなと。ドゴン族だったかな、男性の家に似てるかな?女性が主だったらどうなるのかな、友達集めて暮すのかな。シングルマザーが集って子育てを共同でするなら使い易いね。
幸家:そうですね!それぞれの個室あるし。

佐藤:成人異性が入ってくるとややこしくなる家だね。属性が単一だとうまいこと暮らしていけそうだ、たとえば、学生だけ、若い建築人だけ・・・属性が似ているとよさそうだ。
幸家:現状は性別はごった混ぜでしたね(笑)

佐藤:男女ともに露出狂者だったら、使いこなせるかな。俺の勝手な平面解釈だからね。現在、お互い生活が健全に営まれるのであれば問題ない。何かマナーが要るんだろうね。そのマナーを知りたいんだけど?
幸家:なるほど。入居させるときには「この人大丈夫か?」と面接はしていたみたいです。
佐藤:入居時の面接はシェア・ハウスでは最初に設けるよね。で暮している人に面接を受けるよね。でないと相性あるから、入居後に問題が起きてしまう。

幸家
:ボスが要るんですよね。この建築で言えば女将さんがボスでしたね。
佐藤:ボスが抜けた途端に成り立たなくなる家だと。シェア・タイプの家の微妙な危うさと面白さは、そこだよね。
幸家:(笑)

佐藤:コロナ患者を嫌う幸家さんが生まれた海賊村社会の運営と一緒だね。危うさがあって、そこの微妙さでコミュニティーが成り立つのは成熟社会の後の、未来社会の暮らし方、人々の姿に見える。そこで暮しているのは、シングルマザー、貧困の連鎖の下に暮さざるをえない人々、思春期・子供達のコミュニティー、姥捨て山的老人たちなどを受け止める天国に代わるよううな建築の形式かもしれないね。公的な支援の手が回らない人々が集まって住むには適しているよ。これは不思議なプランだね。

幸家:横につなげたら複雑な暮らしになるかも知れませんね。
佐藤:生活音や視線ではつながってしまっている。試家(ためしや)をひらがなで書き表すの流行りだからローマ字で書くのもいいかな(笑)

幸家:こんなふうにやっているんですか?!シェアハウスとかゲストハウスなど、今の若い子たちは。
佐藤:そうだけど、敗戦直後、昔の住宅不足で家を持っている人は他人に気軽に間貸ししてた。芸者さんたちが暮す置き家の間取りとかもにてるね。戦前・戦後の映画を当時の間取りを見るために観るんだけど、こんな感じだと思うった。15年前、京都の出町柳で暮らしていた、高木みえさんは男・女とシェアハウスしてた。興味深かったので泊めてもらい、一泊二日体験しましたよ。こんな感じだっかな。草食系ムラムラしない男性を選べば問題ないでしょう面接で・・・と言っていたかな。集団で試し婚生活かが出来るかもしれないな(笑)
幸家:試し婚!(笑) 
佐藤:自分の夫を選ぶために男性を数人、入居させて試し婚的な暮らしをするための家ならいいかな。
幸家:それは!今なら可能ですね。今はあまり結婚する人いないじゃないですか。結婚して家庭を持つまでが、びよーんと伸びちゃいましたからね。

佐藤:そうか!この建築、住宅は結婚前の若い人が暮らすための形式と受け止めた方が後々いい社会が芽吹くかもね。
幸家:結婚前の家ですね。そういうことですね(笑) 
佐藤:お試しハウスだね。「試家」か!(笑)
幸家:タイトルはそれでいきたかったですね。なるほど!

佐藤:
戦後めざしていたお家にしてはちょっと乱れ過ぎているので現在の「試家」
幸家:そのコンセプトでもう一軒ぐらい造りますか!
佐藤:いいね、今日、俺が押しかけてきてよかったね「試家」発明できた(笑)1軒、試家たのまれたら、俺に交通費ください、観にきますので。「ためしや=試家」いいじゃないですか。
幸家:いいですね。

佐藤:結婚生活に息詰ったら、この精神で造る試家に暮らして、離婚を試すのもいいし(笑)離合どちらの試し婚にも使える家だね。そういう意味でこのプランは新しいんだね。
幸家:なるほど。うん。
佐藤:世は流動化せざるを得ないので、離合どちらも試せる万能の「試家」だ。需要が増えるんじゃないかな。幸家さんは不思議な住形式を考え出したね。それも単に既存の家を改修したことによって、突然、新・住形式が飛び出してきちゃったとも言えるね。今日まで、そこれを気付いてなかったですしょう?
幸家:そこまで考えてなかったですね。

佐藤:俺はコンサル的な気分がする(笑)。俺、いろいろな住形式に泊まり歩いているから、解釈自在だし、「試家」の住形式だったら使い易いので流行りそうだよ。これを特許とって俺に一割払うと、俺の活動も加速しちゃって!(笑)
幸家:なるほど(笑)
佐藤:先に言葉の商標登録確保してから実作を造り出すのでいいでしょう。
幸家:これ、とりましたからね「窯蔵」は取りました。今度は「試家・ためしや」でとります。
佐藤:幸家さんが仕事を受ける度に契約一割もらえば俺はそのたびに大阪に遊びに来れるよ、それでいきましょう。
幸家:それやってみたいな。
佐藤:契約しましょう、今。(笑)音採ってあるから残るからいいか。

 (共に笑)

幸家:はい!(笑)本当に使えますね、うん。そうやって使っていけばいいんですね。老朽物件とかもね。
佐藤:老朽物件どんなのでも対応可能だよね。例えばシングルマザーが2組が「試家」に入るとすると、親子ともども他者と交わる機会が与えられる事になり、他者との交流体験も出来てしまうし住形式。人が集まって暮す体験もできて、その喜びも体験してしまう住形式。未知の家族、試家にもなるよね。「試家」いろいろ展開していく可能性、ポテンシャル高いよ。おれ、きょうはアイデア出し過ぎたかな(笑)
幸家:それで建築ができたらいい。

佐藤:「試家」の運営は社会的事業に成長して、やがて社会や人との関係が変わっていくよ。
幸家:移住、今はそういう制度はありますよね。田舎に盛んに移住推進してたじゃないですか、要は試しで住ませて、それを建築でやるちゅうのが、いいですね

佐藤:試すためには当初は住む人の条件が一定じゃないとうまく運営できないかもしれないね。なにか同質であることがシェアハウスをうまく運営するための鍵かもね。
幸家:試し家は混じっている点がいいですよね。
佐藤:成功すると、いままでの伝統的家族社会を壊すかもしれないし、再生させるかもしれない。危険性は孕んでいるけど、やってみる価値ありだね。
幸家:住まいはそれくらいまでグイと行ったほうがいいですね。そういう意味では家は深化・進化してないですね。

佐藤:成り立てば21世紀の家のプロトタイプになるね。
幸家:なるほど、そこまで考えてなかったですね。
佐藤:共同ハウスの形状は多様に展開できるので、面白い試家、共同連結形式、これで幸家さんは日本各地、世界中の試し家オーナーなって、低空飛行を脱して、左団扇の生活!これでいけるぜ。
幸家:(大笑いしている)可能性ありますね。面白いでしね。
佐藤:見た目もよくしないといけないから、幸家さんがアート味を加えていけば、美的にもいい感じになるね。若者からも老人からも受ける試家でいきましょう


幸家:
千万ハウスでしたっけ、千万家のプランって、ああいうのでもいけますね。
佐藤:そうだね。千万家は外壁の一部が溶けて蒸発していることで、他者との共有できやすい、他者との集住も可能にしているんだ。居住の移行期らしい形式なんだけど。動物も入るし他者も入ってくるし、風雪も入って来るし、家族の構成員の入れ換えも可能なんだ。30年前の俺の提案だけど。千万家つくってたから。

幸家:
ピント、千万家が来たんですよ。
佐藤:21世紀手前では、これ以上は壁を取り払うことはできないと、ギリギリのところで壁を取り払ったんで、千万家は試し家のさきがけだったということかもね。幸家さんは都市バージョン試家。胡散臭い感じでいいね。
 (共に笑)
試家で暮すと、21世紀の人間は再生していく。
幸家:面白いですね。
佐藤:ということで「窯蔵・かまくら」よりは「試家・ためしや」のほうがぐっとセンスがいいんじゃないですかね。 「tameshi」や「ためし」と書くと限定しにくいし、ひらかなが字数がすくなくっていいかもね。

幸家:このビルを「ためし家」にしていくのはどうですかね。
佐藤:駅から少し遠いけど、いいんじゃない。
幸家:縦に貫通させてしまって。スラブあるから難しいかな。

佐藤:この建築は3階建だから耐火構造を求められるよ。共同住宅だから。全体を1軒の我が家とかんがえれば問題ないかもね。個別分離だと問題になるような気がするね。
幸家:変につなげてやり過ぎて言われたみたいです
佐藤:消防からも言われるだろうね。京都の町屋改修でも「宿ではく一軒の家」で法的な対応しているような話しを聞いたことはあるね。個家なのか個部屋なのか?法の適応は違ってくるだろうね。共同住宅だと遮音も防火も対応しないといけないよ。延焼防止対策も要るし。
幸家:対応可能な建物さがしますかね(笑)ためし家・・・なるほど。
佐藤:いろいろな試家は考えられるけど、初歩は同質の人々の試家でスタートするのが良さそう。
幸家:いろいろ試しが重なるとややこしくなり収拾つかなくなりますね(笑)

佐藤:おうち、試家は窯蔵より話が盛り上がってしまいました(笑)窯蔵は機能主義の物だから。
幸家:違う意味で昔のURの箱の現代版で、もうちょっとあれもこれも出来るタイプやと思うんですよ。これは集落とか、一地域に一ヵ所こういう試家があれば楽しく使えるんじゃないか・・・という意図はあるんです。
佐藤:昔あったと聞く、男女それぞれのための若者小屋だね。ここで水を入れて、Wi-Fiセットしよう。
  (ワイワイしながらセットしている)
後ろにある湊の夕日を見ながら、西日があってもいいよ。夏は暑くってしょうがないかな。


幸家:
フイルム貼ってあるんです、まあまあ大丈夫ですよ。
佐藤:湊と高速道路を背に撮ると水の都、大都会って感じでいいね。高速道路もいいね。船が写るといいね。河口が全部、この景観は自分の所有地にみえていいね。 
幸家さんの近況はこんな感じでいいとしましょう。まだ説明したい事があったら、追加でお願いします。HPの写真は記録に貼ってもいいですよね。

幸家
;使ってもらっても問題ないです。
佐藤:写真家の名前いれないと拙いのでは?HPに記録してある写真家の名前を入ればいいのかな。
幸家:はいそうですね。彼にも言っておきます。近しい関係なので一言いったらだいじょうぶです。これはみたことありますか。


 大阪アーキフォーラムと幸家さん

佐藤:大阪アーキフォラムのことは知ってますか。その歴史を調べているんだけど、幸家さんは豊和塾には関係してたんですか?
幸家:何回か参加させてもらいました。
佐藤:春秋塾も参加?
幸家:豊和塾ではなくって、春秋塾の方でした。そこから渡辺菊眞君と出入りしました。
佐藤:大島哲蔵さん書店で開かれた翻訳の会も参加されてましたか?
幸家:大島さんがやっている翻訳の会は行ったことないですね。一度ちらっと様子見にいった感じですね。参加して作業はしてないですね。春秋塾は全て参加してないですけど行ってました。このスピーカーを作ったのは、これが春秋塾に出したドローイングなんですよ。2000年前後ぐらいの参加ですね。

佐藤:大島さんが亡くなるあたりだね。
幸家:そうです。亡くなってからは勉強会には顔を出してないです。アーキフォラムはやってましたね。今始まったのかな。
佐藤:今年、2022年から再開されましたね。10年ぐらい休んでいたのかな。アーキフォラム全体のことを調べてたんです。これは勝手に俺が妄想しているだけど、大阪の人たちは自由で実力主義で勉強熱心な人が建築の世界には多いと。それは大阪にあった適塾とかの私塾の流れがベースにあるからだと・・思っている。勉強会を開いて身の周りを変えていく動きがあったと思い込んでいるんですよ。
いろいろ聞き取りしてたら、大林組の設計部の林さんという方が博士論文のテーマとして取り掛かっていたんです。幸家さんはどのように勉強会に参加してたのか、興味があるのでお聞きします。

幸家:アーキフォラムの後半だったんですけど、レポート書かされたことが一回あって、その頃は聞きに行ってました。僕が話したことはないです。中谷礼仁のレポートでした。ものづくりのリテラシーみたいな、そういうディスカッションがあって。自分たちより一回り上の人たちがワイワイやっていたんですね。むしろ自分たちの世代だったら、芦澤竜一とかで呑み仲間とですね。渡辺菊眞と合同で課題を出して、やってました。その講評会に呼ばれました。

佐藤:大阪で開かれていた建築の勉強会に積極的に関わっていて、幸家さんが活動してきたか?どうか聞きたかったんです。
幸家:どちらかと言えば、あまり関わっていないですね。参加したぐらいです。

幸家さんが近頃きになっていること 縄文語

佐藤:なにかありましたら、追加してください。
幸家:土木工事云々ですね。
佐藤:古代の道?
幸家:遠い親戚の人で、小山正さんという人。縄文語を研究している先生なんです。実家の大崎島というのが、歴史を先生の研究している縄文語で解くといろいろなことば。縄文語は日本語の原型みたいなものです。渡来人よりもっと前ですね。それで色々な場所とか地理を読み解いているんです。縄文語で読める地理関係とか、空間の意味とかももちろん一杯あって面白いんですよ。
今までの神道というか、作られた部分とか、渡来人以降の塗り重て、分かり難くなった部分があるとか。そういうことが一杯出てくるんです。

佐藤:征服されて上書きされているから、そういうことになったんだろうね。音は一緒でも当て漢字されたりしていると。本来の意味が分りにくくなってしまってと。定価300円、自費出版なのね。

幸家:アーカイブ一杯あるので、本にした方がいいんじゃないかと。凄い人で。
佐藤:同じ冊子あったら一冊頂戴?
幸家:これどうぞ。自分の父親の従弟らしいです。故郷に帰っているときに、レクチャーで、文化ホールみたいな感じでお話し聞きに行ったら凄く面白くって、何回か訪ねて。これに、父親との出会いのことがちらっと、どこかに書いてあります.。

佐藤:縄文語研究者って初めて聞きました。
幸家:アマチュアの人なんですけど、大学などにもいろいろアタックしているみたいです。資料提供したりしても相手にされないですね。アイヌのカテゴリーなので相手にされないですね。いろいろな壁が有って、それ以上言ったら相手にされないとか、ややこしいことがあるんでしょう。受け入れるといろいろな事がガラッと変わってしまうんじゃないですかね。

佐藤:
試家以上に激しいことになるね。
幸家:80才前の人なんですけど、毎夏北海道に奥さんと2人で1,2ヶ月車で行ってずっと車の中、道の駅で暮らしているんですよ。そうしてアイヌを訪ねている。
佐藤:海賊の末裔の老人たちはやることが違うね!
幸家:おったまげたんです。今年(2022年)の夏は自分も追っかけで行って、北海道で会いました。1,2ヶ月こんな暮らししているんですか?と。
佐藤:船の暮らしも車の暮らしも似ているかもしれないね。漂白してても、何とも思わない能力があるんだろうね。縄文語もあっただろうけど、体系だった学問になってないから、大学でも対応できにくいんだろうね。
幸家:もちろんジャンル超えてつながるんですけど、そこまで情報が、行き渡っていないかと思うんです。空間というか、地形だったりの話しなんですね。










土木工事を手がける切掛け

幸家:話はかわりますが、最近、すごく刺激を受けている人で、先ほど話した排水路づくり。土木工事、この先人が矢野智徳さんという人です。北九州の人なんです。つい最近ドキュメント映画になったんです。今は全国で映画を展開しています。僕が講座に行っているときに、この映画を収録してました。YouTubeで検索すると予告編はでます。いろんな所で土壌整備をするドキュメント映画なんです。現場の中のクライアントさんが福島・三春の玄侑さんですね。

佐藤:芥川賞作家だね。幸家さんは土壌改良に出会っていたのね。
幸家:講座終わったときに自分なりに考え方をまとめたものです。コピーして差し上げます。
佐藤:ありがとうございます。
幸家:この辺に僕は深く関わっています。この辺の世界に魅かれまして。
佐藤:幸家さんは疲れがたまってしまったかな?
幸家:疲れもあるかもしれませんね(笑) 
佐藤:現代人は多かれ少なかれ「関係性の病におかされている」だから疲れるだろうね。



幸家:今は大地の再生の、第一号の弟子ではないですけれども、片割れになっています。学者で高田さんという人がいるんです。その人は農大かな、学者です。土中環境という本を先行して出してます。オリジナルは矢野さんですね。環境再生のいろいろな警鐘、鳴らし方の一つですね。心を病んでいる人も来るんですよ。生徒は癒されるんですけど、矢野さんはまた突き放すんです。自立させるためにですね。だけど、切れてしまったら終わりなので、包容力あるんです。それが上手なので凄く人が付いてくるんです。めちゃくちゃ切り離しますね。
彼の思想が・・というよりは彼の説く自然観とか、一つの仕組みがこうだろうと、投げかけてくるんです。短絡的に行こうとすると水の泡ぐらいな感じで突き飛ばされますね。この矢野さんがより自然が厳しいみたいなことを淡々と言ってますね。そこでああ!っとなるんです。

佐藤:厳しい自然の中に生きていることを忘れるために都市をつくり脳化して都市をつくり暮らしを進めてきたんだから、元にもどっても自然は厳しいという、その事実は太古から変わらないよね。今日、午前中に狭山池に行ってきたんだけど、800年ほど前に重源が改修したので見て歩いてきたんです。仏教を布教しつつ貧しい人々を救うための社会事業をする。水に困ると作物が作れない、人が集まり暮すと水問題のような切実な問題が発生する。今も給料が下がると生きて生活するのに困るように、水を確保して食料を増産しないと死んだ時代もある。その施設が現在も使われ続け、作物を生産できている。行基の改修も含めると千数百年、狭山池は使われ続けている、そういう溜池が大阪には残っていますよね。
今、挑み始めた土壌改良が功を奏して千年以上ここにある大地が継承され残るのか?目先の挑戦だと一瞬に消えてしまうので、要注意。それで幸家さんが土中改良にはまっていたとは夢にも思いませんでした。(笑)今日の新発見は2つ目ですね。


呑み会にお誘いされる

(電話が入る 18時半からの呑み会のお誘い)

幸家:さっき話した、この対岸にプロダクトをやっている人が居て、そこで不定期で呑み会やるんです。そのお誘いの電話です。よろしければどうですか。

佐藤:行きましょう。何人ぐらい集まるのかな、5,6人
幸家:10人以内だと思います。
佐藤:柳原照弘さんの大阪事務所でのワイワイは10月6日の18時30分から、2時間ぐらい。それから近所に呑みに行く予定です。18時ごろ来てもらえればいいと思います。

幸家:わかりました。それからニュースと言えば、ストーブですね。特許出願中です。これで何をというのでも無いんですけど、発明がありまして。ストーブ、ロケトの焚口を蓄熱する、これのトップにも蓄熱入れたり。蓄熱と放熱を組み合わせて、どう構成し使って行くか。いろんなタイプがあります。熱利用のパターンをHPに掲載してます。3年中に特許が被るかどうか調べてくれる人がいるんです。この人とはストーブの祭りで知り合いになりました。建築ではないですけど、ストーブも遊びでやっている中で、こういう事もやってます。炭焼き窯です。

佐藤:写真、撮っておきます。

ロケットストーブは教育現場にも

幸家:これもですね、牡蠣を焼く。いろんなものを石窯ストーブで焼く。ストーブの祭りがあって知り合いになるんですよ。この記事は車の中でストーブ焚いたという記事ですね。これもHPからPDFで見ることができます。

こいつは炭窯にストーブをつないだという話しですね。これは炭を焼く、ドラム缶で炭竃が出来るんです。松村さんという先生がいて、その人のドラム缶にストーブをつないでます。なぜつないだかというと炭焼きするときに、モクモクの煙が出ます。可燃ガスを含んだ水蒸気ですね。それをこのストーブの二次燃焼で吹き飛ばすんですよ。すると煙が減煙できるんですよ。
JR環状線の下のイベント会場でやったんです。通報されて消防隊が来て(笑)消防隊が来たころ丁度このストーブが綺麗に燃えて煙がすっと引いていったんです。ほら見ろ!みたいな感じで、自慢げに説明してて。消防隊の人が写真撮って「帰って上司に伝えますからこれから消煙届け出してから炭を焼いてください」という話になりました。炭を町中で焼いていいかどうかという話しは吹き飛んでOKになったんですよ。
二回目があべのハルカスの裏で、中学校の防災教育でグランドで炭を焼いたんです。

佐藤:
お!すごいね、幸家さんストーブで義務教育現場に進出した。いつのまにか教育者にすり替わった(笑)
幸家:そうなんです。あべのハルカスの真裏の中学校で、炭焼きやったんですよ。
佐藤:脱法者幸家さんの面目躍如のエピソードだね、そうしないと新しい場や体験知識が生まれないよ。

幸家:最初にやってしまいました(笑)

佐藤:一人でいろいろな事をやってるね、あとは水の研究だね。

幸家:火と水と音と。
佐藤:食い物生産はまだやっていないんだと。
幸家:水はもっと出来るでしょうね。今夜の呑み会は大阪にこういう場所があるんだなと知ってもらえればいいので、紹介させていただきます。

佐藤:丁度3時間たちましたので、今日はこれで音採りはお仕舞です。10月6日呑みながらワイワイしますので、またお会いしましょう。

幸家:はい!

 10月6日集まった皆さんの絵 ↓ 

幸家さん作、ロケットストーブ記事になる
10月6日呑む

幸家大郎さんに聞く2022年版はこれでお仕舞です、最後まで目を通していただきありがとうございました。 作成・文責:佐藤敏宏  (その1  その2  その3 ) HOME