大橋力さんにきく @兵庫県篠山市 | 作成:佐藤敏宏 | |
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2022年9月29日 大阪駅からJR宝塚線の電車に乗り丹波笹山口駅下車。駅で待ち合わせし大橋力さんの工房(enno)まで車中ワイワイ。音:0708 佐藤:今から昼ご飯なのね。俺ほぼ朝と夜しか喰わない。 大橋:ああ、そうなんですか。 佐藤:昼飯、おれはいいよ。大橋さんは三回飯くっているの? 大橋:1日三回喰ってますよ。 佐藤:家具作っているだから喰わないと体力もたないよね。 大橋:一人だといいんですけど。 佐藤:車で走っている、ここは篠山市ですよね? 大橋:最近地名が変わって、丹波篠山市になりました。 佐藤:店に焼きもの並んでいるね、骨董品か新物か? 大橋:古丹波だと思います。 佐藤:ここから車で大阪まで行くと、所用時間はどのぐらいなの? 大橋:1時間半から2時間あれば余裕ですね。 佐藤:電車で来たけど、1時間弱だったよ。 大橋:家から駅までこなあかんから。 佐藤:駅まで15分ぐらいかかるね?大阪から快速電車の乗るとあっという間に篠山口だよ。三田駅から各駅停車になったけど。思ってたより大阪に近い。古い町でもあるね。都会に近すぎるじゃない。茅葺屋根が並んだ鄙びた丹波篠山を想像してたんだけどね(笑)見た目は日本各地にある田舎町だね。京都の北部を走ると急こう配の茅葺屋根で軒の高さが低い、可愛らしい民家があるけど、大橋さんの近辺にも茅葺民家ないね。 |
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大橋:無いですね。茅葺を鉄板で覆っている屋根はちょこちょこ在りますよ。 佐藤:篠山口駅で資料集めしたけど、この辺りではイノシシの肉食っているって書いてあったよ。 大橋:そんなに喰ってない、去年の冬、2回喰ったかな。 佐藤:多いね、福島市も田舎だけどイノシシ喰わない、イノシシ鍋喰った話きいたことないよ。狩猟採取民がくらしていて、イノシシ撃ってる人いるのはまだいいね。 大橋:猟師と猟友会がありますね。 佐藤:大橋さんも、冬場は家具作りやすんで鉄砲もって鹿やイノシシ狩りに出かけている?夏場は鮎を簗で獲って売って暮らしと・・・。 大橋:笑 佐藤:春と秋の中間期は椅子づくりすると。 大橋:鮎はいないですよ、川はそんなに綺麗じゃないです。 佐藤:綺麗な山に囲まれているから流れが綺麗で藻が生えてとすると、ナイスな鮎の餌場がありそうに見えるけどね。 大橋:山がそんなに大きくないじゃないですか、低い山からちょろちょろ流れてくるから。 |
篠山市のチラシ。山賊ワイルドラン 鹿の丸焼きをたべるイベント |
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■丹波篠山市に暮らして10年 佐藤:鮎が生きるための水には山が浅すぎる、だめなのね、そうですか。ここへ引っ越して来て10年ぐらいになる?そんなにならないよね? 大橋:今年で10年目ぐらいですかね。 佐藤:もうすこし田舎で限界集落っぽい場所に引っ越したのかな・・・と想像してたら、普通の田舎だね。で、整備された野球場もあるし。 大橋:うちの周りに行ったらもうちょっと田舎ですよ。 佐藤:それはいいね。周りに住んでいる人いないの? 大橋:住んでますよ。 佐藤:奥さん美容院開店しているんだから、お客さんいるね。 大橋:お客さんは車移動なので、いろんな所からいらっしゃいますよね。篠山で働いていた、前のお店、そこのお客さんが来てくれるので・・。 佐藤:篠山市内の美容院で少し働いていたんだ。そうして自立したと。 大橋:そうです。 佐藤:その間、娘さんの子育てはどうしてたの? 大橋:子育てどうしてたと、いうのは? 佐藤:子供が小さいから育メン? 大橋:今5歳ですから、小さかったです。生まれたばっかりの時は二人とも外に出て働いていたので、なかなか大変でしたよ。保育園に預けてました。 |
ぼたん鍋の看板が駅構内にある 大橋さんの工房まわりweb地図より |
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津波被災地支援に参加 東大生産研究所 理科大などの学生と 2011年8月28日 唐桑半島鮪立にて集合写真 大橋さん後列真ん中赤シャツ |
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■木工所 enno開所前に一度就職 佐藤:大橋さん長野の木工学校卒業してから、そく、自分で家具づくり始めたんじゃなかったの? 大橋:自分で椅子つくり始める前に、一度就職したんですよ。就職する前は長野の学校に1年いたんです。 佐藤:気仙沼の鮪立の町づくり支援(2011年8月24〜28日)に参加してもらったんだけど、その後、長野の木工専門の学校に入ったんだよね。1年間だったかな。 |
2011年8月25日鮪立憩いの家で |
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左絵:赤いシャツを着て竹内泰先生の講義を聞いている大橋さん 2011年8月25日 |
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■木工製作を学ぶため長野の上松技術専門校へ入学 大橋:直後、長野の学校へ入ったんですね。 佐藤:給料付の学校だったんですか? 大橋:県の訓練校なんですよ。 佐藤:生活費も支給されたんでしょうか? 大橋:生活費もらえました。撲で月10万円でした。 佐藤:もちろん宿舎は無料ですよね? 大橋:宿賃はそこから引かれました(笑) 佐藤:無くなってしまいそう(笑) 大橋:生活はギリギリでしたね。 佐藤:アパートあるいは宿舎? 大橋:寄宿舎がありました。ご飯も3食付いてました。土日は自炊ですけどね。 佐藤:10万円支給してくれて、寝床も提供して飯も準備してもらえたからいいんだと。家具作り入門するには適切だったと。そこはもう無くなったんですか。 大橋:職業訓練学校・長野県の上松技術専門校で、木曾にあります。 佐藤:学生は何人ぐらい入学してたんですか。 大橋:40人です。 佐藤:けっこうな人数だね。全国から集うのかな? 大橋:全国から来てますね。 佐藤:1年間一人120万だから4800万円支給しているんだね。先生の給料と施設の維持費なども要るから長野県は太っ腹だね。 大橋:それは、働いてない人がもらえるお金です。働いてたけど仕事辞めて、雇用保険もらいならが木工の勉強するというのが一般的な学生です。だから、10万円以上はみなもらっていましたね。 佐藤:雇用保険受給しつつ学ぶ組もいたんだ。転職を促すための技術訓練なのかね。 大橋:パソコンやるとかもあるんです、私が入ったのは木工版ですね。そこで就職先も斡旋してくれるんです。 |
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植松技術専門学校作品例web頁より | ||
佐藤:入学当時、結婚してたよね? 大橋:まだ結婚してなかったです。篠山に来てから結婚しているんです。 佐藤:そうだったのね。こういう長閑な所でもマスクしないと駄目なの? 大橋:村社会なのでマスクせな、ヤバくないですか?分らないですけど。 佐藤:こんなにスカスカな場所に暮しているんだから外でマスク要らないだろう(笑) 大橋:けっこう警戒心強いというか、用心してますね。 佐藤:相互監視が行き届いているのね。 大橋:知り合いに会う時にはしないですけど。家の中ではやってないです。 佐藤:車の免許証は唐桑半島の鮪立(しびだち)で会ったときに持っていたかね? 大橋:車の免許はもってました。 佐藤:大橋さんが生まれた、大阪の茨木の家に行ったときは確か駅まで車で迎えに来てくれたよね。(大橋さんは大阪府茨木市で生まれ育った) 大橋:そうです。ここは田舎っぽい所です、着きました。 |
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左から 大橋力さんの家屋敷 enno、椅子工房 真ん中母屋、 奥、美容室 |
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佐藤:ここは集落になっているけど、福島市の民家の姿・様子と違うね。鮪立で唐桑御殿見ていたから分ると思うけど、地域で民家の形や姿や素材がかなり異なるよね。唐桑御殿はリアス式海岸の急斜面岩盤の上に御殿を建てて暮していた、海が豊かで木材も豊富だから。最近も時々、鮪立の方の投稿を見ているんだけど、防潮堤まだ工事中で、来年度には完成かも。 大阪から宮城県の唐桑半島まで港まちづくり支援に来ていただき、大変なことでした、ありがとうございます。港町づくり支援活動に来てた東大などの学生たちと、今は交流無いよ。 大橋:滋賀県立大学から来てた、ジョン葛西君だったかな。東大生産研究所の院に行っていた学生。自分で建築設計みたいなことをしてましたけどね。設計は住宅ですね。 佐藤:あの時に東大の先生は理由は分らないけど、辞めちゃったよ。若い人はどうして東大に憧れるのかね。 漁民の人の暮らしを邪魔して仕方ないから追い出して、一人で高台移転土地決めやってしまったよ。高台移転用地は引き込み道路の面積込みで1戸あたりの面積が縛られているわけだよ。さらに引き込み道路は6mでそれ以上の道路に接道してないとOKが出ない。引き込み道路長くなると敷地面積が小さくなる。のり面も含まれるから崖地の移転は不利なんだけど、三陸は崖地だらけだ。そういう縛りがあって、揉めモメで決めるのは面白かった。うまくまとめたので鯨の歯で作ったお守り的の盾、功労賞もらった(笑) |
鮪立の防潮堤工事の様子 web地図 |
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■歴史は古くから、丹波篠山市 大橋:歴史は古いみたいですよ。 佐藤:千年間続いてる村、千年村というけど、この地もそうかな。 大橋:千年かどうかわわからないけど。 佐藤:お!鳶が飛んでるよ。野生の猛禽類がいるから、喰いもの動物いるんだね。いいじゃない。大阪の茨木育ちの大橋さん素知らぬ顔して丹波篠山市に移住しているの、いいね。ここか、木材置いてあるね。石積み工事やっているね。 大橋:美容室のアプローチ造ってます。 佐藤:この屋敷に建っている3棟、全部使ってるの? 大橋:そうです。 佐藤:借りているの? 大橋:買取です。 佐藤:凄いね、加工場と美容室と自宅一気に手に入れちゃったんだ! 大橋:借りる物件はなかな篠山にはないんですよ。これは破格やったんです。土地代ぐらいで買いました。 佐藤:木材一杯置いてていいね。どこかに荷物を置いて、喋りやすい場所でワイワイしましょう。美容院の通路は石畳にするのね。工房で話し合いでいいんじゃない。予防接種してないの? 大橋:2回しました。 佐藤:俺、4回済んだよ。 大橋:3回以上だと効くという噂です。 佐藤:あ、そうなの。住宅に工房・木工場付の家買っちゃったし美容院も付いているし、凄い変化だね。 |
美容室用アプローチ石敷き工事中 |
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工房入口付近 そこかしこに材料を積み乾燥させてある。 |
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■弟子はまだいない 大橋:ここに住みだして5年ぐらいです。 佐藤:木工場は鉄骨造だね、二階はどうなっているの。木工機械は買ったんですか?凄いね! 大橋:買わないと仕事にならない。50万ぐらいで機械は買いました。 佐藤:中古で買ったわけだね。 大橋:この帯鋸・・ ・・・工場を片付ける大橋・・・ 佐藤:弟子は、まだいないの? 大橋:弟子できるほど名が売れてない、仕事も無いし。 佐藤:遠くの方から家など3棟、写ることにしましょう。3棟すべて大橋さんの資産・不動産だからね。全部で200坪もっと広いか、竹藪あたりまで所有しているのかな。 大橋:竹藪の手前までです。 佐藤:ここから撮ろう。家全体が写るよ。 大橋:自撮り感懐かしいですね。 みんなこんなん撮っているから。流行り。 佐藤:自撮りするほうが下手くそに撮れて面白いんだよね。 大橋:笑) |
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■ 美容室 佐藤:Wi-Fi 来てない、だめなのかな? 大橋:ここはだめですね。 佐藤:地球上に大橋さんの家と工場と美容室があるって凄いね!反対からも家屋敷を撮ろう。大橋さんは、工房主だけど何て呼んでいるんですか? 大橋:屋号ですか、看板は一応あるんです。「enno(えんの)」という名前です。 佐藤:デカイ看板は作るの? 大橋:作らないです。 佐藤:美容室の玄関扉は自作ですか? 大橋:建具屋さんにお願いしました、やりだしたら切りがないので。 佐藤:古い建物だから、雨漏りしてないですか? 大橋:最初してましたね。 佐藤:美容室へのお洒落なアプローチを造ってるところだね。いいね。お客さん遠くからやってくるからいい仕事だね。 おお、竹藪手前まだだったら、随分広いね。水が流れている側溝まで買ったわけだね。裏の方がいい感じだね。裏でも2ショットしましょう。いい感じだね。この土地で無農薬野菜、栽培できそうだね。 |
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大橋:ちょっとだけ野菜つくっているんです。荒れてはいます。紫蘇と、トマトとオクラと。やっと、今年から始めたんです。枝豆もやりたいです。来てもうたから枝豆送りますよ。 佐藤:枝豆。そういいね。毎日青豆喰っているからいいね。朝は必ず豆食うことにしている。工事中のところも撮りましょう。 大橋:ここが母屋です。 佐藤:美容室と屋根繋がってないね。浄化槽があるし。大きな甕があるね。 大橋:元々は五右衛門風呂やったんです。 ・・・ 美容室から賑やかな会話が聞こえてくる・・・・ 五右衛門風呂はあかんですね。お風呂は作り直しました。僕は玄関から入りますが、妻はいろんなところから入ります。 ・・・・写真を撮っている・・・ その02へ続く |
美容室に玄関、引き違い扉を見る |
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10月大橋さんから丹波篠山の枝豆が送られてきた。茹でていただきました。 | ||