耐震強度偽装問題 審議 内容 を見やすくしてみました   home
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    163閉-参-国土交通委員会-1号 平成17年12月08
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国務大臣(北側一雄君) こうした大変な事件が起こってしまいました。極めて遺憾であるわけでございますが、再発防止策をしっかりと取りまとめていかないと考えております。

 そのためにも、一つは、今、立入検査、全指定検査機関に今日からもう入っております。そして、その指定検査機関での建築確認事務の実態というものをよく点検をさしていただきたいというふうに思います。問題がないのかどうか、改善すべきところはどこなのか、よく調べさしていただきたい。

 また、今回、今日時点で偽装物件、姉歯建築士が関与した偽装物件62件出ておるんですけれども、その中には、指定検査機関だけではありません。特定行政庁自らが建築確認をしている物件でも見落としがある物件があるんですね。そういう意味で、特定行政庁が自ら行っているこの建築確認事務についてもよく点検をしてもらいたいということを、お願いを今しているところでございます。

 さらには、今回の姉歯建築士がなぜこんなことをやったのかと。これも今捜査当局が入っておりますが、これはしっかりと解明をしていただく必要がある、全容をできるだけ明らかにしていく必要がある。

 そういう上に立って、どこに問題があったのか改善すべきはどこなのかということをしっかりと取りまとめをさしていただき、今委員のおっしゃっているように、建築基準法の見直しにつきましても、また建築士法の見直しについても、専門家の先生方にも入っていただいて見直しを検討していきたいというふうに考えております。

大江康弘君 ありがとうございました。


佐藤雄平君 民主党の佐藤雄平でございます。

 衆議院では、今度の耐震偽造について、正に真相究明ということで、参考人をそれぞれ招致しながらいい質疑をして、全容を見さしてもらっておりました。しかし、私は、何でああいうふうなことが起こってしまったのかなと、その背景についてそれぞれお伺いしたいと思います。

 たまたま先週ある雑誌を読んでおりましたら川柳のコーナーがありました。その川柳に、「安全が一つ二つ消える国」、「安全が一つ二つ消える国」、もう正に今、日本の社会の現状を表しているのかなと。

 私は、国土交通委員会の中で今年これで実は7回目の質疑をさしてもらっております。その質疑の中で、もうほとんどが公共交通機関の不安、不信、その質疑に終始いたしました。これはもう御承知のとおり、大臣に何回も航空運航の問題、それから西日本JRの問題。そんな思いをしておりまして、何て日本の国は安全に対して心配な国なのかなと思っているやさきの中で、また小学生の誘拐の問題があったり、もう本当に不安なところでございます。せめて自分のうちぐらいは安全かなと思っておったら今度は自分のうちも偽造構造で心配になった。現実問題、これ日本人の住むところがないのか。

 私は、この一連のその安全の、安心のそれぞれの問題の中で、やっぱりこれには規制緩和、それから今のその構造改革、様々なやっぱり問題が含んでいるんじゃないのかなと。先ほども何人かの質疑者からありましたけれども、国のやることと民間のやること、ある意味ではこれ私は取り違えているんじゃないかな。

安心や安全、これ一番やっぱり大事なところなんです。国民の皆さんが私は税金を納めているということは、何のことない、安心や安全を担保するという前提で私は税金を納めていると思うんですけれども、しかしながら、規制緩和、構造改革の中で、何か改革という美名の中で私はそういうふうな最大の問題が欠如しているんであろうと

 最近の問題につけても、いわゆる国がやることを地方にさせようと思っている。正に官がやることを民間にさせようと思っている。それが何か改革の旗頭みたいな感じになっておりますけれども
 まず冒頭、私は大臣に、このような改革ということについての御見解、これをお伺いしたいと思います。

国務大臣(北側一雄君) 従来公でやっていた事務を民間に開放していくと、そうした事例がほかにもたくさんあるわけでございますが、私は、公益的な事務、公共的な事務であっても、私は民間でできることはたくさんあるし、そういう方向性自体は、民間に開放していくという方向性自体は、私は間違っているものではないと思います

 ポイントは、仮に民間に開放した場合に、その公の事務の性格からして、例えば本件のような建物の安全にかかわるような国民生活の安全にかかわるようなものが入っている場合に、その安全性の担保といいますか、そこの仕組みがきちんと民間に開放された場合でも機能できるような仕組みになっているのかどうかということが問題なんだと思うんです。民間に開放すること自体が間違っているわけじゃありません、と私は考えているんです。

 今回の件についても、建築確認という事務を民間に開放したこと自体は私は間違いなかったというふうに思っております。問題なのは、むしろ民間に開放した場合に、きちんとその事務が安全性にかかわることであるならば、その安全性の担保を図っていくための仕組みが十分であったのかどうか、そこを検証をしていかねばならないと思っております。

佐藤雄平君 大臣の話も分からないことではありません。しかし、私が今その質疑の中で強調したことは、安全、安心にかかわること、これはやっぱり私は、民間に開放するということは、よほどの注意事項か、何かの担保を取るということが前提になるんであろうと。

 あのときの航空機の事案についても、もう十分御承知だとは思いますけれども、規制緩和をした。規制緩和をして、例えば羽田から千歳空港に行く。千歳空港を折り返して二時間後にまた離陸するときに、今までは二人の方が、整備士がチェックしていたのを一人にした。そしてまた、整備についてはほとんど自社の系列の整備会社が整備をした

仮に日本航空であるとすれば、日本航空の傍系会社が整備をした。それを外注させるようにした。さらにまた、その外注の三分の一が中華人民共和国とかマレーシア、まあそこが整っていないと言っているわけではありませんけれども、そういうふうなこと。さらにまた、客室乗務員においても正社員といわゆるアルバイトの社員の比率を変えた。

 こういうふうなことが私はこういうふうな事案の背景となっている。ですから、ここだけはやっぱり私は、国が何としてもやっぱり担保しておかなきゃいけなかったのかなと。いずれまたその質問のときはありますけれども、私は、この最大の事件の背景というのは、民間にいわゆる検査機構を任したというふうなこと、これはやっぱり、もう大変なやっぱり問題があると思います

 そういうふうな中で、後で質疑をそれぞれ、安全システムについては、また建築基準法については質問をさしていただきますけれども、この点は、十分私は大臣また国交省の皆さんは頭に入れておいていただきたいなと要望をしておきます。

次に、耐震偽造についてそれぞれお伺いしたいと思います。

 先週のいわゆる衆議院での質疑について、ずっとあのテレビを私は見ていて、本当にこれおかしいなと思ったのは、ヒューザーの小嶋社長がイーホームズの藤田社長をどなっているんですね。検査される方が検査する方にどなっている。極めて不自然。それで、しかも、あの全体の状況を見て、責任の所在が全くどこにもないんです、あれ。姉歯建築士は来ていなかったけれども、除いた四人、五人の中で。
 あれを見て、大臣、どこに一番責任あると思いました。

国務大臣(北側一雄君) 今回の事件については、責任が間違いなくあると私は思っていますのは、当たり前のことでございますけれども姉歯建築士、そして姉歯建築士に下請に出した建築士事務所ですね、そこも当然、姉歯氏のやったことについては全責任を負わないといけないと思います。そして、売主である建築主、こちらも、先ほど申し上げましたように、そもそも施工者を選ぶのも設計者を選ぶのも全責任はそれは建築主が持っているわけです。そしてその上で建物ができ上がって買主に売っているわけですから、それは当然のこととして、契約責任としての瑕疵担保責任が当然あるということでございまして、ここはしっかりとそれぞれの責任を果たしていただかないといけないと思っております。
 
ただ、関係者が多い中で、その責任が一体だれがあるんだと、またその責任割合はどうなっているんだというようなことはもちろん明らかにしていく必要があるわけでございますけれども、その結果を待っていますと、時間だけがどんどん過ぎていく中で、今居住者等の安全をともかく確保していくということがもうこれは急がれることでございますので、そこを最優先にして行政としては対策を取らせていただいているというところでございます。

佐藤雄平君 大臣の、私が言っているのは、犯人捜し云々というよりも、どこに責任というよりも、その背景なんです。自治体の代表でもある石原慎太郎東京都知事が、基本的には国が決めた制度、手続に欠陥があったからこういうばかな問題になったと、こんなことを何か言っております。

これについて大臣はどのようにお考えになっているか分かりませんけれども、私は、そのシステムをつくったのはやっぱりこれ国なんです。ですから、そういうふうな背景を取り除かない限り、こういうふうな事案というのはどうしても起きちゃうんです。その最大の私は理由というのは民営化、民間に任せたという、これはもう大変な問題だと思うんですけれども。

 まず、いわゆる地方自治体の代表でもある石原慎太郎知事のこのコメントについて、また後で、これ今、大江さんも話をしましたけれども、国の指定検査機関に地方自治体が入っていけない、今日の東京新聞ではそれ入れるようにしたと、昨日の夕刊か、あれには、先ほどの局長の答弁にもありましたけども、そのような形になって、まあ一歩前進かなと思いますけれども。この辺は地方自治の義務だといいながらも、制度をつくっている、法律を作っているのは国であるというふうなことから、私は双方にやっぱりこの責任体制というのはあると思うんです。その件についての大臣の答弁をお願いします。

国務大臣(北側一雄君) まさしくこうした事件を二度と起こさないためにも、今の建築確認制度の問題点、今委員から御指摘があったことも含めまして建築確認制度の問題点、また指定検査確認制度の問題点等を、しっかり事実を基にして明らかにしていかないといけないと思っております。しっかり見直しをさせていただきたいと思っております。

佐藤雄平君 これ、局長に、昨日の新聞、今日の新聞というのは、これはそういうふうな方向性で法改正をしていくということですか。いわゆる今私が大臣に申し上げた国の指定確認検査機関、これは今の法律ですと町村、いわゆる特定行政庁が検査に入れないですね。どうですか。入れないですね。で、それを昨日、今日の新聞で法改正をするというふうな一部報道がありましたけれども、これについての御見解。

政府参考人(山本繁太郎君) 実は、報道でどういうふうに書かれているか、ちょっと誠に申し訳ないんですが、私……

佐藤雄平君 見てないのですか。

政府参考人(山本繁太郎君) ええ、目にしておりませんので、ちょっとコメントできないんですが。

 この問題についての私どもの検討の姿勢は先ほど申し上げたとおりでございまして、これにもちろん限った問題ではありませんけれども、指定確認検査機関と本来の建築主事が行う建築確認事務、これを所管する特定行政庁の属する地方公共団体との責任関係を明確にする観点から基準法改正御検討いただというのは、私ども、今回社会資本整備審議会に御検討いただこうというテーマの、非常に大事なテーマの一つだと認識しております。

佐藤雄平君 国民は、この場は分からないんです、役所の中も分からないんです、新聞を見て情報を集めるしかないんです。昨日、今日の新聞の中で、その性能検査の話とリビングどうのこうのの話と、それから国の指定機関にも自治体が入れますよというふうなこと書いてあったら、そうなるのかと思うじゃないですか。公共的な、マスメディアというのは、機関だと思うんですけれども、それも全く、局長の答弁を聞いていると、我々の、根も葉もないというような答弁になってしまうんですけれども、この件についてのやっぱり真意というのはよく分かってもらわないと困りますし、それからもう一つ、大臣、せっかく答弁していただくんであれば、先ほどの石原さんの記者会見についてのコメントもお願いいたします。

国務大臣(北側一雄君) 住宅局長が申し述べておりますのは、国が指定した民間の指定検査機関についても特定行政庁が、今はどうなっているかといいますと、指定検査機関の建築確認が終わりますと、概要書が特定行政庁に届くようになっているんですね。で、特定行政庁は何の権限も持ってないかといえば、そうじゃなくて、その指定検査機関がやった建築確認について、法律上は、そこに問題があるならば、調べてその建築確認を取り消すことができると、こういう制度もあることはあるんです。

 ところが、実際にそういう制度があっても、それを、制度を行使するためのそれなりの権限とか、事前の権限を持っているのかどうかというのがまさしく問題でありまして、そこのところについて、やはりこの建築確認というのは、基本的にこれはもう特定行政庁である地方公共団体の事務なわけですから、その事務をきちんと果たしてもらうためにもっときちんと権限が行使できるような仕組みを検討すべきではないかというのが私どものやはり問題意識でございまして、そこはきっちりと議論をさしていただきたいと思っているんです。

 石原都知事のお話は、むしろそこのところをおっしゃっていられるんだと思うんです。今回の問題を通して、建築確認制度また指定検査機関制度の在り方について、様々御指摘をちょうだいしております、問題点があると思います。そこはしっかりと、今も立入検査をさしていただいておりますが、事実関係をしっかりと掌握さしていただいた上で見直しをさしていただきたいと思っております。

佐藤雄平君 今の大臣の話、よく分かりました。しかし、建築確認業務の概要、それから検査業務の概要の中で、特定行政庁、いわゆる市、県が不適合と認める場合いろいろ言えることにはなっているんですけれども、これ現実問題として、最後の検査結果の報告ですから、これはもう本当に場合によっては、聞くところによると、紙一枚で持ってくるというふうなことなんです。ですから、やっぱりこれ、その相関関係の中でチェックするせっかくのこの第三者機関、その公も、私はある意味ではこの関係では機能しないと思うんです。ですから、こんなこともやっぱりもう一つきちっと、局長、大臣、頭へ入れておいていただきたいなと思っております。


 じゃ、いよいよ本論に入らしていただきます。

 今度の問題は、先ほども私が申し上げましたように、民間に大事なことを任しちゃったということに私はもう最大の問題がある。それは、平成10年の建築基準法の改正に私は問題がなかったのかなと思うんです。それは、民間にお任せするということはどういうふうなことか。これも新聞に書いてあります。民間企業というのは、これ営利を目標としますからね。

 それで、これも先ほどの中でそれぞれ告発をした、昨日も参考人で来ているアトラスの渡辺社長がこれ言ったんでしょうね、これは12月1日の朝日の新聞なんです。

いわゆる検査機関、日本ERIとイーホームズに通報をして、姉歯建築士の図面は柱が細く、鉄筋の本数も少なかった。どれも常識では考えられない水準だったという代表は驚き、検査機関に伝えたが、不正が明るみに出るまで、それから一年半掛かった。これは、やっぱり民間だからすぐ私はこれ問題提起をできなかったんであろう。

 そしてまた、昨日の衆議院の参考人の質疑の中で、それぞれ、その日本ERIの鈴木社長は釈明かどうか分かりませんけれども言っているんですね。これは民間企業だから、各地で競争が激しくなっていると、厳しい指摘をすると申請者が横に行ってしまうと。これは基本的にはお客さんが逃げてしまうということ。ですから、本当は基本的にチェックしなきゃいけない機能なんだけれども、営業が先になっちゃうんです。やっぱり商売やっていてお客さんが逃げられるというと会社が倒産してしまうから、ここら辺が民間企業に任せた大きなやっぱり問題であろう。

 さらに、私は問題なのは、次のところに書いてあるんですけれども、官から民へという規制緩和の流れの中、既に問題をその当時からも指摘していたと。そして、さらに問題は、いわゆるこの日本ERIの会社をつくっている人がミサワホーム大和ハウス、パナホーム。ですから、検査する機関を検査される会社がつくっている

言葉悪いけれども、泥棒が泥棒を捕まえられるかという話になっている。極めて悪い表現ですけれども。だったら、ここをきちんと指摘するようなシステムをつくんない限り、私はこのような事態が起こる残念ながら温床をつくってしまったのかなと

 さらにまた、建築基準法改正のときに、これは平成10年の5月28日、正に参議院の国土・環境委員会でやっているんですね。そして、上野さんの質問の中で、社会的に見ますと、民間でやると建築士の意向に沿って違反承知でやるんじゃないか、それから施工業者と組んで違反を承知でやるとか、そういう故意の場合が一番民間にした場合の大変なケースです。

暗にこの建築基準法の改正のときに、改正をする中で質問する側からこういうふうなことがあるかも分かりませんよというようなことを指摘しているんです。
 ですから、この大事なことを民間にしてしまったということについて、大臣の御見解をちょっとお伺いしたいと思います。

政府参考人(山本繁太郎君) まず、事実関係でございますけれども、この制度を導入する際の国会の審議におきまして、正に御指摘いただきましたように、この仕事を民間にしていただくということ自体は結構だとしても、果たして第三者性ですね、正に検査を受ける者が検査をする機関を支配しているということのないようにというのは非常に大事な点だと御指摘いただきました。

これは、法律自体では資本の面でもあるいは経営者の関係で人的にもそういう関係になってはならないということが定められておりますので、それをきちんと運用するかどうかという議論が国会で行われたと思います。

 それから、もう一方で、完全に確認検査等が民間任せになった場合に、いろいろな今のようなセーフティーネットといいますか、安全性は大丈夫なのかという御指摘がありましたけれども、その際の論議の中に、特定行政庁は、先ほど大臣からも御紹介しましたように、一般的な建築確認事務についての監督権限は非常に薄いですけれどもあるわけですが、そこを背景に、例えば抜き打ち検査とか、そういったようなことをするのが違反についての抑圧に意味があるんじゃないかというような御議論があったことは事実でございます。

 今回のような重大な事件が発生して、いろいろな事柄、制度の運用も含めて総点検をしておりますので、そういった中で掌握したものは今の御指摘の部分も含めて社会資本整備審議会の検討には全部投入しまして、しっかりした見直しを行いたいと思っております。

佐藤雄平君 繰り返すようですけれども、今局長が、いわゆる検査する者が、検査される方が検査機関をつくること、これはもう十分注意しなきゃいけないと。しかし、今の日本の資本主義、自由主義経済の中ではそういうふうなこと往々にしてあり得るというふうなことで質疑があったんでしょうけれども、現実問題としてはこれはあるわけでしょう。
 
だから、そういうふうなことについて今後どうしていくか。やっぱり、当に公共性を持ちながら、どういうふうに安全、安心の検査を担保できるか。これは本当によく研究して、また法改正か何かしないと、どんどん私は、これもう続いていってしまうんです、これはもう極めて厳しい建設業界の競争があるわけですから。だから、これもやっぱり、その検査を短縮する、それから短縮することが借りていたお金を一日も早く返せるというふうな、金利も安くなるというふうな、いわゆる資本主義の原理からすれば、どうしてもそこが、これも言葉は悪いが癒着という構造になるんで、これは何とか改善していただきたいなと思います。
 
 次に、やっぱりこの民間の検査機構がいわゆる確認検査とそれから中間検査と完了検査をすると、これはやっぱり大変な私は問題が出てくるんであろうと。ですから、その検査機関も、公は五万円だけれども民間では八万三千円でやっている。そして、衆議院の先週の参考人質疑じゃないけれども、やっぱりその施主の方が検査機関の者に威張る、藤田さんに威張っているような態度

どうしてもここが、その三つの機関、三つの検査、この中でどこかやっぱり公的なものが入るとか、できればそれぞれ別々な検査機関に依頼するとか、そのときのその値段の話はあるでしょうけれども、この辺は何か国交省でどこか頭を使って、スルーしたときの値段は一社と同じように、三社に頼んでも、そういうふうなことを工面して、何かきちんとしたことがしていかないとおかしくなっちゃうな。

 私は、これについても、いわゆる平成10年の改正のとき、この一つの会社がして、その確認検査機関が三つのことをやるというふうなことについて異論はなかったのか、そしてまた、私の今の質疑に、質問に対してどのようなこれから対応をしていくか、これについて答弁いただきたいと思います。

政府参考人(山本繁太郎君) 限られた範囲ですけれども、私どもが制度導入時の国会における御審議の経過をチェックした限りでは、今のそれぞれの段階、建築確認、中間検査、完了検査、それぞれについて別々の機関がチェックすべきだという御主張は見当たりませんでした。むしろ御質問の中には、非常に細かいチェックをそれぞれの過程で積み重ねていくので同一機関がやるということ自体は合理的かもしれないけれども、問題は先ほどの話です。その当該チェックする機関が完全に第三者かどうか。検査を受ける者から支配されているというふうなことでない、きちんと独立したものであるということが重要だというような御発言はございました。

 この問題についても私どもも問題意識を持っておりまして、今回の事件を今の時点で反省してみますと、もしこの三つの段階で別の検査機関が、その中に例えば特定行政庁も入って、しかもきちんとした構造図面なり計算書を横で見ながら現場でチェックをしていればあるいは未然に防げたかもしれないということを考えますと、おっしゃったようなことも大事な検討課題だと思いますので、きちんと論議をしていきたいと思っております。

佐藤雄平君 そういうふうなことを踏まえながらも是非進めていっていただきたいと思います。
 さて、今、公的機関の話、局長から出ました。これ繰り返すようになりますけれども、いわゆる検査終了、中間、そういうふうな中で、特定行政庁が不適当と認める場合の通知、これ確認のときと検査業務のとき、二回ありますですね。これ現実問題として、現実問題として特定行政庁が法律が施行されてから今日まで不適格と認めた事例ありますか

政府参考人(山本繁太郎君) 先ほど御紹介しましたように、指定確認機関が確認をしますと、その概要を本来の特定行政庁に報告をいたします。概要報告いたします。報告を受けた特定行政庁が指定確認機関が行った確認が建築基準関係規定に不適合であるという場合には、その旨を自分の配下の建築主と指定確認機関に通知します。これによって指定機関が行った確認は失効するわけでございますけれども、今私どもが掌握している……

佐藤雄平君 端的に、あるかないか。

政府参考人(山本繁太郎君) はい。
 案件では、国土交通大臣が指定した機関が確認したもの三件、地方整備局で指定したもので九件、都道府県が指定した機関について20件の不適合通知の事例を掌握しております。

佐藤雄平君 国が指定した機関の中で指摘したものというのは、例えばどんなものがありますか。

政府参考人(山本繁太郎君) 国土交通大臣が直接しております機関の場合、三件ございますが、例えば、申し上げますと、千葉市で株式会社日本ERIが確認したものでは、建物、建築物の高さに関する規定に違反しているというものでございますもう一つ、東京都で同じく株式会社日本ERIが確認したものでは、東京都安全条例で定める接道が不適合であるということから通知を行っております

佐藤雄平君 私の予想したとおり、耐震についてはないんだよね。
 ただ、これが本当に難しいのは、我々、陳情というのがあって、陳情は町村長さんを県の方へ連れていって国交省に行く。そういうふうな図式の中で、それで自治体は国交省からお世話になっているという気持ち、これは悪くはないんです。それでやっぱり国が指定した機関についてなかなか特定行政庁はいろんなことを私は言えないような状況が多々あると思うんです。

 ですから、この辺もやっぱり地方自治と中央の官庁、あえて申し上げると霞が関はやっぱり同等であるというふうなことを何かどこかで、我々ももちろん努力しなきゃいけないんですけれども、いつでも言えるような、そういうふうな雰囲気は是非つくっていただかなきゃいけないかなと思っております。
 次に移ります。
 
次、いわゆるこれまた行政責任というふうなことの中で、いろいろこれマスメディアの例を取らせてもらって恐縮であります。

 先週のフジテレビ、産経、これのいろんな調査がありました。その中で、参考人質疑をそれぞれ見た方がいろいろボタンを押してだろうと思いますけれども、いわゆる責任の順番、どこが一番責任あるかという中で、一番がヒューザーがあるんですね、建築主26%。それから姉歯、これが23。それから確認検査機構、これが16.2。そして国や自治体が11%。そして、その頻度は別としても、全体の中で行政庁が責任があるかどうかというふうなことを六百人に問うて77%行政庁に責任があると。その中でどういうふうなことが責任だというと、やっぱり監督官庁ということになってしまうんです。

 ですから、そういうふうなことを私は考えると、最高裁判所が地方自治の義務だといいながらも、法律を作っているのは国交省だから、もう当然私は国交省のいわゆる責任というふうなことも考えなきゃいけないのかな。そういうふうなことを思うと、いわゆるこういうことが二度とないようにその法改正も含めたことをお願いしたいと思いますけれども、その中で局長、これはどういうふうなことを、法令をきちっとすれば行政的な責任を果たせると思いますか。

政府参考人(山本繁太郎君) 一言で申し上げまして、その安全性についての担保をする機能がきちんとこの民間指定確認検査機関という制度を前提に的確に機能するかどうかという観点から諸問題を洗い出して抜本的な見直しということに尽きるわけですけれども、その観点から一番根幹となる課題は特定行政庁指定機関との相互の関係でございますので、そこを真ん中に置いて、それ以外のいろいろな運用についても的確に論議をして、御審議いただいて見直していきたいと考えております。

佐藤雄平君 時間も迫ってきました。最後お願いをしておきます。

 やっぱりこれそれぞれ、自民党の皆さんも民主党の皆さんもそれぞれの政党が、安心、安全ということの前提の中で、これは国会でも議論しながら新たな法改正をしなきゃいけないというところが多々あると思います。そういうふうな中で、今度のその耐震偽造の中でやっぱり基本的には検査体制のシステムが一番の問題であったろうと、これはもうお互いに共通の認識だと思うんです。

 そういうふうな中で、私はこれ要望として申し上げておきますけれども、先ほどの、やっぱり一つは、検査体制を、同一の業者じゃなく、三つあるとすれば三つの個別の会社、そして、できればその中に官、いわゆる行政がどこかでこれ入るということ

それからもう一つは、いわゆる検査過程の公開。これは極めて大きな私はその抑止力というか、性悪説からすると。そういうふうなことが考えられると思うんです。そういうふうなことについてきちんと監督官庁としてしていただくことを要望を申し上げて、最後ひとつ局長の御答弁をいただいて質問を終わらせていただきます。

政府参考人(山本繁太郎君) 非常に大事なポイントでございますので、しっかり受け止めて検討してまいりたいと思います。

委員長(羽田雄一郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
 
  休憩
     
   


委員長(羽田雄一郎君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のうち、建築物の構造計算書偽装問題に関する件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。

魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。

 今回の耐震構造計算のこの偽装問題、今大きな社会問題となっておりますし、また国の根幹を揺るがすようなシステム上の大問題に発展してきているなというふうに思います。まずは、住民を中心にした行政による支援策の、支援の方向性が打ち出されたスピーディーな、スピード感を持って対応されたことについて、12月6日の日に当面の対応を出されたわけでありますが、この点につきましては私は評価できるというふうに考えております。

 ただ、個人の資産に対して税金を投入するというのは今まで余りなかったことでありますし、なかったというか、それはもう大原則でやらないという方向でやってきたわけでございますし、また純然たる民民の問題とは言えないとはいいながらも、やはりちょっと今までとは対応違うな。また、自然災害で仮設住宅に入っている方等との対比の中において、スピード感持ってやるのは大事なんでありますけれども、今回のこの当面の対応スキームの考え方あるいは哲学というものを再度確認をしておきたいと思います。よろしくお願いします。

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