2009年12月10〜13日じゅっくりの会in京都 記録     home  

10日 駅から  えいぞうさんの家体験記  えいぞうさん父を語る えいぞう・きみこさん新居を語る

11日  柳原照弘の この1年   工芸繊維大講義 デザインイースト 00 を語る  

12日  渡辺菊眞さんに聞く   鼎談 アガカーン賞の王路 (森田一弥・渡辺菊眞・江崎貴洋)
     松岡聡さんに聞く    
工繊大3年生・浅野翔さんに聞く

    えいぞうきみこさん 「新居を語る
          その01 その02  その03 

 その03

 (工事 進まず

えいぞう:お互いが色々やりあって、なかなか鉄骨、基礎までは行ったんですけど、鉄骨が これ、こういう鉄骨が入っているんですけど。
佐藤:カーブしてるしね
えいぞう:それの検査で ぜんぜんゴーが出なくって
佐藤:鉄骨屋 嫌がりそうだ、木造で作れって言い出しそうだ
えいぞう:最初図面書かなかった、図面書かないでやろうとしているのを、設計事務所が
佐藤:施工図書いてあげるしかないよね
えいぞう:やりとりして、図面書かないで作らしたところが、やっぱりみたいな
佐藤:鉄骨作り直しだったの 潰れたの

えいぞう:でも同じところにやらせて。
佐藤:一度建てはじめたの?製品検査ではじいたのかな
えいぞう:建ててないです、工場検査で駄目が出てて、その間基礎は建ったものの、何ヶ月、2ヶ月ぐらい
きみこ:2ヶ月ぐらい
えいぞう:2ヶ月ぐらい基礎の状態で、おいてあったですよ。そうするとこっちは何が起こっているか分かんないからイライライライラしちゃって。
佐藤:早く作ってくれーやってもんで
えいぞう:
佐藤:わかるよね
きみこ:鉄骨で、ストップしているとか、そういう情報まったく説明されないまま毎日通っても全く同じで何にも

佐藤:2ヶ月放っとかれてたから建築屋に夜逃げされっちゃったか〜とね不安になるな
きみこ:しびれを切らして電話して。どうなってんの!って
佐藤:基礎が出来たら1週間後ぐらいには立ち上がるのが 普通だけからね
きみこ: びしっと言ったら、は、説明するの遅くなって済みませんって感じで
佐藤:櫛形使って 型枠の方が 楽そうだ
えいぞう:これは何でRCじゃないのか、なんでだろう。でもRCだと寒いでしょうこれ。断熱入ります。なんで鉄骨でやりたかったのか?
佐藤:地盤が悪いとか、
えいぞう:悪くないですよ、なんでか、中山君はねRCよりたぶん鉄骨の方が好きなですよ。
佐藤:細かいメカニカルなものが好きなのかな
えいぞう:たぶん好きなんですよ。そういう作り方が
佐藤:オオザッパじゃない のね 

えいぞう:どうなんですようかね、RCでも同じ感じで出来ますかね〜
佐藤:部材 同じ じゃなさそうだし、薄い鉄骨で組むと くにゃくにゃして難しそうだね
きみこ:えらかったね鉄骨屋さん
佐藤:鉄骨屋ぶち切れずによく付き合ってくれたね
えいぞう:満田さんは 何でそこで鉄骨、鉄骨は鉄骨でOKなんだ
佐藤:転倒しそうだからRCだと計算が難しくなるのかな二重壁だしな〜建築家が鉄骨でってことだったんかな

えいぞう:中山君に聞いたら理由があるんでしょうけど、私にはちょっとそれは分からないです

佐藤:2ヶ月しびれ切れちゃって 待ってるのも限度があるぞと、鉄骨が〜
えいぞう:やおら、いきなり鉄骨ばーっとはははは感じが来てすげーぞとこの
佐藤:基礎と鉄骨だけだからユラユラするんだろうな〜
えいぞう:ブワーっと おんなじのが、ぶーわーっと入っている。で朝見に来て、いきなり建ってて
佐藤:あ、いきなり〜
えいぞう:すごい、事になっているな〜って。
佐藤:カーブして並んでいるしね。
えいぞう:嬉しかったですけどねなかなか、また、そっからもまた進みが遅くってふふふ
佐藤:こんだけカーブしてれば遅いでしょう、職人さん普段しつけない仕事だからね
えいぞう:まあそうでしょうね
佐藤:時間掛かるんですよ おめでとうございました

  ( 路上 ですから )

えいぞう:なんとか出来て
佐藤:この家は良いうちだ
えいぞう:そうですか嬉しい
きみこ:うふふふ
えいぞう:路上ですから ここ。
佐藤:完璧!建築的路上ですよ

えいぞう:面白い事にね、カーテン開けるとね本当にね、外に居るような気になるんです。だからね
佐藤:巧いのは 南側向いたときに内部性が強まるし、北側向くと路上性はつよくなるけど、南側のアールで仕舞うところが巧いよね。2枚の壁の連続性が強まっているからね
えいぞう:そうそう。そなんですよね

佐藤:南の突き当たりが円弧になっているので 完璧ですよね丸壁がね
えいぞう:だいたいお客さんを迎える日はね、準備が出来るとあそこ(カーテン)開けるんですよ、そうするとねたぶんお客さんがねアレが開いてると入りやすいと思うんですよ。
佐藤:いきなり 直に入れる感じだもんね
えいぞう:閉じてて入ってくるのと、あそこ開いてて入ってくるのと、だい気分が違うと思うんですよ開いてるとね、こっちもね、ちょっと半ば外な感じになっているから、こっちも不思議に楽なんですよね。お客さんが居る、変にプレッシャー感じないで。不思議なもんでねうまいこと、なってんな〜と思って。 それでね立ち話になるんですよ。何かしんないけど、ふふふ立ち話になる
佐藤:道端で立ち話ってなもんだね
えいぞう:たまたま道路で会った的なね、話になってふふふ
佐藤:そうだよね。
えいぞう:だから不思議なんですよ。座わんないです

佐藤:おれより先に 路上建築やれちゃったよ
えいぞう:ふははははは、そういうちゃんと設計者の意図って そういふうにちゃんと、填っているんだな〜と実現しているんだな〜と。中山君はね、面白い、本当おもしろい人でね。ちょっと左翼なんですねあの人ね。

 (設計者について)

佐藤:インテリなんだ
えいぞう:チャペスガ大好きなんですよ。ベネズエラの大統領チャペスさん大好きなんですよ、ああいう愛嬌のあるね、左翼が。それでね、講演でね、何かで話している、緑色の服を着て着て。チャペスの影響ですとか言ってふふふふ
佐藤:ゲバラじゃないんだね
えいぞう:ふふふ
佐藤:みんな、ポカーンとするでしょうね

えいぞう:ぽかーんとしちゃう、
佐藤:キャベツの新種ですか?ってね

えいぞう:
要はね土地の私有みたいな事に関してね、とかね。そういうことを考えてて。それで、なんか土地を買ってそこに、家を建てるってことについて考えてます彼は。ほいで、それどういう事なの?って。

その前には、前の処女作は、2004って言うんですけど。長野に建ってますけど。それはね昔の農地のね住宅区に開発された所で、元々はクローバーのば〜っと広がっていた土地に家が建っているんですけど。彼は何か、その土地をそのまま残したいと思ったらしくって。

佐藤:隣の土地に確信犯で建てたとか?
えいぞう:建物を1mぐらい浮いているんですよ、あと硝子張りなですよ、足下は、それであとクローバーがばーあって生えている。
佐藤:中山さんの事も何も知らないんで、外壁の裾 足下が開いているわけね
えいぞう:そうそう

佐藤:
クローバーの上の床敷いているような感じなのね
えいぞう:そう そう。そういうのを作っていて。それは土地を残すって意味でやってる。

うちの前の(計画案)、柱が建っているやつも。実は一階は何も無いんです。ピロティーというか。 一階何も無いんだけど、でも土地が、丁度土地が使えないように真ん中にドデカイ柱が建っているから、何も使えない土地が残ってるんです。駅のプラットフォームみたいに。

佐藤:猫とか犬とか暮らせそうだ
えいぞう:そうそう、そういう誰のものでもない土地みたいな。事を考えて、ちょっとは自分は考えてるのかな〜みたいなことを言ってて。それでこれはあるレクチャーで聞いたところでは、これ(えいぞうさんの家)はそういう空間がとうとう家の中に入って来たじゃないかと。思うって話をしてましたですね。ここがまさにそういう空間です。

佐藤:完璧ですね、屋根の形とかはね 条例があるから適合させているだけでね、建築の形式としては えいぞうさんの 言葉そのまま形に ですよね

えいぞう:
皮肉というか、そういう条例に従っている建物っていうのが この母屋なんですよね。この母屋にはまったく家としての、機能が無くって。家としての機能はこっちに(母屋と敷地境界の間に)付いている。、そういう皮肉みたいな、皮肉じゃないんだけど。そういうこともちょっっと意図している。
佐藤:エスプリかな。面白いな〜
えいぞう:面白いデスよ、本当に。絶対話合うと思うんだよ、佐藤さん

佐藤:建築の理想は路上の俺 先越されたから弟子になるわ
きみこ:
えいぞう:そんなこと言われると嬉しいようなだから佐藤さんにまず来て寝てもらってふふふふふふ
佐藤:完璧ですね、俺が日頃言っているのそのまま出来ているから。建築の所有概念っていうのを疑って 時間の中で 考えろってのが あるじゃないですか
えいぞう:あー

佐藤:言っていることとやっていることの齟齬が無いよね。達者だよね

えいぞう:そう そう
佐藤:それを整えて生活する 現在の2009年12月の生活の仕方に落とし込み方が うまいよね
えいぞう:そう、うまいんですよ本当に。設計の能力もあるしセンスもいい
佐藤:ね〜え、そのうち大きな仕事いっぱいやりそうだね
えいぞう:やって欲しいですね〜この人には

佐藤:この家はなんだかんだ言っても路上だ、路上にお風呂もあるしね〜 なんだこれは俺の家じゃないか!俺の家が京都に出来てたよ!
えいぞう:ははははは、そうですよ佐藤さんの家ですよ ふほほふほふぉふぉ

佐藤:ここに今テーブル置いて話している溜まり。溜がかっこいいと。入って直ぐ思った、ああこれは巧いな〜と。東西、両サイドの抜けかたも 逃がし方も巧いよね。ゆるく平面形式を曲げたことによって多くの豊かさを手に入れてるし
えいぞう:そうなんですよね〜色々楽しめる場所もあるし

佐藤:すごく単純なね、建築の形式の操作なんだけどね。褒めすぎですね、どっか悪いところ 言いましょ
えいぞう:うははははは、言ってください

佐藤:おれが気に入らなかったのは 風呂の段差だけですね、あと 直は冷たいので床暖は惜しかったね。
えいぞう:段いらないと
佐藤:要らない もっと 勾配を道路側に強くすればいいだけだ、流しの排水溝とか完璧ですよね


  (大御所 登場)

えいぞう:
そこらへんよく分からない。二川幸雄さんが言ったのはね、この照明がなってねーからふふっふふふ

佐藤:照明って2階の床下についてる蛍光灯ね
えいぞう:あれがなってねーって、こんなもん格好いいと思うなよみたいな言い方してたですよふふふふ中山に言っておけみたな感じで

佐藤:確かに、路上だから 外灯がいのかな
えいぞう:こういうのがいいんじゃないんだぞ〜ちゃんとやれみたいな、言っていた

佐藤:本棚で見つけて開いて見ましたが さすがに二川産のデフォルメ効かし切った写真は いいね
えいぞう:よかったですね〜本当に
佐藤:大御所出てきちゃったよみたいな
えいぞう:大御所が来て撮ってくれて
佐藤:この建築理解してキチンと写真を撮っていくってのはね。普通の人は建築の読み方を分からないだろうから ぼやり撮るだろうな

えうぞう:二川さんは外から見て分かったって帰っていった。二川さんはね建ち方がいいって言ってたらしいですけど。
佐藤:建築の形式を立ち上げて その場に良く構えるってのは難しですからね、そうとういい才能の持ち主だな〜

えいぞう:
いや本当にね、みんなもっともっと褒めてほしいですけどねふふふふ 本当に

   44:28



 えいぞう・きみこさん 新居を語る
 読んでいただきありがとうございました 続きは 2014年です お待ち下さい

 文字起こし・文責: 佐藤敏宏