仙台 ことば悦覧 2008年12月02日 home 鈴木茜 さん ことば悦覧 01 02 03 03 佐藤:ということはですよ、鈴木さんの卒業設計も言葉で他者に説明しないと解らないんじゃないんですか? 鈴木:うん、それはありますけども、あそこまで解りにくいというか。抽象的じゃないですから、言葉が出て来るのは重要だと思いますけどもね。 佐藤:そうだね、だから専門家同士だと図面などかいて模型を作ったりすれば、あるていど建物は出来上がるんだけども、普通の人と必ずコミュニケーションしなければ建物って出来上がらないじゃないですか。 鈴木:うん うんううんうん 佐藤:模型の作り方を教えるわけにもいかないし、建築の成り立ちから説明するわけにもいかないし、相手に自分の考えている建築的な 概念みたいなものを解ってもらえない限り、実建築などのゴーサインが出ないよ 鈴木:そうですね 佐藤:そういう訓練というのは、大学の時はあまりしないんですか? 鈴木:プレゼンはしますけどね 佐藤:学校では専門家に向かってするわけだね 鈴木:そうですよね〜、そうか〜、うん。 佐藤:その時に石上さんに聞かなかったの?これなに何の?葉っぱばっかり描いているんだけど 鈴木:ふふふふふふ 佐藤:吉阪さんの建築の内部をがらんどうにして石上さんの1/1の模型を外においてという話もされていたじゃないですか 鈴木:うん 佐藤;そういう状況の中では 質問出来ないものですか? 鈴木:その場でですか? 佐藤:そうです、五月蠅いと思われるのがいやかな 鈴木:その場の雰囲気はぴりぴりしてて 佐藤:それどころじゃない、作業を全て終わらさなければならないと 鈴木:そうですも〜 佐藤:作業終わった後 呑み会も無しですか 鈴木:ああしましたけど 佐藤:馬鹿話になってしまって、建築の難しい話は無しと 鈴木:その時は一般のお客さんが多いので (ヴェネチア派遣隊 集合写真 後列右より 江野慎吾さん・植松久達さん 前列右より 鈴木茜さん 石上純也さん 市川紘司さん 五十嵐太郎先生) 佐藤:なんでだろう?というはてなマークが こないだの1時間半のレクチャーの中でだいぶ解消したっていうことですよね。石上本の作り方も、こないだ買われました?。 鈴木:はい 佐藤:本のつくりかたもプロジェクトごとに区切りが無くつながっているような仕立てになっている、絵と図面とテキストはほぼ等価に並べられている。写真をどーんと使って見栄を切るみたいな編集の方法もあるわけだけど。そううのもほとんど無しだと境も曖昧だと。建築に対する姿勢と同じでしたね、珍しいですよね 鈴木:珍しいですよね 佐藤:一貫している 例外的な人ですね 鈴木:う〜ん 佐藤:テーブル作るのも建築作るのも本を作るのも 鈴木:確かに 佐藤:すべて一貫している、姿勢の違いがないよね 鈴木:(石上さんは姿勢のぶれが)無いです。(学生達には)そもそも作品の一貫性も 無いですよね。基本的に 佐藤:ふふふふふ 学生の時などは特にそうだよね、 鈴木:そうですね 佐藤:迷いに迷いまくって 鈴木さんにとっては説明されないと解らないという。建築は説明を附加されないと解らないものだということに気が付いたと。説明されたら解っちゃったんだもんね。 鈴木:そうです。あと結構頭堅かったな〜と思います。 佐藤:どういうこと 鈴木:なんか建築は建築らしくあれみたいなふうに思ってた自分が居たんで。 佐藤:カタチっていうこと 鈴木:カタチっていうか、う〜んその〜石上さんていうの、アーテストなのかな〜とか思っていたですよ。でも何かもはやそういうことでは別に問題じゃないというか。彼の目指している事を聞いたら 佐藤:日常の中で素直に行為しているね 鈴木:うん 佐藤:とんでもない人に出会ってしまいましたね 鈴木:そうです 佐藤:運がわるいのかもしれない ふふふふふふ どっちだか判らないな俺には 鈴木:いや衝撃的です 佐藤:もうちょっと凡庸な人でね 建築をごく普通に学んでいればそのように出来る人だったらよかったかも、なかなか居ない人だから 鈴木:見てる方としては 佐藤:僕の感想ですか、言葉の跳躍力が大きいので、詩人のように飛ぶから、判りにくいい点も内包している。その魅力が日本の中ではどのように扱われるのだろうか?期待と疑問と両方沸き上がるのでいいですね。そこもまた魅力的ですよね 鈴木:いや本当に 佐藤:社会が閉塞的な感じがするじゃないですか 今って 鈴木:うんうん 佐藤:世代間の断絶があったりもして、煮詰まって何も出来ないかのように吹聴されている面が多いんだけど。デリケートな感性を持ってすれば世界を作りかえる事が可能ではないか?と思わせるじゃないですか 鈴木:うんうんうん 佐藤:政治家なら言葉の腕力にて環境だ共生だという大ざっぱな話が多いじゃないですか 鈴木:確かに 佐藤:えそんな 微妙な処から世界が変わっちゃうんだ〜そういう可能性を見せている 鈴木:うんうん 佐藤:でもまだ1/1の模型だから実建築ではないから、その当たりがどうなのかな〜疑問は残るけど 鈴木:そうですねこれからまたどうなっていくのか? 佐藤:奨励賞をとって石上さんに会って建築と言葉の関係とか、説明の力とか、詩人的体質とか 作りやすい建築から離れなければいけない事を知ってしまい エライ重石にを背負ったと思うんですけど 鈴木:ふふふふふふ 佐藤:5年後の茜さんに向かって今言って置くことをちょっと話してください。 鈴木:5年後か〜 佐藤:5年後また会うんだからさ〜 鈴木:そうですよね。5年後はう〜ん しっかり就職しているといいな〜 佐藤:建築家になるんじゃなくってどこかに就職するんだ 鈴木:まあ未定ですけど、あとは早く結婚したいです 佐藤:結婚することと就職することと建築を実践することは別々でもいいんじゃないの 鈴木:別じゃないんです、私にとっては全てをひっくるめて人生なんで 佐藤:あ、そうか!憧れの彼の写真を貼り眺めながら作業をしていた 鈴木:そうです 佐藤:結婚しちゃえばいいじゃない 鈴木:そうです 佐藤:そうして一緒にやればいいんじゃないの 鈴木:あ〜 あ〜。まあ分かんないですけど。5年後も楽しみに 佐藤:5年後は結婚してて、建築を実践して 鈴木:そうですね建築は続けていることが重要です 佐藤:そうですね 建築をやめてもインタビュー受けてもらいたいんだけど、そうですか。予定時間になったので今日はありがとうございました 鈴木:ありがとうございました 佐藤:言葉を起こしますので 鈴木:はい 佐藤:図など貼り付けてほしいものはメールで送ってください 鈴木:卒業設計とかですか 佐藤:これは一発で起こしますけども、補足説明したいところがあるじゃないですか、文責は佐藤敏宏なので、茜さんが自分で責任もって伝えたい事があれば、テキストを書いて送ってください。この記録の頭に貼りつけますので 鈴木:わかりました。 佐藤:聞かれて しゃべると 話したことと違う位相に出掛け入ってしまうので、その点を補足したり修正するのためにテキストを書いていただいて 送っていただいてもいいですからね、今日はありがとうございました 鈴木:ありがとうございました 08年鈴木茜さんことば閲覧は以上です読んでいただきありがとうございました 文責:佐藤敏宏 2013年に続く |