仙台 ことば悦覧 2008年12月02日 home 鈴木茜 さん ことば悦覧 01 02 03 02 鈴木:「理系の中で何か選ぼう」という言ったときに割と文系寄りなのが建築だとは思うんですよ、数学とか物理とか全然 出来なくて 佐藤:ああそうか そうか 理系の中でも文系寄りで 鈴木:そうですね 佐藤:それで建築なら入れそうだと、東北大学って最初は土木と建築が一緒じゃないの 鈴木:一緒ですね。 佐藤:成績悪いと建築に来れないんじゃないの 鈴木:そうです 佐藤:けっこう勉強したんだ 鈴木:う〜ん 佐藤:2年生までは 鈴木:まあ、まあ 佐藤:ふふふふ 鈴木:それなりに 佐藤:それでは 建築家の存在を意識しというのはいつ頃でしたんですか? 鈴木:何時ですかね〜建築家の存在か〜 佐藤:建築家って言葉知ってました? 鈴木:いや〜 う〜ん 建築家という言葉ぐらい 佐藤:安藤忠雄さんは知っていたかな 鈴木:それぐらいですね、でも本当に、妹島さんとかも知らなかったと思います 佐藤:ああそうか、磯崎さんなんかもちろん知らない 鈴木:おそらく 佐藤:黒川紀彰さんは知っていたんじゃないかな 鈴木:3年生ぐらいになった時には結構 知ってました。1,2年の内はよく分かんなかったと思います 佐藤:大学に入っての話ね 鈴木:そうです。 佐藤:そうですか。それで1年2年3年と勉強なさって、。卒業設計で何か優秀な成績を修めて、トンチクに書いてあったけど 鈴木:はい 佐藤:そこまではどのようにして辿り着いたんですか? 鈴木:辿り着いた、う〜ん 佐藤:何もも知らなかった同然なのに優秀な卒業設計できちゃうなんて不思議じゃないですか 鈴木:う〜まあでも設計、そうですね〜 あんまりそうだな〜どうんなんだろう。あんまり勉強はそんなに好きじゃない。好きなのかな、いや好きじゃない。私設計は好きだったんですよね。 佐藤:絵を描いたり、模型を作ったり 鈴木:うん 佐藤:その卒業設計というのはどいうものだったのか分かりませんので、何をテーマに作られたんですか? 鈴木:テーマは横町なんですけど。横町の再開発みたいなもの、敷地は吉祥寺のハーモニカ横町ってご存じですか 佐藤:吉祥寺は分からないけど 新宿のゴールデン街なら体験ある 鈴木:駅前に在るけっこう良い感じの横町なんですけど。それが古いんで、建て替えるというものなんですけどね。 佐藤:密集した飲屋街みたいなものをね 鈴木:そうです飲み屋さん 佐藤:福島だったら仲店といわれるような場所、路地があってね 鈴木:そうです 佐藤:間口 2間ほとの店がダダダーって並んでいるね、そういうものをどのように変えたんですか? 鈴木:それをまあ、積層させるというか。話すと難しいんですけどね。 佐藤:今何もないので、後で図などで、もらって 鈴木:はい 佐藤:難しいところまで辿り着いちゃったんでしょう、4年間で 鈴木:そうです 佐藤:たった4年間で 鈴木:う〜ん。偶然みたいなものですけどね。 佐藤:どういう事でしょうか? 鈴木:う〜ん 佐藤:吉祥寺と仙台関係ないじゃないですか 鈴木:そうですね。それも偶然ですよ、妹が吉祥寺に住んでて。それで夏にオープンデスクで東京の事務所に行っていた時に。2週間ぐらい吉祥寺に住んでいて。その時に、好い敷地を発見したというか。 佐藤:学部の時に卒業設計をキチンとまとめて良い成績を、優秀賞をとろうみたいなふうに思っうものなんですか?それが目標なのかな、最終的な 鈴木:そうですね〜 そうですよね〜 佐藤:いや、それは分からないので聞いております 鈴木:ふふふぃふぃふふふ 佐藤:学生だから難しい建築概念だけ書いてある建築書だけ読み暮らすこともあるだろうし、そっちの世界に行く人もいそうな気もするだよね 最終的に卒業設計として 生活の色んな事象がつながっていて学んだ事をそこにまとめている 鈴木:う〜んう〜ん。 佐藤:図面とか模型にして皆のまえで発表して評価を受けると、いうのは何だろうな〜大多数の学生さんはそういうことを考えているんですか?バラバラで良いような気がするんですけど、学問の自由を保証するってぐらいですから 鈴木:いやまあ〜、そうですね、割と 最近思うのは関東とかの学生はそういうとこは多いと思うんですけど、東北大の学生はどうかな〜とは思いますけど。 佐藤:なんで東北大と関東圏の学生さんで関心の持ち方が分かれるんですか? 鈴木:う〜ん。東北大だと競合する大学がないわけですね。東北大は東北では一番だし。特に 佐藤:ああそのように学校毎に階層がキチンと分かれているんだ 鈴木:分かれている。例えばそう、東京だと大学がわーっと在るじゃないですか。それで関わる機会も多いだろうし 佐藤:それは嘘だよ、インタビューして歩いて感じだけど 学校毎に分かれていて相互の繋がりはほとんど無いですよ、暮らしぶりを見てても 鈴木:でも何か どこどこ大の人の設計を手伝に行ったとか。よく聞きます 佐藤:それは例外的な人間の話じゃないかな、大学を横断して学生時代から勉強や経験を積むなんて無いよ。そんなことは許されないじゃないの・境界が堅い 鈴木:そうなんですかね〜よく分からないですけど 佐藤:日本の教育制度にも関わるので難しい話はやめて、東北大も同じ様な状況じゃないかな 鈴木:まあそうですよね、自分次第ではあるんですけど 佐藤:ふふふふふ、それにそんな横断的に勉強して歩く余裕ないでしょうに、自分の学校で勉強するだけで精一杯なんじゃないのですか、よほど例外的な人間だったら飛び歩いて、色んな最先端の事務所を渡り歩いてインターシップのような体験も同時に積むいかもしれないんだけど。極一般には関東圏でもそれは無いような気がしますが 鈴木:でまあ比較対象が無いというかありますよね、展覧会があっても見に行ったりは出来ないし、他の学校で何しているとかっていう情報はもちろん無いし。でもそれは良くも悪くもあるというか。まあ何て言うか、う〜ん自分だけの事を考えるには、良いかもしれない。他人と比べて自分がどうっていうふうに考えて何かすると、打算的なりがちというか。という意味では東北大なりの良い処っていうのはあると思うですけどね。 佐藤:なるほどね。廻りの人と比較しながら自分はどんな処に居るのだろう?というのが気になる方なんだね じゃ〜。そういう話を聞くと。 鈴木:若干、そうですよね。 佐藤:それは個人差があるから言えない、みんながそうだとは思わないんだけど。 鈴木:まあ気になると言えば、気になるし。気にしないようにしてる面もあるんでしょうね 佐藤:卒業設計の話にもう一度戻りますけども、その横町街を縦に積んで、どのような点がを評価されたんですか? 鈴木:う〜ん。どういうところ。 佐藤:自分が他者から評価された処が分かってないの? 鈴木:う〜ん 運みたいなものだった 佐藤:運!ほんと、カタチが綺麗だとか 鈴木:カタチは私的には好きです。ケーキみたいなの 佐藤:ああ美味しそう!なんだ 鈴木:美味しそうです 佐藤:へーえ〜それはいいね、それ見てみたね〜、見た感じ厳ついとかじゃなくって、美味そうな感じになってしまうわけね 鈴木:美味そう、まあ。自分からみるとあれですよね、自分の設計なんて子供みたいなもんですから、可愛いく見えちゃいますよね。 佐藤:そうか、二度と見るのも嫌だと言う人も居るんじゃないかな、自分が出過ぎて 鈴木;ああ〜まそうです。二度と見るのも嫌な設計もありますね 佐藤:ふはあははは、やっぱりある 鈴木:そんなやつは捨ててやりますけど 佐藤:どういうふうに評価されたということはまだ、はっきり自分の中でも消化されてないけども、運がよくって選ばれちゃったという自覚 鈴木:う〜ん 佐藤:そういう状態であれば、そのことが重荷に成らないのですか 鈴木:重荷ですね 佐藤:修士の時にまた設計をするわけですよね 鈴木:うん 佐藤;廻りが見ているんじゃないかと雑念が渦巻き 先行してしまい手が動かなく成り固まってしまうとか ふふふうふう そうじゃないと 鈴木:う〜ん、あると思います実際。 佐藤:青葉賞ってやつですか 鈴木:私達の時代は青葉賞はでなくって、青葉奨励賞が二つ出だだけです 佐藤:鈴木さんともう一人の方と 鈴木:はい 佐藤:何人いるか知らないけど 100人ぐらい居るんですか 鈴木:いや全然いない。卒業設計をしたのは十数人。 佐藤:そのなかで一等賞 鈴木:まあ 佐藤:お父さんに報告しました〜? 鈴木:お父さんは泣いて喜んでます 佐藤:素晴らしい! これで良いから建築やめなさいって言ったんじゃないの 鈴木:お父さんは建築を続けて欲しいみたいですよ。 佐藤:ああそうなんだ。 鈴木:うん 佐藤:お父さんに感動を与えて泣かれちゃった!いいい娘だね。 鈴木:お父さん娘大好きなんで 佐藤:建築好きじゃなくって、娘さんの製品が、作品が評価されて、佳かったと。 鈴木:そこまで考えているというより、。娘が好きな事をやって評価してもらえたんなら嬉しいみたいな感じです。 佐藤:4年生の時ですか よかったね 鈴木:はい 佐藤:石上純也さんのお手伝いでヴェネチアに行かれてたのはどうして、どういう切っ掛けで? 鈴木:それあは五十嵐研から何人か行くっていうことになってたんです。かなり前から。それで行きたいですっていうふうに 佐藤:どうしてまた。 鈴木:だってヴェネチアですよ 佐藤:うははあははは 鈴木:行きたいですよね 佐藤:ヴェネチアに行ってみたいと 鈴木:そうです 佐藤:2週間前の石上さんの講義を聴いたんですけど、あの作業量じゃ観光してる間は無かったんじゃないですか?朝から晩まで白い壁に向かってひたすら鉛筆で樹木などを書くと 鈴木:そうです、でもヴェネチアに行く前にもうちょっと早くヨーロッパ入りして。 佐藤:ああそうか、観光した後で地獄の何週間を、3週間ぐらい作業していたんですか 鈴木:そんなに、ヴェネチアに居たのは10日ぐらいです。 佐藤:10日ぐらいで あの壁一面書き上げたんですか! 鈴木:私が来たときはだいぶ出来てました 佐藤:あ そうなの 鈴木:はい 佐藤:他の連中が済ましていたんだ 鈴木:そうですね、でも出来ているように見えて、まだまだやることがあったっていう。 佐藤:石上純也さんに憧れて行ったのかと思ったら。結構不純もあって観光も兼ねていたと ふふふふふ 鈴木:ふふふふ 佐藤:まずは そちらを最優先して済ましてからと 鈴木:やるべき事としては ヴェネチアで作業をするっていうのが目標でした。 佐藤:石上さんのお話しと 鈴木さんが実際に体験したズレっていうのは無かったですか?・ 鈴木:ズレはやっぱりあります 佐藤:例えばどんな処ですか 鈴木:う〜ん、ずれっていうか、まあ。私的には何でだろう?と思っていた事はだいいたいこないだのレクチャーでは判ったんで。今となっては 佐藤:何でだろうという一番大きな何でだろうは何でしたの? 鈴木:つまりドローイングみたいなのはタダの絵でしかないのかな〜と。建築って別に絵じゃないじゃないですか。そういう絵なのか?と思ってたのが石上さんいわく絵ではないと。でもその中、なんだったかな。リアルなものと抽象のバランスをとっていみたいな。お話しされてたじゃないですか 佐藤:そうですね。 鈴木:それで、あ〜絵ではないし 建築でもないけどその微妙なラインに居ることで、何か今までだれも見たことがなかったようなものが出来てくるんじゃないかみたいなふうに思った時に、なるほどな〜と思って。 佐藤:今までにはいない建築の概念を作りだしているとは思うけども。庭に出来たのは一分の一の模型だといっていたじゃないですか 鈴木:うんうん 佐藤:あれは実建築ではないように微妙にズラされていた。建築とランドスケープの境界を溶融して建築の可能性を拡張するための模型的建築でもあると。お手伝いして、その時はレクチャー無し、気が付く間がなかったと 鈴木:気が付かなかったというか、私の中ではてな?が一杯飛んで 佐藤:植物、蔦をガラスに貼り付けたりして なにしとんじゃ〜この人は?と、ということはスケッチだとかそれから模型だとか 石上さんの本とか在るけれども、言葉を介して説明されなければ、傍に居ても判らないんだと、いうことが解ったと 鈴木:解らなかったですね〜 03へ |