ことば悦覧 in 東京 2010(4/3〜4) 春版 記録集 home ベラ・ジュンさん 伊庭野大輔さん 平塚桂さん 藤井亮介さん 佐藤敏宏 ベラ・ジュンさんに聞く (2010/04/03 pm13〜16) その 01 02 03 04 05 06 07 08 その06 父と子で感覚共有 ベラ:説明し合う必要がない 佐藤:作品、造形・その内容は親子なんで言葉無しで会話ができるんだと。他者が存在してるし 入ってくるとどうなの ベラ:大変ですね〜 佐藤:どうしているんですかっていう話になるわけだよね ベラ:そうですね 佐藤:とりあえずは造形感覚の源流はここだと確かめたと ベラ:というのを分かって、それで4年生になって。南米から戻って4年生が始まるわけなんですけど。 ディプロマのテーマとしてはその感覚をいかに建築化する前に、何か解読して図式化して、何ていうんですかね。 他人でもそれが利用できるツールまでもってけたら良いななんて思って。なんか(自分の造形感覚を)分解作業を始めたんですね。 でもまあちょっとテーマが大きすぎて。自分の中では着地点は完全にあるんですけど。組み立て方が難しくって。作り方ですね。結局どうにも表現、説明しきれない部分もあって。色んな所から引っ張って。 佐藤:一年間では無理なので、やっけ仕事になったと ベラ:やっつけ仕事になって、一応 なにやら、何か変な事をやっているぞみたいな。雰囲気のものになったんですけど。結局プロセスを作ったとしても最後建築化してそれで表現しなければいけないということで。色々細かく分散して作ろうと思ったんですけど。 割と方針がなんかおっきいものを作って、図面一杯書かなきゃいけないっていのがあって。じゃーおっきいのに全部詰め込んでふふふ、それがまとめるのが凄い大変で。一個の建築に全て 佐藤:なるほど詰め込み過ぎたと ベラ:それでまあ不完全燃焼で終わったんですけど。 佐藤:自分の着地点は判って、大学が求める質も分かってて、ただその質に一個では詰め込み切れないという、自分の未熟さも分かったと ベラ:そうですね。分かって 佐藤:よかったんじゃない ベラ:そうですね、わりと。評価してくれる人も居れば、何言っているの??って 佐藤:本人が表現の方法を分からないんだから 伝わり難いよね ベラ:そういうのもあって 佐藤:訳解らんと言われる方が多いのは正常だよね、自分のなかで整理されてないんだもな、評価しちゃうほうがおかしいぐらいだ ベラ:そう思います自分もなんだか訳からない なんか力は籠もっているんだけど 佐藤:ふふふふ ベラ:何言っているんだか?分からないみたいなことになって。それはそれでやっていた。とは言っても同学年の間では、それなりの評価ッていうか、そのデプロマの評価は定着してて学内では。なんとなくですね、本当に分かってくれているのかどうか、分からないですけど。 卒業 そく 独立系建築家として 活動 佐藤:自分が評価出来る質に到達したいことを、伝えることは出来なかったことが明快になって、 ベラ:それで終わって。 佐藤:造形感覚の源流にも辿り着いたし。それを一応建築ふうにまとめたしと。修士には行かなかった ベラ:大学にこれ以上いても2年遊んでいたんで、もう年齢的には修士終わっている年齢なんで。あとはとにかく実現化したかったんですね。 佐藤:実際に建築を作りたいということですか ベラ:作りたくってしょうがなかったんで。模型だけ作っていては満足出来ない。とにかく早く作りたくってしょうがない。 佐藤:一応 めでたく卒業ししましたと ベラ:デプロマに集中していたんで、就活なんか一切考えてないし。何もしてないんで、春休みになって何しようかな〜と思って。動き始めて。面白そうだな〜と思っていたのはスペインの建築の流れに興味があって。スペインかポルトガルにちょっと仕事を探しに行こうかなと思っていた 佐藤:日本で探さずにスペインで仕事をしようとね ベラ:ちょっとそっちの方が良いかナーと思っていた矢先。同期の友達が 佐藤:マッチョ体の一緒に建築を見て歩いた友達ですか ベラ:じゃない。別の友達が、ちょうど家を建て替える話にがあって 佐藤:友達は建築学科出ているんじゃないの ベラ:出ているんですけど。やる気がなくって。自分でやるよりベラに 佐藤:やらそうと!一目置かれていたんだね ベラ:そうですね、そういう 佐藤:建築科の友達に外注される、依頼されちゃったわけねふふふふふ賢い同級生だ いきなり独立し仕事だね ベラ:そうですね、で基本的にその友達も僕がベクターワークスとかいわゆるキャドソフトまったく使えなかった。イラストレーターとフォトショップとか、ほとんどお絵かきみたいなの作っちゃって。キャド寸法線もふったことないし。通り芯なんてことも知らないし何も知らないんですけど。 佐藤:イラストレーターで図面を描いて ベラ:設計お願い!って頼まれて。じゃせっかく受けたからこれはちょっとやろうと思って。でそれをやり始めた。 佐藤:神奈川大学卒業すると同時に建築家として独立してっていうことだな ベラ:まあ、そうですね 佐藤:ね ベラ:4月ぐらいにはもう図面書き始めていた 佐藤:凄い人が出現しました (学生時代から独立して建築家してる人に出会ったことがないいるかもしれない) ベラ:で場所も何もないので、そのまま研究室に 佐藤:卒業したにもかかわらず!研究室を間借りしながら独立建築家になっちゃったと ベラ:そうですね。 でまあ何も分からないので非常勤の先生つかまえて、納まり聞いたりとか。 佐藤:ぶふふふふふふ、仕事は受けたが どうやって図面描いたらいいか分からない、泥縄独立だふふふ作りたいことは明確に分かっていると、作りたい建築は分かっているけど施工技術者に伝える作図法など伝達方法を知らなかったと ベラ:そうですね、図面化することもまったく分からない。でそもそも法律も分からないし申請も分からない。 佐藤:イラストレーターとフォトショップで図面は描いちゃったんでしょう ベラ:そうです。 佐藤:できちゃうよ、建てたい建築はこれだよこれと説明はできる 図面書ける人に下請けさせる方法もあるが ベラ:まだ全然出来てないんですよ、とりあえず色々やるんですけど。全然 勝手が違うじゃないですか。いきなり実物ってなるとあらゆる規制がいきなり入ってきて。扱う情報量が一杯 佐藤:凄い増えるね ベラ:いきなりもの凄い量で。半年経っても全然進まない 佐藤:ふふふふふ、それはそうだろうな〜 ベラ:とりあえずカタログ発注の仕方も分からないし。業者とのコミュニケーションの仕方も分からない。 佐藤:建築を作るための基本的な知識が何も分からないけど、作るぞ!建築だけは分かっていると ベラ:資格もちろんないし 佐藤:当時は住宅は資格いらなかったんじゃないかな、資格問題は施工業者が責任もってくれるので問題派生しないでしょう ベラ:設計契約の仕方も分からないし当然の如く口約束一本でとりあえず全部 佐藤:振り返ると 滅茶苦茶なわけだけど 進めたと、 ベラ:ぜんぶそれに注ぎ込むんですけど。10ヶ月ぐらい掛けて、冬の手前ぐらいようやく出来て来たんですね。形が出来てきて。予算も取って。合わせて調整して。 佐藤:半年でそこまでいったんだ! どのぐらいの大きさの住宅だったの ベラ:30坪 ぐらいの住宅 佐藤:最初にしては大きいね ベラ:ですね。 佐藤:木造建築ですか ベラ:RC 佐藤:RCだと 木造より楽かもしれないな ベラ:そうなんですよ それが唯一の救いだったんですけど。でひたすらそれを。ようやく予算が合った。 佐藤:予算が合ったぞと。 ベラ:予算も滅茶苦茶 佐藤:オーバーしたと ベラ:オーバーしちゃって。最初2千万ぐらいオーバーして。4千万ぐらいだったんですけど。予算が3千5百万だったのかな。6千万ぐらいの見積もりが出て、で好き放題やったからふふふふ 佐藤:はははははは ベラ:見積もり出てきたらどーんっていう感じだったんですよ。ぜーんぶ剥がしていって。こうしてああしてって。ひたすら続けて。 佐藤:躯体だけしか残らないと ベラ:残らないみたいな感じ 最後なって。断熱も取ろうみたいな 佐藤:ははははは みんな引っぱがしてしまって、設備も電気も照明もなくなってしまうよ ベラ:電気は配線だけ出して貰えればあとは適当に付けるようとか話になって、友達も付いて来てくれて 佐藤:一緒に建築学んだ友達だしな 理解出来るよね ベラ:そうですね。でも結局段々予算が減って来るんですよね。最初4千万だったのが3500万になって。で最後ちょっと蓋開けたら、どうしても融資が、ローンが組めないっていうのが判明して!組めませんって話が来て。 佐藤:お金がないんじゃ施行が出来ないと ベラ:出来ないんですね。着工の直前ぐらいに言われて。 佐藤:ローン組めなかったよゴメンと ふふふふふ ベラ:ええ!!本当、一日ぐらいヒックリ返ってたんですね。 (住宅から 集合住宅へ 変更) 佐藤:1年間 集中し時間と力を注ぎ込んで作業したのに ローン組めないと言われればねふふふふお金が出てこないと大ピンチだね ベラ:大ピンチですね。でどうしようとなって。向こうの親が本当によくしてくれたんですけど、そこに子供僕の同級生が住む予定だったんですけど。住まずにアパートへと。アパート形式だったらローンが下りるっていう。家賃を踏まえて考えればローンが下りますみたいな話になって。アパートだったら。 佐藤:住宅はやめて賃貸住宅に変更してしまう、急に変える、改修工事が始まってしまうわけだ。 ベラ:でアパートになって、しかも予算も変更。全部土地を担保にっていうことで。基本的にそこからは完全に集合住宅の論理で作んなきゃいけない。そうすると土地を担保に家賃が幾らだからと、そうするとだいたい15年償却で 佐藤:最初は住宅の実践勉強したけど、今度は集合住宅の勉強になったと ベラ:突然ふふふ 佐藤:自分で設計したものを 改修のような塩梅で ベラ:で基本は真っ新で、予算も。コンクリートだと全く予算が合わないということになって、ジャ木造じゃないと予算が合わないんじゃないかと。急に木造の勉強が始まって。もうそろそろ1年経つんで。だんだん大学の先生もそろそろいい加減にしろ!みたいな空気にだんだん研究室もなってきてふふふふ。 佐藤:ふふう煙たがられちゃうわけだね ベラ:とういう空気が段々出て来るわけですね。調子に乗って学生とかもこき使っていた。世代が代わるしちょっと居心地悪くなるな〜って。ちょっと何処かの事務所にお世話になって、自分の仕事やりながら、どっか 佐藤:設計事務所の一部を間借りするような感じかな ベラ:みたいな話になるわけですね、で大学の先輩の所に行くわけですね。で資格の問題も色々あって。当時はそのまま工務店経由だったり出来。 佐藤:工務店と協働で申請すれば問題はないわけですよね ベラ:ていうのがあって、だからと言って事務所という体勢が無いとファックスも無いし。色々必要なんで。間借り。そこの仕事も手が空いたら手伝いながら、で自分のもやると。 佐藤:メーンの仕事は自分の受けた仕事をやるためで、先輩の仕事は手の空いたときで 二の次ということで入ったんでしょう ベラ:そうですね。 佐藤:手伝いますからと言いつつ自分の仕事ばかりやっているとふふふふ ベラ:ほとんど手伝ってないふふふ 佐藤:しっかりしているが 段々いやがられるなそれは ベラ:生意気だったんで。すごい 佐藤:肝の小さい、普通かな ふふうふ 先輩から文句言われてね ベラ:文句言われましたね 佐藤:水道・光熱費・紙代も払わんと。自分の仕事だけやってんじゃねよと ベラ:調子良いぞという感じで、色々教わるわけですね ふふふ 社会のこう道理を 佐藤:ベラ俺をなめんじゃないーぞと ふふふ ベラ:色んな意味で勉強をさしてもらって。でようやくできたのがアパートで 佐藤:あそうか2004年3月におこなった建築あそび 我が家で説明してくれた建築だね (当時の記録へ) ベラ:そうですね 佐藤:ボリュームが二層に分かれているかのような建築だね あれがベラ建築の二個目だったんだ ベラ:そうですね2回目の設計で初めて作った 佐藤:いきなり 集合住宅を作ったと ベラ:そうですね 佐藤:そうか、おめでとうございました、一回一呼吸いれ 休もうか 58:44 その07へ |