2004年9月18日 松田達さんと 建築あそび 講演記録  HOME
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    ★★松田達のパリ暮らし その2 勉強会など★★



松田パリで暮らしはじめて、1年ぐら経った時から、なんていうか・・パリのことについては何も知らなくって「こんなことで良いのかナー」と思っているうちに、ラ・ヴィレット建築大学に何人かの留学生が来て、うちの後輩なんかも来たんですけど、彼らが、すごく元気で・・1年経ったからって僕も元気がなくなったわけじゃ全然ないんですけど、モット元気な人達が来たんで、「じゃ、なんかやりましょうか」・・ということで勉強会を始めました



週に一回ぐらい集まって、とりあえず、みんなが疑問に思っているとというか、それを お互いに話すことにしようと・・で これはお知らせ・・パリについての・こんな勉強会があるんで、やりましょうと・・

最初はできれば「フランスの人達とも一緒にやった方がよかた」と思ったんですが、言葉の問題もあって、日本人が多くなったので、しばらくは日本人同士で集まってやってました



こんな・・

佐藤:これがパリなのね・・日本人ばっかり

松田:え・・「最初はそれでいいな」と思ったんで・・僕もこんなにたくさんの日本人と会ったのはこの時がはじめてでした。何回目かには横倉くんたちが来てくれました・・うんと 何をヤッタかというと、色んな事をやったんです



例えば調べてみると パリはこういう都市計画プランを持っていて、まだこうなっているわけではないですけども、基本的に都市が分かりやすいという感じがあります。真ん中にセーヌが通っていて、パリの境界があって・・1区から20区までグルグルと渦をまくように並んでいる。

将来的なビジョンとして、例えば外周、いまのペリフェリックに沿ってトラムを通し・・今も実はここからここの辺(下の方の一部)まで通っている・・いくつかの発着駅がパリを突き刺すようにあるんですが、それらをつないでいくループのような環状線(ピンク色の部分)・・全体的に二つの円で囲まれたような構造ですね・・こういうのはドンドン変わるのかも知れませんが・・



これは昔の地図ですね。外側から市街地に突っ込むように鉄道駅が食い込んでいる・・ここの部分(緑色)が廃線になっているけど、昔 環状線が回っていた・・これ(橙色)は昔の城壁です。



これはメトロが出来た当初の・・

みたいなことからはじめて・・後は学生の皆さんに好きなことを調べて発表してもらって、絵的なものを作ったり、本を読んだりしていきました。



これは勉強会とは直接関係ないんですが、パリの建築データベースのようなものもつくりました。雑誌から来た仕事に一部載せてもらいましたが、実際は雑誌に載っているものは集めた資料の半分にも満たない部分で・・なかなかのデータベースになっているとは思うので、いい使い道があればいいとは思ってます・・

佐藤:疲れて来ましたか・・なにか呑みますか

松田:・・半分ぐらいの時間で・・やろうと思ったんだけど・・

佐藤:連絡のしかたとか簡単なの〜

堀井:なんで日本人と同じように外国人としてフランスに来ている他の外国人とか呼ばなかったの・・

松田:はじめからそうしてましたよ

堀井:フランス人て興味ないの・・

松田:ありますよ・・興味を持っている人はいるんだけど、日本人がいると「日本語でやるんでしょう」・・みたいな感じで警戒はしますね。フランス語でやるとしても僕らは限界があるので、じゃぁ「英語でやろう」というと、それが向こうの人にはネックになって。フランス人が英語でやると、多分と日本人と同じように壁を感じるんでしょうね

佐藤:言語の壁が大きいわけだな

松田:言語の壁はすごく大きいです

佐藤:同時通訳とか雇ったら

会場 わらい・・高いよね・

堀井:たまに見かけるんだけどさ・・一人がフランス語しゃべってさ、一人日本語でしゃべってさ、ちゃんと会話成立する人間いるよね。

会場 わらい

堀井:アレは不思議でしょうがないけど そういうやついるよね。

松田: いますね・・・松田 長〜い 沈黙・

脇坂:雑誌のタイトルは

松田:『ル・コルビュジェ 白の時代』・・松田 沈黙・・

佐藤:・・・松田さん元気なくなったね・・温泉効果ですか・・

脇坂:研修したのは終わられて・・またパリに戻られるんですか

松田:また戻ります

堀井:今まで住んでいた家とか解約してないの

松田:解約してないです

堀井:その時点で自分が持っている滞在許可は前の2年の分しかないわけじゃない。

松田:大屋さんはそこまで感知しないですね

堀井:すごいねそれは・・そのままいなくなっちゃったら困るじゃない・・

松田:そんなことないですよ。例えば海外でレンタカー借りて、駐車違反するじゃないですか・・日本に帰ってきても請求されるそうですよ。国外だからといって逃げられるものでもないし。

会場 へー・・

佐藤:治安はどうなん感じなんですか・・日本だとテロと さわいでいけど パリはどうなの

松田:ぜんぜん危なくないです。安全だと思います

佐藤:監視カメラとかあるんですか やっぱり、日本は流行っているよ

堀井:ムスリムの学校でスカーフ禁止法とかできたじゃない

松田:関係ないとはいわないけれど・・どうなっているのかなー・・監視カメラは一般には多くないと思いますが・・

佐藤:日本のように殺人事件とか 年中あります・・

松田:あるのかないのかはっきりとは分かんないんですよ、報道は結構選んでいるんじゃないかと思うんで。日本ではどんな細かい事件を報道するじゃないですか

佐藤:日本だと 毎日 人を殺しているんだよね・・すごい数だよね

会場 わらう

佐藤:報道しないんだ・・新聞 あるの・・見ない

松田:新聞ありますけど。殺人事件も ほんとに重要な事件は載ってると思いますけど・・日本みたいに誰かが毎日殺されたって雰囲気はないですね。

佐藤:三面記事・・社会面がないのね

松田:日本の方が事件が起こっているような感じが・・

堀井:そんなことはない ある。

松田:報道しない・・

佐藤:有りすぎて報道しないのかな・・

松田:隠すところは隠す。マスコミが日本みたいに強くないと思うので。シャルル・ド・ゴール空港の崩落事件は ほとんど隠蔽されていて、出てこないですよね。その後どうなったとか・・その後の報道はほとんどなかったです

佐藤:民主主義の国なんでしょう

会場 わらい

堀井:アメリカだ・・殺人事件一杯ありますよ。フランスぐらいでかかったら絶対ある。俺がスイス行ったときに、フランスじゃないけど ベルギーの国際的な、幼女誘拐人身売買組織が摘発されたりしていた・・

佐藤:フランス人の家族ってどういう感じなんですか

松田:そんなに変わらないとは思うけど・・・親が強くて子供は弱い感じは日本よりしますね

佐藤:日本では子供がパソコンゲームかなんかやっているじゃない。大人はインターネットやっていて子供はテレビゲームやってさ・・

松田:フランスでもネットは普及してますし、プレステとか日本のテレビゲームもありますね。ゲームとは別ですが、何故だか日本の犯罪は怖い感じがします・・・フランスだと少年犯罪というのはあまり聞かないなぁ・・

堀井:最近ないけど・・フランスは爆弾テロ事件とかあったじゃない

松田:パリ-バーゼル間ですよね。実はその日たまたまバーゼルにいて、翌日同じ線路使って帰ったんですけど、事件があったことは駅や電車の中ではまったく知らされなかった。

佐藤:パリに住んでる市民はどんな生活しているのか、話きいただけでは分かんないね・・カフェで酒呑んでる・・仕事はしないんですか

会場 わらい

堀井:そっちかい・・

松田:もちろん失業してなければしてますが、あんまりしてる感じはしないですね。昼間にビールかワインを飲むのは日常的だし、昼休みだって1時間半くらい取ってる場合は多いと思いますよ。

佐藤:松田さんの事務所ってボスがいるんでしょう・・ボスの生活教えてくれないの・・「おれんち遊びにこいや」なんてないの

松田:絶対無いですねね。フランスは仕事終わった後に、みんなで呑みに行くことすら無いですね。なぜかっていうと、お昼の時にちゃんと時間をとって みんなで話をするので、逆に仕事が終わったら他の所で遊びますよね。

佐藤:みんな別々に あそぶ のね

松田:アジアの人とは仕事終わった後に呑んだことあるけど、ヨーロッパの人達は、それはしないですね・・ほとんど無いですね

佐藤:家に招いたりしないんだ・・あれはアメリカ人か 

松田:ほとんどない。家へ招くっていうのは、家庭はないけど 一人で暮らしている人だと・・それはありますけど

佐藤:それじゃ地元の人と交流できないね・・

松田:そんなことはないです。仕事が終わったら一端そこで切れるんです。遊ぶときは全く別に遊ぶんで、仕事場の人ともよく遊びますけども・・繋がらないんですよ。

佐藤:ズルズル会社の関係が外にもちこまれない 日本みたいに つづかないのね

松田:それはないですね。完全にそこで一旦 組み変わって。例えば仕事が8時とかに終わると、いったん家に帰って、10時からスタート。みんなで誰々の家に流れよう・・はないですよ

:8時に終わるんですか

松田:8時は長い方ですね・・7時前後。仕事してるときの集中力はすごいんで、効率は悪くはないですね・・でも、仕事に向かう時間は日本と比べて短いし、全体に仕事量は少ないかもしんないけど、仕事終わった後に4時間とか遊ぶことは遊ぶんで・・呑んだり映画見たり・・

脇坂:設計料が高いんですかね

松田:ヨーロッパは全般的に日本よりも高いはずです

佐藤:発注者ってのはだれなの・・民間なの役所なの・・

松田:いろいろデスね

佐藤:土地はどうなっているの。個人所有なの、中国みたいに公地・・

松田:土地の売買の話は身近にはあまり聞かないですが、不動産屋にあるのはそもそも既存の建物を買う場合がほとんどですね。建築家の仕事もリノベーションがほとんどだし。

佐藤:日本の場合個人の所有が多いんだけど・・俺の家の近所だと農家の人が・・持っていて、町作りは農家の人がやている、木造 アパートつくり盛んなんだけど・・

松田:個人の権利よりも都市計画のほうが強いところは日本と違いますね・・いざというときに個人の権利よりも街全体のよさの方が優先されることが法に明記されていたはずです・・

佐藤:モトに戻りましょう・・このままだと延々続いちゃうから・モトに戻りましょう・・松田さんやってよ・・休み長すぎるよ・・

松田:長すぎるかな・・みんな疲れているみたいなので・・

佐藤:そんなことはない。いつもこんな感じでやっている・・だいじょうぶみんな聞いてるから・・寝てる人もいるけど、記録しているから・・

会場で・・床にイビキをかいて 寝込んでいる人をみて・・笑っているみる・・

佐藤:松田さん緊張してるね・・

松田:緊張してます

脇坂:この手の話 伝えられるからそうとう・・帰国歓迎 スライド会みたいなの多いの・・

松田:初めてですよ・・呑み会があっても ぜんぜん・・

佐藤:話聞いてくれないの・・

  会場 わらい・・

松田:違った話になりますよね・・


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