2004年9月18日 松田達さんと 建築あそび 講演記録    HOME
  01   02    03  04  05   06   07   08   09     
 02 ★★ヨーロッパの都市見学 その2★★

 

松田:これねー・・無線インターネットを捜していたんですよ・インターネットを繋ぐ場所がなくて、街の中をパソコン持って歩いていると、時々電波を発見するんです。大体は入れないんですけど、時々タダで使えるやつがあって。そしてついに見つけたんですよ・・かなり歩き回ったあとに。さっきの広場です。



3人がここにパソコンを置いて、みんなでメールをやっていた。いろんな人が周りから集まってきて、あまりに観客が多くなってきたので退散したんですが。恥ずかしかったですね。

会場わらい

  

今度はフライブルクに移りました、(中央の写真で)なんでこんな風に看板があるのか・・側溝の上にかかってるんですが。

会場 おもしろいね

ドイツのトラムはちょっと古くて、フランスの地面に浮いてるみたいなトラムとは違うんです。フランスのものは最近のものなので。

 

会場 笑い ビールだ

佐藤:随分細いねー幅が

ビールですか

佐藤:違う トラム

会場 笑い

佐藤:ヒョロンとしてみんな立って乗っているの 一列に乗っているの

堀井:オランダのトラムにそっくりだ

松田:オランダは分かりませんが、東欧圏のトラムとかはドイツのトラムで古くなったモノを使ってるそうなんです。お金がないから、行き先を示す部分を変えるお金がなくて、ドイツの行き先を書いたまま使っていたそうなんです

会場・・やった・・わらい・・

   

デュセルドルフ・・ライン川沿いのもう少し北ですね。ここも港湾のところを見学してきて、ゲーリーの建築があったり、有名どころの建築家の作品がたくさんあったんですけど、僕はこの町はそんなに好きでなかったなー・・こんな感じです

 

この町はパリとかに比べると・・・

会場 随分ちがうね・・だだっ広いのね・・・

松田:ですね。この河岸はすごくうまくいっていて、人が凄く集まって来ているんですよ

堀井:デュセルドルフ・・ってアムステルダムよりデカイ売春ドックだと知っているの

松田:そうなんですか・・日本人がメチャクチャ多かったのが覚えているんですけど

堀井:港湾都市というのは常にそうだと・・

  

佐藤:これなに 映っているの モノレール

松田:デュセルドルフよりもうちょっと東、ヴッパータールという街のモノレールですね。世界で一番最初に出来たモノレールだそうです。ヴッパータールは、ピナ・バウシュの本拠地でもあります。

堀井:ぶら下げ型のモノレール

松田:そうです、懸垂式ですね。これが走るんですけど、浮いてるんですよ。上で吊っていて・・どうなるかというと



こうなります・・1901年に出来たもので、川の上にかかっているんですが、景観を悪くしているわけじゃなくて・・むしろうまく使っていると思いました。

 

佐藤:ベッヒャーや

松田:このあたりはルール工業地帯ですね。昔の炭鉱所とか、鋳鋼工場とか産業遺跡がたくさんあるところなんですが、今は全然使われなくなっていて、ここを全体的に改造して、レジャーランドじゃないんですけど・・

 

堀井
:フランツなんたらと言う人がこの地域

松田ペーター・ラッツというドイツのランドスケープ・アーキテクトですね。エムシャー川一帯を全体的に公園化しようという、IBAエムシャーパークという壮大な計画があるんです。その中でやってるんですが、どこまで彼が計画しているのかは知りません。

佐藤:このまま使っているの

松田:ほとんどこのまま使ってますね。ここはデュイスブルクという街の北部にある精錬所なんですが、中に入っていって溶鉱炉とかもどんどんのぼれるんです。複雑な階段とか上ってると、まさにファイナルファンタジーの世界です。ベッヒャーもそうですが、こういう産業遺跡って相当かっこいいです。そこでイベントとかが行われたり。ドイツなんでテクノとか・・バーッと照明当ててやってるそうです・・

妹島和世さんがエッセンに計画しているデザイン学校がありますが、あれも似たような場所ですね。コールハースがエッセンのツォルフェライン炭鉱のマスタープランを計画していて、妹島さんのはその中に位置してますね。

デュッセルドルフのすぐ北がデュイスブルク、そのすぐ東がエッセンです。

堀井:ああ思いだしたデカイ売春地帯はハノーバーだった。申し訳ありません、デュセルドルフの皆さん

会場 笑い

 

堀井:これいまのやつベッヒャーの写真に出てこないの・・

松田:出てくると思う

佐藤:展覧会 外壁に貼ってやっているの

松田:広告用で中でやってたみたいです。ドイツに来ると文化が違というか・

堀井:重いよね

  

松田:今度はライプツィヒ。東ドイツ・・この駅は世界で一番大きいそうです。いまもそうなのかな・・ここでもトラムが町のメインになっていて。ヨーロッパ全体として自動車からトラムへの流れは・・ぼくはトラムトラムと言いたくないのですが、ようするに出てきてしまう。



佐藤:トラム使ってみて便利なんですか。

松田:便利だと思います。距離がそんなになければ使える。ヨーロッパの都市はあんまり大きくないので。東京だと大きいから無理じゃないですかね・・

ライプツィヒは面白い都市で、旧東ドイツの国は基本的に人口が90年以降 流失しまっていて、西側に流失しまっているという問題があって。旧東ドイツのなかでベルリンとライプツィヒとドレスデンの3都市だけは人口の流失を食い止めることが出来ているんですよ。

 

人口は流失するけどもそれと同じだけ人が入ってきて、プラスマイナス零になてるんです。「Plus Minus Leipzig 2030」という本が出ていて、安定しているようなんだけどメチャクチャ不安定な都市で、いつどちらかにひっくり返るか分からない。

 

バッハのいた街でもあるんで、銅像があって・・

 

街中に工事中の場所があって・・それも街のど真ん中に。工事をしているところです

  

ちゃんと都市の模型が・・必ず1/500の模型が置いてあって。



これがライプチヒの町で・・環状線に囲まれていて、今見た写真はここら辺の・・

佐藤:小さいね

松田:駅がこれだけの大きさなので・・

堀井:これ空撮したわけじゃないよね

松田:これは庁舎にでかい地図があったので、その写真をとったんです

  

こんどはドレスデンなんですが、・・ドレスデンも駅からして工事中で、駅前もほとんど工事中で・・だけど新しいビルも建っている。新しいモノもあるんだけど古いモノも同時にある・・とか。すごい不思議な光景がある。

  

ゼンパーの歌劇場(中央)がある。その隣がツヴィンガー宮殿(右)・・

 

会場 なにいまの

松田:いまのですか・・これもね教会・・これも入れなかったので分かんないんですけど・・上はドームを建築中だったみたいです

堀井:あそこで鋳造しているの・・

佐藤:ここはモトの色なんですよね。そこを新しい色に直している・・普通じゃないカタチだよね〜・・

 

松田:で・・街中。変貌途中の街なんで、これだけだとよく分かりませんが・・

 

ドレスデンも市役所へ行くと、都市に関するビジョンが展示してあります。展示がしっかりしてました。

 

今度はスイスに入りました。ここはベルンですが・・駅前のカフェとアトリエ5による駅舎です。

 

いまのアーケドの下のほうに斜めに入っていけるんですよね。ベルンには地下都市があるんです。全部地下一階レベルにまた空間があって、これがまた不思議な・・・・



細長く市街地が延びてるんですが、アーケードの部分にそって、全部地下の入り口があるんですよ。ズーッと

 

今度はラ・ショー=ド=フォンですね。・・モデュロール通りというのがあって・・ラ・ショー=ド=フォンが面白いのはグリッド型になっていて・・これ上の方から写真を撮ったんですが、街が碁盤目状になってるんですよね。



フランスにこんな町って他に全然なくって、コルビュジェが生まれた都市が実はグリッド都市だったというのはちょっと面白いなと思って

後にグリッド型の都市計画を発表しますが、コルビュジェは生まれた時からこういう感覚があったんだなーと。

 

これがコルビュジェが生まれた家・・何階か分かりませんが・・この家に1887年10月6日にコルビュジェが生まれたと

  

佐藤:これコルビュジェの処女作ですか

松田:処女作に近いですね(中央)・・学校の・・何人かの同級生と一緒につくったものです。コルビュジエが重要な役目を果たしていますが。これはコルビュジェの両親の家(右)。今のコルビュジェとは全然違う・・

堀井:今のコルビュジェ・・ 会場 笑い

松田:誰も住んでいなかったようでした・・たまたま他の団体を案内している人がいて外観は見学させてもらったのですが・・

佐藤:あんまり改装していないね・・

松田:これは改装していないですね。このままのカタチで

 

またパリに戻って

  

今度はモロッコ・・これは中心のジャマ・エル・フナ広場です・・モロッコで面白かったのは、広場というのはプラン的には何にもないんですけれど、どこもモノで溢れてるという感じで・・夜は屋台がたくさん並ぶ・・広場の半分を屋台が占め・・そこに人が集まって、モウモウと煙が上がっていて・・それだけなんですけど・・それが凄くよかった。何もなくても空間が生まれるみたいな感覚があって・・・

 

これは宿・・一番安宿なんですけど、モロッコの宿・真ん中に中庭があって、水盤があって、廻りを廊下が取り囲んでいて、宿が並んでいる。何処へ行ってもほとんどこんな形式。

外のファサードは装飾はないんだけど、中にめちゃくちゃ装飾があるという。

堀井:もともとホテル用として建てられたわけじゃないよね

松田:これは多分そうですよね

堀井:普通のアパートなんだよね。それをホテルに転用しているんだよね。ホテルと集合住宅のプランの違いがないんだよね

松田:それはたしかにそうですね・・なんにでも使える。べつにホテルであろうと住宅であろうと人の行動が似ているというか。イスラムの人って、みんなあんまり家で過ごしてないような気がするんです。外がすごく好きなような気がします。だからさっきみたいな広場に人がずっといるんじゃないかなぁ。

佐藤:平らな広場があって建築的仕掛けはないの

松田:あんまりないですよね・・

佐藤:人好きなんだみんな

松田:人なつっこいですよね。パリでもそうだけど、12時頃まで家に帰らないんですよ。・・カフェとかで呑んでるだけなんだけど、家に帰りたがらないようです。

  

これがその広場で・・

佐藤:みんな家にいないで外にいるわけだ、このあたりと逆だな

 

松田:これは、スークと呼ばれる商店街ですけど、こういう空間が延々とつながっていて



そこにお店もズラーッと並んでいて



2泊目は1泊目よりやや高いところに泊まったので、ちょっと中が綺麗でした・・

堀井:このユダヤの星は なにか関係あるの

松田:6角形ではなくて・・8角形

堀井:一寸違うな

 

松田:またパリに戻ったんですが・・パリも外に人が集まるのが凄い好きですね。フェットゥ・ドゥ・ラ・ミュジークという年に一回の音楽の祭典というのがあるんですが・・これもわりと家の近くなんですが・・タンゴの演奏してました・最後はみんな踊りだしてましたね・・

佐藤:道路でヤッテイルのね

松田:道路でやってますね〜・・この日は街中でやっていて、50mに一個ぐらいこういうアマチュアバンドが陣取って・・



佐藤これもまた変わっている、村上隆のデザインみたいな・・とぼけてる

会場 笑い

 


松田: これはリヨンです、リヨンで面白いのは・・パリにはパサージュがあるんですけど・・リヨンはトラブールというのがあって、トラブールというのは通り抜け道ですね。建物の入口から中庭を通り、それを越えて裏側まで通り抜けが出来るんです。こういう所からスタートして中に入っていて、向こう側が見えますよね(上右)。

パリだと中庭までは行けるけど引き返してこなければいけない・・つまり通り抜けられない。

 

こんな中を通り抜ける・・

堀井:京都の町も、もともとそうだ

松田:そうなんですけど・・都市の裏側に抜けるみたいな不思議な感覚が・・

堀井:何処でもドア・・会場 笑・・

松田:みたいな感じで裏側に・・

  

こんどはトリノですね・・さっきのイタリアの続きなんですが・・白黒で・・トリノはイタリアのなかで、唯一フランスの影響を受けて出来たらしいんです。イタリアのほとんどの都市はローマーをモデルにしているですけど、トリノはパリをモデルにしたらしくて、街の雰囲気もパリにやや似ています。



だからこんな真っ直ぐな道路があって。真っ直ぐといっても、本当はグリッドになっているんですが。

  

ここれは・・リンゴット工場です。中は今はデパートになっていて結構驚きました

堀井:屋上カートが走っているの

会場 笑

  

松田
:屋上は使っていないみたいですね。この2階部分(左)・・がデパートです・・



堀井:監修やったのピアノだっけ

松田:ピアノです。ピアノは建物自体は一つも触ってないんですよ。ここら辺の通路とか・・あ・・終わっちゃった・・スライドショーはここまでなんですが、続けてもいいでしょうか・・

佐藤:いいよ・・・

もう少し突っ込んで・・あと絵にして50枚ぐらい・・いまどのぐらい経ったんですか・・

 佐藤 90分テープだから35分だから1時間ぐらい

一休みしますか  休みにしないよ・・疲れたらしますけど・・続けてください


 次のページへ