佐藤敏宏 建築あそびin moss 有松 1  2026/8/22
 作成:佐藤敏宏

(その2)  2時間目

■ 直しいろいろ

浅野:実家に帰って、靴下に穴開くの早いという話をしたら、家は全員そうだよ、と。身内全員がそうなのと。繕い始めた。自分、ええ靴下の穴を直す。
松田:そのZINE・ジンはどこかにあるんですか。
谷繁:分からないです、「直せない私たち」という題。
浅野:修理する権利の反対のことね。
谷繁:修理する権利、真似する。いろいろな・・取材しにいってそれらをまとめた本を1月に作りました。

佐藤:谷繁さんは多くの人をインタビューしているんですか。
谷繁:そうです。
佐藤:インタビュー後の成果はどうしているんですか。

谷繁
:セルフビルド系は論文にしてます。今、セルフビルド史研究は白井晟一設計の松涛美術館の学芸員で木原槙子さんと一緒に日本中の1970〜80年代のセルフビルド史の調査をしています。インタビュー仕事が多いんです。
来週も福岡県久留米に行ってインタビューします。職人さんたちがシェアオフィスしている。大工、植栽屋さん、クロス屋さんのシェアオフィス。どう働いているのか分からないので。

浅野:染め直しフェスという企画をやっていた。汚れたいい服を染め直しましょうと。一色にしてしまうと目立ってしまうんだ。けど、ムラがある仕上げは目立たないから。時々やっています。ド派手な花柄に見えるぐらいに。
有松に僕が来てから、白いコットンシャツを2,3年掛けて着て、・・・汚れたら染めて、ほつれてきたら繕い着なおす。

谷繁:有松は凄い高価。小紋、小さい物が入った高級な反物のイメージしかない。今どきになっているんですか。
浅野:今どきになっているより、工場が昔は量を作らないといけないぐらいに売り上げがあった。小売りとか消費者の修理に対応する売り方。
新型コロナ以降は多用途に対応できるような幅と、いい意味での空きが出来た。僕らは「染め直しみたいなこと出来ませんか、」と言っていた。最初は「うえ!」って感じだったけど、ワークショップと同じぐらいのお金は取れる。それを見たことによって次の商品が欲しくなったりする。先生は職人さんだけど買い手は自分たちで染める。

 がやがやがやがや

工場を開けてくれ!と言うのが我々の仕事です。

谷繁:愛知県で面白いことはモノづくりに近いことなの?
浅野:工場が一杯あるからね。

谷繁
:4月に来たばかりなので掴めてない。
小出:いろいろ作る作業がでてきている。
谷繁:その事を学生にちゃんと教えたい。学生は全然興味ない。
浅野:たしかに。
谷繁:瀬戸に行ったらタイル作っている。多治見に行ってもいいし。岐阜に行ったら林業もたくさんある。愛知県内も面白いところがあり、興味あります。


■有松 絞り祭り

浅野:回っていると、僕らは写真を撮り忘れてしまう。で、岡松さんのようなフォトグラファーにちゃんと入ってもらう。絞り祭りの状況を撮り記録してもらう。

最近、絞り祭りで力を入れている事は、結果的に力を入れざるを得ない事になっているのは、スナップシリーズです。祭りに来ている人たちも、その写真を見る。
最初はメディア的に「この時間帯はここで撮影しています」と声掛けていた。過去の絞り祭り実行委員会の写真を調べていたら、広報に使用できる写真も記録もぜんぜん無かった。

昔は絞り祭りに、このように絞りを着て参加する、それがほとんど無かった。おばあちゃんやおばちゃんたちが、バーゲンセールを目当てに来る場になっていた。その位だったんだけど、ここ数年で明らかに絞りを着て有松に来るのを楽しみにする。絞り祭りはそういう場になってきた。だから、きれいに、かっこよく、楽しそうに着直しを楽しんでいる。来訪者や地元の人を岡松さんに撮影してもらう。

岡松:絞り祭りの写真も撮ってます。

浅野:浴衣着てる参加者は女の子だけかと想っていたら、男性も!ご夫婦とかペアで来場していて。
谷繁:卑近な例、アド街ック天国みたいな。












参照:『出没!アド街ック天国』は、街を徹底的に紹介する地域密着系都市型エンターテインメントで、テレビ東京とハウフルスの共同制作により、テレビ東京系列で1995年4月15日から毎週土曜日の21:00 - 21:54に放送されている情報バラエティ番組。 略称は「アド街」で、2022年4月16日放送分からTVerでリアルタイム配信を実施している。

谷繁:そこで集合写真とか個人写真を手に入れる。
浅野:みなさん、ちゃんとポーズとり、小慣れしていますよ。
岡松:私は一寸と。今井さんと年上の人が参加者に写真撮影どうって、声かけてまして、世話してくれます。で、写真撮影も大丈夫ですなの!、と応じてくれる人は撮影させていただきます。私からも声掛けはする事はあります。皆さん乗りがいいです。

佐藤:絞り姿ファッションを見せ合いに有松はいいよと、意図して参加している人もいるでしょうか?
岡松:見せに来ている人もいます。
小出:特別感が。

 会場 ガヤガヤ  ビールを注ぎあっている 

浅野:有松絞り祭りで岡松さんは分刻みのスケジュールです。町中を動き回って撮影するんです。
佐藤:可愛いと言われるように撮らなければいけないので、苦労するね。
岡松:ふふふふ。

谷繁:石内都(いしうちみやこ)の写真・作品で、生地しか写ってないのにその人の人生が写っている。
佐藤:写ってない人の人格まで写すとは、凄い写真家もいるもんだね。
谷繁:服しか写ってないんだけど、そういう写真もある。

浅野:絵のこの人は海外の方です。絞りの着こなしに独特の味がある。日本で和装の先生もやっている方なんです。このちらの方は女装家・・・(微笑)。
 
 会場 え!お〜!

佐藤:男性とはちっとも分かりませんね。
浅野:この方は英語ぺらぺらだから、この日にはトークイベントの進行もお願いしました。着物部のリーダーだったり、バンドもやっているし、博士号も持ってる(笑)。

 会場 大笑いしつづける

浅野:この方はよく有松にきていて、団体でいろいろやっています。ネットワーク作っているし、メンバーの信頼も厚い。そうこうしているうちに、イベントの進行をしてくださる。ツアーやるから30人ぐらいお客さんも呼んでくる。

谷繁:めちゃちゃんとした浴衣をもっていて、上野に一軒しか見つからなかった。男性用って無い。
浅野:どくろの絞り。

 会場 高級そうだね  がやがや

浅野:有松だと、グランパスの絞りとコラボレーション。こういう人たちを・・・これは地元のお祭り。


(街道沿いの暖簾 祭り参加者の写真の扱い方)

谷繁:有松に来たときに、絞り製の暖簾もいいですね。
浅野:冒頭に佐藤さんが語っていた、工芸繊維大学で作った津波被災地用の気仙沼の『鮪立』のフリーペーパー(浅野さんも編集pdfへ)の話にあったように、ネット時代で自分たちがメディアに載る、その嬉しさもも、地元の老人たちは持っている。だからから協力してくれるのかな、とも思うんです。
それが絞り祭りの財産になるんです。参加者の中には撮ってもいいよと言ってくれる。勝手に撮影するのはだめですけど。

南澤:すごく協力的だよね。

浅野:これは今日、佐藤さんと行ってきたお店の革の絞り製品です。
佐藤:革の絞りを使った製品はいいよ。ただし高価だけどね。
浅野:一見すると、どういう人なんだろう。そういう人が一杯いるので面白いんです。

佐藤:絞り祭りで岡松さんの撮影した写真のデータは直にあげるのか、サイトにアップするんですか。
岡松:前はやっていたんですが今はあげてないです。難しいんです。インスタグラムにアップするので欲しかったら声掛けてください、と。
佐藤:インスタにあげていくんですか。
岡松:お祭りが始まる前のカウントダウンのような感じで、来年の絞り祭りの前に上げる感じです。

佐藤:撮影する前、撮られる方々は了解済んでいるんですね?
岡松:撮る前にアップしますとは言ってます。 
小出:フォトショ掛けりしますか。
岡松:掛けたりします、綺麗だったらそのまま公開します。

浅野:顔は出したくないけど、スナップは欲しいという要望にも応え撮ってますよ。
    会場ほほえむ

浅野:顔は見せたくないけど、浴衣の姿は見せたい人もいます。この方は出店者でもあります。

佐藤:演技がじょうずなので分からないけど、写ってる皆さん楽しそ。好評を得るんじゃないかな。
浅野:そうですね。僕らはそういう方針で出店者、来場者たちが柄なども楽しんでくれる。そやって絞り祭りをまわってくれたらいいな。絞り祭りのスナップも3,4年になっている。
佐藤:ネットで閲覧した人達が祭りに集まって来そうですね。でも絞りの浴衣を手に入れるのは高価、それが障害かな。

浅野:今年はどこで撮っているんですか、という問い合わせは絶対来るんですよ。まだ決めてないから見かけたら声掛けてくださいと応じています。





■ YouTubeの活用術

谷繁:全然違う話です。犬用の狂犬病ワクチンの注射場が、YouTubeでめちゃバズっている。フォロアーが何百万人!毎年同じ所、富山だったかな。そこで狂犬病のワクチンを打つ、犬が可愛い。その動画がYouTubeに上がっている。毎年やっているから、自分の顔に似て居たり。例が全然違うので申し訳ないです。

佐藤:YouTube介して生活を楽しむ姿は有松祭りも似たようなものなのでは?
谷繁:いいをYouTubeで見せたり、いい写真見せたら、人が急に集まる。
岡松:今年はすごい人数でしたよね。
浅野:9万人来場。
佐藤:そんなにたくさん来ちゃうんだ〜!路は歩けないよ。

浅野:その数は自称だから。
岡松:カウントしてないですものね。
佐藤:話半分でも、絞り祭りにくる人々が4.5万人。この街道を行き交うのは壮観でしょうね。
谷繁:来場者は写真を撮ってSNSに上げてくれる。

浅野:絞り祭り広報部と同世代の参加者の気持も一緒になり、乗ってやっている。だから広報部員でもあるけれど、お客でもある。僕の場合は運営目線が入ってしまったりする。来場者目線でいろいろ対応してくれるから学びがある。

谷繁:絞りの柄もいろいろ有っていいね。
浅野:仕事はしない、一緒に楽しんでいるだけと思えるようになりたい(笑)
佐藤:浅野さんはいろいろやり過ぎって感じか?

 会場 大笑い

佐藤:何をやっているのか分からなくならない点は面白い。浅野さんの職能全体をあらわす名称を見つけないと 伝わりにくい人になるね。

谷繁:ここでは東京の知り合いとも一緒に仕事しているんですか。

    がやがやがやが
谷繁:ここがハブになっているんだね。
浅野:いや、ハブにはなっていないよ。たまたま皆が知っているのが僕らだけであって・・。そういう感じでいろいろやっています。










■松田さんのmatomato

佐藤:松田さん、何か見せたいものをもっていますか。
松田:見せたい物?
浅野:ここで印刷してHPだそうか。
松田:我が社、matomatoのHP?
浅野:社員募集してないんですか。

松田:最近HP超〜リニューアルしたよ。

南澤:自分のサイトを今作っている最中なんです。あとはまるきり会社用なんです。
松田:これが5年前にやったプロジェクトです。有松絞はテキスタイルに凹凸を作ります。その絞りの凹凸を3Dスキャンして、そのデータをアクリルに掘った、それだけなんです。それはシリーズでテーブルとかもないかな?と。これは名工大卒業した あず何君だったっけ。
佐藤:寸法、完成品は小さいんですか。
松田:小さい。あず君に作ってもらいました。ただの実験品です。

浅野:これをマンションのショールームの ・・サイズにし。マップに使う。
松田:地図の目印になるように使うんだね。
浅野:目印になる象徴的な物を作りたい、というから。このブロックはいける。絞り会館はここですよ、そこに、この絞り柄にレーザー彫刻で加工したアクリルブロックを置く。

松田:有松絞というと布地のテキスタイル、浴衣をイメージされる。だけど絞り自体は形状だよね。
佐藤:建材で人工の絞り丸太もある。
松田:陰影のある形状なので。これでテーブルを作ったんだよね。 

浅野:松田君が空間設計もしていた名古屋の駅から徒歩5分ほどにある、8階建ての宿泊施設です。
松田:隣がセブンストーリーズ。全部の設計が載っている。アパートを民泊にする仕事。これは常滑の水野ふとしさんが設計てくれた部屋です。1泊4,5万円だと思います。最大5人まで宿泊できます。

 部屋の説明をしている松田さん (前頁の動画参照ください)

谷繁:部屋をそれぞれ違うデザイナーに任せていると。
松田:不動産屋さんの事業で、いろんな建築家に設計してもらうというホテルはどう思いますか?と相談きました。
では、わが社が全体構成と企画をするのでやらせてください!と申し出ました。コンペを開いたり、同世代の友達に声掛けたりしてまとめました。
浅野君と愛知県の地域にまつわる産業とか文化を建築家ごとに再解釈して空間に落とし込んでください、設計課題のような注文の仕方でした。それで設計してもらいました。

浅野:愛知県の中心部にあるわけだから。
松田:今は3,4年経って、クライアントは今でもあるから。どうですか?と。プロジェクト始まったのが新型コロナ前でした。設計している最中にコロナ禍になっちゃった。
浅野:ぼくがリサーチしている間にコロナ禍になっちゃったから。
松田:そもそもコンセプトこれで合ってたの?疑問も起きた。今は平均すると1室の年間の売り上げが600万円なんです。
佐藤:月50万円、なので月に10日間フル稼働の計算だね。率で30%か、5人倍すると150%なので1室ビジネスホテルよりは儲かるね。
松田:一番低い部屋で400万円。これは都心だけど僕の周りの設計とか施行人達の仕事の流行っているジャンルはバケーション・レンタルというジャンルです。
昔のバブル期に建てられた別荘などを買い取って、リノベーションして1泊15万とか10万円の一棟貸しの宿にする仕事です。そういう不動産投資家がめちゃくちゃ増えてます。それを設計する建築家や施行屋さんも増えています。

佐藤:二川駅そばの川合健二さんのドラム缶ハウスも奥様の花子さんが亡くなって、転売したのだろうがホテルになっている。

松田:そうです、今は泊まれますのも。
谷繁:あまりにも替えすぎちゃって。川合健二さんの家は泊まりに行ったことあるんです。水道も電気もガスも無い。今はそれらが有る。


 左絵:川合邸と大島哲蔵さん  右絵 :開拓者の家 正橋さんと佐藤

佐藤:
一棟貸しに模様替えする、需要があるですか。
松田:今は別荘用途変更事業はバブルですね。
佐藤:そうなんだ。
松田:新築で建てる人も増えています。先週ナノメートルの人達とトーターズという岐阜の 川に入るサウナがあるので行ってきました。彼らには新築の別荘案件を2件ほどやって。その宿にサウナを入れるために、いろいろサウナを観に行ってます。

浅野:元・隈事務所にいた女性、お酒のジンを醸造している人。
谷繁:森林研究所ですか。
浅野:その方が蒸留酒の臭いのする、森とか山とかに泊まる場所がないから。その蒸留所に泊まる。それをこれから展開していきますと。1号が今は建設中だったかです。

谷繁:彼女とはお会いしたことがあります。お父さんがセキスイハイムの仕事で。知り合いました。




■  「おどり場」

浅野:おどり場は何を見たらいいの?
がやがや
小出:おどりがひらがなで、ばが場。
岡松:二人で運営さているですか。
小出:ちがうんです。サイトは製作中です。藝術祭と一緒に駆動するという企画。

 会場 webでは見ることできないのガヤガヤ

松田:これは自主企画ですか。
小出:そうなんです。私は一期目からいます。
浅野:これは辻琢磨さんが原稿を書いたの。
小出:そうです。今回の企画と町全体のガイダンスを担う役割をしていたりし。

谷繁
:ひたすらいろいろな申請書に関わるね。
小出:お金がないので、どうしても金がないから何かするたびに申請のいい感じを探して、通ったらその企画をする。
岡松:ご自身で申請書は書くんですか。
小出:そうです。

  ガヤガヤワイワイガヤガヤワイワイ


■谷繁玲央さん自己紹介

谷繁:自己紹介をします。学生のころからやっていた、ミニかん。若手の建築家やアーティストか、コミュニケーション。呼んで講演をしてもらう。それを2024年頃から、最近のイベントは2年ぐらい前です。月一やっていた時期もあります。コロナ禍の時に特に月一で。マックスだと300人ぐらい集まった。しかもかなりコアな内容なんです。
この絵はコンピューターを研究している人とインスタレーションをして、今は神奈川大学にいる。アメリカの若手研究の研究をしている非常にコアな研究者を呼んでレクチャーをしてもらう。誰が見るんだ?それに人を集める妙を学生のころからやっていました。参加者も講師も分野も大学もバラバラです。

佐藤:過去のそれらはweb検索すると全部出てくるんですか?
谷繁:ちゃんと記録しているのもありますけど、無いものもあります。僕自身は何をやっているかと言うと。三つの軸があります。研究はハウスメーカーの研究。セキスハウスとかミサワホームとかがどういう歴史で出て来たか、その研究をずとやっていて、それで博論も書きました。加えて批評をずっと書いてます。

佐藤:博論は本になって売っているんですか?
谷繁:書籍にはなってないです。
佐藤:谷繁博論ください!(笑)会った博士ならいただいてきた。博論を集めてます。(笑
谷繁:今年、3人共著で本が出る予定です。

 だれか入場してきた

浅野:今日メッセンジャーグループを作って・・・。

谷繁:いろんな研究で、日本の若手建築家はやっていることがすごいく小さくって。面白いけど歴史的に残らないかもしれない。
  佐藤おおわらいしている。

谷繁
:ぼくはずっと学生時分からその危機感を持っていました。その時に、いろいろありますけれど、『10+1』という建築批評誌がありました。その最後の特集を任せていただきました。webサイトが2020年に終わるとき、最後の特集を僕が企画させてもらって。その時にやったのがグラディアリズムをやらせていただきました。日本の若手建築家はグラディアリズム(gradualism 漸進主義)なんじゃないか、と。院生時代だから6年ぐらい前です。

ちょっとずっ着実に、しかも誠実にちょっとずっ小さなプロジェクトを重ねることで、自分のやっている事を示していく。そういう建築家が増えているんだよね、と。書かせてもらいました。そのあともいろいろな文章などを書いてきました。

20代は文章書いたり研究する建築家として過ごしました。そのあと青木繁建築工房に入り、ビハインド建築といって70年代などの古い建物を内外装や設備とか構造補強、耐震補強をして、新しい建物にし市場価値を付けていく。そのような仕事をしている設計事務所に3年ほど働いていました。この4月からは名古屋市立大に赴任したました。



私の軸は一つ目、ハウスメーカー研究、構法系です。ハウスメーカーがどうやって住宅を造っているのか。構法の歴史のようなものの研究です。一方で批評、若手の建築家を批評的に論じる。その仕事が20代の主なもので続けてきました。

二つ目、今は「ato」と言う、これはHP完成していません。メンバーにしか見せていないページをこれから見せます。

 会場 あと・・おおわらい

谷繁:「ato」と言うコレクティブを始めました。グラフィックデザイナーの・・みつおさんに作ってもらいました。建築の後・atoを考えるというコレクティブ。ポイントはただの設計事務所として設計もします。
今は保育園の改修プロジェクトをやっています。二階建ての木造の古い教会を保育園に変更する。

一方で我々が改修しようとしていて、資料などがめちゃくちゃたくさん有ります。何十年も改修してないもんですから。確認申請や検査済証をはじめ、定期検査報告。それがバラバラにあるので、10軒ほど保育園を持っている会社の社長さんとかが建築を知らないのに管理していました。

彼らに代わりに中長期的に保全計画を作ります。何年後に大規模修繕が必要なのか、ライフサイクルコスト(LCC)。何十年後に大規模修繕が必要ですと、シュミレーションを組みます。その後、バラバラになった図面や資料、法的に怪しい部分は行政と協議して中長期保全計画を組みます。しかもデジタルツールとして図面などへと資料をまとめる。そうしたモデルを示したりします。

中長期保全計画書を所有者さんと一緒に組む。何年後に事業計画的に、今が大規模修繕要りますので計画を組みますと。今日お見せするのはHPの下書きのようなものです。


三っ目の軸が、先に話した、大江宏がつくった梅若能楽学院開館という傑作建築がある。そのことは知られてないので、御施主さんというか、梅若会という能楽師たちのの会があります。彼らに対してこの能楽堂が取り壊されないように、取り壊しの話が出る前にこの建築は傑作ですよ、と仕込むためにいろいろなイベントを企画しています。傑作建築が東京のど真ん中にあります、知らないでしょうから、見に来てください、イベントもやりますとか。なんならドコモモに登録してください、投資してくださいと言うような働き掛けをしています。

建築を壊れたら設計者を、施工者を呼ぼうじゃなく、10年前、20年前から設計者は気付いて「あなたの事業計画にとっては10年後に修繕するのがいいのではないですか・・」と。「この建物の価値を認めるには・・用の機能を付けたり、中長期保全計画だけではなく、中長期の事業計画も含め一緒に面倒を見るよ、と。これはお金がかかるのではなく、保存していくために本気でやっていきますよ、と。

そういう設計事務所を運営しようという企画が「ato」という称号です。




■分譲マンションの修繕計画

松田:分譲マンションがね、管理会社が入っている。分譲マンションだと30年後までの修繕計画が出来ていたりします。それによってそのマンションの市場価値が変わる。 

谷繁:アーキブレインという田村先生・・・・それを僕らはタワマンでやらなければいけない。
     がやがやがやがや

それが建築家の仕事になるから、会議などをちゃんと仕切らないといけない。僕らも裏ではタワマンの研究会を開催してます。これからは建築の「ato」のことが大変。ディベロッパーは売り逃げするので、その後の面倒を見る仕事をやらなければいけない。

浅野:僕は自宅マンションの理事会の会議してます。
谷繁:なにか分からないけど人の面倒を見る、皆がやりたがらない面倒な仕事をお金には成るのでなく、いい建築をちゃんと残すためにやって、今後は活動しいこうかなと。

松田:マンションで言うとリノベするときに、管理会社に行って竣工図ありますか?と聞くと、「無いです」と。「では現地調査させてください」と毎回やるわけでしょう。15年後、20年後を見据えてリノベのための情報を一式15万円とか売ってくれるなら、買うのに。そういく建築情報を管理してくれる会社があったらいい。

谷繁:そういう話です。
松田:僕もベトナムの会社で去年、オフィスを売ってビルのでっかい建物を、作業している人がいて、聞いたら。既存部の・・・東京のなんとかいう駅ビルなんですよ。設計業者は松田平田と言ってる。図面はここにあるので何やっているの?と聞くと20年ぐらい前でキャドで描かれているのじゃなく、青焼きの図面しかない。青図をBIM化してほしいと。
建物が10、15年後に改装されるときに平面図しかないから、15年後のために一度BIMにしてください、と。図面のトレースを描くのは慣れているけど、既存の建物をBIM化しておく、そういう仕事がある。お金と時間の余裕が重要なんだけど、急がない仕事。

浅野:静岡が・・・がやがやがやがや・・・

松田:静岡の土木設計事務所がそれをやっていた。

、

■工業化住宅は改修ができない


谷繁:私がハウスメーカーの研究をしてきたんですけど、工業化住宅は改修ができないんです。型式認定とか・・・改修してしまうと違法になる住宅が多い。増改築で鉄骨をいじったりするとそうなる。それを誰もやっていないので、僕が住宅改修をどうやったら、・・・。
ぼくより、ちょっと上の世代は木造住宅、比較的改修しやすいリノベーションの仕事を仕事としてやってきたんです。ここからはタワマンとか工業化住宅とか、改修するのが面倒臭い。型式に関わってくるからとか。建築基準法上むずかしい改修を仕事としてやっていきたい。
なので、佐藤さんに見ていただいていた仙台で、卒業設計のプレハブ住宅の研究は9年ぐらい続けています。まだ実作にはなっていないんで。

佐藤:谷繁さん以外でプレハブ住宅の改修をしている人はいないんですか。
谷繁:いますが、違法でやっています。

 ガヤガヤガヤガヤ

違法じゃない改修をしている人は建築雑誌に載っています。

浅野:たいせい建築事務所はどうなんですか。
谷繁:それは僕の前職の事務所です。喧嘩しています。
浅野:そうなんだ。
谷繁:青木繁建築工房の弟子事務所です。

佐藤:谷繁さんのように卒業設計のテーマを卒業後も続けている人は珍しいですね。谷繁さんを追っかけ記録しつづけなければいけない気分になりました。(笑)仙台で日本一になった大室佑介さんは「死や棺」というテーマは底流を流れていますが、建築化はしていません。
浅野:ハウスメーカーの研究をやっている。愛知県、ぽくにはいいなと思ってます。工業住宅をちゃんと研究するのはいい。

谷繁:東京シティーボーイ建築家ではない(笑)同級生たちがお洒落な設計事務所をやっている。だけど自分は・・

   ガヤガヤ ガヤガヤ
愛知はハウスメーカー多い。静岡に大工場がある。トヨタ関係なんでトヨタホーム、ミサワホーム。
      ガヤガヤ ガヤガヤ
地味な仕事もけっこうやっています。


■谷繁さん名古屋圏に戻る

佐藤:谷繁さんは4月から名古屋に来て間もないんだ。
浅野:そうです、名古屋に戻ってきた。
松田:地元がこっちなんですか。
谷繁:岡崎です。
浅野:主にデザインシャレットに居て。・・今、野島君も名古屋に関わっているし。おどり場の桂川君も参加していたし、今だにデザインシャレット参加者と繋がっている。

   ガヤガヤ ガヤガヤ

谷繁:東京と比べると、学内でいろんなレクチャーしてて学生が参加しない。東京だと常にギャラ間とかで展示している。学内にもいろいろな建築家がレクチャーしている。学生団体に参加したいという気持ちが湧かないのかな。むしろ仙台、福岡、京都、大阪、名古屋の方が学生団体が実働している。東京は学生団体がない。

浅野:松田君が学生で居た時代の方が名古屋の学生団体が元気だった。名古屋でも卒業設計に特化しちゃっているから、それ以外は元気だった。その最後の世代じゃな〜。
松田:名古屋はフラット以外に回っていたかもしれないけど。学校関係なくというのは無かった気がするね。
小出:コアメンバーでだいぶ務めてもらうので、私は・・メンバーだから・・なんとか。

谷繁:学生が集まると表層的になる。卒業設計とか、分かり易い目標を見つけてできやすくなる。そういう問題がある。僕が東京でずっとやっていたのは、建築お宅の人が誰も知らないドイツの謎の建築家と2時間ぐらい喋り続ける。人を集めてそういう企画をしていた。
名古屋ではそういう会が成立しない。建築お宅みたいな人たちが自分の興味関心のおもむくまま、ひたすら喋っている会。謎のお宅を見続ける会は名古屋では作りにくい。

松田:そのイベントは世代の幅があるんですか。
谷繁:学生が多かった。学外の人が集まると目的化するんですよ。これを維持しなきゃとか、イベントやらなきゃ、ちゃんと人を集めなきゃとか。お宅が喋っているのをオモシロいねと集まってる空間は、東京だとお宅の人が多い。名古屋だと・・大学だと学びの場が足りないと思ってる。意識も高いし能力も高い人が外に出ようとする。そういう人が集まって学外会議が整っている。イベントやらなきゃ、人を集めなきゃか、結果残さなきゃとか。サークルを作っていて「ちゃんとしなきゃ」という気持ちが強すぎる。ただただ誰も知らないドイツ建築家について1時間じゃべっている、そういう事が起きない。
浅野:意識高いのは居るんだけど大学院は関東へ出る者が多い。

松田:東京で今、隈さんの講演あって、人は集まりますか。妹島さんが喋る会とか。
谷繁:妹島さん、集まるとは思います。隈さんは分からないです。隈研だから何も言えない。

 会場 おおわらい

松田:そういう人達さえ、いなかった。まずは分かり易いアイコンとしての妹島さんや西沢さんに来てもらおうと、15年ぐらい前に僕らがやっていたことです。とりあえず建築の学生は、妹島さんだったら知っているから来る。もうちょっとコアな藤村龍至さんが来ると・・・。審査委員長に宮台真司を呼ぼうとなって。僕らの下の人は宮台真司さんを審査委員長に呼んでいた。

谷繁:有名な人を呼ぶことになっちゃう。そこも大事だけど、違う気もします。ミニ缶という会を組まないでやって一番盛り上がったのは 板坂 留五(るい)さん、芸大でている人。彼女が独立する前。三沢さんと最初の一作目のお母さんの実家のプロジェクトをやっている最中に開いたら、いろんな人が集まった。あの場面が一番良かったなと思いました。

松田:大西麻真貴さんのような感じの女性ですか。
谷繁:そんなにいい感じではない。比較はしてないです。先輩なんです。
松田:若い女の子が建築をやっていて、ちやほやされる感じでワッと集まる?んですか。
谷繁:ちやほやという文脈ではないです。単に才能のある人。この人は面白いことをやっていたから、明らかに才能がある。最初の作品を西沢徹夫と連名で発表するなんてありえない。あった、それぐらい才能のある人です。設計している途中のを見せてもらった。あのときは一番面白いと思いました。集まったのは30,40人です。そういう空間というのが大事なんでしょう。ポピラリティーとは別の話です。


佐藤:名古屋で限ったことではないだろうけど、有名の人しか知らない。だから、ポピュラーな人を呼んじゃうの?
浅野:それはそうだと思います。
佐藤:東京発雑誌情報のみでね。今、ここで面白い人を知らない、探さないということですね。
谷繁:それは難しくってYouTubeで有名でたくさん仕事している建築家。嗅覚で感じるんですが20年後になる人もいるんです。図面見たら分かるじゃないですか。
佐藤:才能ある人は偶然会っても顔言動を見ただけで分かる。
谷繁;わかりますよね。
佐藤:若くい人でも、こいつはいける、と感じさせる覇気はあるもんです。

谷繁:そういう嗅覚で集まってきた人たちと、2,30人で議論している時が一番楽しい。今日、佐藤さんの話を聞いていて思ったけど、自分の体験としてもそうです。板坂 留五さんとかは6年ぐらい前に呑んで語りあった時が一番面白かった。

佐藤:建築・有名人になってしまうと、自分のスタイルを演じる演技力が付いてしまっていて、見ても聞いても面白くないと思うんだけどね。学生にとってはセルフプロモーションしてる演技でも面白いと思うのかね。
谷繁:インタビューするときに言うのは、大御所建築家に落語をさせない!。

  佐藤 おおわらいしている

谷繁:建築家演じる古典落語ね。Aと聞いたらBと返ってくる建築家にいかに、D、E、Fの話を聞くか?です。それは聞き手に技が要るので、建築媒体脳で満たされている多くの学生には難しい技でしょう。出来る学生もいるかもしれないね。
名古屋市内の学生めちゃくちゃ優秀ですごい設計も出来る。すごい真面目で、この人達はすごい設計者になっていくだろうな・・・と期待もあるんです。
一方で名古屋にいる設計者は本当にちゃんとしている人が多い。仕事もしっかりちゃんとするし、生き残ってきている。東京のように何でこの人は生活しているんだろう?という謎の設計者はいない。

岡松:謎の設計者いますよ(大笑)

谷繁:親の資産を食いつぶして生きているのか、謎の設計者・・名古屋にはいない。
小出:高村さんは謎、わからない。
谷繁:そう変わっている。どうやって喰っているんだろうという建築家。名古屋の人達は本当にちゃんとしているですよね。仕事に対してクオリティも明らかに高い。
この人仕事ちゃんとしているのか?謎の暮らしをしている人は名古屋では会わないですね。すごい仕事している人にしか会わない。

浅野:岡松さんの旦那さんは建築家です。
佐藤:名古屋で唯一謎の建築家を育てているのかな?
岡松:謎かもしれない。

m

■所員にはいい給料をだす建築事務所の経営者になりたい

松田:そういう意味では危ういし教員もやっている建築家、この人なんなのだろうな?という・・・危ういし教員としても教えているのかはよく分からないし。だけど建築についてはすごい語る。そういう人はいたけど。
そのような人を見て来たせいなのか学校教員になるのはどうなのか?ちゃんと設計で稼いで所員にもよい給料を渡したいよね。
自分が何時までも図面を描いてるのではなくって、経営側に回りたい。そういう価値観を持った設計者が増えている。
名古屋だけではないけど月10万円でも暮らしていけたんですよ。今は月10万円では暮らせなくなってた。スマフォもあればPCも要る。模型で済んでいたのがリアルなCGを求められる。

谷繁:月10万だとアートキャドのサブスク料です。

  がやがやわいわい

松田:
社会的にみたらヤバい事務所。全員業務委託者!雇用契約は無い。全員が各自確定申告する個人事業主。で月に15万円ほど働いている。それが愛知県岡崎市だと成りたっていた。

谷繁:成り立っていないんじゃない。
松田:成り立っていないから、今はやばいんです。そういう形態はだんだん無くなってきた。ちゃんと金を払う所にしか人は集まらなくなってきた。お金を払っても集まらなくなってきた。


■設計業にある雇う側と雇われる側にある貧困ループ

谷繁:「ato」で考えている中長期保全計画を作っていきましょう、という話は設計業は数年に一回のスパンで収益が変動し続ける。そういう経営じゃなく定常的にお金がもらえる仕組みを想うと、その時に設計料を前払い後払い。
松田:建築維持保全についての顧問契約ですよね。

谷繁:辻さんも似たようなことを言っている。
佐藤:彼は更新設計で人生のおおかたの収入を確保したいと思っていたね。個人のかたと契約をしていた。
谷繁:設計業の構造事態(自体)を替えていかないと、自分自身が儲かることは難しくないと思うんです。持続可能に人を雇っていく、次のステップは厳しい。

松田:真面目にやっていたら、それも出来る、という創造のルートが無いんですよね。皆さん、たまたまサブでやっていた仕事があったとか、大学の教員になれた、とか。そういう再現性のない処でしか人をちゃんと雇うことができない。



谷繁:原宿などの美容室は独立する時には、そこで店舗を借りる。建築家の人の方が原宿の美容師より独立意識は低いのではないか?建築家はマンション一室借りたらできちゃう。

佐藤:2日前に、九段下の都営住宅で設計事務所を始めてた、ご夫妻を聞き取りしてきました。共に30才前。自分の家で始められる。彼らとは偶然道路で声掛けたらのがそういう人達だった。縁があるので聞き取り続けようとメッセージいれたらOKだったので、さっそく訪ねました。家は家賃が安く自転車で都心を動き回れるので便利な場所です。世帯収入が条件を超えると出ていかなければ成らない、と語ってました。

谷繁:原宿の美容師さん独立しようと思ったら前払い金、敷金礼金だけで数百万円、払わなければいけない。建築家という職業は独立意識は美容師より低い。そういう話をしています。

佐藤:丹波篠山の周囲がド田舎・農地で、古民家を買い取り、美容i室に改造した知り合いがいます。神戸などからの客が日に4、5人あり、月100万円ぐらいでしょうね。旦那は手作り家具をつくりネットやデパートで売ってます。奥さんの方が月収は高いんだと喜んでました。田舎ですけど女性は美容に金をかけるんですね〜とニヤニヤしていた。髪結いの亭主ですね。
建築家の卵も髪結いの亭主を決めて、ど田舎で事務所を開いてコツコツ名を売り続けられる世になりましたよね。

谷繁:建築家は人を雇う側になるという意識無く独立できてしまう。それはいいことでもありますけど。
松田:建築士事務所はお金掛けなくても独立できちゃうからね。美容師さんはお金かりるのに2,3千万要る。プレッシャーデカい。やるしかない。子供や家族を食わせないといけない。小さく独立しちゃうと自分だけの飯代稼げばいいからね。
谷繁:3,5年後に、10年後に独立すると、自分が雇う側になると思う。雇われる側の労働環境を直そうという意識がないですよね。仮に手取り15万円で5年間働こうと想って、5年後自分が手取り15万で人を雇う人間になる、その時は労働環境を変えたいと思わない。そういう意識がよくないんですよ。

建築設計者の産業別労働組合がいいと言い続けているんです。ユニオンが要る。アメリカはたくさんあります。

佐藤:組合があって、どこで働いても同じ賃金、移動してもキャリアは加算され続ける。交渉は窓口一本に、建築士を組合を通して雇うと雇用側も楽になるんだがね・・・。
谷繁:設計者が設計料が足りなかった時には逃げ込む弁護士とか労働組合は要るよ。ずっとしているです。施主から提示された設計料が低いとか、未払いの時に、それらを交渉するときには無料で弁護士が派遣されて請求する。組合、ユニオンは日本も要るよ。

松田:セーフティー共済みたいなのはある。
谷繁;日本の建築士事務所連合会、建築士会、建築家協会は役に立たないんです。
浅野:小野田さん学会会長が頑張ろうとしている(笑)

   がやがやワイワイ 

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