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佐藤敏宏の2013年ことば悦覧@大阪 幸家大郎 (たろう)編 01 02 03 04 |
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![]() 2013年9月16日 大阪 台風一過で ![]() 01 佐藤: 5年前の聞き取りでは 実家の新築工事が着工寸前のことまで 記録はあるのですが、その後の仕事ぶり、それから アート活動もなさっているのでその当たりも話していただください。 地域づくりも参加されていますよね。その後のことを順を追って話していただけますか 幸家:だいたい時系列で、説明が抜けることろが多いので途中で細かい処を質問を入れながらだと 喋りやすいのでよろしくお願いします。 ![]() 佐藤:講義じゃないので二人で話ながら進めましょう 。実家の建築工事が初建築だったですか 幸家:そうなんです。実家が火事になって全焼して。それで 皮肉にも初めて住宅を設計することになりました。実家が全焼した跡地に建てるという、そういう話でして。5年前のインタビュー受けた時はまだプランしてたか? ごちゃごちゃしてました 佐藤:その後どんな家にできたのかか 教えてください 幸家:いわゆる間取りで 1年ぐらい掛かってしまって。ああでもない、こうでもないで 1年掛かりました。 住宅ですけれど 資材置き場の中に建っているような形なんですけどもね。住宅の手前、南側に資材置き場があって。実家は建材売っているもので。 手前の方で資材置き場を何となくブロックして、後ろ側の方 2階の建物で、ちょっとプライベート性を高めた。 佐藤:2棟 全て新築ですか 幸家:はい そうです 全て新築です。木造二階建てと 平屋建ての2棟です。 ![]() 佐藤:ざっと見た目の印象だと アート表現している 幸家さんらしくない 幸家:ははは かなり普通かも 知れないですね。 佐藤:私が考えたアーテスト大郎建築と出来た建築の違い、その当たりはどうしてですか 説得しにくいとかですか 幸家:実家に関しては まず木造 木でいくことと。土壁。中が土壁になっているんですよ。 佐藤:外壁は杉板はってあるんですか 下見板貼りかな 幸家:杉で仕上げて 土壁の2重壁になっていますね。 杉板は實(さね)で張ってます。空気層をとっている2重壁です。壁と屋根をそういう形にして。 瀬戸内海の田舎の家なので冷暖房要らないんですけれども。そうかと言って 暑いんで、2重壁はオーソドックスな形ですけど。 佐藤:内部は板貼りですね。床は櫻を貼っているんですか 幸家:材料屋なんで余った材料でどうしても ははは みたいな話になって。 佐藤:実家も幸家さんのセルフビルド なんですか? 幸家:これは違います 地元の大工さんで建て 小舞をかいて土壁を塗れる職人さんがギリギリでしょうか、 お爺さんですが土壁塗れる職人さん居たので。その人に仕事をお願いしたっていうことで。 佐藤:土壁の上に漆喰塗っているですか 幸家:たんなる塗料を塗ったんです。 佐藤: 板が貼ってあるところは土壁の上に板を張って仕上げたんだと 幸家:そうですね 佐藤:昔からの幸家さんアートの数々、 作品を知っている俺としては これが幸家さんの建築とは一概に 思えないですね。 ![]() 幸家:はははは オーソドックス ふふふふふ こちらの絵が手前の平屋の建築ですね。 お婆さんが住んでいる。 奥の2階建ては 実家を引き継ぐ 弟夫婦と子供が住むようになった。 佐藤:お婆さんの家は片流れの屋根ですね。畳も敷いてあると。オーソドックスに仕上げたと。 幸家:廊下は田舎のことなので 1間幅の廊下にしました。土地は少なかったんですけど、廊下は納屋みたいな使い方をするんですね。色んな物を置いてたりして。すぐ物置になるので 広めにとったですね。 佐藤:広島県の大島でしたっけ 幸家:大崎島ですね。 木工造 そのまま現しみたいな形のシンプルな家を、実家の方でも、もっと流行らせるというか。 佐藤:建材屋さんだし ね。 木材を一杯使って、地域の人にも理解されるような建築にしたと。 ![]() 幸家:あんまり新建材を使わずに実家をつくった。新建材も売っているんですけれども。地元の材料を使って家を建ていかないと、どうしてもハウスメーカーが島の外からやって来て、大工をただの手間大工として使うですよね。 島の技術を持っている人を使う。ハウスメーカーの下請けやっていくと、工務店は無くなる。家を建てる力が無くなっていくような感じなんですね。 佐藤:ハウスメーカーに依頼すると 地域内にも 家を建てたお金が回らなくなるしね。 島のお金が外に流れて行っちゃうんだね 幸家:工賃だって 叩かれたような値段でね。職人さん達が使われて居るのを知っていたので。それはあかんやろーと思って。地元の人達で造るような感じの家をもっと造っていきたかったですけど。 ちょっとまだ力が足りなかったと言うか。 地域の人達「がんばれよ」とアタックしたんですけど。弟は流されるというか、現実には地元の材料で建てることの方ではがんばってないですけどね。 佐藤:地産地消目指したんですね。地元の建材と職人さんを使って地域循環型の建築系経済の作り方の1番 問題なところは何だと思いますか? 幸家:う~と、けっきょく。やっぱし 人ですね。誰かコアになって「こうなんだ」っていう考えを、こじ開けてでも伝えていくような形の人が、次の状況を作る人ですね。そういう人が居ないと、全て外の事に流されてしまって。色んな技術などが消えて行くみたいな形ですね。 佐藤:日本の政治の仕組みからいって、外材を買って工業製品を世界に売るっていう政策ですから、その大きな流れがあるでしょう。 幸家:そうですね。 佐藤:急に 伝統的な建築技術が無くなった訳ではなく、徐々になくなっていっていまや消えかかっている処を また元に戻すっていうのは そうとう難しそうだね 幸家:結局は 難しいですね。 ただこの住宅も、米松とか外国の材料安い材使っているんですけど。必要 以上に付けなくってもいいものってあるじゃないですか。クロスみたいなことだったり。要は削いで削いで。真壁 柱と 原材料により近い物で 昔のようなシンプルな作りだったりすると 手間は掛かるけど そこを地元の人でやっていけるというか。 それが段々消えていって。 新しい建材、どんどんどんどん頼っていくみたいなか形なんですよね。 本当にいえば新建材をばんばん売りまくる材料屋じゃなくって、材料屋からもうちょっと。こう~ 佐藤:地域の産業を再興していくような実家の路を拓きたかったんだと。実家再興的な理想話しとしては分かるけれど。 まとめる人が居ないと。 幸家さんの地産地消 建築の夢が 実家建築で出来たんだと。地元の材料はどの程度使っているんですか。 幸家:柱は地物です。取引先の四国から。 1番大きいので150角、だいたい4寸角で入ってますね。1箇所かな 18センチの断面の柱も入れました。 梁とかはほぼ米松になりますけれども。ははは、ちゃんぽんですね。ただ なるだけ貼り物、サイディングにしても 木でやって塗り替えたら何遍も使える。 佐藤:完成して評判はどうですか? 幸家:実家に帰ると いつもうらやましい いいなと ふふふふふ 好い暮らししてるなーと ふふふふ 佐藤:どのぐらい掛かりましたか 幸家:地元の大工さん、基本的に 1人、木工事やる人がずーっと工事してたんで。建て方は人が来て。1年掛かってますね。 ![]() 幸家:90坪ぐらいやったと思います 佐藤:建具はどうしたですか 幸家:地元の建具屋さんですね。絵を描いて持って行けば太さを決めて作ってくれるような。 佐藤:実家の建築に関しては他に何かありますか 幸家:町とか 地域をつくるとかには もうちょっと積極的に踏み込んで行きたかったんですけど。 佐藤:故郷以外では地域作りに関わっているので 実家の建築を作ることで故郷にもう少し関わっていきたいと思いが実現できたていないと 幸家:その点は保留みたいなかたちです へへへへへ 佐藤:実家の建築を完成させ この場を起点にまちづくりも展開していきたかったんだと 幸家:本当はそうしたかったですけどね、ちょっと保留 ふふふふ ですよ。 それが2008、9年当たりですか。 でその後に 作った建築です これは山科の改修なですけども・・ その02へ |
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