ヤノベケンジ入門 文字お越し集   2018年 作成 
 2003年 動画) 誇大妄想の都へ 脚本ふうに文字お起し
 制作しているヤノベ

子供:こんにちは、また来てはるんですか、
ヤノベ:え
子供:忙しそうですね毎日
ヤノベ:ふははは。今日も学校終わったん
子供:はい 終わりました。ほんで習字やってから帰ってきたから。6年生です。
ヤノベ:もうすぐ中学やな
子供:はい
ヤノベ:・・近なんな
子供:はい。一番世界的に有名ってことは知ってます〜
ヤノベ:誰が言ってた
子供:母さんとか何か言っていた気がする。
ヤノベ:へーえ



 記者会見場
司会:未来の廃墟の

ヤノベ:何か運命的なものを感じたんですね。というのはですね。僕の作品の原点というものが大阪万博というのに関わっているからだということですね。
というのは、私は1965年生まれで、ちょうど70年代の万博の記憶はあんまり無くって。小学校に上がる前に71、2年の時に丁度、茨木市に引っ越したんですね。茨木市というのは大阪万博跡地のすぐ、隣接する町で。自宅から万博会場跡まで約10分ぐらいですね。という所に住んでいました。子供の頃の僕にとっての思い出は、格好のあそび場、要するに万博の、多くの人のイメージに有る、人類の未来のすごく幸福な状況というよりも、僕はその万博が終わった、取り壊された跡地で、遊んだ記憶の方が多いですね。そこに僕は終わってしまった未来像を刷り込まれたということです。


ヤノベ: 何も無くなってしまったから、寂しいんじゃなくって、何も無くなってしまった大地だからこそ、自分で何かを作って生きるんだ。何をやってもいいんだ。そういう意思があって物を作って来た。
展示会場

ヤノベ:テレビでしゃべるのは恥ずかしいわ。これから日本はどうなりますか、好きな事やっているだけや。
でも個人の物語が大きな物語に繋がる瞬間があるですよ。それが凄く面白いんですよ。だから、僕がこう、決して偉いとか、才能が有るとか言うんじゃなくって。何か社会の中の一部として、生かされている、というのは、ここに接点があるからだと思う。

ヤノベ:お、お、水位 やなー。お、凄いやんこれー、ほら!
女性ナレーション
終わってしまった、未来の大地。サバイバルトレインは未来の廃墟のその先へと向かいます。膨らんだ妄想は、時間を飛び越え、やがて一つの町を生み出そうとしています。

 駅で磯崎新氏に会う
ヤノベ:お久しぶりです。どうも遠い所ありがとうございます。
磯崎:久しぶりで、万博協会の事忘れてたからね。
ヤノベ:でもその時、見た記憶って、強烈で、大屋根の下

ナレーション:磯崎さんとヤノベさん。年齢も活動する分野も違う二人ですが去年未来の廃墟をテーマにした、展覧会で、それぞれの作品を発表しました。

ヤノベ:設計した デメ君とかが放置されていたというのは強烈な印象。
磯崎:はははは なるほど
ヤノベ:実際のお祭りの未来的なお祭りの万博というよりも、未来が世界が終わった後の廃墟みたいな所で遊んだっていう。それが僕の万博の記憶だったです。

(太陽の塔を見上げ)やっぱりおっきいなー。お祭り広場も・・

ナレーション:来るべき輝かしい未来未来を謳った1970年の万博。しかし、ヤノベさんが足を踏み入れたのは、未来都市の廃墟でした。取り壊され、放置された施設の数々。中でもとりわけ印象的だったのが、広場に残された巨大なロボット、出目でした。

ヤノベ:目玉が二つあって、というデザインが腕が二つあってという。 それも磯崎さんが設計され。
磯崎:あれはデザインしたんですけど。誰も褒めてくれなかったよあれ
ヤノベ:ふふ。いや僕はもう凄く好きで。
磯崎:そうですか。おそらくね、おもちゃっぽいというか、子供のつまりもうちょっとロボットはもっと捻って、色んな形をするもんだと皆おもってたんだと思う。あんな、真ん中の胴体、立方体なわけですよ。それに球が二つ載っていると。これは子供の最初に使うブロック模型と同じ素材ですから。
ヤノベ:はははは
磯崎:それをただ、組み合わせただけですから。
ヤノベ:でもやっぱり僕はデザインが気になって、その後僕の作品自身もロボットのような形をとっていたりとか、あるいは乗り込める、操縦できるような、そういうのも、あのデメ君の乗りたかった。
磯崎:なるほど

ヤノベ:そういう気持ちが拡大していった。という意味では原点的なところはあるんですけどね。
















居酒屋ふう
ヤノベ:万博というのは未来都市を想定されて作られたイベントじゃないですか。
磯崎:まあ一応キャッチフレーズにはなっていますけど、そういうふうに。
ヤノベ:で僕はそこに何も無くなった大地に妄想の都市を観たんですよね。やはり、そいうことによって、今言ったように、家とか車とか服とか、生活に必要な、あるいは文化を形成していく、都市を形成していくような必要な作品をどんどん作っていった訳です。

磯崎;壊していくっていう事と作ってることは実は同じなんで。逆な意味で言えばなんか作ろうと思うとするならば、壊しながら、壊さないといけないたくさん。
 僕自身も思わなかったです、その出目が廃墟であるということは。廃墟になったということ、なる、成るなんても思わなかったし。教えられました。

ナレーション:ヤノベさんが手がける、作品の一つが、ガイガーカウンターを体中に埋め込んだ、放射線感知服。アトムスーツです。これから、このスーツに身を包んで、未来の廃墟を探索します。

ヤノベ;着るとやっぱり、自分が違う存在になったような感じ。アトムスーツというのは僕が着ているんだけど、自分のプロジェクトの中では、何か遠い所から地球を見ていると、遠い所から人間がやって来た事を凄く客観的に冷静な目で淡々と見ている存在。そういう処に置ききたいんですかね。

ナレーション:70年当時、未来の空中都市と言われた、EXPタワーが今解体、撤去されようとしています。

ヤノベ:うわ!格好ええなー。クラゲみたいやー。
ナレーション:万博当時の建物は老朽化などの理由で、次々と姿を消していきます

ヤノベ:いける、こっちやったか。あのー上の向き方とかなー、ちょっと後ろから見て、違和感ないかとか、そういうのチェックして置いて。
男:はい

ナレーション:地上100mの所に在るかつての展望室。空中の廃墟とも言える場所ですが、そこには、命が静かに息づいていました。(タワー内の苔)

ヤノベ:かっこえー。


ヤノベ:落下する未来。とか、落ちて来た未来、みたいな、気持ちというか、言葉が浮かんだですよ。それは凄く未来が無くなってしまうとか、崩れてしまったとか、そいう事じゃなくって、何か未来の種が落ちて来たみたいな。地上にまた、再び降りて来た。で、何かそこからまた、生まれるという、ものがすーっと一本に通った感じ。自分の中でそれが腑に落ちた感じがして、それが凄く、そういうラインが自分の中で今見えた瞬間があったので、ドキドキしましたね。


 その02へ続く