渡辺菊眞個展2019 目次へ  記録作成 文責 佐藤敏宏
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■ 幸家太郎さんによる感想

佐藤:どこから、高知に来ましたか。奈良県のあまかわ村から
幸家:天川村(てんかわ)です。
佐藤:大阪から移住したんのは,、奥さんに捨てられたとか
幸家:もう捨てられてますけど。どうしようかなと思って。ははははは、その話からですか、今日は過酷だなー。はははは

佐藤:今日は、そういう話を聞くのではないんだな。ちょっと心配になるからな。どころで、今は拠点はどこなの
幸家:拠点が無くって、事業所が在ってんですけど、Dハ ウスという大企業に、オーナさんと、やっていたプランごと持ってかれて。老朽物件、オーナーさんのもつ、T字の旗竿敷地の元鉄工所跡を、アトリエにして使っていたんです。そこを建て替え、一つの場所にするというのでプランやっていたですけど。某Dハウスにやられてしまいまして、持っていかれちゃったんですよ。仕事、なくなっちゃって、そこからね。
 僕は今、娘がいまして。娘が「大阪の学校に行きたい」というのでね、僕の事務所兼住居、アジトみたいな所から、4月から通わせていたんです。4月に入学して、2週間後ぐらいに、某Dハウスに。はははは。やられてしまいまして。

佐藤:追立くらったんだ。大都会はいろいろあるな。
幸家:はい。「2ヶ月後に出て行ってくれ」と、たたみ込んできますね。やっぱり、経済活動で彼らはやっていますんで。そん中で、オーナーさんも巻き込まれちゃって、「出て行ってくれない」みたいな話になって。時間のスパンが急すぎて、事業所が無い状態で。今、事業所ホームレスみたいなかたち。
 娘はとりあえず寮から通っています。学校の寮じゃなくって、奈良県の山の方の山村の田舎に暮らす人たちが使える寮。そういうのが在るんですね。県の施設ですけど。そこから大阪に通ってます。

佐藤:けっこう遠いの。
幸家:遠いといえば遠いんだけど、まあまあですね。急行で3、40分ぐらいですね。家庭問題と絡んでいて、楽しいですよ、最近は。仕事どころじゃない。で今は大阪に事業所を探している状態です。おおかた確定した場所が在って。

佐藤
:高知に来ている場合、じゃないん、じゃないの。
幸家:ここに来ている場合じゃないんですけども、やってられないんですよね。自分が壊れているのは、とうの前に分かっています。
 今年に入ってから、そういう変なリズムの中で「僕どこに居たらいいのですか」と。もう壊れているんですよ。その中で、この展覧会興味ありましてた。
佐藤:菊眞氏の展覧会のどの点に興味をもていたですか。
幸家:うーんとね。今夜、着いたばかりで、まだ展覧会自体は観てないんです。けども、FacebookとかSNSで、彼がね、敷地とかサイトに携わっている。というか、行ったり来たりして、どんな感情があるかと。何かその辺の些細な動きに、僕はずーっと興味を持っていて。その中で、25年ぶりの集大成で、一つの建築の形になったんだと。いやー素晴らしいと。


■ 作品を観たい

佐藤:25年分の作品、全て並べてあるからね
幸家:純粋に、観てみたいかったですね。それで来ましたね、どうのこうのじゃなくってね。
佐藤:菊眞氏自身に、興味があるんだと
幸家:僕はそうですね。

佐藤;菊眞氏とは、どこで会ってたんだろう。豊和塾かな春秋塾かな。
幸家:春秋塾ですね。そのころ菊眞氏は大学生だったじゃないですか。僕も学生みたいなもんでした。

佐藤:それで、古きよき、建築友の展覧会を観に来るよね。
幸家:一つは、それがあります。はい。
佐藤:自分の立ち位置も照らし出せるからね。
幸家:うん、うん。
佐藤:菊眞氏の展覧会を観て、俺はどうなっているのか、それも観る事ができるしね。
幸家:ただ一つ、祭祀というか、言葉は分りませんけども。アニミズムかもしれないし、縄文かもしれないし、言葉が分からないです。
 彼が何か、場所に対して想って、建築の形にした。それは凄く興味があって。そういうアプローチしている人は、居なくって。それは、観てみたいなーと思いましたねー、純粋に。
佐藤:アフリカから高知まで、菊眞的建築へのアプローチをしている人が少な過ぎると。
幸家:彼のようなアプローチしている人が少な過ぎるんですよ。居ない。
佐藤:それは、どういう点で問題があり、少ないのか。菊眞氏だけじゃなくて、発見しているけどサボって建築にしてないとか、いろいろ考えられると思うけど、
幸家:うーとね、肯定・否定みたいなところでは、僕は何もないんです。色んな人が、やっている人に対して、好きにやったらいい、と思うんです。
 でも好きにやたらいい、としても、何かこの角度はもうちょっと興味がある人が居てもいいんだけど、何か違う。全然違う所でやっている人が多過ぎて。興味という意味で言うと、彼がやっていることに興味があるんですよ。

佐藤:では、明日観て、次回の聞き取りの時に、その感想を聞かせてください。当座の問題は家族問題だと。
幸家:はははは。でもね、家族問題と、こういう展覧会の問題って関係あると思うんですよ、結局はね。
佐藤:体から、不健康になってきたと。
幸家:ははは。体の健康と、この世の中の健康と、僕の限界と、この世の中の限界と。何で生まれて来たんだろう、もっとオカルトになってくると。
佐藤:俺もそうだけど、ただ、年とてきただけじゃないか。
幸家:そうかもしれない。はははは

佐藤:これで終わります。 明日、展覧会をよく見てください
幸家:はい。

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