渡辺菊眞個展2019 目次へ  記録作成 文責佐藤敏宏 
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■ 正岡みわ子さんによる感想

佐藤:では正岡さんについては、津市の生まれだ、これ知ってますよ。
正岡:よく、知ってますね。
佐藤:聞き取りして記録しているから、覚えていますよ
正岡:前の家に来て、初めてうち泊まっていったんですよ。

佐藤:覚えてます!。2009年8月2日魚谷繁礼さんについての京都聞き取りで、俺は魚谷邸に1泊してますね。10年前です、新婚さんなのに押しかけて行って「寝せろ」と
正岡:そうそう
佐藤:「ここで、寝ろ」と、階段の踊り場だった
正岡:だって、あんとき部屋、無かったんだもん。

佐藤:繁礼氏が階段で寝て、俺と奥さんが部屋で寝るのが、よかったんだけど、手荒な歓迎で。
森田:今ならゲストルームありますよ。
佐藤:お!そうなの、京都に行くので、泊めてくれる
正岡:泊めますよ。

森田:まだ、魚谷邸に泊まったことないんですか
正岡:森田さん、よく泊まる!
佐藤:借家だったから、10年前。前回、2017年の京都聞き取りのときは、魚谷さん海外仕事で、不在だったんですよ。家はどこに買ったんですか
正岡:○○条です
佐藤:だいぶ、南におりて来たんだ。俺は、アパートに泊めてもらったかな
正岡:アパートじゃなく町家だったけど。東山の方の、あれは貸家だったの。
佐藤:今は自分の家、金持ちになったねー、やったねー。いいね。次回の京都はそこに泊まって、聞き取りしちゃうよ
正岡:魚谷に聞いてください。ゲストルームがあるんです。森田さんが呑んで帰れなくなったら、泊まる。
佐藤:俺、来年は京都聞き取りやろうかと思っているんだけど、泊まり賃は、果物でいいかな。
魚谷:日本酒でいい。

























■ 福島県の酒蔵 美味い日本酒 

佐藤:福島の日本酒はうまいの、一杯あるよ、辛いの甘いのどちらが好き
魚谷:辛いのがいい
佐藤:じゃ一升瓶かな。
正岡:よかったですね。

佐藤:福島県は日本酒が旨い。金賞酒蔵が日本一数が多いって。それ知らないでしょう。金賞受賞蔵っていうのがあってね、美味い日本酒を決める鑑評会て新酒と熟成酒の二回あるんだけど、味と香りと色を評価するんだよね

正岡:品評会みたいなもの。
佐藤:そうだね、ラベルは番号しか貼ってないから、どこの蔵の酒なのか分からない。蛇の目っていう白い茶碗に注いで、味香り色を、専門の鑑定家が味わって吐き出して評価している。7年連続受賞蔵がですね、20蔵ぐらいあるんですよ。本当にうまいんだって。
正岡:じゃ待ってます。
佐藤:繁礼氏は辛口好きらしいけど
正岡:そうそう、純米が好き。
佐藤:それは正しい、純米以上の酒がいいよ。醸造酒は醸造用アルコール入っているからね。
正岡:何かね悪酔いするらしくって、純米なら、いい。
佐藤:それが日本酒の正しい呑み方だもの。純米酒は水で割っていると思うけど純米吟醸だと割ってないと思う。
 俺は、福島で醸造用アルコール入っている醸造酒なんて呑んだこと、この15年ぐらいないもの。純米大吟醸になると重たい、しつこい感じにはなる。一升瓶入る冷蔵庫ある、
正岡:冷蔵庫はありますよ
佐藤:横浜のとある夫婦は、冷蔵庫持ってないよ。コンビニ隣に在るから。魚谷家冷蔵庫に一升瓶入るかな。
正岡:入ると思う横にすれば、
佐藤:横かー。一升瓶を、四合瓶に詰め直して入れるしかないかな。四合瓶は安けど割高なんだ
正岡:そうでしょうね。
佐藤:夫婦で日本酒好きなのね。
正岡:普段はビールですけど。私はどっちかと言うと、日本酒が好き。
佐藤:福島の日本酒呑むと他の日本酒呑めなくなるよ。でも、日本酒は味が蔵ごと酒の名前こと種類沢山あるから、辛い日本酒と言っても色々あるんだよね、辛くてフルーティーな酒とか、辛いけど水のようにすっきりた飲み口もあるし、
正岡:呑みやすい酒ね。
佐藤:美味い日本酒に出会うのは本当に難しいんだな。体調とも関係して味変わるし。

正岡:私祇園の割烹でバイトしていたんですよ、だから日本酒は
佐藤:祇園ですか、やば高級・高い場所でしょう。バイト料、1時間3千円ぐらいはもうんじゃないの。
正岡:バイト料は、そんなに高くないけど、お店は高い

佐藤:30年前に、「お前連れて行くから、一晩百、万だな、安くして50万だ」と言われたよ。俺はそんな金の高い所に行きたくないって断ったけど。
正岡:私のバイト場は、一人2、3万円かな。
佐藤:なんで、そんなことを知っているか、と言うと、友達に日本画家の娘がいるわけよ。祇園の「舞妓さんの裸にして描いてたから」祇園で顔の画家だったのよ。死んじゃったけどね。俺、貧乏人だから、そんな所に行っても、お酒美味しいと思わないからな、行きたくないから、断ったけど。一人3万だと言われても行かないな。芸とか見せてくれるんじゃないの。
正岡:それはないよ。それは、別に呼ばないといけない、舞妓さんとかね。芸子さんとか。
佐藤:問題のあることろ、カットする。愛されているね旦那にね。男はやきもち焼きやだからね
正岡:う、ひひひ。

佐藤:みんなも、布野先生も、酔っぱらっているから、聞き取りにならないよ
正岡:ははははは






福島民友新聞 2019年05月18日 より
福島県には清酒アカデミーという学校があり、酵母菌の管理と杜氏を熱心に育て続けている結果、金賞受賞蔵多い


















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■ やることがぶれない、菊眞先輩は

佐藤:渡辺菊眞展に関して、「ご参集のみなさんの感想を聞いて、文字にして残しておきましょう」ということで聞き取りしているですよ。菊眞氏は先輩でしたか、後輩でしたか
正岡:菊眞さんは、先輩ですよ。
佐藤:みわ子さんから観た、菊眞建築展どうでしたか。25年分を、一気に全部見せられちゃいましたが。
正岡菊眞さんは変わってないですよ。
佐藤:学生時代は、実作は無かったでしょう。
正岡:そうですね、実作はちゃんと体現しているんじゃないですか、思想を。
佐藤:思想ありますか。
正岡:あると思いますよ。なにか分からないですけど。凄く考えられている事が分かる。
 例えば建築とか物理的なものじゃないけど、思想的なものを、お持ちじゃないですか。「生とか死とか」そういう根源的なところとか、あんまり形の無いものを、凄く考えててられるじゃないですか。でも、造るものは建築なんだなって。形が凄い綺麗だし。
 なんとなく思うのは、建築って、要は自然破壊をするものだし。私は、なにか動くとか好きじゃないんですけど、建築は地面に固定するものだし。要は私たちが造っているのは、しょせん人工物。なにか自然だとか、そういうのをイメージしながら、造るものは、幾何学的だったり、それが凄く、私は好きですけどね。
 思想と違って地に足の着いた経過が好きですね。それが実際、建築に実現されるか、されないかは、もちろんありますけど。
 建築を造るということは、なんとなくそうい事なんですよ。どんだけ思想があっても、形にしなければいけないし、それはしょせん自然破壊をしている事だし。「自然との同化とか無いだろう」と思っているですけど。「菊眞さんの造るものは、やっぱり建築なんだなー」と。

佐藤:そこが、昔から、かわってないんだと。
正岡:そう思いますね。
佐藤:後輩として、影響を受けているところもありますか。
正岡:たぶん「布野研の人はみんな菊眞さんの影響を受けている」と思います。
佐藤:そうですか、それはどういうところですか、各自の思想を、建築図面化するっていうことですか。「建築は自然破壊だ」とおっしゃったけど、自然破壊しながらも、つくると。
正岡:菊眞さんが、どうかは私は分からないですけど。うちの事務所はどっちかと言うと、実際の建物を造っている。私は思想というよりは、実物を造ることの方が経験が多いので。でも「何か、造るんだと」いう明確な意思を持たないと。建築と自然とはしょせん同化しないし。「建築を造るのだ」という、なんていうかな。
 菊眞さんの、可愛い形、まるい形ができるのか、曲線とか。形が可愛いじゃないですか。可愛いなーと思いますけどね。

佐藤:女性建築家は言うことが違うね。男は「あなたの建築は可愛いなんて言わない」と思うけどね
正岡:うそー!
佐藤:今日初めて、菊眞展の建築の印象を「可愛い」って聞いたよ。
正岡:可愛いじゃないですか
佐藤:俺も言っているかもしれないが、「可愛い」とい表現したい気持ちは分かりますよ。菊眞氏は、いかつい顔をして「可愛い」と言われたら、恥ずかしいがったり、怒るんじゃないですか
正岡:怒らないと思いますよ。

佐藤:なるほど、可愛い建築と次回も言ってみますよ。こんな感じでいいかな。5分30秒です
正岡:十分です。
佐藤:ありがとうございました。
正岡:私、あんまり、こんなに、喋ることないから。

 







0344
 姿勢は学生時分と同じだ 

佐藤:「建築は自然破壊している」なんて、今日は誰も言ってないよ。
正岡:言ってないですか。
佐藤:だれも言ってない。
正岡:造るものと乖離しているじゃないですか、凄く考えてはると思うんですけど。
佐藤:建築は自然破壊していると。今、そう思うなら建築は造らないじゃないですか、建築家の宿命として、それを背負って造るのかな。
正岡:宿命ですよね
佐藤:いやいや造るか、自然は破壊して人間のために改良するのがいいねと、人間に役立てばいんだと、両方あるじゃないですか。そこを折り合いをつけながら、どっちも巧く造っていこう、という人もいるでしょう。菊眞氏はいろいろ考えているように見えるね。後輩からはそう見えると。
正岡:考えていると思いますよ。たぶんみんな影響されてると思う。

佐藤:一人でかつ、自力の建築個展を開かれて、みなさんショック受けたんじゃないかね。
正岡:展覧会は別にショックは受けない。
佐藤:なるほど。「相変わらず学生の時と同じことやっているわい」と。
正岡:ずーっと、同じことやっている
佐藤:ぶれないなー、菊眞先輩はと。
正岡:それは、そうですね。「さすがだ」と。年取ってきただけで、やっていることは学生の時分と同じだと。

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