須藤悠果さんinえで図2021年10日(ROOとZOOM) 聞き取り記録

ROOMに移動して100分以上話し合いました。以下、須藤さんの語りを大まかにまとめた記録
2021年 作成 佐藤敏宏
東北大に入学した動機

佐藤:ROOMに移りましたので、ここから須藤さんの話にもどります。最初はどんな気持ちで東北大学に入学しのか。前回の聞き取りで聞いたかもですが、もう一度ここで振り返ってみてください

須藤:実家が手打ち蕎麦屋なんです。脱サラして蕎麦屋になっちゃったお父さん。建築とか美術とかには、小さい頃から馴染みがあったわけではなくって、ただ高校の頃にちょうど新国立競技場のザハ案がテレビに、ばーんど映り始めるころでした。それがけっこう凄い衝撃で「こんなことできちゃうんだ」と思って。そういう体験、で大学に入る世代なんですよ。

 で、そこから、オリンピックも新国立競技場も白紙になったりとか、実現がなくなったり。今は、オリンピックすらどうなるのか・・・・みたいな感じで。けっこう夢を見て建築学科に行ったけど、なんですかね、どんどん悲しい事が起り、社会に出るみたいな流れがある。そんな世代かなーと思っています。



絵:webより 新国立競技場ザハ案
大学での教育について

佐藤:大学での教育について、今、思うところを簡単に話てください

須藤:東北大と芸大と全然違って。それが一つあって。

 建築をやるという点ではそんなに変わりはない。芸術大学だからという意味ではなくって。方針も違うし、研究者が先生なのか建築家が先生なのかでも、全然違うって思います。

 で、芸大に行って、私は「芸大の方が合っているな」と思ったんです。その理由は学生と平等で、先生も生徒もモノを造っている人。すごい対等で「机上にあるものを、どれだけ好い案にするか」っていう場所って・・・感じです。
 逆に教育的ではない。教育的に筋道立てて考えて導いてはくれないんですけど、思ったものに対してみんな素直に、それが「どうやったら良くなるかなー」っていうのをただ考えるっていう場所だったんですよね。

 芸大は生徒がめちゃくしゃ少ない、生徒と先生が1対1ぐらい。それは建築学科だけじゃなくって、全体で言っているんですけど、研究室も一学年3人とか4人なんで。贅沢ではあります

■ 東北大の暗さ 芸大の素直さ 

須藤: 学部と大学院でもだいぶ違うかもしれないんですけど。でも東北大の時に、自分だけじゃなくて、皆が抱えていた苦しみみたいなのがあって。東北大のなんなんですかね〜。特に意匠系に行きたい人たちは、何か、なんとも言えない「筋道立てて、前が見えてないと進んじゃいけない」みたいな雰囲気っていうんですかね。
 で、東京に来るとみんなその日暮らしじゃないですけど、人としてよくない・・・っていうか、上手くできないところも、みんな持っていて、でもどうやって生きていこうかなーと・・・凄い素直さがベースなんです。

 でも東北大の学部は真面目っていうわけじゃないんですけど、先が見えないと、進めないというか。就職もちゃんと決まらないと、目の前の事は出来ないとか。なんか道筋が見えないと何も出来ない。そういう感じがあって、それが違いですかね。

 東北大はみんな暗い、かなり暗いと思うんだけど、教育制度みたいな話は出来ないんです。

■ 芸大からゼネコンへ就職

佐藤
:芸大からゼネコンになんで?・・行きましたか。ゼネコンに入って、現場で何かしょとしたんですか。今、現場監督、じゃないですよね。現場常駐とかしてないですか。

須藤:分らないんですけど、とりあえず働きまじめました。現場にいたのは一個だけです。安全巡回とか、ダメ工事の指示出しとか、ばっかだったんです。それも初めて現場に行ったので。何か、建築がどう出来るのか、ピンと来てなかった、いままで。

 監督さんも一杯います。職人さんもいっぱい500人とかいて。

 (就職を決める)あの時に何を考えていたのか・・・ろんなところに顔を出させていただいて。Aさんの事務所でバイトしたり。いろいろ行ったんです。
 何をどこまでしたら建築が建つのかが分からない、その事が全部足止めになっていると気付いて、大学のときに6年ぐらい勉強して来たのに!
 
 何って言えばいいんですかね、アイディア出すのすごい得意なんですけど、何をどこまで描いたら出来るのか、それが分らなくって。それをまずとにかく早く知りたいと思ってしまって。

 本当は「留学もしたいなー」と思ってたんですけど。結局、新コロナになっちゃって。何か全ての学びとか、いろんな興味とかが、最終的にものをつくりたいというところに気付いてしまって、自分で気付いたんですけど。発想の足止めになちゃっているんですよね。

 結局どうしたら、ものごとが先に進むのかが分からない。ということが・・それを手っ取り早く、言葉悪いんですけど知りたいなーと思って。
 アトリエも一プロジェクト一周するテンポ早いと思うんですけど、プロジェクトでムラがあったりとか。現場まで観れなかったりするので・・・・ゼネコンの最初の一年は現場も観て、見積もりも見て、設計もやって、そこから自社プロジェクトを確保していくというのが魅力です。

 また、ゼネコンの新社員への投資力というですか、それがいいなーと思って決めました。

 ピント来る人はちゃんと「細部とか、ここがこうなってこう建つんだ」と来るんだと思うですけど。私は何かを見ないと、ピント来ないっていうか。たぶん頭が悪いんですけど。それが凄い途中から引っかかって、何も入ってこなくなちゃって。

 でも、そのおかげで働きだしてからの方が、本も読めるようになったし。凄い行動的になって。自分の思想を広げる読書とかも止まっちゃっていたんです。ゼネコンに入ったら、そういうのもドンドン頭に入って来るようになって。
 だから、私の中でいろんな事の吸収の最後が何かを建てたいということにあって。その術が分からなすぎて、閉ざしちゃっていた時期が、大学院で訪れて。それを早く知りたいというのが、ゼネコンに入った理由でした。

 私が大学院のときに、青木先生がちょうど芸大に就任したんです。で青木さんも不思議な方というか、凄い自然体な方で。学生と同じ目線で「こうじゃない」ってふわふわ思ったことをおっしゃるんでけど、で結局どこまでやったら建つんだろうって。たぶん実務をもうやっている方からすると、すごいしょうもない観点なのかも知れないんですけど。何かピント来なくって・・・・ふふふふ。

 今、ものをつくる現場を見る、それを)一通りやりたいですけど。でも・・・一緒に将来仕事をしたいなーという人もいて、その人はアトリエに行くんですけど。早い友達と、同期でほぼ独立みたいな感じで体当たりでプロジェクトやっている子もいて。佐藤さん福留さんとかも、凄いですよバリバリですよ、今。是非聞き取りして

佐藤:先日連絡したら、修士論文〆まじかなので提出し終えたら聞き取ることにしてますよ。

須藤:私も将来一緒にやりたいねーって言っている人と凄いいい話が入って来たりしつつ。ただピント来ないんですね。ジャー何をしたらいいのか、体当たりでやればいいんですけど。それがとにかく知りたくって。

■ 新コロナ下で

佐藤
:今、こういう状況、新コロナで、いろいろやりにくくないですか。仕事と、現場とか。

須藤:実は入社して最初の2か月は出社できなくって・・・自宅待機だったんです。そういうことありつつ、今は在宅も。現場は動いてます、対策はしてますけど、でもリモートとか出来ない仕事なので。

佐藤:現場に来て工事したり、組み立てないとどうしようもないものね。

須藤:けっこう課題ありつつどうしようもないっていうか。大坂の街でもけっこう騒ぎになりつつも、ちっちゃい商売人の方が多いので、ちゃんと皆さんお店も開けて、前う向きで、暮らしていると凄く大きく変わった感じはしないです。大坂の都心部だとあれですけど、電車も普通に動いてますし。仕事も普通にやっています

 若い世代とかも居ますけど、大学生が今いちばん我慢している、ぜんぜん大学に行けずにやている。ばーっと言っちゃうと、大学生がみんな一番我慢しているんじゃないかな〜って思いますけど


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 以上で須藤悠果さんに聞く@ZOOM+ROOMの文字記録はお仕舞です
最後まで読んでいただきありがとうございました 
文責:佐藤敏宏 2021年1月