2023/7月4日午後 森純平、家成俊勝、岡田栄造さん @北加賀屋 作成:佐藤敏宏
ドットアーキテクツに集う人々の2023夏
 01インターン 桂 瑛(よう)さんに聞く 
 V650303

聞き取り準備をしている わいわいがやがや

摂南大学を卒業 ドットアーキテクツでインターン

佐藤:では、自己紹介してください。
桂:名前からですか?
佐藤:お願いします。肉声、個性的でいいね。
 会場 めちゃいいわ~・・
岡田:声も含めてエグザエル!
:ありがとうございます。
佐藤:Jポップ上手なんじゃない?
桂:そんなことないです。大学をこの前(2023春)卒業した22歳なんです。摂南大学の建築学科です。

佐藤:一昨日(2023年7月3日)加嶋章博先生と出町柳で3時間ちょい話し合ったばかりです。
桂:加嶋先生海外に行かれるとか?
佐藤:スペインに家族3人で滞在し、1年間研究生活だそうです。
:僕は白須寛規(ひろのり)先生のゼミに所属していて。
佐藤:おれは加嶋先生に摂南大学、ばかそうでいいよねと、建築は頭で作るのは少なないので、現場が多い、建築に向いてるんじゃないかな。
:頭が良い大学ではないので。
佐藤:でも建築、好き!そうな人が一杯集まってそうだね?

岡田:同級生はどういうところに就職していくの?
:大学からはほとんどが施工管理の方に行っちゃうんです。
岡田:ゼネコンとか、施工管理にね。
桂:そうですね。
岡田:建築家になる人は?
桂:意欲のある人は大学院に行ったりはして・・・多くはゼネコンに行ったり、ハウスメーカーとかの設計に行ったりしてます。
で名前は、かつらようです。木へんに土二つと王へんに英語の瑛でようと読みます。2001年生まれです。早生まれなんですよね。

佐藤
:どこで生まれましたか?
桂:僕は大阪の阿倍野区が地元です。ドットにも自転車で30分ぐらいの距離です。

ドットアーキテクツに来たわけ

佐藤:好きに語っていいですよ。まず、ドットアーキテクツにどうして来ちゃったんですか?家成さんを何で知ったんですか?

:それは、学校の非常勤の先生で、三森先生という方がいて、そこにインターンに行ってたんです。就職のタイミングが近づくにつれて「どっか?好い所・・・」僕自体、建築を在学中にがっり学んでいるわけでもなく、体動かすのも好きだし、実際に造るのも好きなんですよ・・・みたいな話をしたときに「ドットアーキテクツがあるよ」と。
岡田:それまで知らなかった?
:全然、知りませんでした。僕は建築の知識も無くって。学生時代は部活とか学院祭の実行委員とかやったりとか・・・サークル入ったりとか、学外で活動やっていたりしてたんです。建築以外の事をだいぶ力入れていた。建築も頑張ってはいたんですけど。

佐藤:私的な活動に力を注いで学生過ごしたと。
桂:いろいろ。
岡田受け皿として最適な所をもらったね!

:それで、在学中、4回生のときからインターンに週一ぐらいで来させてもらったんです。卒業設計が忙しくなるにつれて来る機会も減って。卒業して就職?悩んでたので、ここのインターンにがっり来れてないし、たまにしか来れてなく、まだ全然味わえてない感じがあったんですここでインターンを続けたいなと思って・・・卒業してから今は週に3で来さしてもらっているんです。

家成:白須先生からから僕に電話あった。
桂:で、三森先生からドットアーキテクツを教えて頂いて。ゼミの白須先生に相談したときに「そんなら電話してあげようか・・・・」みたな・・・話になって。目の前で電話してくれはって。
佐藤:好い先生だね。
:許可していただいて、メールを送らさせていただいて。


建築展の展示作業に参加

家成
:就活の一環かと思って「うちは就職無理や」と。

佐藤:だいぶ前から来ているってことだね。
岡田:1年以上か?
桂:まだ1年経たないですね。
家成:そんなに来ているの? 大笑いしている

:家成さんとよく会うようになったのは最近です。
佐藤:建築家に憧れて来たわけではないですよね?
桂:いや、何か僕は全然無知やって。入っていろいろやらさせてもらったんですけど、やっぱり楽しい・・・というか。

岡田
:ドットでやっていることが自分のやりたいこと一致している感じはあるの?

桂:ずっとパソコンさわっているとかじゃなく、自分も動くみたいな処とか。僕も動きたいから・・・・ちょっと、この前の(ベネチア)ビエンナーレとかも付いて行ったんです自分で「付いて行きたいです」と伝えて行きました。移動費は父親に借りたんです。宿代は一緒にしていただいて、ご飯とかも

佐藤:
卒業していきなり海外活動!好い経験しているね。
桂:ギャラ間展も2日間だけ、手伝いに行かせてもらいました。まだ完成は見れてないです。今度、見に行こうかなと思ってます。自分が動くのが好きやし、そういう設計事務所、少ないじゃないですか。ドットは居心地がよくって

佐藤:合っていると。
岡田:合ってそうだね。

:普段からアクティブが趣味というか、遊びにしても家にあんまり居ない。そういうレベルの話から、結構アクティブに動くのが好きなんです。仕事とかでもガツガツ動いていきたいなーと思っているんです。

佐藤:いきなり2連続。ギャラ間の展示手伝いをしてしまったね、運がいいね。
岡田:ギャラ間と、ベネチアビエンナーレだから ははははは。いきなり経験すげーな!

会場 大にぎわいわいわいがやがや

岡田:凄いわ。
佐藤:桂さんはラッキーボーイだね。日本の事務所では普通には無い経験しちゃったよ。
:良かったです。まず三森先生の所にもインターンに行ってたりしてました。そこからのつながりです。
佐藤:自分で行動して体験を得たんだ。家成さんが今後2度目のギャラ間展示は無いものね・・・・。

岡田:2度展ある人もいますけどね、普通は無いね。
佐藤:その時期にぴたりと桂さんは合ってしまうから・・・選ばれているんだな。
桂:いえいえ。そんなことはないです。
佐藤:ここに選ばれて来てる、面白いと感じているんだからますます活動すればいい。給料払えないということだからね。

:だから、今は別でアルバイトもしていて、それは普通のアパレルトなんです。今も僕はフリーターなんで、そっちを違う職種、設計事務所とかにかえて。アパレルとかだと自分の夢というか将来に全く繋がらんことやから。
岡田:建築系のバイトにかえたいと。


職業を渡り歩くか、地球上を渡り歩くか

佐藤建築を造る人たちは昔からいろいろな職業を持っているものです。あるいは違う土地へと渡り歩く芸能の民だったんです。今はは大学の教職がいちばん有名の渡りの仕事かな・・・。若い桂さんも職を渡りいろいろする、その行動は古来からある建築で生き続ける者のありかた・方法なんだよ。建築とは別に職業をも持っていて、建築の仕事があるときに建築家や監督になる、あるいは建築職人になって世界を渡り続けて仕事する芸能の民だね。有名建築家の寝床は飛行機の中なんじゃないかな?そういう働き方しているよ。凡人でも年がら年中建築人でいたい・・・というのは敗戦後成長期に限られた職能観で・・・建築余っている今は通用しない職能観だからね。
アパレル、給料は建築系のバイト代より高いんじゃないんですか?そうでもないですか建築系のバイトの方が高く支給されるのかな?

桂:僕自体、実家で今は暮らしているし、お金が欲しいというよりも、経験がしたい
佐藤:お母ちゃんから「瑛、早くでていって自活しなさい」とは言われてないんでしょうか?

桂:言われないですね。父親が建築してて理解がありイタリアの展覧会とかも出してくれたりするんです。
佐藤:父ちゃん建築していたのね!「瑛お前とんでもないとこに行っているな!」って言われなかったですか?
岡田:「お前、ドットとかに行っているのか?」って言われない。
桂:そんな、言われないですよ。
 会場 ワイワイガヤガヤ
家成:ちゃんと言ったほうがいいでぇ。
桂:言われてないです!
家成大笑いしている

岡田:ドットに行っていると言ってないもん。
佐藤:父ちゃんに、この本を見せなよ!これギャラ間での展示手伝しちゃったよと言ってみたら。
岡田:お前には合ってるんじゃないか、お父さんもそう思っている
桂:そうですね
岡田:それなら本当に経験、お金でも買えない経験だから、ドットで絶対やった方がいいよ、ここの経験絶対いいよ。

 がやがやわいわいがやわいわい

岡田:普通の経験とは違って、相当いいと思うよ。(笑)相当好いと思う。相当喰いはぐれないと思う。
家成大笑いしている
桂:活かしていきます。

佐藤:桂さんになりに活動すればいいと思う。桂さんは普通に活動してドットに来てしまうのだから、今までのままで活動していけばいい、そういうふうに宿命づけられているからね。
岡田:自分でもお友達のネットワーク増やしたり、自分一人でも仕事を獲ったりして。
佐藤:岡田先生の長男と一緒に見える若い!
岡田:まだ1年生ですよ。
佐藤:両者とも俺と50歳も違う!俺から見れば、同じに見える。

岡田:大笑いしている。そうですね。



やってみないと分からない

佐藤:
文書を書くとかは好き?・・じゃないんですか?
桂:文章書くというのは?
佐藤:文字を並べて訳の分からんことに入っていって気持ちいいとか・・・それはないですか?
桂:そうですね。
佐藤:何か考えるときに文字で考えないですか、考えず体動かしているとやりたいことが見えてくる?
桂:設計とかじゃなくってですか?
佐藤:日常のこと、普段の生活で活動するときに考えるじゃないですか?動物的に動いてしまう?
桂:体先に動いて、あんまり頭はよくないので。

佐藤:体が動くのは脳も動いているので脳は活発に動いている好い脳だよ。
桂:やってみないと分からない
佐藤:やってみないと分からないということで活動しちゃうんでしょう?
桂:はい
佐藤:それを頭(脳)がいいというんです。言葉でやってみないと分からないと最初に浮かんで活動しちゃってんですよね。
桂:はい
佐藤:まず紙に「やってみなきゃ分からん」と書く。

家成大きな声で笑っている

佐藤:毎日いくはずのトイレの壁に貼ってしまう。
岡田大笑いしている
佐藤:毎日トイレで「やってみなきゃ分からん!」と毎日くり返して想う。これは重要なことだよ。
なるほど

佐藤:うんこしながら、俺は今日、やってみなきゃ分からんことをやっているかな?と毎日考えることだけでいい。
岡田:それはご両親が心配するよ。
佐藤:なんで?
岡田:なんやこれ?

佐藤:これはうんこの話で、ちゃんと出るかどうかやってみなきゃ分からんことですよと。
岡田:何か変な宗教に填り始めているんじゃなかと想うかも。
佐藤:息子が建築教団に迷い込んで仕舞ったか・・・と。
岡田;大笑いしている
佐藤:福島から放射能あびた爺さんが来て「やってみなきゃ分からん教・・・」勧められちゃって。
岡田:福島の教祖に勧められた(笑)
佐藤:毎日必ず行くのはトイレだし二人でうんこしないから・・・トイレは人生を変える良い場所。寝床の天井には「やってみなきゃ分からん」は貼らず、アイドル貼っていい夢をみればいい。家の息子頭がおかしくなってきたな・・と思わないよ。

ベネチアへ

岡田:で、ドットでは現場はガンガン行ってるんですか?
:最後に行ったのはビエンナーレです。
土井:現場にずっと行っている。タイミング、今日みたいにずっと事務所に居ることもある。丁度、4月と5月がギャラー間で、その準備を事務所でけっこうしていた。ベネチアは2週間行ってたんだっけ?
2週間です
土井:一緒に作業して。飯喰って。
岡田:うまかっただろうな。
桂:美味しかったです。毎日ピザ喰ってました。
岡田:イタリアは飯が美味いんですよ。

家成:ベネチアより今日の方が凄いよ
 会場大爆笑 がやがや
家成:こんな三人に話聞いてもらえる機会ってベネチアアよりはっきり言って凄い。
佐藤:桂さん幸せやね。
家成:これはない、凄いよ。
ワイワイガヤガヤ

佐藤
:俺とは50歳の差だけど、桂さんは何を考えているのか分からないのでどんどん聞いちゃうけど・・・友達とかたくさん居るわけじゃない、その友達は何を悩んでいるの?
悩んでいる?
佐藤:悩みは無く毎日楽しく暮らしているの?
:うーん、でもなんゃろ?
佐藤:仲間と話し合ったりしないの?
周りは、新社会人の方が多いんです。ほとんどの人が自分の好きなことを仕事にしている人がなく、サラリーマンが多かったりして

岡田:好きではないことを仕事にしているから?
桂:楽しいことをすればいい、忠実に
佐藤:それをまたトイレの壁に書いて貼る。「楽しいことをすればいい」と
会場笑う
桂:言っておきます。(笑)
岡田:友達のそれには共感ができない?
桂:ですね。
岡田:友達の悩みには共感できない、自分は好きなことやっているからね。
桂:そうです、僕の大学とかでも施工管理とかに行く子が8割以上おって。僕はそれがあまり理解できんかった。僕がのんびりし過ぎなんかもしれんけど・・・焦る。
岡田:焦る必要ないよ。この世の中は90歳まで焦らなくっていい
   会場 おおわらい
岡田:今からは、焦らなくっていい。
佐藤:遊びを生きればいんだけどさ・・・そうはさせまいとしている(笑)
桂:周りはそうです「楽しいことが無い」と言う。
岡田:仕事を覚える時だし、いろいろ大変やろうし。現場とか・・・・やったら叱られることもあるだろうし。
桂:施工管理に行っている子はそうですね
佐藤:職人の方が新人社員より圧倒的に経験学はあるから、いろいろ言われるね。
「監督 ぼやぼやしてんじゃねーよ、手待ちばっかりじゃん・・」とか言われるな。
岡田:そこから学んでね。


一人っ子

佐藤:現場管理し始めると異世界だ。専門用語飛び交っているし・・・友だちは毎日泣くよね。
桂:建築学科に入って建築が自分に合わん子たちが現場管理に行くので・・・そもそも建築が好きじゃないから。現場監督って仕事ですらも自分に合ってないまま。最近は給料いいし・・・みたいなんで、建築学科やから、その道にはいり易いし。で、就職していく人が多いんです。彼らは「辞めたい」とか・・・そういう悩み。
岡田:辞める人もどんどん出てくるやろうし。
佐藤:ここのお酒呑んでいいよ。
:僕はお酒呑めないんです。
家成:めちゃ呑みそうな顔しているけどね。
岡田:ほんま!
佐藤:友だちのみなさんは社会に合わせて生きていこうとするけど合わないと。それは疲れちゃうね。
桂:何か・・それが合っているのか合ってないのか、それは人による。
岡田:それが普通というか、そういういうもんですよね。

佐藤:お父さんは遊んでいいよ、と。桂家の家庭環境があるじゃないですか?お母さんも同じ考えなの、ゆるーいの。
桂:母はけっこう焦っている
佐藤:そんなことしてたら「給料稼いで一人前になれんよ!」みたいなこと言われるんだ。
桂:父親はそんなに焦ってるとか、そういう感じは見せない。焦っているかも知れないけど僕には気を使って出してこないのかも。
佐藤:お互い気を使い合う。
桂:そうかもしれないですけど、母親とかはおばあちゃんとか。
岡田:気持ち分かるよ。

佐藤:2002年、旭川の藤本壮介さんの実家に行ってね。旭川まで来る人少ないと言ってた。その日はお母さんと妹さんに会って、いろいろ藤本建物を案内してもらって、別れ際に同じこと聞かれたよ。「兄ちゃん詩人で・・・弟、うちの壮介大丈夫でしょうか?」って心配して・・世界で活躍する建築家になるから、どんどん仕送りしてください・・・とお願いしたことあるよ(笑)10年待たずにはそうなった。

会場 おおわらいしている がやがや

父は自分も建築やっていたし、そこ理解出来、してあげたい。母親に相談しているんだと想う。僕には出して来ない、優しい父親ですね

佐藤:お父さんとお母さん、「瑶はどうなのよ、わいわいワイワイ」毎晩話し合ってるんじゃないかな?
岡田:自分一人ぐらいするわけでもなく、お金もそんなにかからず、学費は掛からない。
佐藤:無料で建築経験しちゃっているね!
岡田:30歳半ばまででは我慢させないとね。
桂:ぶふ・・吹き出す30半ばまで!?
佐藤:ここから10年ちょいあるね!
岡田:10年はぶらぶらしている。だいたいね、みんなね若いとき本当に大丈夫かな?と思うけど。30半ばになったらみんな大丈夫になる(笑)
桂:そこまでどう頑張るかですね。
岡田:そうそう、そこまで思い続けている人は何とかなっている。


ドットアーキテクツの本を読み漁ること

佐藤
:建築という事態は好きそうだし合ってそうだね。
桂:全然知らないことばっかり。
佐藤:お父さんも建築愛がある人のようだから、お母ちゃん・・まあまあそれを言わんといてな・・・瑶にはやりたいことさしたろうよと・・・たぶん語り合っているんだよ。
おばあちゃんが間に入ってきて、そんな甘いこと言ってたらあきまへんで・・・と楔を打ち込む。吾知らんという態度で、ドットに支援しにきたり、自分に合う活動をして稼いでいればいい。
岡田:大丈夫、大丈夫。
佐藤:おばちゃんに怒られちゃうような悪いこと教えてるかな俺!
岡田:変にやりたくない仕事して、それで病むより親にとっては幸せなことだよ。
佐藤:世の中、間違っているなんてことをドットに来ていれば考える必要がないよ。世はくだらない時間だらけだよ。
岡田:ここに居るのはくだらない時間じゃないから。

会場ワイワイがやがや大笑いしている岡田、森
 

佐藤:世の中どうなっているんだ?そんな無駄なこと考える必要ないから、ここに来て活動するだけでいい
岡田
:ほんとう、ホントよ!好きだったら大丈夫。
佐藤:桂さんは選ばれた道に入っているね。
岡田:名前も主人公の名前じゃない。
:漢字二文字で珍しいですね。

佐藤:この事務所には本が腐るほど有るから、片端から見て見まくって、仕事せずに見てしまうと。
岡田:たしかに本有るなー。
佐藤:自分の小遣いで買い揃えるのは無理だから。1冊万以上の本たくさんありそうだよ、暇さえあれば見てしまう。ここに来て手伝いしていれば・・・ノルマ無いから、自分の家だと思って通い続ける。今の自宅は外交を交渉を磨く場所にしちゃう。
岡田大笑いしている

佐藤:俺が許すから、そういえば周りも許すから。
家成:僕も宮本事務所に居るとき本、全部かってに見てた(笑)
岡田:コピー機も勝手に使ってたでしょう(笑)
家成:そんなことはしませんよ!(笑)
わいわいがやがや 
佐藤:そうして活動しつづけると、家成さんのようになるかもしれない。
桂:なるほど
佐藤:そのぐらい図々しい若者で居た方がいいよ。他人の金で家を建てたりビルを建てたりするようになるんだから、遠慮などしているようではダメ。与えられた場をフル活用していくんだね。桂さんはとんでもない場に紛れこんでしまったね、俺に会うと記録残されちゃうよ(笑)

岡田:ホントね、何時死ぬか分からないんだから(笑)
佐藤:俺。癌もちだからね、もうじきかもね(笑)
岡田:聞き取り記録残された一番若者になるかも知れない?

佐藤;大学生は聞き取りしないことにしていて、院生はあったかも、桂さん学部卒したばかりだ、そうそう仙台の卒制日本一の人3人は聞いて記録作ってたな・・。でも桂さんは最も若い人の一人だね。今日のようなインデペンデント系の事務所の中で、こういう状況で働く社会の中にいては聞いてないんだ。
社会人1年生に聞き記録残すのは初めてです。学生は先生に防御された場で聞くしかないからね、俺にはどうもね・・・本性言わないから、意味が無いよ。先生の居る前でここの大学生は馬鹿なんしょうね?なんて聞けないよ。
 会場 大爆笑 がやがやわいわい
佐藤:今日は大学の先生のゼミの中じゃないからね、桂さんは馬鹿だと思っている点も言うし、見込みあるよ。
岡田:馬鹿じゃないですよ
佐藤:偏差値低い大学だとは桂さんは自覚している。でも、背伸びせず地に足付けているよ。浮いて聞きかじり語っている学部生は多いよ。「お前は馬鹿だから建築家無理・・」と俺に言われて怒っていた学生もいたよ。建築つくるの、頭脳の善し悪しはさほど関係ない。ヴィドゲンシュタインのような方もいるんだけれど、やり続けていくだけでいい。

岡田ここに居させてもらってる点で違う
佐藤:ギャラ間とビエンナーレで展示、体験したら、さほどやることなさそうだ。あれは何だったのか?分かるまで活動し続ける、ここの機会を生かすことになるよ。

桂:はい
佐藤:凄い状況に巻き込まれているんだけど、まだ消化できないので焦ることはない、忘れないことだね。今、何が起きたのか分からないと思うよ。
桂:そうですね
佐藤:当たり前に手伝っていて、なんでも積極的に関わること、ここでの活動を誰にでも出来ることだとは思ってはいけない。そのぐらいかな・・・。
2008年SDL日本一位
渡辺顕人さん聞き取り記録
現在:SFC博士課程+会社社

須藤悠果さん10選通過せず記録
現在:竹中工務店設計部

福留愛さん選外聞き取り記録
現在B設計(?)神楽坂のビルの天辺で女性三人で設計事務所を開いていいる

ビエンナーレ

岡田:
ビエンナーレどうだった?日本館どう思った?
桂:日本館で、今回の展示ですよね。ピロティーは自分が設営していたから、愛着みたいなものが湧いてくるんですけど、2階は全く触っていない。ピロティーも自分が作業しているけど理解仕切れていない。その上に2階が訳分からんみたいな感じであったので。

岡田:分け分からないのよ。俺も分からない。
佐藤:岡田先生も分からないそうだし、桂さんは素直に馬鹿だしと言える、そのことがいいね。そう思っても言わない・・・認めたくない若者も大人もいて、やがて自滅するよ。家成事務所には何時に来て帰りは何時にしているの?

桂:僕はだいたい10時に来て、6時ぐらいに帰る。
佐藤:今夜は引き留めてしまって、長時間過ぎたね。
:そんなことないです。
佐藤:残業代でないからね。
   会場笑い

佐藤:そのほかに言いたいことがありましたら聞かせてください。
桂:言いたいこと?
佐藤:こんな感じでいい。
桂:こんな感じでいいというのは?
岡田:ドットで「これやらしてほしい」みたいなの無い?

桂:前、事務所で最近は、模型をやっているのも学生時代にやっていなかった方法みたいな、したことない方法みたいなの一杯あるから。だんだん学べるんです。北原邸とか・・現場に行ってみたいなというのはあります。

佐藤:原寸場があるから、原寸図描いてから現場に行くといいかもよ。
桂:原寸図ですか?
岡田:テープで原寸描いてから現場に行く。
佐藤:寸法観・感は原寸描くほど身に付くよ。北原邸の模型を作るときに図面は描いているんでしょう。でそこから原寸場で描いてみてから現場に行く。そうして現場に立つと、ちっちゃいなーと思うよ。
森さんのように中学生から現場に往き来して掃除している人と、頭だけの人とは現場感、差付きすぎてるからね、挽回しないとね。

桂:1分の1で造ったの初めてなんで。階段作って楽しかったです

佐藤:いきなり階段は難しいと思うね。現場の掃除をしたり、草むしりも大切なんだと分かるから、現場に立つと。
敷地を実際に見てみたいです
佐藤:周囲の地形と現場を体で覚え積み重ねておけば、現場に立っただけで動物的に間違いは分かるようになるよ。
岡田:そうだね。図面引いたり、原寸描いたりしてたのがこうなるんだ!は経験要るよね。そういう経験いるよね。

佐藤:ドットに来ちゃったから同時に3つ出来る可能性はある。原寸描いて、次に現場に行って、草やむしりや片づけして根切り・地球を掘って、捨てコン打ちこんで均して、乾いたら地墨を打って、地球との関係の始まり。一連のこの作業は一番肝心だからね。図面と現場のずれを体の中にたたき込んで、動物として建築感を育てるのはいいよ。どんなへなちょこな建築でもいいよ。図面というのも言葉が何個もあって具体的な建築にするためにはいろいろな図面が要るし、それぞれの現場に独特の日本語があるので、原寸描いて、現場で作るのが本番だけどね。作る人によって違うから。同じ図面でも完成した建築は全く違うんだよ。だから体験積む。どの程度出来る人達が分かるようなるといいかもね。地球上の唯一その現場に一回しか造れないという建築の宿命があるので面白いよ。
図面は同じだと同じ建築が出来るな・・・という感覚は持っているかもしれないけど、実は造る人によって一回一回、そのときしか造れないということが分かってくるはず。雨風気温変動するし・・・で、現場で毎日即興で対応して造らないと、出来ないから、同じ質の建築は出来ない。図面があるだけだから、造るのはここに立った現場の人、次第だ。同じ図面で何度も造っても施工に来る人も社会環境も毎度違う、そういうの分かると、どんどん面白くなるよ。奇跡の場に立ってるな・・・と思えるよ。材料も皆違うし。単純な仕事をくり返しても面白いことが分かってくるよ。
雑誌だけ見てると同じ写真と紙質同じだから現場の面白さは分からないので、注意しておくといいよ。現場に行ったら雨漏りだらけ、かびだらけ・・・あったそうだよ。カメラマンの話だけけどね。
父ちゃんは息子への愛があるから、詰まらない就職はしちゃだめだよね。

おばあちゃんも心配する人みたいだからバイトやってお金もらったら、お土産買って懐柔作戦するのがいいよ。外交戦術は人の数ほどあるから磨くしかないな。演技するしかないよ。
桂:一人で買いに行ったりするんです
佐藤:好い孫だと思ってもらえるようにすれば、いい活動だね。お金はさほど要らないはず。お金稼いでからおばあちゃん孝行しよう・・・思ったりすると苦労するよ。活動、外交交渉だ。
岡田:自分で買った物を家成さんからですと言って渡す
   会場いやいや大笑いしている
岡田:ボスからって。
桂:分かりました げらげら笑っている。


家族を安心させよ、間貸しせよ

佐藤:家庭内でも外交交渉していないと、お母さんも安心させ、おばあちゃんも安心させると。それが桂さんの当座の仕事だから。それが出来ないと建築は造れないよ。家族を安心させられない奴に、他人の住宅なんか造れるわけねーだろう。
確かに
佐藤:安心させてからやりたい放題、瑛さんは活動するのが基本だと思うけどね。一番身近な他人である家族との外交交渉を重ねて、技を身につけるといいかもよ。
家の中の三人に、許してもらえるような環境づくりする。家はあるんでしょう、借家に住んでいるのかな?

桂:はい。
佐藤:家族と喧嘩しないことだね、家は活動の基地じゃないか!
桂:この前家ができた
佐藤:出来たばかりの家なんだ!今後、楽勝だね。家賃や食費をお母さんに支払っていないでしょう?
桂:そうです。曾おじいちゃんの代から桂家があって、10年ぐらい前に建て替えたんです。
佐藤:当分改修しなくっていいね。食材と光熱費だけ稼げば両親が元気なうちは活動できるね。困ったら間貸しという手はあるよ。
 かいじょうわいわがやがや
:恵まれています。
岡田:ほんま恵まれているわ。
     かいじょう大笑いしている
佐藤:活動資金に困ったら間貸し、間貸しすればいいよ。
桂:今、空いているんですよ。
佐藤:その空いてる部屋は、貸せ!貸せ!

会場大笑い

桂:キッチンもあるんです
佐藤:貸せ、おもしろそう!友達とシェアハウスしちゃえばいいよ。敗戦直後は家が足りなかったから、間貸しする人は普通だった。で昔の人の暮らしを生かせば。一部屋3万円プラス光熱費だったら、借りるでしょう大阪だったら。
お父さんもお母さんも自分の子供でない若者を知る機会になるよ。息子を相対化する・・・知恵を持つことができるよ。現状だと若い人は瑛さんしか見えてないでしょうから、自分の友達、入れちゃう。
桂:なるほど!
家成:施工管理して病んでいる友達を入れてあげればいいよ。
佐藤:そうそう。友達に住んでもらうのいいよね。
岡田大笑いいている
家成:その方がよっぽど生き生きする。
佐藤:他者が入ってくると家族はさらに息子を見る目も鍛えられて、若者の今を知ることになるし、柔軟にならざるをえない。
桂:そこで差を見せると!

佐藤:瑛さんなかなかの戦略だね!
桂:大笑いしている。
佐藤:両親も家族も、働くと病んでいる友達を知ると・・・瑛さんを見る目がかわるよ。
:下の人・・・探していかなければ。
    かいじょうわいわいがやがや盛り上がる
:そこから始めないと・・・桂大笑いしている

佐藤
:家族に友達を通して現在の若者の病を学ばせるのは重要な行為の一つだよ。瑛さんの家の3人は瑛さんしか見てない。だから、若者を見る教育を瑛さんがするしかない。放置しちゃうと両親の考え方だってTVなんかの糞情報に包まれちゃうと死ぬまで更新されないから。それだと、後々瑛さんは足を引っ張られて活動しにくくなるよ。
ドットで建築を勉強しちゃって、住宅の模型を作ったりしながら建築勉強しているだから、我が家の部屋が空いてるなら、即、間貸し案を提案してワイワイし建築にも生かして両親も教育しちゃうと。
桂:確かに!
佐藤:間貸しの家賃は自分がもらって活動資金ね。
それ、活動資金ですよね

佐藤:そうそう。京都芸大卒の男性から聞いた話だと同級生が給料から5万円毎月、友達が一人前になるまであげてたと言う。そういう例もある。友達と住んで家賃もらっても瑛さんの支援を兼ねていると言えば友達も納得するし、一人で病まずに瑛さんと話しできると徐々に治って大人になっていくと思う。
シェアハウスだから 家族全員で面接して決める、それを省いちゃいけないよ。
桂:はい
佐藤:面接会でいろいろ質問したり対話するのを見せると両親とおばあちゃんの若者教育することに、なっちゃうよ。
そうですね
佐藤:とんでもない福島・爺さんの聞き取りになってきたな。
会場 おお笑い がやがやワイワイ

桂:兄弟、いないので、よけい、いい
佐藤:シェアハウスには一人っ子は良い条件だね。
桂:兄弟も従兄弟もいないんですよ。
佐藤:おじさん、おばさんも巻き込んでしまえば、若返るし、瑛さんは支援してもらえるかもよ。
桂:若者が僕一人しかいないから。おばあちゃんからしたら、一人孫

佐藤:ひりっ子で寂しいから兄弟の練習、練習と(笑)女性とシェアハウスすると面倒だからやめとき。
桂:自分以外の若者を見せるということですね!
佐藤:そうそう。ゼネコンで施工管理してる友達をまず家族にしてみると。友だちも家賃さがって、話し相手付いてる部屋を借りたら楽しいそうだよ。
桂:たしかに!

佐藤:瑛さんがそういう私的活動を続けていると、千鳥文化のような建築は楽勝で造れるから。軽く普通にできちゃうよ。
桂:そんなことないですよ。
佐藤:所有と家族の概念が変わるはず。だから、簡単に千鳥文化のような集住を普及する建築家になれちゃうよ。両親とおばあちゃんに囲まれてる今の暮らし方を続けていると、できないけどね。間貸しして家賃を稼ぎ活動資金にする方法も教えてしまったから、今度、大阪に来たら俺が泊まりに行ってチェックしようか?
桂:3万円で、ですか?
佐藤:1泊だから俺は千円だよ。まずは友だちを泊めるなどして練習しながら間貸しへ移行するのも第一歩かもね。お父さんと3人で呑んで語る会を催すと。今は瑛さんに視線が集まっているから、それを解き放つためには友だちは家族作戦で・・・ね。

■友達とシェアハウス

桂:
僕も1階の使い方を考えていて、もったいないと思ってたんです!
佐藤:俺がいきなり行って泊まるか?
   会場 大笑いしている
桂:家具とかも全部そろっているんですよ。
佐藤:家具使用料も付けて、いいかもね。俺は今夜は岡田先生の家に泊めてもらうことにしているので、今度、大阪に来たら瑛さん家に泊めて頂戴。
岡田:プロの泊まり屋だから!
    かいじょう ワイワイガヤガヤ
桂:プロの泊まり屋!笑いしている
佐藤:知らない家にとまると建築の勉強というか、住経験、増えるのでいいんだよ、で、いきなり泊まってしまう。階段の踊り場に寝せられたりもするんだけど。

岡田:覚えました、桂瑶さんね。
佐藤:こんど来たら泊まるから電話番号教えて頂戴。
岡田大笑いしている
:電話番号を大きな声で告げる。(住所も紙に書き佐藤に渡す桂)

かいじょうおおわらい 佐藤さんよどみなく教えるな ワイワイがやがや

家成:ぼくなんか20代のときに佐藤さんにポートフォリオ持っていって「見て下さい」と言って「お前のはまだダメだ」と喫茶店で追い返された。
   会場大笑い
岡田:未だに相手にしてもらえない人もいる 大笑い
家成:桂君の家はここから真東ですよ。

岡田:5年もしたら堂々としているやろうな。大丈夫感あるわ。
:そんなことないですよ、まだ何も分かってないし。
佐藤:分かってない、と言えるから大丈夫、そのまま活動し続けよ。
岡田:とにかく現場だね。

佐藤:迷っている暇があったらドットに来て手伝ったり原寸描く、現場に立つ。
岡田:次はだれですか若い順に
桂:小林さんです

 
小林さん語りにつづく 36:58
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