HOME    佐藤敏宏のことば悦覧録        
   
林野紀子さん編     2014年5月29日   真夏日 
               01  02 03  


 林野紀子さん
 2008年4月聞き取り記録
  
 

 01 

佐藤:お久しぶりです5年毎に聞き取る約束は 6年目になってしまいました

林野
佐藤さんのインタビューは恐くって。佐藤さんは先入観無く聴いてくれるから、なんでもしゃべれちゃうんですよ。無防備に。それがネットに載ると必ずしもそういう人ばかりじゃないので。何か部分、部分でそこだけ読んで「この人大丈夫なの」みたいな感じで言われる ふふふふ こともあって。

佐藤:記録なんですが。検索エンジンありますからね。色々な読み手も現れますし。記録野どこをどのように受け取られるのか読み手の自由なので。不快な反応もあると推測しています。 どう読まれたいのかが 分からないので、もし問題があると思われる記録は削りますのでお知らせください

林野そういうことも出来るんですか?はははは。でもそれをやったら佐藤さんのインタビューの意味が無いのかなーと思って。そうではないんですか。
 

佐藤:削らない方がいいんですが。色々あるので、削るかも知れないですね。この記録はターゲットリーダーは私と林野さんなので。他者のために 作られる、売るための媒体などのと異なります。この聞き取り記録は。 真実を語っていただいたり、真実と言われることを聞き取ることも 2っ共に不可能なので断念している自主的活動ですからね。ですから継続し被取材者を他薦によって選んでいただき、その方を20年間5回 聞き取ろうと思い始めました。

他の媒体は読者=他者に理解されるよう、発話者が伝わるように物語りを作り話したり 受け手もそのように読み聴いているのが常ですので。

 この記録の一部を web読者が拾い読みして「林野さんてこういう人なのね」と不快に解釈するという問題は・・・。読者の姿勢にも問題あるし読解力の問題でもあるので・・・。無料でweb記録を発信する僕の問題では無いと思ってます。

 有料媒体は主にターゲットリーダーを絞って編集し売れるように発行している。読者も同質の思いを抱きたいという背景が共有され読者に役立ったり心地よくなるように加工されています。

で、無料媒体であるこのmyweb記録は果たして誰に発信しているのか?という問いがあります。 私は私自身と林野さんの為に聞き取りし記録を作っていて20年間聞き取った後、 後読み後意味づけで編集して いいかなーと緩やかに考え聞き取り活動をしていますんです。

林野:でも、ネットって6年前と今と ではネットの上で何かを公開する意味って爆発的に違うと思うんですよ。その影響力というのは。

佐藤:6年経って思うことは この個人を聞き取り活動は休止して おこなわなくってもいいのではないかなと思います。皆さんがセルフプロモーションしたうえで個人の情報を継続的にフェースブックツイッターなどを活用し 大人の態度と自己規制で発信することが6年前と比べて圧倒的に増え主流になってしまったからです

 被取材者自身が自己公報活動を自由にいつでもできますからね。手間暇掛けて被取材者を煩わせて 聞き取る中身の問題は意味があるのか? と疑問にも思っています。
 ただ継続的に20年間続けてみないと不明な点も多いです。 ネット媒体は、HP、掲示板、ブログにはじまり 現在のSNSへと変化がとても激しい媒体ですから my活動の意味はその20年後でなければ判断できないだろうという予想もしているのですけれど。

林野たしかに やってみないと分からないですからね

佐藤:この聞き取り記録を観て誰がどこの内容に対して どのように反応するのか?というのは予測しがたいので、あらかじめそう予測されるだろうと枠組みを付けて聞き取ってしまうと、私が知りたい建築家などが どういう社会状況のもとで その社会を生き抜いていくのだろう?という、建築家が暮らして居る社会の地力だったり 個人の力だったりが分かり難くなると思ってます。

 被取材者が どのようにプロモーションしてしまおうが 否が応でも 曲解し避難したり難癖をつける者は現れてしまうだろうと予測しています。そのことによってしか分からない問題や事実もあるのですけれど、 さざ波が立つのは好いのではとも思います。受け手はどのような能力を持った人が どのような地力のある場所で受け入れられ生き抜くのか?その当たりは6年間では分かり難いなと推測しています。

前回は 金沢で暮らしていている人に聞き取っりましたが。5人の方の中で2人は色々な事情があり金沢に根を張れず 他所で暮らすことになっています。たった6年間でです。
そういう変化もある中で橋本浩司さん林野紀子さん、鷲田めるろさんが 金沢で主導的に活動し頑張って根付きつつ社会状況を変えようともしている。その当たりのを総体的に20年間かけ観ることで、何か金沢の地力や皆さんの個人の力の一部に触れたような 気がおきればいいかなーと思っています

林野ふふふふふ

佐藤:そいうことでこの記録によっておきる色々な出来事も聴かせていただければ、その時のweb記録の役割の善し悪しなども記録できるのではないかと思います。もし困った時はそこのを伏せ字にしておくなど 色々な対応が出来ますのでお知らせいただければ と思います。。紙媒体を消すには発禁や焚書するしかないですが問題が起きたら即削除できるのもweb録の便利な点ですから連絡ください

林野分かりました。6年前は無防備に本当にその瞬間に思ったことをふっと話したんですけど。けっこうそれがうまく こちらの思った通りに受け取ってもらえないのは当然だとしても。全然 違うふうに受け取られた部分もあって。で今振り返るとちょっと恐いなーと思ってるんですけど。
 でもそれを消してくださいってって言うつもりはないんですよ

佐藤:ありがとうございます。分かります。 その痛みを伴う気持ち を被取材者に与えている点は
林野それを言うのはちょっと違うなーという気もしているんですので。
佐藤:ありがとうございます。聞き取りを継続してる間に 読者が期待する林野さんてき作家像に記録がなっているのが好いだろうという考えはあると思いますけれども。読者は誰か? それらを把握していないので・・聴き方は難しいですね

林野:ですから 恐い思いを抱きつつ応えているというのんです。というのを先にお伝えしておこうかなーと思ってました
佐藤:同意します。ありがとうございます。 そういう内容については6年前の聞き取りの時も考えていました。 被取材者が女性の建築系の方の場合いは公開出来なかったことが多かったんです。継続的に聞き取り出来ないことが女性の方は多かったので残念です。全て公開出来ると思って活動している訳でもないのですが。

林野:年齢とかですか
佐藤:年齢についてではないです。自分が話した内容が 他者に伝えたい自分自身の像をつかまえられてなく 話してしまったという思いが強いのだと思います。でそれらに対応してたら、 私が聴いたことを私自身で粉飾することになるので、公開しないです。目を通したくないのかもしれません。記録が出来ましたと連絡しても反応が無いんですね。表明することに慣れてないのかも知れませんし いずれにしても分かりません。

林野:ダメという反応も無いんですか
佐藤:そうです。 メールしても反応が無い場合いが多いのです。 一度たりとも催促はすることはなくwebには乗せません。それほど拘る記録でもないですし。
 記録は有るけれども 公開していな死蔵女性建築系の方のデータを所有しています。 全ての被取材者には目を通していただき公開しているのです。色々な方法があって既存建築系の紙媒体だったら絶対起きないような事態がweb媒体で起きることで web媒体を扱えかねているようで被取材者の方の人格も分かってしまったかのような気もしています
 女性の方がどのようにプロモーションし社会に根付いて行くのが自分自身にとっても社会にとっても意味があるのか不明ですね。女性の時代と言われてもまだまだ売り出し方を考えてないのかも知れません。各媒体の使い方を被取材者が消化できていないのかもしれないんですがね。 または私が聴いた内容が本当の事を言い過ぎて自分像と自分が考えて期待する社会の反応を受ける自分像との違いが多すぎて受け止められないのか知れません。 どういうことなのか不明です。聞き出す気も起きません。

林野ちょっと佐藤さんが危険なんですよ 凄いふふふふ。なんか つい言っちゃうっていうのはあると思う。たぶん無防備に。気おつけなければふふふふ。


 
佐藤:林野さんの前回聞き取りの印象ですと、山梨に戻るか金沢に根付くか、それからアートと建築を組み合わせた活動が爆発し、その後どう展開していくのか分からない状況の中で 一級建築士もとらなければ という話しがありました。今回はお会いして お子さんが1人増えていますね。それも驚きましたけれども。仕事の方はどんな感じなんですか。それではCAAK(以下カーク)の活動の方から話からお願いします

林野カークはですね6年経つと、メンバーがみんなそれぞれライフステージが上がるねすよね。当然なんですけれども。なのでカーク自体としては新陳代謝が起きていて、新しいメンバーがドンドンドンドン入れ替わって来ていて。今 活動してくれているメインの学生さんとか、その周りでやってくれている学生さんはカークの設立を知らない人が結構いるんですよ
 こないだ凄いビックリしたのはイベントをやっていて。カークにどうして出来たんですか?とか。前は何をやっていたんですか?とか。そういうことを聞かれて。あるいは私に「あんた誰です?」みたいな感じで ふふふふ そういう言い方はしないけれど。

 確かに私、妊娠、出産って。そっちに時間がとられるので。カークに行けない時間があったので。顔を出していなかったのでそれは当然なんですけど

かなりメンバー入れ替わって。いい意味でも悪い意味でも世代交代したなーっていう感じはあります。

佐藤:林野さんがカークのような仕組みを作って起動させた方なのに時間が経つと「あんた誰?」って言われるのは嬉しいことだと思いますけれど
林野そうですね
佐藤:いつまでも 林野さんがカークのを立ち上げた人だと言われずに、カークが初期の思いのように運営される。多様な人がかわり仕組みが稼働していのはいいですね。寂しいかもしれませんが。

林野寂しくは無いですよ全然。ふふふふふふ やっっと手を離れたって。最初は楽しかった部分もあるけれど大変な部分もあったのであ、肩の荷おりたなーっていう気はしました。

    
 動画
2011年6月2日に金沢のCAAKにて被災地からの報告をおこな行いました
  報告前の様子と参加していただいた皆さんの311を記録しました  公開日2011/06/29)



佐藤:
支援者もなく、組織もない中で 自主企画を継続していこうと始めるぞーの時点で 1,2回はエネルギー何倍も要りますよね〜
林野そうなんです。佐藤さん爆発的とおっしゃったけど。最初の何年間かは本当にみんながエネルギーそこにぶつけていたのかなーと。1週間で2回レクチャー とか

  ともに はははははは

あったんですよ。そうすると、レクチャー後 パーティーとかもやるので。30〜40人来る人の買い出しをしたりとか。地味な仕事も色々あった。物理的にも精神的にも大変ですよね

佐藤:イベントの事前作業、地味な仕事が多ですからね。買い出ししたり、告知したりと雑用は消化は大変ですよね。私も宿泊させていただき カークの朝飯を調理場で、コトコト料理を作ったりしてましたからね当時を思い出します。確かに開催コストは安いんだけど、外食するよりは準備する手間がめちゃくちゃ多く要りますよね。
林野マンパワーは要るんですよね
佐藤:パーティ−の弁当は 届けてもらう方が楽ですよね。

林野:今は学生さんとか、他の新しいメンバーの人が自動的に回してくれて。私が行くだけで出来ていたりするんです。

佐藤
:何度かカークを体験させていただきましたが、その時は適材適所で対応型でした。出来ることを出来る人がそれぞれの場でおこなうっていう感じがしまして、良い感じでした。当初から緩い人の連なりで動いていて いいなーと思いました。私の様な者が来て話すだけなのに、そこに 沢山 人が集まるなーとも思いました。その点は何でなんかなーと不思議に思ったんですけれど。

  
  (2008年5月のカークでのmyレクチャーの様子など)

集まるエネルギー源はなんだったんでしょうかね

林野:やっぱり金沢に町全体が美術館が出来て、そういう熱気が溢れちゃっていたのはあると思います。6年経った今、全体的に皆がエスタブリッシュされちゃって。もしかしたらカークもそうなんかもしれないけど。佐藤さんもおっしゃっていたけれど、落ち着いた部分はあると思います。

佐藤
:テーマのようなものが有って、それを追求するというパターンになるのか、その当時は分からなかったんですけれども。この6年間のカークの活動を振り返って 概観するとどんな感じですかね。ベクトルがどっちの方にどうなっているのか

林野:当時はゲリラ的な活動が多かったんですよ何かこの人凄い面白そうだからレクチャーしてもらおう!と。よし明日!みたいな感じの ふふふふ。
佐藤:思いついたその日に開催!ふふふ 俺は林野さんを聞き取りに来たのに、その日の夜にいきなり話してくださいってこともありましたからね、準備無しでその場で話し出す俺〜  はははは。
林野:そー
佐藤:準備してきてないし、むちゃくちゃや〜 と思いましたけれども

林野佐藤さんに負けず劣らず無茶苦茶な処があって、それが面白かったんですけれども。
 今はイベントの型が出来ていて

昨日グットニンさん、パーティー出ていただいたんですけれども。

 アーテスト 海外から来てもらってカークに滞在してもらって。カポっていう昨日のスペースで 発表会をしてっていう。
 (カポでの様子→
  左 グットニンさん)


 フォーマットが出来上がっちゃっていて。なのでゲリラ的に今日やるぞーみたなことは減っていって。その型に填まる人が淡々と活動する。それでもやってはいるんですよ

 グットニンさん 今年は4人目か5人目なんですよ。今年に入ってから。 ですから、回ってはいるんだけれども、出来てしまったルーティンに填めつつ無理なく回しているっていう。そんな感じですね
 

佐藤:記録づくり はどうしているんですか
林野ちっちゃい冊子を印刷して。毎回毎回ではなくって。何人か来てくれた人をまとめてカーク&カポ・クリエーター イン レジデンス プログラって言っているんですけれど。その冊子を日本語と英語 並記の冊子を作っているんですよ。
佐藤:初期のような 運営を考える場や皆が討論する場は今は無いんですね 運営委員会やるよみたいなものです
林野:一応総会的なものはあって。 みんなで今年何やるか考えようよみたいなのはやってます。 カークの当初からやってます。

佐藤:最近の総会のテーマは何でしょうか
林野:テーマはアーテスト・イン・レジデンスクリエータズ・イン・レジデンスにシフトして以降というのが一つありました。シフトというかそっちを充実させていこうと

 外国から色んな人が来てくれるというのが分かったんで。この何年間かで。実際凄い応募もあるし。それをやっていこうことを・・・。ふふふふ それ以外 あまり無いんですけどね。

 でも今年は21世紀美術館で建築の展覧会があるんです。2個やるらしいんですよ。たまたまそれをメンバーの鷲田がやっているということもあって。今やっている中村好文の展覧会と秋に「3・11後の建築」という関係の展覧会をやるらしいんです。

 なので、おそらく建築関係の人が金沢に来ることも多いだろうから、もう少し建築のことをやろうよという話しは出ています。

佐藤:建築関係者が秋金沢を目指し大勢くるなら話しを聞こうよ ということですね。
林野:はい。私 個人的には やっと子供がもうすぐ3才になるので。やっとこさ!自分の先の予定が多少立てられるようになったので。少しカークもやりたいなと。

佐藤:次に カークの話しを終え 建築士の資格はとったんでしょうか

  その02へ