花田達朗 作成:佐藤敏宏

■2023年4月8日 「サキノハカ」のサーバー変更とサイト移築が完了

本ウェブサイト「サキノハカ」は、2018年4月に開設され、ちょうど5年となります。このたび、そのサーバーを変更して佐藤敏宏さんのサーバー「fullchin」に間借りすることになりました。サイトの移築工事が無事に完了しましたので、お知らせします。URLは、http://www.fullchin.jp/00sakinohaka/0h/front2.html です。これまでのサーバーは4月末日に廃止となります。

サーバー名の「fullchin」とは、「強い下顎」という意味です。英語のchinとは下顎、顎の先端のことで、jawは顎の骨、上顎のこと。英語でchinは感情や精神が宿るところとみなされています。「fullchin」とは、すなわち「下顎のフルの力」ということ。眼力という言葉がありますが、こちらは顎力です。認識のためには、対象を噛み砕く「fullchin」が必要です。

絵:「サキノハカ」の表紙

移築工事の終わったサイトでは、これまでの「サキノハカ」と同様に、2018年以前に私が所長として開設していた早稲田大学ジャーナリズム教育研究所およびジャーナリズム研究所のウェブサイトにも飛べるようになっています。そこには私の思考と活動の歴史が保存されています。いわば私の記憶の財産です。この間、その歴史に興味関心のある人々にアクセスが開かれてきました。
サキノハカといふ黒い花といっしょに
革命がやがてやって来る
それは一つの送られた光線であり
決せられた南の風である
With the black bloom called Sakinohaka 
The revolution will be here before long 
It appears as a dispatched single ray 
And a sealed south wind as well

宮澤賢治「生徒諸君へ寄せる」より。
英訳は花田達朗



絵:2023年4月8日
移築時の内装(目次)
間借り部屋名「00sakinohaka

このたびのサーバー変更によるサイト移築にあたっては、その部分を削除して「サキノハカ」だけを残すという私の案もありましたが、「サイト世話人」としてこの「建造物」を構築し続けてこられた佐藤さんの助言を受けて、その研究所時代の電子データは削除することなく、「共有財産」として保存し、誰でもアクセス可能としておくことにしました。これを歴史資料として捉えるならば、その資料は私の私有物ではないのではないかと考え直したからです。その歴史資料は私が公開した表現物であり、その内容に対する責任は今も昔も変わらず私個人が、誇りをもって負っております。いつも楽しく、全力を傾けて表現してきました。一片の悔いもありません。私は佐藤さんに表現物をメールで送り、佐藤さんはそれにさまざまのビジュアルな工夫を凝らしてサイトに掲載してくださっていた。弛まず続いた共同作業だったのです。

その長いお付き合いの末に今、「サキノハカ」は佐藤さんのサーバー「fullchin」に一部屋をもらって同居することになりました。こうして歴史資料は佐藤さんによってレスキューされ、「サキノハカ」も継続されることになりました。佐藤さん、今後ともよろしくお願いします。