2007年度〜2009年度の活動記録 | ||
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●趣旨● |
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早稲田大学メディア・シティズンシップ研究所開設記念国際シンポジウム
新自由主義と手を携えたグローバル化の進展が、世界規模で格差を拡大し、人々をこれまで以上に断し、公共性が市場、個人責任、国益の論理によって縮小されるなか、いかにしてより民主的な社会の公共空間を再構築するかは緊要な問題となっている。これには社会全体のあり方を変革するという壮大な取り組みが必要となるが、人々はメディア文化をとおして日常において世界で起きている事象を理解し、自己と他者との関係性を身体化、そして様々な境界を超えたつながりを生成していることを鑑みるとき、より民主的な社会の再構築に向けてメディア文化が果たしうる役割は大きい。より多くの人に社会の一員として安らぎを与える帰属意識と責任ある主体としての参加意識を与えるために、メディア文化はどのような役割を果たすことができるのか。脱政治化された「消費者」でもなく高度に抽象化された「市民」でもなく、実際に生きる社会主体として、少しでも社会における埋もれた声に耳を傾け、相互に疎外されている自己と他者の関係を見直し、世界で起きている問題を自らのこととして考えることを可能にするようなメディア文化の使い方はないのだろうか。そして、メディア文化研究はそれにいかに関われるのか。いかにしてメディア文化研究における批判的な視座を社会の変革に向けた多様な実践と接合していくことができるのか。どうしたらメディア文化研究で得られる批判知を社会のなかで実践し、また政策化・制度化につなげることができるのか。
11月15日 国際シンポジウム「社会に開かれたメディア研究のために」 11月16日 ワークショップ1 午前10〜12時 11月16日 ワークショップ2 午後1〜3時 11月16日 ワークショップ3 午後3時30分〜5時30分 11月16日 総括討論 午後5時45分〜6時45分
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テーマスタディ/映画・映像コース+ジャーナリズムコース合同特別公開講座 10月25日公開のブライアン・デ・パルマ監督*1作品『リダクテッド−真実の価値』 特別上映会&シンポジウムを行います。
15:00 映画『リダクテッド−真実の価値』上映(90分)*2 *1 アメリカの映画監督。『キャリー』『スカーフェイス』『アンタッチャブル』『ミッション:インポッシブル』等、数々の作
品を手がけた。ベトナム戦争を題材にした『カジュアリティーズ』(1989 年)でも米兵による 戦争犯罪を描いている。 申込方法: ●本学学生・教職員・校友の方 ●一般の方 申請期間:10月6日(月)9:00〜10月13日(月・祝)23:59 当選発表:10月17日(金)までに、当選者へメールを送信します。 備 考:応募者多数の場合は抽選となります。ご了承ください。ただし、応募者が定員に満たない場 合は、応募しなくても当日入場が可能となる場合もあります。
■映画内容 ───────────────────────────── 2007年ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した本作品は、賛否両論を巻き起こした話題作。 |
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2008年8月7日(木)、特別ワークショップ「ソーシャル・ドキュメンタリー写真とは何か?写真家の声を通して」が開催されました。 貧困や人種差別といったアメリカ社会が抱える問題を、ドキュメンタリー写真を通して静かに、根気づよく、かつ力強く表現してきた写真家のケン・ライト氏。彼は近著Witness
In Our Times:The Lives of Social Documentary
Photographers(2000)で、現代を代表する22名のドキュメンタリー写真家やエディターらのインタビューを試みています。 講師: Ken Light
ケン ライト氏(写真家/UCバークレー教授) ケン・ライト(Ken Light)氏 プロフィール: |
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この度、第436回沖縄大学土曜教養講座『沖縄戦は終わらないPart2』を開催することとなりました。
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日時:2008年6月21日(土)17:00〜19:30
ゲストスピーカーの主な作品 共催:NHK(日本放送協会) |
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NHKドキュメンタリー制作者と世界を語ろう!第2回『こども・輝けいのち3 涙と笑いのハッピークラス〜4年1組・命の授業』(52分) 2003年5月11日放映 日時:2008年6月14日(土)17:00〜19:00
共催:NHK(日本放送協会) |
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2008年6月7日(土)17:00から、早稲田大学大隈小講堂にて開催されました。当日の参加者は、早稲田大学の学生を中心に、さまざまな大学から約90名が集いました。 冒頭に、ドキュメンタリー作品「ワーキングプア 働いても働いても豊かになれない」(74分)が全編を通して上映されました。 作品は、すでに共通語となっている「ワーキングプア」という言葉を、初めて世に出したドキュメンタリーです。作品では、働いても働いても家賃をはらえず、住所がないためにさらに職探しが困難になるケースや、地方都市の衰退に身動きできなくなっていく人々、親の貧困が子供たちへと連鎖していく様などが描かれています。憲法には基本的人権が謳われているのに、拡がっている日本の貧困を辿りつづけて、出来た作品です。「努力すれば報われる社会」を目指してきたはずの日本の、目に見えにくい現状に光をあて、将来への問題提起となった作品です。 作品上映後に、制作を担当したNHKの春原チーフ・プロデューサーと松島ディレクターから、企画の狙いや取材の様子、編集のポイントなどについて、20分ほどトークがありました。 ネットカフェなどに1ヶ月ほど通って取材を進めていくうちに、「ネットカフェ難民」といわれている人々のなかに、バイトをいくつもかけもつなど、働きつづけているのに、それでも貧しさから抜け出せない人たちがいることが見えてきて、テーマが定まっていったこと、「あなたの貧乏を撮らせて下さい」という取材相手との対話が500人くらいに及んで出来た作品であること、その中で「顔を出してもいい」と取材に応じてくれた人々に密着し、「食べているものから通帳まで」見せてもらいながら日本の貧困を見つめていったという、取材の経緯が語られました。 会場からの質問は時間を超えて続き、今後につながるきっかけの多いj-freedomシアターの初回となりました。 質問内容は、取材を受けてくれた人との金品のやりとりはあるのかどうか、なぜ専門家のコメントがはいっているのか、働く貧困層や最底辺というナレーションの言葉は適切かなど、さまざまな角度から寄せられました。金品のやりとりは一切なく、金品のやりとりになりそうなときは取材を打ち切ったことや、さまざまな見方を専門家の語りに盛り込むことで作品全体のバランスをとった、といった話もありました。 ワーキングプアは、個人の責任ではなく、社会の責任である。制作者たちが足で歩き、人と会い続けるなかで導きだしたこの答えは、その後ますます広がる格差社会を予感させるものとなっています。これからどうすればいいのか。さまざまな問いかけのある作品に触れるとともに、その作品の裏側で積み重ねられている記者たちの、文字通り「足をすり減らして」続けられている日々の地道な努力に、改めて気づかされる場となりました。(記録・別府) |
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j-freedomシアター「NHKドキュメンタリー制作者と世界を語ろう!」 第1回 『ワーキングプア 働いても働いても豊かになれない』(74分) 2006年7月23日放映 日時:2008年6月7日(土)17:00〜19:30
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早稲田大学ジャーナリズム教育研究所主催 私たちが生きている世界の「いま」と「ここ」を捉えるドキュメンタリー。時代の底流と世界の波頭を描くジャーナリズム。制作者たちは何を思い、どのような作品を作り、なぜ世に問うのか。私たちはその作品とどう向き合い、何を思い、何を得るのか。 「ワーキングプア 働いても働いても豊かになれない」(74分) 入場無料・定員まで先着順(会場の最大収容能力は300名) 共催:早稲田大学オープン教育センター テーマスタディ |
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6月2日(土)、ジャーナリズム教育研究所設立記念シンポジウム「ジャーナリズムの自由と独立のために」は、無事終了しました。当日は、東京六大学野球の優勝を決める早慶戦と同じ時間帯であったにもかかわらず、延べ300人の学生、ジャーナリスト、研究者、市民の方々が足を運んでくださいました。ほんとうにありがとうございました。 第1部の「ゲルト・コッパー氏(独ドルトムント大学)の記念講演」と花田達朗所長との対談、第2部の「ビデオレターの上映と研究所スタッフからのメッセージ」とも、ジャーナリスト教育における課題を多角的に論じることができ、シンポジウム開催の当初の目的を果たすことができました。また、質疑応答では、聴衆の皆さんから数多くのご質問、ご意見が寄せられ、ジャーナリスト教育に関する関心の高さとその必要性を強く実感いたしました。 なお、シンポジウムの内容については、近日中に発言録を掲載する予定です。いましばらくお待ちください。 参加していただいた皆さんや裏方のボランティアとして汗を流した学生の皆さんへ、改めてお礼申し上げます。 |
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j-freedomカフェ第3回は、冷たい冬の雨が降るあいにくの天気にもかかわらず、ジャーナリスト志望の学生を中心とする熱心な参加者が集い、盛り上がった。講演会とも大学の授業とも異なる「カフェ」という形式とその意義が、回を重ねるにつれて明確になり、また、参加者間でそれらが共有されつつあることに、主催者であるj-freedomの一員として喜びを感じている。第1回と第2回は外部からゲストをお招きしたが、今回はj-freedomのメンバーであるジャーナリスト・野中章弘氏(アジアプレス・インターナショナル代表)の話を聞き、ジャーナリズムの価値と使命、とくに「記録への意志」と「分断への架橋」について考えるという形式がとられた。司会は別府三奈子氏。 |
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日程:2008年 1月12日(土) プログラム:第3回『表現者としてのプロフェッショナリズム』 野中章弘(のなかあきひろ)氏:1953年兵庫県出身。ジャーナリスト、プロデューサー。
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等身大の戦争を伝えることで、一人ひとりの命の重さもリアリティーをもって伝えることができる。それなら、戦争を知らない世代にも、「自分とは関係がない」という過去の退屈な話にならないのではないか。 いまの日本が再び戦争への道を歩んでいるのではないか、という指摘を読者からよく受ける。戦争の記憶が次の世代へ受け継がれていけば、世の中がおかしくなるとき、次に何が起きるかを想像できる。「任せてください」と戦争体験者にこう言える世代になりたい。 政治部記者は、政治家と癒着しやすい。自戒が必要だが、記者クラブ制度など、政治部記者のあり方を検証すべき点は多い。 ※
(感想) |
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日程:2007年12月22日(土) プログラム:
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早稲田大学ジャーナリズム教育研究所(j-freedom)では「j-freedomカフェ」を開設します。今回は「ジャーナリズムの使命と価値」というテーマで4回シリーズの講座を開催します。ジャーナリストの優れた仕事に接し、その作品を通じてジャーナリズムの原則を考えるという学びの場です。ジャーナリズムに関心のある学生、ジャーナリストを志望する学生、ジャーナリズム現場で働いている若い方の参加を期待します。 日程:第1回 2007年11月24日(土) プログラム:第1回「ジャーナリズムの立脚点」
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熊本日日新聞(2009年1月25日朝刊9面)に『「個」としてのジャーナリスト』の書評が掲載されました。
この度、石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞記念講座「報道が社会を変える―取材過程論」(オープン教育センター設置科目)の内容をまとめ、『「個」としてのジャーナリスト』を発行いたしました。 目次 U 各書店にてお求めください。 |
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早稲田大学ジャーナリズム教育研究所開設記念シンポジウム「ジャーナリズムの自由よ独立のために」 根底から変化する社会状況とメディア環境のなかで、ジャーナリズムの自己革新と自己変革はどのように可能か、またジャーナリズムの自由と独立はどのように可能か。そして、大学に何ができるか。ジャーナリズム教育はどのようにして可能か。こうした問いに取り組むために、早稲田大学のプロジェクト研究所としてジャーナリズム教育研究所を4月に開設しました。その開設記念シンポジウムを開催いたします。奮ってご参加いただくよう、ここにご案内申し上げます。 日時:2007年6月2日(土)13:00〜17:00 場所:早稲田大学西早稲田キャンパス 14号館201教室 主催:早稲田大学ジャーナリズム教育研究所 共催:早稲田大学オープン教育センター 同時通訳付き(English-Japanese simultaneous translation) 一般公開、入場無料、開場12:30 〈プログラム〉 13:00 開会 総合司会:伊藤守(早稲田大学教育・総合科学学術院教授) 第1部 開設記念講演 13:05 挨拶 花田達朗(ジャーナリズム教育研究所長) 13:15 祝辞 早稲田大学副総長 堀口健治 13:25 基調講演 ゲルト・コッパー(Professor Dr. Gerd G. Kopper) 欧州ジャーナリズム・センター(EJC)創立初代理事長 欧州ジャーナリズム・トレーニング協会(EJTA)元会長 ドルトムント大学ジャーナリズム研究科(研究所)教授 「ジャーナリズム教育はなぜ現代社会に必要か? −国際的視野から見た問題提起−」 Why is Journalism Education necessary in modernized society? - A view from the international perspective- 13:55 対談 ゲルト・コッパー×花田達朗 14:45 休憩 第2部 ビデオレターの上映と研究所スタッフのメッセージ 16:55 閉会挨拶 伊藤守 17:00 終了 |
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