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     建築家渡辺豊和さん  その12



・神戸都市計画スライド・・・

渡辺:これ行くか大変だよ
佐藤:休もう休もう、明るくして。渡邊さん酔っぱれわせて、あと何枚あるの
菅波:あと一缶と一寸
佐藤:ジャやっちゃうましょう。
    会場笑い
佐藤:これは神戸の震災の後に計画した。正式な名前はなんて言うんでしたか

渡辺:神戸曼陀羅庭園都市。はっきり言うとね一杯人が死んだでしょう、僕は大阪にいたけども、5000人の人達の鎮魂のために、だれにも言われないで、僕は宣伝のためにやるのは嫌いだから、鎮魂のために自分で絵をかいた。これ何百万円もかかってるのよ。誰からももらってない。日本人の嫌いなのはね、何したこれしたといつぱい居るでしょう。一切言わない。でも100年後にはこういう都市にして欲しい。おれの気持ちわかってるのはちょっとした人しかいませんが、震災の後直ぐやりました。売り込みなんかする気がないから、1年半かかった。なに言いたかったか、日本人の一番醜さに対して対比しよと思ってやったこと。わかるかい、
佐藤:自己批判だ。

・・スライド・・

佐藤:緯度経度の一分ぶんが一マスがね。長さは
渡辺:東西で1.9k南北で1.8k、神戸の場合はね
佐藤:ここに飛び地があるのはなんですか
渡辺:墓陵
佐藤:これは福原京
渡辺:そう
佐藤:マスの中を9に割って
渡辺:これはグリーンベルトですけどね、わざわざ隣の地区に行き難くしてるの
佐藤:行き難くなっるの
渡辺:へそ曲がりじゃないんだよ。21世紀の都市は必ずそうなると、世界の最もいい都市はよ。都市計画をやってきた男やけど、建築家だけのアバンギャルドじゃない、都市計画としてもアバンギャルドをここで発揮してるわけ

・・拡大されたグリッドの部分スライド・・

渡辺:20年後にはここだけやると、これはグリーンベルトだから、しかももう一つは鉄道だから、今の鉄道とは違うよ、都市計画のむづかしい話しだから・・
佐藤:ジャ眺めていきましょう





・・現況の地図・・

渡辺:いいです

・・100年後のスライド・・


佐藤:あ無くなったじゃないか。
渡辺:綺麗に戻るから
佐藤:過激ですね、町が全部なくなり自然に戻るか・・
渡辺:戻ると
佐藤:乱暴ですね。
渡辺:でもねこれは多分俺の言うことが正と思うよ。そう思って物事やらないと。日経、出たくないんだよな。何で出たくない。余りにも普通のこと言い続けたから、あたりまえじゃない

菅波:あたまえですか(笑う)
渡辺:だれが考えても解るじゃない、だれが考えても解るじゃない。市街地は元に戻して、農地に戻すとか言い続けたんよ。大阪のど真ん中に360メートルの超高層を建てなさいと、それ受けたらしいんだ、すごく。絵も描いたんだ。取材受けたくない・・まやれ
佐藤:よぱらってるから・・いいね。

・・ブロック詳細スライド・・


渡辺:パターんがあるの。金剛界曼陀羅と胎蔵界曼陀羅がある。それは大したことないんだけども、地震起きた時から、瞬間からやった。だれにも言ってない、どうして言わないと思おう、だっておれは死んだ人の鎮魂のためにやったんだもん。発表は小っちゃくやった。
佐藤:同人誌だから誰も読まないね
渡辺:霊はすごいよ、霊は絶対わかってるはずだから。
佐藤:なんかわかんない話しになっきたな、死んだ人が解るという話し。

・・見下げサライド・・

佐藤:ドンドン進んだ行こう、立体的になってきたな。ドンドン見せてもらいましょう。これが一寸高い所から見せた絵だね





・中央に花がある町のスライド・・
      

佐藤:れは蓮の花みたいだから政治都市とかそういうところかな。細部が同じように細かくなり入れ子状に、フラクタルしてるね。
斉藤:ビデオ見たのとは違うのですか
佐藤:違うあれは西成の完成動画で大阪。これは神戸
渡辺:質も違うもん


・斜めスライド・・

佐藤:空いてるところが当たり前だとは思わないんだけど。
渡辺:そらは緑よ、庭園よ

佐藤:これが何年かして、空白が出来ていくのが新都白河の計画なのね。建築を断念していく方向にダンダン行くんだよね、これ見てると。さっきも全部町が無くなるとか言ってたじゃない。自分で計画して、自己否定して行くっていうのは、

余程建築全体に自信が無くなって来たのかなぁー。あんなに激しい建築、加茂町とか上湧別と過剰な建築を作っておいて、その後におきた地震を見て、建築を消して行くとはどういう心情なのでしょか。これはもう一寸先にいかないと解らないね。単純に解説しなほうが良いと思うけど、心の動きとしては、建築を自己否定していくみたいに進んでるよな気がするね。

 最初に西脇の陶芸館の時には建築の豊かさとか面白をドンドンやってたんだけど、ここに来てハタと止まるというのは何なんなのか。地震のせいでもないよな気がすんだよね、それはもう一寸見続けましょうか。見続ける建築展・

・・立体的なスライド・・

佐藤:立体的に見てるの、コマーシャルシティーて書いてあるから、商業空間ななんだろうね
渡辺:コマーシャルパークなんだけどね
佐藤:これはね雑誌社の反応が全然悪かった。悪いですね今でも、わならなかったんジャない。建築家なんだから、建築を一度否定してそこから新たに作るのは、誇大妄想癖か建築の自己否定、どのように解釈したらいいのか

渡辺:建築の自己否定だもん
佐藤:建築を作り続けた人が自己否定してても売れないじゃない。建築作りながらやんないほうが良いと言われてもさー。どう受け止めたらいいかわからないよね。正常な反応だね、そういう意味ではね

・・半分水の見下げ・・

佐藤:当たり前の反応か、これは港か。面白い所は、計画しない、現状に合わせる所、をパッとやれチャウ所ね、すごいと思うの。鉄道はそのまま残す。他人の土地をぐりぐりしといてね、道路とか鉄道はそのまましちゃうところが、何でと聞いてみたくなるね、ここの港の線とか、地図のそのままなんだよね。
渡辺:そ
佐藤:その辺の、建築を自己否定しながら、作って来た地図みたいな、稜線見たいなの、そのまま残すということが、徐々に明らかになってくるよう気がする

・・町にスライド・・


渡辺:全部庭園作って
佐藤:並じゃないとこ。ここ(ブロック内の山)を地均しして整然としてしまうじゃない。だってここは行来できないように、強引にグリーンベルトにするんだから。こんな山いとも簡単に、これと同じブロックを繰り返すはずなのに、こういう山が入れば残すとこが不思議なとこだよね。こうは普通はやらないんじゃないかな、ここが面白いね。


周囲は強力な形を作って置きながら、何の力なのか解らないんだけど、この力で自分の計画を断念してる、この際ていうのがね。これから僕たちが考えなきゃいけないことなんだけど、この際はなにによって、出来てくのかお前達考えろと言ってるよな気がするだけどね。ここは自分で完璧にやっちゃつてるじゃない、渡辺さんがやってないのは、完璧な建築と不完全に重なる自分が計画出来ない、この境を明確にしながら考えて行きなさいと、言ってるよう気がするだけどね。




 14頁へ続く