HOME↑
建築家渡辺豊和さん
その12
・・上湯別・・
佐藤:休憩だねお茶呑ませてあげよう
小林:ビールの方がいいんじゃない
佐藤:ビール。これは北海道の上湧別にある、屯田兵の資料館。・・
・・入り口スライド・・
会場ウワーすごい
佐藤:なんでようかな、原生動物アノマノカリスだね
渡辺:面白いでしょう
佐藤:烏賊 てな感じ
会場笑う
佐藤:するめいかみたいだね 俺観てないんだよね。これいやらしいんよね
渡辺:ばーか。これ枯れ葉はやで
佐藤:おれはするめ烏賊の足と思った
会場笑う
佐藤:意味がいつもあるんやね
渡辺:まいいか、あぐらかいてやろう、面白いでしょう、
・・裏面の立面スライド・・

渡辺:これ網走のズート北の方。何でかな渡辺豊和に設計して欲しいといって来てね
佐藤:これは木造なんですか
渡辺:コンクリーと木造が、もう混然一体に成ってるの。もう62才今、やったとき58才ぐらいかな。これからそういうことやってみせますけど、もうほとんど名人だもん。
佐藤:自分で言うね
渡辺:自分で考えた自分の工法なんだから
佐藤:自分で名人と言うね
会場笑う
渡辺:だって若いとき自分で考えついて方法なんだから、それをズートやり続けてるんだから、これは自分でも非常に良くできてると思う。格好いいんじゃなくて、一番いいの今日持って来なかったから。雑誌も出たんだけど。かれしらないから
・・内部スライド・・
渡辺:これ内部
郷う:玄関のところ、枯れ葉のとこ入ると、入ると枯れくちた木みたいだね
渡辺:でもなんとなく解るでしょう。なんか違うなと。
・
・木造小屋組とRC柱の見上げスライド

佐藤:角がまだ中にもあるね、天井高何メーターぐらい
渡辺:20メーター
・
・天井見上げスライド・・

佐藤:これ中すごいね
渡辺:お前、今頃わかったか
会場笑う
佐藤:船ひっくり返して、それを何重にも繰り返して、この部分だけで一つの建築になっているんだけど。も、これで最後だと思ったのかもしんないね。一つの建築を増殖させてやっと安心できると。というそんな感じもしないでもないなー
渡辺:そうや
会場笑う
渡辺:だからこれ以降3年間ものを作ってないんだ。もうマンネリ厭だから。
佐藤:自分で直感した
渡辺:全部出来ちゃったの、お前の言うとおり。
佐藤:よく見ると真っ直ぐなと所と、曲線的な所とペアで繰り返してるじゃない。龍神村の体躯館は柱は木造だったじゃない、それが屋根だけが木造になって異種混合になり、そういうとこ絶妙に巧いね。光の取り得れかたが、外から見たたらこんなに綺麗に見えない。一番肝心なとこに光を当てて、この辺は手を抜きながらも、全部過剰だと解らなくなるからこの辺は単純にやつて、この曲線を良く見せるようにしてる。巧いね。はい拍手
・・RC柱から天井を見るスライド・・・

佐藤:お、これはまた巧いね
渡辺:これがやりたかったことだね
角と角、二重回廊のところに蟻塚みたいなの有つたじゃない。その間から見たとこなんだけどさ、今まではこれを壁で囲って、中から見上げさせていたんだけど、外から見せながら、中も見せる、蟻塚みたいな所を抜くとこの光が蟻塚の頭から入ってきて、この部屋に入る。単調になってない。曲線と直線とが有るから、体験としては繰り返してるようなんだけど、見えるシーンが全部違うんだと思うんだよね。豊さをやっと獲得したね。これはすごいかもしんないな。
これ設計したあとにロシアに行ったのよ。ほとんどこれと同じもの一杯有った。網走だからね、僕はね自分で持ってる空間感覚にすごい自信持ちました。その前に設計して出来てるわけでしょう、建った後にこれと同じモノあったのよ。格好は向こうの方が不細工だけど、こういう光の取り方ね、あったんよ。
佐藤:秋田市体育館の光の取り方もっと単調だったね。
渡辺:北海道の一番北のとこで、どうして光りを取るかを考えたのよ。考え抜いたのがこれだったのよ。
佐藤:光を取り入れているのを気が付かせないために、こんな所に行かせるなんてすごく上手いよね
渡辺:そうそう、そしたら同じものあったのよ。人間の直感、自分の持ってる直感がね、信用できた。今まで全部そうだったんだけ、北は行ったこと無かったからね、あそうか自分でもすごい直感だと思ったよ。形良いだろう。ロシアはこれより形悪かったよ。(笑い)
佐藤:形はいいんですけど、考え方とか繰り返さないとか、自分が過剰に繰り返したにを破って行く、そういうチャレンジ精神がすごいね。普通は大御所だっら、怖いね。感心しました
渡辺:佐藤よ、この形すごいと思わない。自分でもすごいと思うも・・
佐藤:いやらしいね本当にね
渡辺:佐藤
会場笑う
この形見てくれ(笑う)
会場笑う
佐藤:専門家のなんか・・
渡辺:僕はこれでコルビュジェには負けないと思ったもの。このシーン撮って、僕は絶対コルビュジェいは負けたくないから、コルビュジェというのはピカソみたいな人、20世紀の画家達がだれも勝てると誰も思わないでしょう。コルビュジェはそれと同じ、必ず勝て見せます。
佐藤:何言ってるのなわからないよね、普通の人が聞いてもね
渡辺:わかんなくても、必ず勝て見せます
佐藤:言ってるのは解るけど、建築は勝負ごごなの・・
渡辺:チョトはわかつたろう。
佐藤:わかんない
渡辺:現代建築とは全然違うタイプだとは、よー解ったろう
菅波:はい
渡辺:こんな空間誰が出来る今頃、ロシアに行って始めて解ったの、そんなの有るなと。なに言いたいかと言うとね、寒い所のこと思ってね。
佐藤:マイナス20度ぐらいなの
渡辺:ロシアも寒いとこでしょう、
菅波:はい
渡辺:同じことやってるのよ。ビックリした。自分は知らないでやってるわけでしょう、北のこと、寒いなと想ってやってる、北海道行って。同じことが古典建築でやってるわけよ、おれは世界、あっちこっち歩いてるから、ロシア以外ではこんなこと無いと知ってるわけだからね。あのとき自信得たな、僕は自分の直感力に。世界を歩いてきことと自分の直感力に。俺の建築格好いいだろう
会場笑う
渡辺:格好いいだろう、(笑う)今ね俺の建築は悪いとみんな思ってんのよ。若い連中はね俺の建築は古典的で頑固で・・
もっといいシーンがでるよ、佐藤にやらせよう、佐藤がこれを見ないといい建築家になれない
会場笑い
佐藤:いいと思った
渡辺:これ面白いでしょう、これ見てると。今の建築家達と全然違うことやっるから、しかも古典を真似するわけでもなんでもないから、これからもっとすごいことやってみせるから、これから仕事バンバンやるから、いままで仕事しなかったの、したくなかったから。
会場笑い
いい、したくなかつたの。マンネリに成りそうやったんよ、仕事ほとんど止めてたのこれからやるけど。
口田:この柱は未来に行きたいみたいな
渡辺:これはね、光。北方の光ってあるのよ、僕自身も北方の光を見せたかつた、佐藤君にもわかんないのよ、俺しかわかんない光の秘密は、自分の光なの。
佐藤:光の重ね具合がね、こっちの光が無かったんだよね、ここだけだったのよ。ここはふさがれていた。この上に窓があって、光が3重に重なっていて、実物はスライドこれより綺麗だと思うよ。俺は、残念ながら見てないんだけど、でもそう想います。
渡辺:僕は今日はあなた達に会いに来たんじゃないの、佐藤がいい建築家だと言いたくて来たのが一つ。もう一つは東北なんだから、東北って自信持つべきなんよ、自分達の持ってる感性を。北方の光を表現しなかった
佐藤:これはなかなかすごかったね。進みましょう
・・RC格子スライド・・
渡辺:今の同じ部屋だけど、面白いでしょうこれ。
佐藤:ここのとこね、ここが真っ直ぐだったじゃない。成熟してきたというか、膨らんできてるじゃない。牢獄の窓も細かい格子の所に床があったんだけど、大きなまどになり、ゆとり、だね。ちゃんと見せてももう大丈夫だ、みたいな・・
渡辺:(笑う)そりゃそか
佐藤:もっと激しかったじゃない格子。そういう所がねやっぱり余裕だね、ホントにやりたかったのはここだけ(小屋組)だったと思うので
渡辺:うん今の逆ね
佐藤:これ(小屋組)を綺麗に見せようとしてるんだと思うんだけどね。
渡辺:そうだよ
・・RC壁際見上げスライド・・
佐藤:この柱何本立つてるんですか
渡辺:4本
佐藤:巧いのは、後ろを消してさっと見せるとこ
・
ホール見上げスライド・・
渡辺:玄関の逆側
佐藤:お客さん玄関から入ってくると、ここに入ってくる。コチラがステージ。これ全部木造ですかと、言ったとこあったじゃない。外側に籠、廊下が有る
・・廊下スライド・・

佐藤:これね。2重になってる。ペアガラスだね
・・廊下見上げスライド・・
佐藤:同じところ。壁と梁の取り合い。ドン付け。
・
・小屋木組見上げスライド・・

佐藤:回りなが同じことを繰り返してるね。構造屋さんが違って来てるのですか
渡辺:いつしょ
・
・小屋組スライド・・

佐藤:これは何処だ、ホールの上。
渡辺:そうそう展示室。ものすごく気に入ってる
・

佐藤:微妙なんだけど、簡単なようで、こんな曲線かけないのね
渡辺:おれの左手だからかける
会場笑う
渡辺:これはおれのスケッチだもん
佐藤:終いの所、フィっと入れる所がやっぱりね、出来るようで絶対できないのよ
・
13頁へ 続く