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     建築家渡辺豊和さん  その4

・・・秋田市体育館スライド・・・

 

佐藤:これが秋田市体育館。北の方からみた、これは能代の方から来た時に見え全体の姿
渡辺:違う、逆。
佐藤:これスライド裏返し
渡辺:え、これでいこれでいい
会場:あの車どっち走っての
渡辺:あそう、能代のほうからやね。そうそう、そうやな
佐藤:酔っぱらってるからね。
      会場笑い
右がメーンアリーナで左がサブアリーナで、高さが47メーター。平屋なのに47メーターなの。入り口は右のコチラで、裏に駐車場がある。秋田港がコチラで海がある、場所の関係を良く確認してね。

・・玄関回りスライド・・

 

佐藤:秋田の町から来るとこう見える。今度は左側が海よ日本海。これが玄関で階段に羽衣だという屋根が見えます奥が、メーインアリーナの屋根。
龍神村民体育館の場合は屋根、この部分は木造だつたね。
渡辺:その高さが9メーターかな
佐藤:屋根は鉄骨。下は全部コンクリート打ち放しなの。
小林:バス停が同じような形だったね。
渡辺:あれはつまんない
佐藤:あこれね。バス会社が真似た人気あります。
     会場笑い
渡辺:しょうがないね
佐藤:屋根のてっぺんで47メーター。その上がまだある・・
渡辺:55メーター
佐藤:でかいの。屋根はステンレスなので空の色を映すので空と同化し消えたりするし。福島市の八木田橋の所に国体記念体育館あるじゃない、あれと値段は同じぐらい。あれ40億ぐらいとかいってたね。
渡辺:35億だ

斉藤:福島市の国体記念体育館・・

渡辺:、東北では圧倒的な使用率らしいね。2番目が半分以下らしい
佐藤:去年の成人式の日に秋田市体育館の柱の間に成人の人が並んでる写真が朝日新聞の全国版の記事になってたね。この足許の部分はピロティーになってて、選手が集まれるようになってるね。

客は2階から入る。この建築の面白い所は、お客さんが通路を一回りすると一度外に出る。放り出されてような錯覚になるんだよね。

・・サブアリーナのスライド・・

 

佐藤:サブアリーナのほうが過剰だね。ここの部分が自分の部屋、これ角、ここだけで済むのに何にをやってるんでしょうね。
渡辺:こっち大きいでしょう。こつち小っちゃいでしょう。空間作授術。世界で僕しかしかやってない。この角を出したけども、大きい方の相似形なの実は、あとで解るけど。
佐藤:コチラが親亀、こっちが子亀

渡辺:これを出したおかげでね、子のほうがね親に勝という手法が分かったわけよ。これ俺しか解ってない。実は親子なんだけども、親子をどうするか、大きいものと小さいモノとは一杯ある、そうじゃないやり方をしたんだ。不思議な効果が起こる、この写真の様な効果が起こる。自分が思った以上のすごい建築が出来たと思った。佐藤知らないだろう、そういうこと。
佐藤:解ってますよ
    会場笑い
佐藤:親亀の方は端正で暴れない羽衣まとっている。子の方は角突き出てる。実際も使われ方を見ると季節をダイナミックに表現してる。コチラは雪はジャジャンんと落ちる、雪落ちて来てここにたまる。自然をコンデンスするというか自然をより過剰に表現しちゃうのね。冬行くとわかるけど、柵してる、危ないから。雪落ちて来る。子があばれる様なもんだね。
渡辺:そうよ
佐藤:冬仮囲いしてある。最初から暗示してる、役に立たない角作りながら、完成後の姿を。自分で自分の建築を説明してるのね、だれも説明してくれないからね。この角の内部の写真あるかどうかわかんないけど、
渡辺:有るよ、きょうは持ってこなかったけど
佐藤:したから見ると自邸そのまま。

・。親亀の尻の方からの眺めスライド・・

 

・・2階入り口回りスライド・・


 



佐藤:左が親亀の頭で、これ羽衣みたいなのがくっついていて、反対側にもあるのよ羽衣。






・・波打つ屋根スライド・・

 

佐藤:すごい過剰ですね、 黙って見てましょう。人間の言葉で言うと、色んな言葉をしゃべつてないんだけど、単純な言葉を繰り返すことによって、非常に豊かな世界を作れると建築で示してるような気がしますけどね。

馬鹿単純な繰り返し何だけど、その繰り返しのなかにある豊かさに気が付きますね。
渡辺:それを文学というんだよね。
佐藤:ここのとこはすごいとこだね。うねうね。
渡辺:源氏物語の世界なの。
佐藤:エロス、普通の人は過剰にしようと思っても貧相になつちゃうんだけど。誰でも出来そうだけど、出来ないんだね。
   会場 フンフン
・・・詳細寄りつきスライド・・

 

2階への上がり口、龍の背中みたいにね。上海に予園とがありますけど、昔からあるんですか。
渡辺:あるよ。俺だって予園を頭に入れてやってるんだから、予園なんてたいしたこと無いじゃない、日本人がやるならこれだと、思ってやった
佐藤:予園は壁の飾りだもんな。
渡辺:あれは単なる装飾だから。
佐藤:そうですよね。
渡辺:我々日本人は今たまたま金持ちだから、たまたま金持ちだから、その時の代表的建築を今やるべきだと思った。考え方が普通の建築家とか芸術家とは、自分でいいと思ってるけどね。(笑う)さっきのこれね、ほんと良くできたと思う。もちろんいろんな人達と協同してやったけど、俺が考えたからって出来るわけないから。それとねこういのみんな俺なんだよ、鱗。

佐藤:鱗 (笑う)

渡辺:住宅の考え方とほとんど変わらないことが、よー解るでしょう、住宅でやってやってやり抜いたことをやる。ただスケール大きくなったときに、他の建築家と違ったのは展開が非常にはやいのよ、パーッと展開出来る。

佐藤:展開が早いと言うよりは、普通の人がスケールアップした時にスカスカになつちゃうんだけど、渡辺建築はスカスカにならないんだよね。それも持つて生まれた才能なんじゃないでしょかね。住宅や陶芸館をがーんと巨大にしてもスカタンにならないのがすごいね。このままギュウーと縮小して住宅作っても住宅になっちゃう。

・・屋外通路見上げスライド・・

 

渡辺:良いでしょうこれ、自分でも気にいってるもの。
佐藤:これほんと蛇そのもの (笑う)
斉藤:蛇の腹ですね
佐藤:蛇つて脱皮するじゃないその抜け殻だよね。詰まってるときは使われてるときね。
渡辺:これが自分でも大好気なの
佐藤:蛇の抜け殻、見たことあるでしょう
渡辺:建築家でも一番好きなとこあるでしょう、一杯あるじゃない、これが一番好きなのやりたくてやりたくてしょうがなくて、これ世界でだれもやったことないの

佐藤:蛇の抜け殻見た人は解るけど、見たことない人は「何じゃコリャ」ってなんじゃないの
渡辺:佐藤よー。
      会場笑う
佐藤:はい
渡辺:この重なり、うねりじゃなくて構造の重なり。
佐藤:見たことあると思うけど蛇の抜け殻の腹の部分ね。よーやりますなー。一番作りたいとこ頼まれてないの、頼まれてんのこっちの体育館、大きいほうなのに。
     会場笑い
佐藤:笑えるね、・・ガハガハと皆わらう
渡辺:そりゃそうや。
佐藤:いつものパターンですけどね、

・・列柱写真スライド・・

 

佐藤:この上に回廊がのってる。これが周囲を回ってる。
渡辺:天井高9メーター、人がこのぐらい
佐藤:何の役にも立たないコンクリートをどかどか使って、実は役に立ってるのよ。柱の隅々切ったり曲げたり、結構デリケートな作りだね

・・回廊スライド・・
 

佐藤:これがサブアリーナの、子供の頭の角が見えてるのね、これは親の亀の尾っぽのとこなの。お尻の処理の仕方を下から見ると、ものすごいコンクリーの固まり。ここで走路が一回外に出てくるの。

渡辺:これ実はね、ヨーロッパの教会でやることなんよ。誰も知らないのこれ、やってみせたの。
佐藤:わかんないね。
渡辺:これは俺の独創じゃないの
佐藤:建物の中から外に出るなんてあるんですか。
渡辺:それもある。谷間の造形というのはヨーロッパに有るの、俺しか出来ないんじゃない。その基本知らないから、ヨーロッパの建築家もしらないから。渡辺豊和ていうのは一寸見ただけでわかる建築家なのよ

佐藤:仮面の家があつたじゃない。あれは真っ直ぐだったじゃないの。これは曲がってるよね。そして全体がつながつてる。
渡辺:そうそう、谷があつたって言った、それヤッてんの。表現は違うけど、若いときと何も変わったことやってないの。
佐藤:「成長してないのか」と言っちゃ駄目なのかね
渡辺:そう成長してないの、今のシーンは最も自信有るシーンなのんよ。20世紀にこれ出来るの俺しかないの、だからお前えやれ。

・・列柱スライド・・
 

佐藤:これすごく細かいの60センチぐらいなのかな。ビーしつと回り、この格子もすごく良いですよね、この過剰さは何なんだー。












・・仲庭スライド・

 

佐藤:これは何処だ
渡辺:中庭
佐藤:そうかお尻の方と頭の方に外が有るんですよね。亀の頭で言うと首の所に襟巻き巻いた見たいに隙間がスポンと開いてるの。場所説明するだけで大変だね。これ一周200メーターぐらいあるんですか。走路があり内に入ったり外に出たり。

渡辺:なに言いたいかというと、秋田のそういうことじゃなくて、アリーナの単調さを建築家として救おうとしてるわけ。だから人気有るの。
斉藤:蛇の鱗にも見える
渡辺:この体育館猛烈に人気あるんだよ。・・と強調する・・

・・玄関ホール見下げスライド

 

渡辺:これあるところでコルビュジュ越してんだよ、これ、説明せいよ
      会場笑う
佐藤:俺がですか
渡辺:これがコルビュジェ越した空間なのだよ。
佐藤:どの辺、越してるのか解りませんね。
渡辺:わかんないだろう(笑う)

佐藤:でもすごいですね。チラ玄関、コチラアリーナ。これEVシャフト、向こうが先ほどの庭なの。コルビュジェ越してたと言われても解りませんね。壁の抜けてるとこ
渡辺:いやちがうそんなこと言つてない
佐藤:この頭の話しですか
渡辺:違う違う・・全体
s:建物全体がコルビュジュ越したって話しですか
渡辺:内部
s:内部
    会場笑い
佐藤:わかないね、オイだれか解説しろ。・・渡辺氏笑い続ける
斉藤:床の配色とね
佐藤:この市松文様、ちがうね。
渡辺:それはない、おれの最も苦手なとこだから
佐藤:実は、自分もわかってないんじゃないか
 会場  笑い
佐藤:コルビュジュ超えたと言い、そこだけ覚えてて理由は解ってないかもしれないなー
   渡邊と会場笑う
佐藤:これは判りませんけどね、ホールに人が一杯いてもこの上の静寂さかな・



・・玄関ホール見上げスライド・

渡辺:これがいいね。・・これがね自分でも
佐藤:これらの抜けかた、これがなんの役にもたたない玄関ホールなの。コルビュジェ超えたと言ったのはここらから見たところね。上のドームは頭の部分ね。
渡辺:僕はね多分コルビュジェ超えたと思うんだよね
佐藤:実物もすごいけど
     会場しずまる
渡辺:世界の建築家だれがこんな事出来るの俺しかいないもん、そう思わない。
佐藤:こなことやらないね
渡辺:いや違う、出来ないのよ。
佐藤:複雑でね
渡辺:出来ないの怖いから・・
佐藤:ぐるーット回って行くと・・
渡辺:佐藤、俺が言ってるの、「度胸だ」って言ってるの・・
     会場笑う
佐藤:「度胸」なんて聞きいてない、解説しなくちゃね。俺は?・・
渡辺:そんなことは優秀な建築家なら誰でも出来るから、度胸なんよ。度胸。これはコルビュジェにも勝た。勝たと思わんけど、負けてはいないね。
今度もっとすごいのを作っ見せます皆さんに、来てください。3年も経ったら出来ますから。
佐藤:過剰に記号が重なって
渡辺:こんな建築家日本にはいないから、自分で言うのも可笑しいけど、日本の建築家達には。ただコルビュジェには勝てる人はいないはなー、(笑い)俺コルウビュジェ好きなよ。

斉藤:僕は何処をコルビュジェと比べていいのかわからないですね。
佐藤:本人もわかってないからいいの
渡辺:斉藤君が言うとおり、微差を言ってるでよう、微差に興味ないの
斉藤:ジャなに興味有るんですか。
渡辺:馬鹿、これからなの

・・・会場笑う
斉藤:後3っでしょう
           会場笑う
渡辺:それはそうだろう、だから今日一杯もってきたのょ、これからなんよ。
斉藤:(笑う)ジャ、はい次に
佐藤:進めよう



 10頁へ続く