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建築家渡辺豊和さん その8
・・西長野小学校の問立面スライド ・・

佐藤:緊張しますよ。いきなり俺解説者。
これは渡邊さんが生まれた、角館の西にある西長野小学校と言いまして。
小林:学校ね
佐藤:小学校なんですけど、これ誰が一目見て学校だと思わないけど、小学校なんですね。これは北側なんだと思うんです。平面で見ると人間の形をしてて、頭の所が体育館になってて、体の部分が教室になっていて、足の所これが音楽室で、コチラが職員室。
地球庵にあつたようにドームがあつて。ヌメーとしてる大門。初期、若いときの渡辺建築にはヌメーとが無いですけどね。この奥にあるピラミットの形有るじゃないですか、標準住宅というのありましたよねあの形。その奥にあるのが上部が木造の体育館なんだけど、
龍神村の体育館の欠点を補って余りある良い建築なんですょ。
僕が最初見たときにこれは流麗な体育館だなと思った。「流麗になりましたね!」と伝えると、「そうか・そうか」と言って満足げでした。木架構の密度が龍神村の体育館では薄かったんだけど、密度グーンと上がりました。後でスライド出てくると思うけど、なかったら僕が撮ってる写真があるので補足します。これの絵は平面形でいうと足の方から見た校門付近です。
・・・西面立面スライド・・

左側が足もとで右側が頭ね。頭の部分が体育館です。胴体あたりが教室、職員室・特別教室、
中間に昇降口です。奥に正方形の中庭があるんです。この足もとのところ職員室がある。これ平屋なの。全部平屋なのにやたらでかいの。高さがね。ここの過剰さ、龍神村の体育館で外部であった櫂の過剰な表現が消えて内部に入り込んでる。
・・門のスライド・・

これは足許から入っていくと現れる、ここが昇降口ね。ここに標準住宅の造形があるでしょう。職員室、特別教室なんですかね。
渡辺:でね、こいいうこと考えた。自分の町でしょう。角館町の中心地で生まれた。ここは田舎なんですよ、それはいいとして、角館というよりも、いかにして小学校の面白さを出そうかと思ってね。出したわけ。
佐藤:これが何で小学校の面白さなのかということを徐々に・・分かってきます。
渡辺:子供の時に思ったのは、運動場を、君達はわからんか。俺の歳の連中は、運動場を囲ってたわけ。運動場はちっちゃいいけど、
囲い型の建築をしよと。日本で唯一無かったの。僕は人の真似なんか全然しないでよう、日本はこの方式とらなかった一遍も、で僕がやって見せたの。
佐藤:大きな木造建築というのは法律でどこかで防火区画しなければいけないんだけど、間にRCを入れる。その先は体育館の作りのように木造とRC造との混構造なのね、間にRC入れた効果です。。
・・体育館ライド・・

佐藤:頭の部分の体育館。これが地域に解放する食堂。コミュニティールーム。コチラに6教室並んでる。
・・中庭スライド・
佐藤:玄関から入ったとこに中庭があります。雪が積もれば平になる。雪がないときは段状になり、バンガクでしたか。
渡辺:ヨーロッパの小学校は中庭がある、日本は真似したの、これだけ真似できなかった。
どうしてか、いまでもよく判らないけど、
俺は中庭型の建築家だから、だからヤッタレって作った。俺は日本に無いモノにしてあげようと。こんなこと独創的じゃないのよ。100年以上前に日本以外の所で一杯やっていたのよ。
・・見返す中庭スライド・・
バンガクの楽屋だよね、僕は劇場も専門家だから、
小学校のプラン使いながら劇場を作ってるわけよ。プロ中のプロだもん劇場に対しては
佐藤:この土間が劇場 、こちがが観客席。田舎に有りながら都市の建築になっているね。
周囲の外観を示す・・食堂の外観スライド
佐藤:あれどっちから見てんだー
渡辺:おまえなー、よく見てご覧。こういう柔らかい木造と固いコンクリート造・・、おれが言わなくても解るじゃない。
会場 笑う
渡辺:これが佐藤にないとこよ、佐藤はさー俺みたいに才能ないからさ。
会場 笑う
才能無いからさー、こいうの出来ないからさー、感心する所一寸鈍いだよね。
野尻
:なるほどね、一寸鈍いのね、なるほど
渡辺:彼が悪いジャンなくて、解るだろう、いいだろうこれ、
会場 笑う
佐藤:
ドームを指しながら・・これ固くないの。
(笑いながら)この下は固いけど。何でこれが固いのかコンクリートだから固いなんて言われてもねー、単純な話しをしようとしてるのに、コンクリートだから固いの、上のドームのほうはヌメっとしてるよね
会場笑う
渡辺:ま良いけど
会場:入り口のこういうのが恐竜みたいですね。
渡辺:うん、
龍だもん。
佐藤:あんた良くわかるね。
会場笑う
w:龍だと思ってやってんだもん。
佐藤:言わなかったけど、屋根とかも波打つてうねっているよ。
繋ぎ部分スラブ
佐藤:これは奥が玄関で、吉岡邸であったでしょう、家の中に家が有るていうの、これが宿直室なんだけど、さっきのヌメーとした、龍の背中みたいな屋根の下、また屋根が付いて、しつこいぐらい屋根がある。
渡辺:そうね
佐藤:お金が無いからブロックでやっているだけなんだけど、これはね華麗な建築なの。普通の人が見ると汚いと思うんだけろうけど、華麗なの。
会場: ブロックが良かったですね。
佐藤:ぼくはこんなに華麗な建築をみたことない、といったら喜んでた。玄関が後ろで反対は体育館なの。
渡辺:佐藤がそう言ってくれたから嬉しいけど、
こんなの自信満々でやってるのよ。
会場;笑う
佐藤:どの辺が自信満々なの
渡辺:ばーか佐藤、
会場笑う
渡辺:これ、これ、このブロック。
佐藤:ブロックが自信満々なの。
会場 笑うブロックは昔からやってますからね
佐藤:こんなブロックは何処ででも売ってるじゃないですか、こんなもの。
渡辺:
物事とは常に対比なのよ。さっきも言つたじゃない。僕の場合常に対比があるの、表現したいこと一杯あんのよ。
佐藤:これは対比じゃないないなー
渡辺:馬鹿・・・
佐藤:ここは直線だし、ここも直線だし、ここだけぬめーとして、
渡辺:さとうおまえ、と立ち上がる、
阿藤:アントニオ猪木との対決見たいになてきたなー
会場笑う
渡辺:佐藤これとの対比やんか、
佐藤:これ直線同士じゃないか
渡辺:馬鹿、これとこれの空きと閉鎖さ。
佐藤:そうですね
渡辺:ある素朴さ、
佐藤:華麗さ
佐藤:華麗とは言わない。こいういうモノとの対比をやった
佐藤:普通の人は判らないよね。緻密なんだよ。
渡辺:ただね、建築家がそう言うと当たり前の話しになるし、自己弁護になるけども、多分そういう建築やったヤッいないよな。
コルビュジェ以外。コルビュジェ大好きだけど、彼がすごいのが他にあるけど。酔っぱらったから、ゆっくり話すけど。
・・ドアスライド・・
会場フォー、あぁー

渡辺:綺麗でしょう。、これが僕の絵。渡邊豊和絵うまいと思わない。これ僕の抽象絵画だもん、僕は絵はもっと上手いもん。だから建築家になれと言われたんだもんお袋に。お袋よ。
会場:へー
佐藤:こういうの地球庵にも有ったでしょう。ステンドグラス。気が付いてたと思うけど。こんなこと普通やるかね。手で書いても。ガラスはまってる。
渡辺:ホントに絵心有るヤツは、これなんよ、この二つ。絵心とはそういもんなんよ。解った。佐藤にはないんだよ。おまえは詩人だけど絵心ないからさぁー
佐藤:勝手なこといわないでー
会場笑い
渡辺:俺の方は天才画家だから、
佐藤:いいんよ、二人で掛け合い漫才、じゃないの・・
会場笑う
佐藤:この蒼と赤は何んなのよ
渡辺:わかつた悔しさは解った、な、な、これは無理や・・才能は圧倒的に上だから
佐藤:こんなものだれも気が付かない。現地では・・
渡辺:そりゃそうや、それは解ってる・佐藤よ、たったふたつなんよ
佐藤:これから聞き出しましょう
渡辺:お嬢さん解った。
佐藤長女::全然わかんないねー
・・玄関天井見上げスライド・・
佐藤:これはすごいんだよね。玄関の天井だ。標準住宅にあったっじゃない、穴、柱は途中でちょん切れる。これ無くても大ジョブなんでしょう。
渡辺:んん、あるほうがいい。
佐藤:住宅建築に無かったですけど、渡辺さんの自邸にはある。渡邊さんの自邸にはこのぐらい狭い所にはまってるんですけど、男性的な形態とか女性的な形態とか、曲線と直線。開いてるとこと開いてないと、明暗、この対比が絶妙ですよね。こんなこと出来る人いないんだよ、やろうと思っても出来ないんじゃないの。
・・・体育館ホールスライド・・
会場 きれーい
渡辺:これですよ、おれが言いたいの、良いでしょうこれ。
佐藤:龍神村の体育館にあったRC格子ね。
渡辺:僕の思いどおりにやったの、これ始めて。
会場 ブロック
渡辺:ブロックじゃなくて木造部ね思い通りにやったのは。
佐藤:これから内部出てくると思うけど、龍神村の体育館より密度が濃くなる、木柱の間隔が狭くなる。龍神村のは4メーターこれは2.5ぐらい。これはすごく華麗ですよ。
・・アリーナ部スライド・・
佐藤:龍神村の体育館の天井は木の枝みたいになっていたんですが、これは端正に直線になり、同じ形の繰り返しなんですが、密度と垂木の過剰さが下から見るといい感じですね。
渡辺:僕はこれは大好きなの。
佐藤:そんこと最初言ってなかったんです、僕はこれはすごくいいと思い、言ってた。
渡辺:そうかおまえに言われて、そうなったのか。
会場笑い
渡辺:そうかもしんないな。
佐藤:これは密度が、いい。
渡辺:佐藤はいい感覚してるから。
佐藤:龍神村は学会賞もらったんだけど、俺はこっちのが、圧倒的にすごいと思った。コンクリート格子も、さっきは首当たりから見たのね、格子の間からフレームを見たの。これは単純な形になっていて、龍神村の方は四方八方に枝が伸びてたけど、ずいぶん整理され、コンセプチャルな、なんて言うか単純な同じ形の繰り返しになっていくすごさだね。
・・・廊下スライド・・・
佐藤:あっこれ廊下。
渡辺:これ良いでしょう。
会場 いいですねー
佐藤:床ツルンとして壁ごつごつして、梁ヌメーとして
渡辺:あのね、ぼくの特徴はこれなんよ、真っ直ぐにこういうヤリかたね。日本の建築で言えばなになるのかなー。日本の建築の特徴を知って知らない振りしてやってる。君東北大だろう。
菅波:はい
渡辺:結構おまえに意識してしゃべってるんだよ。
佐藤:急に男を意識してしゃべる、困るね。
会場笑い
渡辺:古今東西の建築史知ってる男だからね。
菅波:建築やるのに建築史って必要ありますか?
渡辺:無い、間違いなく必要ない。
会場笑い
渡辺:これ見てご覧、この表現に出さない。
佐藤:実際見ると貧相な建築に見える、何も知らない人は。材料しか見ないから、教室の壁ブロックだからね。当然豪華な集成材のうねりは見てない。壁しか見てない。
・・特別教室スライド・・
佐藤:特別教室なの
渡辺:これはオレの絵だよな、左手で描く絵だよ。
佐藤:穴だらけ、普通の建築家はこいういことできないの。
渡辺:おれが左手でかく絵なの
佐藤:普通はできないの、こう穴があって、全部不揃いな穴なの。これは出来ないの
渡辺:クレーって画家知ってる。
僕は左手でクレー描くの
会場笑う
佐藤:
左手のクレーと言ってくれと言われても
渡辺:僕は絵描きとしても、成り立つと思う。
佐藤:色彩綺麗ねだね
会場ふんふん
渡辺:俺は自信あるから、絵描きになれた男だから、それが左手で描くとこうなる。左手は比喩よ。
佐藤:過剰なサービス、下の絵だけで成り立ってるわけじゃい、この上の天井を、渡辺さんのすごいとこで、ここから上をサービスする。
斉藤:建築がすごいとこですよ。
佐藤:建築がすごい、なんで
斉藤:絵画だったらそこで終わっちゃうけど、建築だつたら屋根もかけるし天井もある
渡辺:これ絵画としても絶対自信あるの、
自分の絵の才能を圧倒的に信じてるからね
斉藤:解ってます、画家なんかよりすごいと言うことは、天井を見せることでしょう。
渡辺:君たちだって出来ないよ、この絵の美しさ、これはやっぱ自分でも才能あると思うね。絵を描くんじゃないのよ、見てご覧この美しさ、クレーよりもすごい。絵のすごさなのよ。ずーっ忘れてたけども。絵のすごいさなのんよ、建築なんて
佐藤:(笑い)本当すごいね、過剰なサービス精神。
渡辺:よう、出来たとおもうよ
・・・見上げスライド・・
s:これは集会所かな
・・模型見下げスライド・・
佐藤:模型を真上から見た絵だね。右側がの頭の部分が体育館で
渡辺:何言いたかったかというと、日本はヨーロッパのもの入れたんじゃない、小学校でも。中庭方式だけ入れ無かったの、だから、
二重にわざと入れたの。これが前衛ってもんなの、前衛とはね、
東北人のすさまじさ見せてやれと。
全てそう俺の生き方が。それだけじゃなくて、中庭はヨーロッパの連中はちゃんとやってたのにさ、日本が何で受けなかったか、僕にはわかんないけど、京都が受けなかったんだよ。
じゃ東北人の僕、しかも自分の生まれ育つた町でしょう、じゃやっておこうと。俺が死んでもこの建築だけ生き残る。いっつもそうよ。
佐藤:この形繰り返してるじゃないですか、
渡辺:繰り返さないですよ、僕は。それが一流てもんなの。佐藤わかるか?便所に行って来る。
会場大丈夫
佐藤:説明してないところが巧いんだよね、説明してないとこが
斉藤:いないとこで
佐藤:そうだね。この角、同じことやっちゃう。ここにもドーム、ここに標準住宅、自分が作って来たモノはめて行く。公共建築物にはめていく、普通は出来ないですね。説明が付かないじゃない、堂々と平気でやる。鬼のいぬまに進みましょう。
・・模型立面スライド・・
佐藤:立面です、中には体育館。このポツ窓は最初でしょうかね、なかなか良いですね
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