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2002年6月1日 藤本壮介さんと建築あそび記録
藤本壮介さんは福島駅に16時30分頃着かれました。藤村さんも同じ新幹線で着き我が家へ。みんなが集まる前にチョイト一杯のツモリが数杯呑んでワイワイワイワイ・・恒例の記念写真撮影デシカメをする
毎度集まる時間がバラバラの建築あそび今回は人が集まるのでしょうか・・心配心配しながらワイワイしていると、まとにかく飯喰って待とーや・・で宴会が先に行われました・・
腹へってる参加者、すっかり藤本さんの話を聞くのを忘れたかのように・・食べる飲む・・呑むしていたんですが・・あたりも暗くなって来たし・・それじゃー・・
建築あそび本番である 藤本壮介さんの 講演会を始めましょー
拍手 パチパチパチパチ
s そんなにー・・はじっこに居ないで・・若林君もっとこっちへ
勉強する人は前に行ってー 石垣さんもー・・
w それじゃ失礼あいます
s スケッチブック !!・・
会場 いーいー ワイワイワイワイ 笑い
f みんなリラックスしてやって
会場 笑い
y 有元もメモとんないとだめじゃなーいの
s 俺 webで公開しないかもしんないんだぞー
sg そんなわけない・・
m そこに居座られるとさー
s じゃ行きましょうか、電気消さないと・・消してくれる
ウーワ!!・・いいねー 会場 拍手パチパチパチパチ☆スライド1
藤本壮介氏登場ー・・でもないか・・
じゃお願いします 藤本です.。今日はとりあえず時系列で、・・時間通りに入れてあります。ここに映っているのは
一番はじめに建てた建物です。
場所は北海道で、
精神病院の建物、増築っていうか
建て増し・・別棟なんですけど・・実家なんですよ・・94年ぐらいに、まだ20世紀でしたけれど94年ぐらいに設計をして、そのあと・・竣工したのは96年だからもう5年以上前です。
初めてだったんで・。まー、親が施主だったのでそいいう意味では楽だったかも知れないんですけれども、お金は足りない。
機能は作業療法棟という建物なんです。どんな感じかというと、精神病院の患者さんが、わりと簡単な作業みたないのをして、治療をする。そういう話しなんですよ。
すごくシンプルな建物で作業スペースという大きなスペースっていう大きいなスペースが有ってあと事務室が有って、休憩スペースがあって、玄関とトイレというすごい簡単な建物でした。
ここでやろうと思ったのは、そうですねえ、要求されていたのがすごく単純な、シンプルなものだったので、その
単純さというのは残したいと、一方で、単純さが単調さになってはつまらないから、まあ、できるだけいろんな場所があるような、そういうものを考えていました。
s 一寸まって下さいね。電気つけてくれる。
f
いきなりー・・う・・
笑う 藤本をかまわずビデオカメラの位置を変えようとしている
s 声が小さいからもう一寸前から撮ります。声がはいんないと困る
もう一寸前に持って来て
m プレッシャーになる気もするけど・・
f いいですよ。こっちだけ撮ってください
s 台が邪魔なんだよね。片付けてくれないと
m なにが入っていればいいの、声と・・
s 声と画面
m 顔は
s 顔は入れてもしょうがない
会場 笑う ワイワイ
s 台 邪魔なんだよ縦にしてくれる・
台を片付け始める会場 ガタゴト ガザゴソ・・
s なかなかスタートが うまく行きません、
ガサゴソガサゴソ
s もう一回 最初からやってくれるつもりあります
会場 笑う いいじゃないですか・・
s いい かなー
☆スライド2 開始・・
で、まあさっきの続きですが、この
建物は、1つのチューブで出来てるんですね。1つのチューブを、この写真のように、ぐるっと丸めて、重ねて、そうしてこういう
カタツムリのようなものになっている。そうすると、
一つのチューブ空間でできているというシンプルな面と、それが曲がって、重なったりしていることで、狭いながらもいろんな場所ができている、そういう二つの面が同居しているようなものを作っています。
あと、ぐるっと丸まっていることで、中に入ると、
常に見えないところがある。曲がっている先のほうが見えない、死角がある。そういうのが、ある広さ、奥行き、見たいなものを作っています。僕はそういう空間がけっこう好きなんですね。
見えないところがあることで、実際の面積以上に広く感じるし、ぐるぐるとずっと歩いて回りたくなる。そういう建物です。
自分ではいいなーって思って、
会場笑い
スライド3
やっぱりね・・これが雑誌に・・
思いっきり載った時には一寸ショックを受けましたね。96年に竣工したんですども、結局雑誌に載ったのが98年で。それはなんでかと言うと、雑誌に載せるの・・どうやってやってやればいいのか、よく分からなかったというのがある。
北海道に居て・自分でこうやって竣工写真は撮ったんですけども、雑誌はちょっと恐いので・・
会場笑う
いろいろありまして。どうーしよう、どうしようと思っているうちに2年ぐらい経ちましてねー。そのうちいろいろ人に聞きと、「
とにかく写真を送ればいいんじゃないの」っていうことになって・・。s社に送ったんです。それで2年後ぐらいにようやく載せてもらいました。
コンクリート打ち放しに木とか使って、ルイスカーンが好きだったので。
実務設計・・何を先に勉強したんだという話しが有ったんですけど。
ルイスカーンの作品集とか、その時流行っていた
ヘルツウォークとかを・・見て、それをそのまま見て真似するというかな・・(笑い)。真似するというカタチを(笑う)とりましたね・・。
もちろん表面だけ見て、裏側真似するのでいろいろ無理してるんですけども・・そういう意味では、
一生懸命やったなと思います。
窓の納まりなんかも一寸ぼやけて見えないんですけども。内側のコンクリートと外側の木壁の間にアルミサッシを挟み込むような感じになっているんですね。
アルミサッシって言うのにあんまりいい印象もってなくて。「
安っぽいなー」と思っていたので、なるべく見せないようにしたかった。・・でたまたま「
外断熱にしよ」と言うことだったので、コンクリートを欠き込んで木を上からかぶせて。アルミの断面とか、横から見たときにアルミが見えないようにしています。そういう
デティールなんか自分で勝手に考えてますねーやりました。
この手前のドアなんか結構・・作るとき苦労したみたいで。躯体にそのまま枠をくっ付けてドアを付けたんですけど、あんまり 目地とか・・取らなかったです。
ドアを作って来て、いざ・・はめ込む段階になって・・込む段階になって
佐藤 笑う
填んないという(笑う)・・現象がおこりまして・・
会場 笑う
躯体が単純に歪んでいてですね。
ほとんど全部のドアが填んなくてですね・・(笑う)その場で全部・・削ってましたねー。いろいろ申し訳ないなーと思いつつ・・一応それらしい顔をして、腕くんだりして、
佐藤 笑う
見てましたね・・
会場 笑う
いろいろ・・照明なんかも・・ズーット一列付いてますけど。向こうから二番目の照明なんかは休憩室からですと、直ぐ触れるぐらいの高さになっちゃうんですね。さずがに「
ハロゲンランプでは一寸熱いとか、危ない」とか言って、線が入ってません。あの照明は・・飾りで・・一個抜けてると格好悪いから・・(笑う)・・
会場 笑う 佐藤 いいね
でもこういうふうに見せたいっていうのがあって、照明がズラーッと並んでいるようにですね、見せたかったりして、勝手にやらしてもらってますね・・こうやって
s いいねー
☆ スライド 4
これはs社が撮ったもので、けつきょく雑誌に載らなかったんですけども。右側の所は便所とか倉庫とか入っている壁で。やっぱり向こう側がちょっと見えない。階段が微妙に見えてて、「
向こうに空間があるんだなー」という感じ伝わってきて・・、
でー・・天井がちょっとオレンジっぽく見えてるのは、単純に床に反射した光がまた乱反射してですね・・床がちょっと赤いんで、赤っぽいんです。
この写真は「
この建物のいい部分を捕らえてるかなー」と思うんですけども、このへんは後で説明します。空間としては結構こういう感じで柔らかい空間がモコモコ繋がっているって感じで、
常に向こうがあるような、そいいう場所になったなーと。
自画自賛しても(笑う)しょうがないんですけども、そういう感じです。
天井高が角が見えてる部分で4m一寸ぐらい。一番高いところで6m一寸あるので。人が大勢・・2〜30人入るんですけど、人が入った時の方がむしろいい感じになる。人が入って
下の方がザワザワしてるんだけども上の方がすごい静かな空間がまだ残って
、絶妙なバランスになっている・・という感じがしますね。
☆スライド5
これは夜です。これは事務室です。先ほどエントランスが食い込んでいる所があるって。・・で二番目の照明が光ってないというところがバレてますけども(笑い)・・
会場 笑う
これは僕が撮ったのでこうなってる。雑誌の人はですねー「
光らないのは困る」って言うことで二番目の照明が丁度サッシに重なるように撮ってましたが
会場 ほんと インチキだ・・笑う
でー戸棚とかもデザインをちょっと加えたりして、この頃っていうのは、今もそうですけど貴重な経験だったので、その時出来る範囲でいろいろやってみようということで・・
☆ スライド6
これは後ろ側から見た・・ちょっと雪が降ってますけど。こんな感じで小屋というか、中の写真の次にこの写真が出てくると
同じ建物にはちょっと見えないと思うんですけども。
そういうギャップが楽しいわけではないんだけども、あんまり直ぐには全体が分かんないような建物になっていると面白いなーと思う。
外から見たときに中があんまり分からない。中に入った時に全部がいっぺんに分かんない。歩き回ったいるときに段々把握されてくると、そういう面白さは有るかなーと。
☆ スライド 7
これはですね・・病院のグランドが手前にあるんです。ここから撮った写真です。これはなんでココに入っているかというと、s社に写真を送った時に・・いろいろ何枚か送ったんですけども、どうもこの写真に反応したらしいんですねー。
佐藤 笑う
それは水に映っているモンですから、んでこれは良いんじゃないかと言うことで写真を撮りに来てくれたようです。日本の建物・・北海道はちょっと日本ぽくないという雰囲気は確かにあるですけども。この一枚が確かに表している。 この水っていうのはこの、池とかじゃなくて、ただの水たまりなんですね。撮影に来たときに、「
あの池みたいなのは何処にあるの・・」と聞かれたんですけど、ちょっと答えられなかった・・
会場 微笑む
(笑い)いろいろですね。建物を見た時に
非対称な感じに、後ろから見たときは
普通の小屋。反対側を見るとちょつと非対称な感じで、カタツムリみたいな感じで、そんな面白さ。
ちょうどこれは最近出来た
横浜港のコンペ結果が出た頃だったんですね。
ああいうヌメヌメっとして連続しているモノをやっぱり・・面白いなと思って。自分なりになにか勝手にやってしまったところがありました。だから最近横浜港が出来たってかなり感慨深いものがあるんですけども。そういう頃でしたね。
(02年8月15日作業療棟のフォトコラジュ付きました。リアルな体験に近い・・)
☆ スライド 8
実施があんまりなくてですね、プロジェクトこの後沢山出てくるんですけども・・これはいまのが出来てから・・その年の秋ぐらいに今度は「
大きい精神病院 本体を作んない」という話しがありました。これは実家じゃなくて、知り合いだったんですけども。やっぱり北海道で「
精神病院全体をとにかく立ち上げる」っていう話だったんです。面白そうだなって思って案を作ったんだけども、まあいろいろありまして、結局ポシャッてしまいました。
今でもその病院とは付き合いがあって、後からプロジェクトが出てきますけれども、幾つかやらせてもらっています。これはですね屋根の形のダイヤグラムを表していますけれども・・次行きますか・
☆スライド9
これが敷地なんですね。敷地にモンタージュしてます。丘陵地帯なんですね。丘がこうー波々続いていて山に繋がって行くような場所で。その牧場だった場所を何故か格安で買い取って、そこへ精神病院作ろうという夢のような話しでしたね。
実際その敷地広いんですけども、そこにどんな建物を作ろうかということになって。院長先生といろいろお話なんかをして、結局提案をしたのがこれなんですね。緩い
1/10ぐらいの傾斜の斜面が続いているので、そのまま生かしてあげようということと。
一寸分かりづらいんですけども、さっきの屋根の形ですけれど、
切り妻みたいな波波の屋根をですね。ズーッと架けていって徐々に登って行くようなそういう建物にしようと。
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