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南泰裕さんと 建築あそび記録 5-1
2004年2月18日南さんと仲間達のHPが開設されました
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2002年11月20日東大出版会から2900円+税で著書がでました
2002年8月22日建築あそびのゲストとして南泰裕さんをお招きしたのは今年の6月10日原宿で開かれたエディフィカーレの会 の後宴会でお話をして、偶然というか強引に南さんが設計されたパークハウスの現場に押し掛けて行って大変興味深いと感じました。そこでは重要な事を考えながら実践している建築が展開されていると自覚したので、無理を言って来ていただきました。
建築あそびの前にオープンハウスの案内をいただいたので、入居寸前の建築を見学しました。その機会に写した写真を元に体験記とパークハウスのフォトコラージュを作りwebにアップしました。
仕事の関係で今回の建築あそびは平日になってしまいました。食べ物の準備など、準備に人手がないので総勢10人と制限しましたが、15人も集まってしまいました。
南泰裕さん・松田達さん・大成優子さん・関根真由紀さんたちは東京から数日前に出掛けて北上しながら方々の建築を見たり、観光をしたりして3日めのなるとかで、夕方5時頃かれました。遠いところ御苦労さまでした。まずは恒例の記念写真を庭先で撮りました
その後オランダに行ってしまった、藤村龍至さんや京都の内田康博さん・仙台の八重樫直人さん・菅波哲也さん石井順子さんが来て勢揃い。講演前にまずは焼き肉と日本酒とビールで乾杯 !(^^)! ワイワイギャヤガヤと1時間半ほど腹ごしらえ・・・ではそろそろ講演始めましょう・・
O シルエットで行く・・笑い・・ では始めます
大成スライドを投影する
sココ 明るいね 向こう消して来ます。じゃ行きます皆さんヨロシク
☆
スライド1
南と申します。どうも。今日はヨロシクお願いします。佐藤さんに今日はお招き いただきまして。ふつつかながら簡単にお話させて頂きたいと思います。
僕は
原広司さんという建築家の
研究室にずっといて、長らく学生をやっておりまして、それから独立して、今は設計 をやっております。あとは少し大学で教えたり、研究をやったり、文章を書いたりしているわけですけれども・・。今回話をセヨという命令をですね・・・(笑い)佐藤さんからいただいたんですが(笑い)
会場 微笑む
あの・・今回は何の話をしようかなーと思ったんですが、まずこのスライドを見て下さい。このスライドは、1995年の2月に
有志と行った展覧会の会場写真です。・・
95年の当時、僕はまだ大学院にいまして、
エデフィ カーレという建築集団のグループを作ってました・・前回いらしてた
槻橋修さんとか
山中新太郎さんとか、それから
五十嵐太郎さんとかと、学生のレベルではあったんですが、
彼らと同人誌を出したり、セミナーをやったり、研究会をやったり、いろいろと一緒に活動してまして。その時に本郷の方でギャラリーを借りて、エディフィカーレのメンバーで
都市をテーマとする展覧会をやったんですね。その時の様子です。
スライド2
こん時はですね・・うー・・今から
7年ぐらい前なのですけども、
自分が建築を語る資格というのは無いなというふうなことを凄く感じてまして・・
でも都市だったら少しは自分が何かを語ったり、表現したりする資格はあるかなーと思ってまして・・。
この展覧会では大きく分けてスケールをですね・一万分の一から一分の一というスケールに至るまで5段階にスケールを分割して・・で千分の一、百分の一、十分の一、一分の一と
各スケールと横断するようなカタチで思考を展開したときに、何が見えてくるのかということを考えたんですね。
これは1万分の一に関するオブジェの一部なんですけども、簡単に言えばスケールで一万分の一という、都市的なスケールのレベルなわけです。細かいものが捨象されて、例えば
集合の濃度とか、交通とか、インフラストラクチャーとか、そう言う抽象的で記号的なレベルの、諸々のエレメントが際だって来るので、そうした
イメージを表現する、ということを考えたわけです。
☆スライド3
これも同じですね
スライド4
これも同じですね
スライド5
これは会場の風景の一部なんですけども・・・この辺に貼ってあるのはあのー・・街のコーナーに展覧会場のギャラリーがあって、入場無料だったのでその辺の一般の人達もドンドンドンドン入ってくるんですね。それでとにかく「
抽象的で難解で判りにくい」という批判を一斉に僕は浴びまして、
(微笑む)とにかく説明してくれっていうので、ここに
一般の人の質問が書き込んでいって、その質問に全部僕は応えるというかたちとったんです・・・
・・
会場 笑う
その試みが結構実は好評で、それが
良く分かるということで質問に対する
答えが毎日増えていったんですね
☆スライド6
これは一万分の一のドローイング。これについては、会場に見に来たおばさんがこのドローイングを購入してくださいまして・・
会場 お・・ほぉー・・
それは阪神大震災の寄付金ということで、日本赤十字社に寄付したんですけど
☆スライド7
これも一万分の一のレベルのオブジェを作ったものですね
スライド8
こんどはその千分の一のレベル。
スケール毎に何が問題になって来るのかということを、ずーっと考えてまして。
千分の一ぐらいになると、今度は都市と建築の中間的なスケールということで、街部のブロックとか、なにかそういったものが見えて来るんですね。でそれを少し見ておこうと・・ここにあるのもと・・これとこれは対応してるんですけれども・・ブロックの中を
交通の素子、つまり交通子が飛散して展開して行くようなそういうイメージを考えてまして・・
スライド9
これがそうですね・・
スライド10
これも大学の工場で、ジェラルミンの金属板を切断して、それからブラスとかけて作って行ったんですけれども、
一つ一つのブロックが細かい差異を持ちらながらも、群島のように繋がりあってるそういうイメージを形にしたわけです。
一寸枚数があるんでこのところは早めに行かせて頂きます
☆スライド11
これは今のオブジェと対応しているんですけれど、千分の一のレベルのドローイングを描きまして・・。哲学者の
ドゥルーズ=ガダリと言う人がいますけども、その人たちが・・
都市とは何かという話を・・色んな言い方をして説明していて・・・、例えば「
交通のみで構成された何ものかである」とかそういうふうな言い方をしているんです。
この
当時の僕としては
そういう風なものの言い方にひどくリアリティを感じたわけですね。実感として手応えを感じるというか。
例えば
都市社会学とか
都市地理学とか、諸々の都市に関連する学問のフィールドを眺め渡しながら、いろいろと検証してみてみると・・実際になにか現在の都市に関連する認識というものが、ある部分においては共有されていて、オバーラップしているんだなーというのが見えて来たんですね。
例えばその「
開拓すべき外部が無い」とか、「
植民地化すべき未踏地が存在しない」か、
建築であれば新しい建築を建てることがもうできないとか、なにかそういう風な事をみんな言うわけですね。
空間的回避とか
生産過剰とかいろんな言い方があるんですけども、そいういった中でドンドンドンドン
都市の密度が高まって行って、尚かつ都市の境界みたいなものが非常に定かでなくなって来て、それが内部に折りたたまれて高密度化されて、見えない高度なシステムを構築して行く・・というイメージがありまして、あながちそれはズレテないなーというふうに少し思いまして、それを表現してみました。
でー・・こんどは千分の一のものを百分の一に落として行くと、ドンドンドンスケールアップして行くんですね。
チャールズ・イームーズという建築家が「
パワーズ・オブ・テン」とい映画を作っていて、地球規模のマクロなスケールから原子レベルのミクロなスケールにまで
一気に横断するということをやってますが・・、とにかうその
スケールを一気に横断する事によって、都市と身体との、非常に隔絶した距離を、どうやって認識するかというようなことを考えてます
☆スライド12
ここにあるのが今度はですね、さっきの千分の一から
抽出した百分の一のオブジェなんですけども、実はこれは
槻橋君が作ったんですけれど・・さっきのものは僕が全部やったんですが、一緒に活動してた・・
エディフィカーレっていうグループでこの時モノを作ったのは僕と槻橋君の二人が中心でした。
当時大学院にいまして、なにもやることが無くて暇で延々と槻橋君と二人で議論して。最初はですね「
一緒にやりたい」という人が増えてくんですけども、だんだんみんなシンドイから脱落していくんですね。
一時的な参加者自体はものすごく多くて、ほとんど小学校の1クラス分ぐらいの人数の参加者がいたんですが、
気が付いたら僕と槻橋君だけを含めて数人しか残ってなかったというか・・そういう感じになったんですね。
☆スライド13
これもそうですね。百分の一スケールで見えてくるエレメントを翻訳して、それからオブジェに変換したものですね
☆スライド14
これもそうです。これはさっきの立方体に対して、・・プラトン立体ではないんですけども・立方体に対して・・非常に単純で抽象的な円柱をモデルにして作られてものです。一番最初にタイトルが写っていたんですけども
タイトルは「
都市を抹消し交通開放系の裸体を想像せよ」いうような、一見したところよく分からないようなタイトルを僕が付けて・・僕のなかで
マルセル・デュシャンのなにか諸々の言葉とか・・オブジェとか、
言葉とオブジェの齟齬みたいなものがあって、そんなタイトルを付けたんですけれども。
・・そしたら丁度コン時に・・準備をしている真っ最中に
阪神大震災が起きて、実際に都市が抹消されるような光景というものに立ち会って・・なにか図らずも予言的になってしまったことに驚いた記憶があります
☆スライド15
今度は十分の一。百分の一っていうと、一般的にはまず基本的な建築のスケールだと思うんでけれども。
十分の一になってくると、例えば設備であるとか身体というものが視覚に入って来るわけですね。十分の一のスケールで見えてくるものを
抽象化してまた新たに表現しているものです。部分的に例えば写真家であるとか或いはビデオを制作してくれる人とかそういう人達とも少しだけコラボレーションしたんですけども・・
☆スライド16
これは十分の一スケールの別のモノで写真家が撮ったものをコラージュして作られた作品です。これも槻橋君が制作しました。
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